庭師の観てきた!クチコミ一覧

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リビング(公演終了!!)

リビング(公演終了!!)

カスガイ

王子小劇場(東京都)

2009/04/22 (水) ~ 2009/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

旗揚げなので初観劇、愛。
愛の演劇家玉置玲央が放つ、渾身の作品。珠玉。
脚本・演出・役者・美術・曖昧さと爽快感のバランス・愛◎

この題材を取り扱った、と言うよりも、人間の根源的な欲求「性」と「生」についてとことん突き詰めた結果と過程が生々しく提示されていた感。
人間であれば、この作品を観て何も引っ掛からないはずはない。

とか、言葉で語るべきではないとも思う。
これは劇場で観て、感じなければいけない作品。
29日までしかやってない。何でだ。もっとやれ。ば良いのに。

ネタバレBOX

冷静になって考えると、全員が全員、嫌われても仕方ないような行動、発言、態度の、どうしようもない人物造形。
ところが、嫌だと感じつつも愛おしさも感じる、何とも不思議な演出。これが玉置の演劇愛か。
もちろん各キャラクターは、如何ともし難い理由を抱えているのだけれど、それに頼り過ぎていない。その理由から数歩先の問題と直面している。ここに、何とも言えない現実を見る。

「出てけよ!」の一言で泣かせる。
この一言が発せられるだけで、様々な物語が喚起される。見事。
ラストシーンが、エクスタシーにもオルガズムにも受精にも見える。
ゾクゾクする。


PPTにて、演劇で人を救いたい、と玉置は言う。
しかし、最終的に姉と弟、どちらが救われたのか、という問いには、
「どちらでも構わない。観る人によってはどちらも救われていないと感じるかもしれない」と。
舞台上で何かが救われるのではなく、観ている我々が救われるのだ。
我々が、勝手に答えを見付けるのだ。
まさにカタルシスではないか。

舞台が、明確な答えをぶつけてくるのではない。
生きているということをぶつける。
生きていくということをぶつけられた。
清々しい。


各々が、生きていると言うことに対して何かを思うこと。
各人なりに考えること。
たとえその思考が一致しなくても、一緒に何かに対して向かっていく、という意味で共有している。
ホチキス米山氏が、「文化祭のあの楽しさや、終わり際の切なさといった感覚を、一生味わっていたい」と発言。玉置も共感。僕も共感。
演劇は作り手としてそれを感じることが出来るけれど、観客と作品とが混じり合うあの数時間の間だけでも、お互いに味わうことが出来ると思っている。
それを、今回はたっぷりと感じられた。
大変満足。

リビングというタイトルが、実に巧い。
トカゲを釣る-改-

トカゲを釣る-改-

スロウライダー

新宿シアタートップス(東京都)

2008/09/02 (火) ~ 2008/09/07 (日)公演終了

初めてのスロウライダー
役者・美術・脚本・演出・構造・音響◎。何で今まで観なかったんだろう、と。

15 MINUTES MADE VOLUME4

15 MINUTES MADE VOLUME4

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2008/08/28 (木) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

三度目の15 minutes made
ちゃんと面白いところ、凄いところと、んーどうなんだろう、ってところ、半々ってところが素敵。

真説・多い日も安心

真説・多い日も安心

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2008/08/21 (木) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

幾度目かの柿喰う客
役者・演出・美術・音響・大人数・一部の変な設定◎。もう一段階裏切って欲しかったところ。にしたって、こんだけの大人数の捌き方は見事、の一言。

いつもの中に、沈む

いつもの中に、沈む

各駅停車

OFF OFFシアター(東京都)

2008/08/27 (水) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

二度目の各駅停車
役者・美術・空気・照明・演出◎。役者の演技の質感に大きな差があったが、それでも何処かでこんないたたまれない生き方をしていそうな人々で、非常に心揺さぶられる。如何ともし難い、のだよなあ。

ボクコネ

ボクコネ

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

幾度目かのタカハ劇団
役者・照明◎。初演の方が演出の勢いを感じた。

えっと、おいらは誰だっけ?〜Cash on Delivery〜

えっと、おいらは誰だっけ?〜Cash on Delivery〜

傑作を遊ぼう。rorian55?

ザ・ポケット(東京都)

2008/08/13 (水) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

二度目のrorian55?
徹底したファルス・音楽・宣伝美術◎。マイケル・クーニー作品は初観劇。レイ・クーニーより温かいが、どうにもそこが甘さに感じる。

星影のJr.

星影のJr.

庭劇団ペニノ

ザ・スズナリ(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/20 (水)公演終了

何気に初のペニノ
美術・役者・構造・脚本・演出◎。ギリギリのラインで、凄く面白いと思う。

悪い冗談のよし子

悪い冗談のよし子

拙者ムニエル

本多劇場(東京都)

2008/07/31 (木) ~ 2008/08/06 (水)公演終了

幾度目かの拙者ムニエル
役者、くだらなさ、音圧、小手さん◎。懐かしさすら覚えてしまった。

ローションパック

ローションパック

♂本番ナシ♀

atelier SENTIO(東京都)

2008/08/01 (金) ~ 2008/08/04 (月)公演終了

初の♂本番ナシ♀
空間、空気、役者、脚本◎

ネタバレBOX

1話目。個人的にとても大事な作品。根津氏の人間味がとても楽しい。
“Kiss me, deadly”

“Kiss me, deadly”

smartball

王子小劇場(東京都)

2008/07/04 (金) ~ 2008/07/14 (月)公演終了

三度目のsmartball
音響・台詞回し・役者・夏・三姉妹の造形◎
ナチュラルでアグレッシブ。

ネタバレBOX

自由奔放・清純・ヤリマンという三原則バッチリな三姉妹はとても魅力的。もっと際立ってもいいくらい。何も解決していないのに何とも言えない爽やかさ。もっともやんとしたがるのは、自分が男だからだろうか。
「乞食」こと白神さんは役名、演技ともに絶品だと思う。
俺を縛れ!

