満足度★★
政治的情勢の茶番劇かと
思ったら風刺も効いている感じではなく、大学のサークル内の出来事としても描き方が緩すぎて中途半端な印象。82分。
ネタバレBOX
結局タイトルは途中で自らネタバレさせる名前オチだし、舞台となる空間はサークル棟工事で追い出されてということの通路隣接の仮設空間というモノが溢れてる場としては理解しにくい設定だし、劇研が勝手に構内の桜の木を切り倒せたり、部室確保より撤去命令の出た立て看による主張誇示が重要視されたり、説得力のない過去が現在に時流を超えてやってきたりと後半の物語のデタラメさ加減と破綻は練りきれなかったからか。
前半に出てきたキャラがほぼ使い捨て気味に終わってしまったのがもったいない。
満足度★★★
知らんぷりをして蓋をして
やり過ごしたい部分に敢えて視点を置いた作家の勇気は評価できるが、その矛先が他方に向いてて分散気味か。78分。
ネタバレBOX
人が格下と思うモノに対する態度への嫌悪と立場が入れ替わったときの変わり様という見たくないような関係が一番の核になるポイントだと思うのだが、動物の処分施設というこれまた輪をかけて見ぬふりをしたい必要悪な場所を舞台にしたがために終わり方も含め、話の落とし処がぼやけてしまった印象。
重い空気の芝居の中で、ビリーズ・ブートキャンプのパロディというか完コピしたような動きは笑いも誘い、シーンとして救われるトコ。
満足度★
アングラっぽい一人芝居。
吐き出され続ける言葉の洪水とはうらはらに見えてこない世界観。受け取れきれずに時間だけ過ぎてしまった感の60分。
ネタバレBOX
一人芝居で語られるストーリーは役柄の変化以上に紡がれている物語が伝わってこなかった。町の姿、人が抱える運命、どれもが現実離れしており、語りだけでは全体像を浮かび上がらせるのは難しかった気がする。
場所は埃っぽさまで本当に廃工場そのまんまの空間。舞台として使うのであれば客席の居心地や明かり用のレールやバトンの設置まで考えてほしいところ。照明の当たり方は決して機能してたとは言えなかったし。
満足度★★★★★
戯曲のすごさを改めて確認。
横浜未来演劇人シアターとはまた違ったテイスト。それでも不条理な設定、奇想天外な展開は物語に引き込み、圧倒。135分。
ネタバレBOX
リアルな年齢層の父親達やしっかり作り込まれたセットが説得力を増している。バックステージツアーにも参加させてもらったが、細部までこだわって作ってる美術に感心。横浜版と甲乙つけるものではないが、今上演してるのはこの文学座版なので気になるなら見逃すなかれ。
満足度★★★★
時代の変化にフィットしてる
初演から役者も歳を重ね、時も経っているというのに、それでも自然に今なお色褪せずみせる作品の深みを感じる。100分。
ネタバレBOX
壁の色まで塗り替える大胆な美術と、エレベーターまでも有効に使っている構成は持ち小屋ならでわ。
この作品は自分自身も観る度に変化していて、細かい部分の理解度や、設定・状況に対する考え方も前に観たときとは違ったように思う。何年か毎に定期的に観てみたい作品である。
満足度★★★★
極端な不条理やナンセンスでは
ないし、大爆笑というわけでもないけど、会話や気持ちがかみ合ったりすれ違うったりを静かに楽しむ芝居。2幕180分。
ネタバレBOX
岸田國士の7つの短編からなる作品をシャッフルしながら、井手さんのダンスで繋いで。役者に力量のおかげで、長いけど安心して観られる。出演者がいくつも役を兼ねており、その度に和装を着替えて出てくるのがすごい。
満足度★
たしかに会話はリアルっぽいが
ただダラダラ時間を費やすだけでドラマ性は全くなく、この話を芝居として見せている意図がさっぱりわからない。83分。
ネタバレBOX
舞台はとある町の若者がたむろするBAR。そこに集う連中のあれやこれや。
暗転が多く、その理由もその間の時間の経緯も一定ではなく、服装も変わらずに次のシーンに進んだりするから、1時間後なのか、数日後なのか全然わからない。
プロットのみを決め、それを展開できるよう役者自身が考えて、台詞なしの芝居を成立させているということだが、場と出来事は決まっているが、筋や構想は到底決まっているとは思えない作り。
