HBKの観てきた!クチコミ一覧

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荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

鵺的(ぬえてき)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/08/07 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

まさしく荒野
出演者が客席に横一列で座る一種異様な光景でスタート。
タイトルから想起される「荒野の七人」のように人が横並びで歩いて来たら、それだけで高揚するのに、この居心地の悪さは何だろうと考えました。思い付いたのは、映画「家族のゲーム」の食事シーンですね、あれも家族の断絶を描いていましたがこちらはさらに強烈ですね。
舞台は兄弟姉妹がお互いの顔を見ながら話しているていですが、ずっと観客席を見ています。まさしく登場人物が感じているであろう気恥ずかしさと居た堪れなさを強引に観客に共有させてしまう、この演出は凄いです。

ネタバレBOX

良い話に落ち着かず、逆に良かったです。特に絶妙に良い加減なボンクラ四男が素晴らしいです。周りに絆されないのも良いです。
クドい!

クドい!

カンコンキンシアター

東京グローブ座(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

何とも言えない
毎年毎回思うことですがこれを演劇として評価して良いのか悩みどころです。少なくとも舞台"芸術"では無い気が・・・・
感想は、くだらない、面白い、けしからん、面白い、バカバカしい、面白いでやっぱり大笑いしたので満足です。

ミラかな姉妹夏のツアー

ミラかな姉妹夏のツアー

Limited_Spice

APOCシアター(東京都)

2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

前半は普通に楽しめました
後半の「芝居小屋かと思って入ったらイベント会場でしたよ」と言う何とも言われない異邦人感覚は本当に新鮮でした。あくまで自分的にはダラダラ感とドンズベリ感はあったもののそれなりに楽しめました

Nobody is Perfect

Nobody is Perfect

劇団ガバメンツ

APOCシアター(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

上質なコメディ
無邪気で良心的な古きアメリカ映画のノリからスラップコメディに入っていく展開は、そこに生じるであろう摩擦抵抗を感じずスムーズに乗れて良かったです。

ネタバレBOX

前半との対比で後半はいちいち説明的になり、途中からうんうんそうだと思った展開が続いてしまって哀しかったです。
後半部分で出て来る人のウルトラC的エピソードも正直どうなんだろうと思いました。
いっそ、それなら後半は事件自体も発生せず、発生しないことで逆に起こる事態に対して、主人公が前半に対応して右往左往するなんて展開も有りなのかな後思いました
東京裁判

東京裁判

パラドックス定数

pit北/区域(東京都)

2012/07/31 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ここが静かな最前線
名作再演と言うことですが、相変わらず野木さんの作劇能力は素晴らしいなと思いました。
重いテーマのストーリーに閉塞感を出す演出と熱量高い演技でグイグイ引き込ませながらも、随所に擽りを混ぜ合わせるそのセンス素敵過ぎます。
男っぽい作家性の野木さんですがダンディズムよりも粋さを感じますね。登場人物にも粋さは投影されていて、この裁判がどう落ちが着くのか本人達も理解していながら、それでも戦うんだと気概が史実とは言え粋じゃないですか。

ネタバレBOX

予習で、映画「東京裁判」を観てから行きましたが、エンターテイメント性は遜色ないですね。
「グラフ」~その式を、グラフで表しなさい、~

「グラフ」~その式を、グラフで表しなさい、~

muro式

ザ・スズナリ(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★

楽しい雰囲気
奇抜な格好で出落ち感丸出しに登場し、一発笑わせた後に物語を始めてその後は、物語を進めつつ笑わせて行くのが絶妙で、シチュエーションコメディ演劇の王道と言った感じでした。
また、総じて出演者が本当に楽しそうに演じられているのがこっちにも伝わって楽しかったです。ただその出演者の楽しそう感が悪い方面に出てしまったかなと思う話もありましたね。

ネタバレBOX

佐藤二朗さんにも同じように思いましたが、ムロさんもそのアイドル性は強烈ですね。宇宙人の格好にちょっと歓声が上がりましたからね。お芝居好きと言うよりムロさん好きが集まっている会場雰囲気は新鮮でしたね。
組曲『回廊』

組曲『回廊』

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

轟沈しました
硬軟自在な短編がまさしく宝石箱のようでした。短編は長編と異なり世界に耽溺しにくいと思ってましたが、そんな事は無いですね。ドップリ嵌って儚さと切なさと美しさにやられてしまいました。

