ササロックの観てきた!クチコミ一覧

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えのもとぐりむ作品集 第5部 人の類い、十二の亜種(午・申・亥 編)

えのもとぐりむ作品集 第5部 人の類い、十二の亜種(午・申・亥 編)

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2015/11/30 (月) ~ 2015/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

猿の類い
シンプルで素朴な作りの中に、ノスタルジーとリアル絵あることからの浮遊感を感じられる、柔らかい色模様。

母親の役どころと役者さんがよかった。

後半は静かに感動の余韻が途切れず寄せては返す雰囲気で、しっとりときれいな物語。

えのもとぐりむ作品集 第2部 WHITE TIME/Heal your shoes

えのもとぐりむ作品集 第2部 WHITE TIME/Heal your shoes

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2015/11/10 (火) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

【WHITE TIME】
タイトルの意味が見当つかなかったのだけれど、劇中で「ほう」と思わせるような説明はあり。それ自体は別に驚きでも何でもないけど、色々平行世界的に展開する物語に時間軸が存在しないような構成を思うと、言い得て妙なタイトルだと思う。

それはそうと、原石を調和させる気もなくたくさん突っ込んできた感のある濃厚な物語で、特に全体をみるとほかの部分と絡んでいなかったりする部分もありながら、違和感よりも面白味が先に立つエネルギーと勢いのある舞台でした。

個人的にはこういうの、好きです。

初日だけに役者さんが噛むのはご愛敬。

サヨウナラなら何度でも

サヨウナラなら何度でも

試験管ベビー

王子小劇場(東京都)

2015/11/06 (金) ~ 2015/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

大人な軽口テイスト
テーマは本来深刻であるところを、ライトな切り口と構成で、と言って悪ふざけや薄っぺらさを感じさせない熟成度が見事。

俳優さんもベテランの方が多く、それぞれの役者さんの持ち味が重なっても雑味を生じない構成が巧い。

三本目の「サヨウナラなら何度でも」は、政治家秘書の男色のオジサンが、冷静に考えると首尾一貫していないし自殺を考える動機もその後の行動もどこかしらずれているはずなのだけれど、そのせいで逆にほかの人たちがしっくりまとまるというか、リーダーシップをとってかき乱しながら場をまとめている説得力。

価値観は逆転していないのにアプローチを変えただけで、いい人と悪い人のとらえ方が過剰に変わってしまうような、渋い面白さがありました。

うさぎレストラン

うさぎレストラン

CLIE

六行会ホール(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

濃縮
一つの本の解釈を軸に物語をあれだけ広げる細やかさが見事。ノリがいいアップテンポな展開なのに、いつの間にかキャラクターの一人一人にそれぞれの物語が刻まれていて、語らなくても滲みだせる雰囲気が素敵。

虚言の城の王子

虚言の城の王子

空想組曲

吉祥寺シアター(東京都)

2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

言葉が追い付けない
前回・前々回・それ以前からずっと、次作に対する期待のハードルを上げては乗り越え続けているのに、今回もまた予想をはるかに越えられるという事実が、ただただ不思議。

そりゃぁまあ、トリプルカーテンコールにもなりますわ。

2分でかいつまんで説明はできない濃密さなのに、のめりこんだままラストまでスピーディで一瞬たりともだれないのに、余韻はゆったりとして、作中で泣いたのに、後から後から回想が追いかけてくる。

リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!

リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!

演劇ソリッドアトラクションLINX’S

上野ストアハウス(東京都)

2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

確かに厳選されてる
ABチーム両方とも確かに圧倒的な12団体。しかも、ジャンルは色とりどりで、こういった短編祭り的企画の中でも、ハズレもなくしかも個性があって抜群に面白かった。

大阪の劇団はあまり拝見する機会がないけれど、個人的には「テノヒラサイズ」と「彗星マジック」が特に好きになりまして。

あと、個人的な話で申し訳ないのですが、主催の石田1967さんからご案内のメールいただいてたのに、今の今まで見てなかったので気付いてませんでした。いまさらメールお返しするのも面映ゆいので、この場にて謝意を。