俺を縛れ!

柿喰う客

王子小劇場(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

幾度目かの柿喰う客
役者・美術・テーマ・素◎
柿喰う客の様々なスタイルを観てきましたが、この形が一番しっくりきている気がします。そして王子小劇場では手狭な雰囲気。観客が近過ぎて舞台全体のグルーヴが見渡せない。もう一回りくらい大きな劇場が丁度良いのではないかと。
ポスト・パフォーマンス・トークに出演させて戴きました。ありがとうございました。

ネタバレBOX

後半どんどん素に還って行く感覚はとても心地良い。そしてそれすらも投げ棄てる心意気。ラスト全員大熱唱の中、客席からかなり見えにくい所で踊っていたこいけけいこさんが最高に面白かった。
感情移入も許さない演出がたまらない。
闘争か、逃走か

闘争か、逃走か

演劇ユニットG.com

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2008/06/25 (水) ~ 2008/06/29 (日)公演終了

三度目G.com
出演者の奮闘・ボイスパーカッション○
これは受け入れ方が難しい。脚本自体が、価値を無価値化すべく走っているため、どうしても無価値な印象を抱いてしまう。

ネタバレBOX

闘争も逃走もしない、という衝撃のラストが、2時間10分の全てを物語る。おいっ!ってなる。なった。
あゆみ

あゆみ

toi

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/24 (火)公演終了

満足度★★★★

幾度目かの柴幸男
脚本・演出・役者・小道具◎
素晴らしい走馬灯。こういうものを、価値のある作品と言うのだろう。
無理して観に行って良かった。ダンスは少々蛇足な気も。

大怪獣サヨナラ

大怪獣サヨナラ

The end of company ジエン社

明石スタジオ(東京都)

2008/06/19 (木) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

二度目ジエン社
一部の鋭い台詞・一部の役者○
しかしながらとっ散らかっているので、波に乗り切れない。それが意図だったらば恐縮です。

杭抗(コックリ)

杭抗(コックリ)

乞局

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/06/04 (水) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

幾度目かの乞局
美術・メイク・衣裳・空気・脚本◎
願わくば、ラストの四世代同家系の対比がグワッと迫ってきて欲しかった。そこが肝ではないとはいえ。乞局の空気にどっぷりハマる役者さんだけで作り上げられた作品が観てみたい。

鮮やかな食卓

鮮やかな食卓

角角ストロガのフ

明石スタジオ(東京都)

2008/06/05 (木) ~ 2008/06/08 (日)公演終了

旗揚げなので初観劇
美術、漫画、耳鼻科◎

ネタバレBOX

女優角田ルミは、過去客演を数度観た中で、そのどれよりも良かったと思う。
出演者陣の技量のバラ付きが気になった、が、そこはプロデュースだからこそかしら。
ジンジャーに乗って

ジンジャーに乗って

快快

王子小劇場(東京都)

2008/05/15 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

4度目の小指値改め快快
かなり久々に観て来ました。以前より面白くなっているというか、作品としてきっちりパッケージングされてきているような感覚。洗練、でしょうか。格好良いことを格好付けずにやっているので清々しい。
演者、美術、選曲、セグウェイ、宣伝美術◎

ネタバレBOX

普通クリエイターは、面白いものや新しいものを創ったと思っているときは、それを格好付けてしまいがち。ところが彼らは、面白いものを面白いでしょ?とは言わないし、新しいものを新しいでしょ?とも言わない。そこが、格好良いし清々しい。斬新!と言えるほどの新しさはセグウェイには敵わなかったけれど。山崎君は逐一面白いなあ。天野史朗のぶっ飛びっぷりがもっと観たい。
空間照明に期待していたのだが、あまり生かされておらず残念。
※公演後の別団体(作家は同じ)リーディングプレビュー公演は、色々な意味で勿体無い感じ。
さよなら また逢う日まで

さよなら また逢う日まで

ブラジル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/20 (火)公演終了

3度目?のブラジル
色々な映画を思い出す。この面子じゃなきゃ出来ない代物を観たと思える。
役者・美術・音・照明・台詞◎

ネタバレBOX

自分は正しい!と熱弁しながらも客には疑わせる、という出演者の演技が素晴らしい。西山さんの演じていた役は、意外と僕らの日常だと思う。あんなことばっかりだ。
暗転と同時のカタルシスが最高。
プール

プール

タカハ劇団

王子小劇場(東京都)

2008/05/02 (金) ~ 2008/05/06 (火)公演終了

皆勤賞のタカハ。
怖さが物理的な怖さに収斂してしまったのが惜しい。もっと精神的に怖いと素敵。その準備は出来ている。始まり、展開、伏線、すべてがそこへ向かってるかと思いきや、否。不要な登場人物にはそれなりの意義が欲しい。美術・音・照明・小道具・水、スタッフワーク全般◎

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