ネタバレBOX

ラストに観る別れのシーンが最初に観た出会いのシーンをより良くさせるマジック効果は、ストレートな長編でみせるよりも間に短編を挟むことでより効いていますね、さすがです。
さすがと言えば、途中の小玉女史の独りよがり芝居。笑いを通り越して感動
すらしてしまいます。心の中で感嘆の意味を込め「Holy shit!」と呟いてました。
アリスのいる部屋

アリスのいる部屋

メガバックスコレクション

ART THEATER かもめ座(東京都)

2012/07/07 (土) ~ 2012/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★

相変わらずセットに感嘆
謎解きの鍵を巡る、いわゆるマクガフィンものであるため物語の推進力が落ちず、全く飽きさせませんでした。
密室脱出物の型とSF要素を本当に巧くミックスさせた傑作であると思います。

ネタバレBOX

中盤ででてくるドキュメント映画「フロム・イーブル」を想起させる直球の悪意は、子供が観に来ているのにハードだなとは思いましたが、自分的には良かったです。
ただ、その人物がヒューマニズム全開で熱弁を振るうシーンは矛盾するかなあと思いました。
そうなる状況(若者が瀕死の状況)を作り出したのがあの人自身の策略で熱弁も完全に自分のためと明確に表現し、こいつ最低最悪だと思わせた方が良かったのかなあと思いました。
記憶、或いは辺境

記憶、或いは辺境

風琴工房

シアターKASSAI(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

出会いと別れと
あらすじを見て、もっと政治色が強く 民族間若しくは個人のイデオロギーのぶつかり合いを描いているのか思っていましたが、自分には「ああ、これは結局ラブストーリーだったんだな」と感じました。
悲劇を語る単純なお涙頂戴的な話に落ち込まず、テレビドラマに有りがちな、感動の押し売り的な“良い話"げ″感も無く、冷めて突き放している感じが、とても良かったです。

ネタバレBOX

説明台詞が多かったかのが少し不満なところです。確かに名シーンではある白菜シーンの二人語り。延々心情吐露まで語られると緊張感が持続しないかなと思いました。
あの場面であれだけ語らせたら、ここをクライマックスとして、その後は、エピローグ的に完全無言劇にしてしまっても良かったのかと。
Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

期待通りではありますが・・
人物配置と人物描写説明をプロローグに使い、本編はシチュエーションコメディ群像劇と言ったところで楽しめました。
ただ、あくまで期待通りで期待以上では無かったかなと。
優しくてお洒落で良いんですけど、登場人物の自己葛藤と支えてくれる周りがあまりに良い人過ぎ感がやや一本調子のような気がして、少し退屈でした。現実的で卑近な悪意があっても良かったのかなあと思いました。


ネタバレBOX

酒を飲まないと話せない人の方が闇が深く、ドラマ性があって広げても良かったかなと思いました。
10年目のペンギン

10年目のペンギン

はらぺこペンギン!

ザ・ポケット(東京都)

2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★

10年戦士の全力コメディ
キャラのおもちゃ箱をひっくり返したようなトンデモキャラが次々と登場(中盤で新キャラが出てきた時には笑うより正直驚き)してきて話的には、とっちらかっていたと思うのですが、そこは10年戦士。強引とも言える力技で「イイ」話風に落ち着かせてしまうのだから恐れ入ります。
物語全体が、劇団10年の紆余曲折をメタファーになっているのかと思いきや、エピローグで劇団誕生秘話?が語られるのには笑いましたね。

DART’S & smokers [VS]ベンチャースクール

DART’S & smokers [VS]ベンチャースクール

エビス駅前バープロデュース

新宿ライブハウス&イベントスペースLEFKADA(レフカダ)(東京都)

2012/05/29 (火) ~ 2012/06/04 (月)公演終了

満足度★★★★

DART'S観劇
昼休み1時間縛り状況でリアルタイムにノンストップで進んで行く展開はドキドキ感がありました。
が、人がいないとは言えパブリックスペースである公園では空間縛りが弱いかなと。
同時上演作品との兼ね合いとは言え、今までのDART'S舞台で観ている時に感じる息苦しさ感は感じませんでした。

砂場で語られるストーリーは即興話のていでありながら、その実は丁寧に作られていて楽しめました。

看板娘ホライゾン

看板娘ホライゾン

ホチキス

王子小劇場(東京都)