最後に暗転した舞台にテロップを流すのだが、それさえちゃんと読めるように映されていない。あらゆる点で見せるということに意識が足りないように思える。
満足度★★★
ジュヴナイルな冒険活劇。
「宝島」の時代や登場人物を使っての似て非なる物語。それなりにまとまっていると思うがもう一工夫ほしい。105分。
ネタバレBOX
キャラクターの名前やら時代設定までも元ネタと同じにしなくともという感は否めない。舞台美術も中途半端でセット自体もう少し質感を出すか、あるいは全く組まないところから動きだけで想像させるようにしてもよかったかなぁ、とも思ったり。ジュヴナイル仕立てということで、話がかなり少年ジャンプ的展開だけど人物の性格付けまで超越して大団円にすることもなかった気が。
満足度★★★
話は面白いと思うけれど…
抽象化と具現化のバランスが悪すぎて、舞台である町や人物の情景がイマイチ浮かび上がってこない。100分。
ネタバレBOX
廃屋の倉庫のような錆びたパイプに金網、木枠の箱のセット、そして本筋とは関係なく踊るだけ男と到底物語とは関係ないような美術とダンスにまずは違和感。その上に現実ではない近未来の突飛な設定にレベルが一定ではない役者の演技が余計に物語の輪郭や話の核をぼやかせてしまっている気がする。一点だけでも良いから見せたい部分に注目して構築してくれたなら印象は変わったかも。
満足度★★★
会話の緩急の差が大きく、
緩い部分の静けさや間はいい感じだけど、誰かが感情的になったときの展開が強引だったり無茶苦茶だったりでちと△。
ネタバレBOX
旅館の女将、編集者、そしてスランプの作家が書き出すまでという中心の話だけ見るとそれなりにまとまっているように感じるが、いろいろと事件を持ってくる枝葉のキャラがかなり五月蠅めかなぁ。
あとは細かい点が気になったり。きれいに結ばれた女子の浴衣の帯は、大浴場でちゃんと帯締め担当がいるのかなぁ?とか、女子4人の年齢的関係性ってどうなのかなぁ?とか。
役者自体は見栄えも演技も平均レベルを十分にクリアした個性派がそろってるだけにもっと何かできるだろうという期待もあったり。こいけけいこ嬢と清水那保嬢の凸凹コンビは視覚的に面白かったなぁ。
満足度★★★★
言葉の選択と会話のテンポが◎
重いテーマなのに毒をちりばめて絶妙に笑いを取りつつ、面白く仕上げて。女性であることを武器にした作劇と構成が秀逸。
ネタバレBOX
テーマは不倫なんだけど、それを肯定とも否定ともとらないスタンスで話は進み、最後、やっぱり不倫はよくないことだと諭されて終わるのかと思いきや、さらなるねじれた関係を提示して終わる落とし方に吃驚。ウマいなぁ。舞台の1/3を割いてまで作ったスタジオセットでの「愛人講座」もインパクト大。
会場がとても狭いのに下手サイドに通路をつくって、客の座席への誘導をスムーズにしたり、舞台横のトイレをギリギリまで使用させたりとスタッフワークが行き届いていたことに感心。
満足度★★★★
これが本公演への始まり。
最低限の提示で十分に成立してたと思う。1ヶ月後にβ版の観劇者が面白いと思うものができるのかが課題と期待。60分。
ネタバレBOX
主演女優の過去や多数派集団の行動の背景とか、もっと書き込むとこの物語の状況の輪郭がはっきりするような気がする。かといってただ肉付けしただけの同じ内容の結末だとしたら、それは納得できないと思うし。
その場でアンケートを採ってのマルチエンディングとかもありとは思うんだけど…どうするかはお手並み拝見というところか。
満足度★
舞台をより広く作ったために
リアリティのない脚本と生活臭の感じないセットを劇空間がさらに希薄なものにしてしまっている。125分。
ネタバレBOX
社宅のマンションのリビングが舞台なのに、中途半端な柱だけのスカスカな空間に、色も形も違う三種類のソファー、室内より一段高い玄関と現実的にありえないセットは美術としての統一感もコンセプトも感じられず、それだけで物語に対して引いて見てしまう。しかも100席潰してセンターブロックの最前列の席の足元のクリアランスを削ってまで舞台をせり出した意味も全くわからない。
話は、これまた極端な嘘と展開ばかりで有機的に繋がってるともその嘘を許容するだけの面白さも感じられない。空間も込みで非常に寒い舞台だった。