次回以降のますますのご活躍期待してます。

【ご来場ありがとうございました】諍わなければならないいくつかのこと

【ご来場ありがとうございました】諍わなければならないいくつかのこと

Voyantroupe

pit北/区域(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

幅広く
事件と人物が織り成す模様が、コメディチックでもあり、シリアス風でもあり、狂気を孕んでいたり、無垢であったり。

根底を流れるテーマは本公演と同じでありながら、それを一歩引いて茶化したり振り回したり、遊び心とも実験的アプローチとも取れるような演出な気がするけれど、それをスタイリッシュにまとめ切った作風は、諸々が凝縮された均整な彫刻のよう。

個人的には「面白い」と言い切るのに、いささかの躊躇もない。欲を言えば、会場の臨場感はよかったけれど、もう少し広い劇場で、全体を見渡しやすくなってると良かった。

組曲『回廊』

組曲『回廊』

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

ダブルカーテンコール率90%
拝見したうち、カーテンコールが拍手喝さいで、ダブルカーテンコールになったのが90%でした。もう、どう言い表そうとしても、言葉が追いつきません。

【吸血木】 は幻想的に毒々しく美しく、

【LEVEL9】 は勢いで押しまくる楽しさ、

【どひゃあ】 は、気心知れた友人との安心した笑い

【グレイス夫人の晩餐】 は、わかっているオチにいつどう来るかというスリル

【作家たちの語らい】 は作中作をトークで魅せる落語風面白さ

【スイーツ・シスターズ】 は根源的な不安をあおるホラー

【恋愛論、りょうの】 は、軽いノリの口上でじっくり魅せる芸

【真夜中のゲーム】 は、乾いたリアルを徹底したショートサスペンス

【グレイス夫人の晩餐】 は、猟奇的なのにどこかほのぼのとした純粋さ

【ブラザーズ・フェスタ】 は、激しい動きで魅せるほのぼの家族

と、これだけ日替わり短編ががらりとイメージが違うのに、毎回芯がぶれない、のに、日々少しずつ芝居の表情が違って見えて、それが毎回好評を博しているという、少しどころではない不思議。

Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しい
物語の展開やキャラクターの造形に多少ご都合主義な感はありつつ、それを上回るウィットやリズムや笑いを散りばめた、楽しい人間模様。

劇団競泳水着は作品によって好き嫌いが分かれるけど、今回のは今迄で一番好き。

「ギブミーテンエン~昭和29年のクリスマス~」(6月)

「ギブミーテンエン~昭和29年のクリスマス~」(6月)

劇団6番シード

シアターKASSAI(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

リアルさが好い
予定調和的でなく、不条理で理屈の通らない現実をリアルに描き出しつつ、筋に違和感を持たせない構成は見事。

個人的には、面白い芝居は数あれど、脚本が面白いという芝居はなかなか見当たらない中、元々の脚本が面白くできていて、それに役者や美術や衣装や音楽が肉付けをして出来上がった、リアルな本物の面白さを感じる力強い作風。

個人的にはラスト一点だけ、登場人物の言動に気に入らないところがあったけれど、厚みと深みがありながら乾いた作風が好き。

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

見事
今まで見た 15 Minutes Made の中では、一番自分的に盛り上がった。

とくに「梅棒」のパフォーマンスは圧巻、Mrs. fictions のセリフや間の取り方で笑わせる魅せ方は絶妙、あやめ十八番の表現力は感動。

それぞれの団体の方向性はまったくバラバラなのに、どこかに軸があるような全体としての統一感が、今回は強く感じられた。

天使たち

天使たち

リュカ. (Lucas [lyka])

王子小劇場(東京都)

2012/05/02 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

部分部分は面白く
大まかな構成をゆっくり考えると、「?」なところもありつつ、役者がみんなうまいので、部分部分面白いところはあり。役者の表現力は秀逸。地味に、母親になるバレーの女性の「天使」のところが、ぐっともりあがって面白かった。

ウルフマン

ウルフマン

ウルフマン制作委員会

タイニイアリス(東京都)