2012/05/31 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

見事なサッカーパンチ
物語の序盤で結末はこうなるだろうなと容易に想像付く物語でしたが、物凄い不意打ちを喰らいました。
敵対者があっさり仲間になってしまう展開に都合良すぎるなあ、なんか一波乱あるのだろうなあとは思って観ていると予想だにしない展開になり唖然として、想像した結末なれど構図が全く異なるのに呆然となりました。

しかし、何にせよ米山さんの話は軽妙洒脱で楽しいです。

ネタバレBOX

誰一人として血が繋がっているものがいないと言う衝撃の家族。ホラーでもいけるんじゃないかと思いました。
キツネの嫁入り

キツネの嫁入り

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/05/25 (金) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

美しく優しく、そして哀しく恐ろしく
芝居全体を顔に例えると眉目秀麗と言った感じで、本当に調和がとれていて美しく、細かい挙措だけでなく台詞の節々にまで気を使っているなあと感心する舞台でした。

話は、昔話や御伽噺が持つ所謂現代Jホラーの原点的要素である怪異、そして村社会の因習と家族関係を丁寧に織り交ぜて丹念に作りこんでるなあと感じました。

ただ一つ好みの問題ですが、昔話の持つもう一つのテーマ「嫉妬」がもっとクローズアップされても良かったのかなあと思いました。めでたしめでたしで締めるとなると、やっぱり皆仲良くと言う絵は必要なんですが、少しあの関係がほころびを見せて欲しかった気もあります。

ネタバレBOX

観ている時に気になっていた小ネタと言うには細かすぎるミリ単位の演出にはこちらの皆さんの観てきたコメントを読ませてもらって補っているものの、恐らくそれでも作者の意図を完全には理解していないんじゃないかと思います。
映画DVDの副音声ではないが、「この場面のこの動きは○○を表している」とか「ここの演出は意図的に○○をしたorしない」等の解説が入ったDVDが欲しいなあと思いました。
西暦2222年2月22日の22時22分22秒

西暦2222年2月22日の22時22分22秒

劇団鋼鉄村松

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/05/25 (金) ~ 2012/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

負けざる者たちの希望の物語
毎度の事ながら、鋼鉄村松さんはこちらの期待感を軽々越えてホームランをかっ飛ばすのは流石です。
私の見た限りではありますが、バブル氏作には前々回の中世騎士道や今回のボディーガードと言ったある種男のロマンティシズムが有り、それが子供心を刺激して今回もワクワクドキドキしながら観入ってしまいました。
安直なヒューマニズムにならないのも好感が持てます。

ネタバレBOX

亡くなった子供を甦らせる事よりも前に進むことを選択した者、死に抗い未来に希望を託す者、人生留まるか進むかの選択の中で、進むと言う選択をした負けざるもの達の勇気ある物語に感動しました

また、持つ者故の苦悩を痛いほど見せつけながら、その中で続けた努力が見事に結実する対決シーンは素晴らしいです。
ウェディング葬送曲

ウェディング葬送曲

劇屋いっぷく堂

テアトルBONBON(東京都)

2012/05/15 (火) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

幸福感
ライトコメディと謳っているとおり、笑い楽しませてもらい満足しました。ウェルメイド感のあるラストも良かったです。

役者さん達皆さん良かったですが、身内でありながら実は近くて遠い位置にいる結婚編の妹旦那と葬式編の黒澤旦那が、まさしく現実でも最も面倒な立場で問題と向き合わなくてはならない役をとても良い感じの距離感で演じていて素晴らしかったです。
また、結婚編のコーディネイターの上司が、全く持って正論を言っているし、行動も理になっているにもかかわらず嫌味になるというのが面白かったです。

二つの話しが最終的にクロスしたりリンクするのだろうと思っていたところ、スプリットスクリーンの要領で絡まるシーンが序盤で来たので、逆に予想を裏切られ感心しました。

ネタバレBOX

あれだけウェルメイド感のある話でまとめるなら、あの医療ミスで奥さんを亡くされた人にも救いは欲しかったかなと。
せっかく二つの話が最初新聞と言う小道具でクロスしたのですから、ラストその新聞に「医療ミス隠ぺい病院に捜査のメス」と言うような記事を観客にサラッと見せても良かったのかなあと思いました。
ハラナイ荘の人々

ハラナイ荘の人々

ちからわざ

ザ・スズナリ(東京都)