満足度★★★
ベタな演技が気になるけど、
普通ってなに?家族ってなに?ということを、少し変わった繋がりの共同体を通してあらためて考えさせる作品。120分。
ネタバレBOX
日本における外国人の扱いと在り方、書類上の繋がりの意味と事実上の繋がりの意味を家族として暮らす多国籍な人達の集まりから問題視し、浮き彫りにさせる。極端に一般的な普通にこだわる日本国籍の難民二世のキャラがちょっとクドかったかなぁ。
土曜マチネは来場順に整理番号を配ってたようでした。特にギリギリまで待たせてる様子もなかったし、受付のやり方を変えたのかもしれません。
満足度★★
筋の通った話は期待してない
つじつまともかく終始ハジけるように動き回ってほしいところだけど中盤でスピード感が損なわれてたのが残念。90分。
ネタバレBOX
いろいろな性格のキャラが同居するのは面白いが、いつも飛び道具としてかなりの活躍を期待されるはずの板倉チヒロさんと重実百合さんが一歩引いた位置で大暴れという感じじゃなかった点が物足りない。
満足度★★★★
話の構成が巧く飽きさせない
童話の世界を繰広げながらも台詞や笑いは至極現代的でそのギャップが面白い。話の転がり方にも見どころあり。120分。
ネタバレBOX
キャラクター達は最初はしつこかったりくどかったりしてても、だんだん味が出てきて目が離せなくなる。良い魔女のすっとんきょうさやライオンの出オチ的見栄えは卑怯。
いくつものシーンが交錯して展開する。関係なさそうな話が繋がり、新たな事実がわかるとさらに話に引き込まれる、その世界の構築の仕方は見事。ラストの落としどころはちょっと気にならないでもないが、それでも人の在り方・大切なモノって?というテーマ性までちゃんと持たせてるストーリーはなかなか。
オープニングで舞台床部分に映像を投影しての役者紹介があるが、さすがに見にくい、というか読めない。もし映像紹介するなら奥の暗幕に映すか、少なくとも床に書かれた黄色いラインは外すべきかと。
満足度★★★★
学生にちょっと昭和っぽさを
感じるものの、修学旅行の女子高生達の話として違和感なく成立している。55分を100分にした脚本も話に広がりが出て○。
ネタバレBOX
割り振りで同室になっただろう女子達、好き勝手な行動を引き金に見かけの平和が崩れ、アンバランスが生じてからの対立は模した何かに重なって。沖縄に平和学習、その設定は台詞に乗っかり考えさせる意味あいも浮かび上がらせる。深い。
ちなみにこの日の公演は終演後に畑澤さんと藤井さんのアフタートークあり。作品についていろいろ聞けたのでちょっとお得気分。
通路の補助席なしに残席僅かのチケット、アンケートにも書いたけどぜひとも通路席を当日券として用意することを考えてもらいたい。
満足度★★
コントみたいな高テンション
のっけから全力出し切る演技が続き、最後に一気にしっとりと持ってくる大きな緩急がポイント。
ネタバレBOX
主人公の漫才コンビの存続のピンチ→原点に返って最後の一手、という基軸はよいと思うんだけど最後の選択の説得力、そして周囲の人物達の行動の動機づけが今ひとつわかりにくくなっていて、話自体ごちゃごちゃした印象。なにも街のみんなが金に困って転がり落ちることにする必要はないと思うんだけどなぁ。
満足度★★★
常識の範囲内とはいわないが
乞局にしては設定も展開もネジ曲がった感じはなく、普通の世界の延長線上にあるような仕上がりになっている。
ネタバレBOX
座席配置も含め、セットの出来はきれいですばらしい。その美観に合わせてしまったか、パンフで規定するおどろおどろしい設定やら、奇なる人物や行動が常識とされる乞局独特の気色悪さがなかったのがある意味拍子抜け。今回の芝居だと喪服割引の意味あいがあまりないと思うんだけど。
満足度★★★★
105年の浜子の生涯のうち
55歳迄のエピソード3つをオムニバスで。各々脚本家が違うので色々な面の浜子が浮かび上がる。最後は歌謡ショーも。
ネタバレBOX
真面目に作った毛利脚本よりは、過剰な演技とおバカ度が高い米山脚本の方が浜子には似合ってるかも。
開演前の入場列の作り方、チケットの受付、場内誘導と制作的行動がことごとく手際が悪かったのは残念。