2012/05/04 (金) ~ 2012/05/07 (月)公演終了

満足度★★★

元気
若い役者が多い旗揚げ公演だけあって、ひたむきな元気さは好感。間の取り方、キャラクターの練り込み、展開の整合性やリズム等、改善の余地は多々あるものの、着想は面白く、部分部分面白いなと思う見所はあり。

深海のカンパネルラ

深海のカンパネルラ

空想組曲

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/04/15 (日) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

今さら言うまでもないですが
二時間経ったとはとても思えないくらいの、濃縮された、それでいてまろやかで負担のない幻想的な時間。

最初とてつもなく嫌な顔に見えた主人公の顔に、最後にはどうしようもないくらいの愛着を感じる不思議。

主演級の役者があちこちで諸々のエピソードを紡いでるのに、違和感のない一体感。予想の一歩先を斜め上にいかれる展開の安定感と爽快感。

マンネリ化の気配も衰える気配もみじんもない。。。

櫻の園

櫻の園

TUFF STUFF

相鉄本多劇場(神奈川県)

2011/07/13 (水) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

青春
決定的に事件っぽい事件が起こる前の、ハラハラ感の演出が、淡々とした展開に上手い味を添えていて面白い。上演の可否やらタバコの行方やら恋路の行方やらが、結果がわかる前の高揚というか、青春の些細なところに感じ入る繊細さなどを髣髴とさせて、些細な出来事を大きく膨らませる演出が見事。

牡丹燈籠

牡丹燈籠

ハイリンド

d-倉庫(東京都)

2011/07/01 (金) ~ 2011/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

名人芸
複雑なのに解りやすい、立体的に方々が結びついた人間模様の、無駄なく広がる美しさ。落語のような言葉による状況説明の妙と、演技の妙が上手く組み合わさった、名人芸にしてとっつきやすい面白さ。

とかく落語風な、人を笑わせようという風な動きを底にして、静かに綺麗に切り込んでくる怖さや悪意の魅せかたの美しさが秀逸。作も演出も役者も名人芸。なので、2時間経ったとは全然気づかなかった。

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

Voyantroupe

サンモールスタジオ(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/15 (水)公演終了

満足度★★★★

ノンストップ("Loss編")
不可逆的な時間の流れの中に忠実に物語を置いた、ノンストップの疾走感がリアルで、息をつく間もなく流れの中に飲み込まれた感。あっさり死んでいく多数の人々に、ちゃんと意義を感じられる、無駄のない構成が見事。役者が、それぞれの役に凝縮して個性を詰め込んで、物語の端々に個性の片鱗を垣間見られるところが面白い。

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

Voyantroupe

サンモールスタジオ(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

微塵も飽きない("Recover編")
甘く美しく華々しい悪意が心地よい綺麗な短編集。狂気の表し方が、物語りそれぞれに個性があって、見事。正直、途中休憩なしで最後までたたみかけて欲しかった。狂気の中にところどころ散りばめられた、シュールな笑いが話を盛り上げる見事な演出。冗長さを全く感じない、飽きる瞬間が微塵もない、やりきった爽快感がこの上ない好印象。

星より昴く

星より昴く

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2011/06/04 (土) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★

ストレート勝負
いい意味での浮世離れと言うか、人の「いい」一面だけを徹底的に追求して組み上げた物語だけれど、絵空事というには現実感のある、ギリギリのラインを上手く見切っているところが面白い。ベタであるがゆえにストレートに泣けた。

ドロシーの帰還

ドロシーの帰還

空想組曲

赤坂RED/THEATER(東京都)

2011/02/23 (水) ~ 2011/02/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

観るごとに深みが
あれだけたくさんのエピソードを盛り込んで、場面転換が著しいスピードなのに、分かりやすく観れることこの上ない。それにも関わらず、繰り返して観ると、前に気付けていなかった新たな発見が常にあって、分かりやすくも底が見えない深みを感じる。

毎度思うけれど、批評はおろか、感想でさえ言葉が追い付かない。
最初見たときにインパクトがあるけれど、時間がたつと益々襲いかかってくるような凄味を感じる。

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