2012/05/09 (水) ~ 2012/05/14 (月)公演終了

満足度★★★★

やっぱり”いい”顔ぞろいの舞台でした
つくづく役者は顔だなあと思わせてくれる舞台でした。味なんでしょうか、技なんでしょうか、佇まいと雰囲気だけでもってっているのはさすがで、皆さん素晴らしかったです。

適度に自虐的な笑いとツッコミ笑いがバランス良く散りばめられていて、実はほの暗い鬱屈した世界ではあるんだけど重くなり過ぎず良かったです。

ネタバレBOX

ラスト近くのクライマックスに、映画「カッコーの巣の上で」が重なりましたね。結局壊れるのか救いが無いのかとも思いましたが、一筋の希望は見えて良かったです。ただ、ハラナイ荘の人達の精神疾患をで同一にして良いもんだかなと疑問に思いました。わきがや赤面症で対人恐怖症とそのもの自体(星や棒状の物)の恐怖症は病理的に微妙に違うんじゃないのかなあと。

話は変わりますが、佐藤二朗さんのアイドル性は凄いです。一挙手一投足に観客が敏感に反応すると言うのは稀有な存在だと改めて感心しました。
闇言

闇言

JACROW

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/05/08 (火) ~ 2012/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★

露悪的趣味全開
二人の作家それぞれが持つアクの強い味とコラボしたことによって生じた臭みがが存分に発揮されている舞台でした。
静かに狂っていると言うか腐っている人たちが良いですね。
一話目の登場人物のわざわざガムを噛んでから拝む不謹慎さ、四話目の登場人物の台詞「勿論後から謝るんだよ」と言う無自覚に腐っている所とかダメだなあと思わせる感が絶妙でした。

見終わった直後は気分が高揚していて気づかなかったが、冷静になって振り返ってみるとおかしな所が全く無いわけでは無いのですが、短編のスピード感と視覚的に衝撃のある演出が文字通り目眩しになっていてテクニックとして素晴らしいです。

ネタバレBOX

「おっ」となる露悪趣味的なシーンが効果的で、残念?ながら私は端の席でよく見れませんでした。
端の席を利用して、そのシーンでの客席の顔を見ると言うもっと露悪趣味的なことはしませんでしたが、会場の空気が何とも言われない淀んでいるのが分かりましたね。四話目のドキッとある仕掛けでは、それまでの空気を一変したのがビビッドに感じられていい舞台体験でした。しかしながら、良い意味でこの両劇団、視界的嫌がらせが文句なしに上手いですね。
へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

文月堂

OFF OFFシアター(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

美しく優しい
登場人物の三姉妹が良いアンサンブルになっており、特に三谷さんの凛とした可愛らしさが秀逸でした。三姉妹以外もそれぞれ味があったのですが、長女と良い対比になる騒ぎキャラが被ってしまった感も否めず、舞台的では無い完全に普通の女性がいても良かったのかなあと思いました。

ストーリーも、日常にある葛藤をしみじみとそれでいてなかなかドラスティックに描いていて楽しめました。姉妹のそれぞれ見せ場エピソードで有りながら、その相手側の方が逆に映えると言うのも面白かったです。
ラストのワンカットは、非常に詩的な味わいがあり美しかったですし、説明過多にならない余韻を残す演出は好感が持てました。

オーシャンズ・カジノ

オーシャンズ・カジノ

北京蝶々

王子小劇場(東京都)

2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

何とも言い難いです
煌びやかな演出と派手なアクションでお祭り感満載の雰囲気に序盤から惹きつけられました。大人数の群像劇で有りながら、一人一人のキャラ設定もしっかりしており、特に大ボス的なキャラが登場してからのコンパニオンたちの卑近な下衆さは最高でした。
物語もボンクラカップルの活劇とギャンブル産業の利権争奪、そしてそのギャンブル産業に頼らざるを得ない地方の社会問題が絡みあいながら、謎の人物は謎で残しつつ、悪党が大悪党に凌駕されると言う悪の量が増加していくと言う風呂敷を広げていきながら推進力も加速していく展開は見事でした。
と、言うわけで、この物語展開に期待しながら観ていたのですが、残念ながら私は上手く畳めていないのではないかなあと思いました

ネタバレBOX

ここからは、独りよがり単なる揚げ足取りのだけかも知れませんので、あしからず。

やっぱりあれだけ風呂敷を広げたのなら、少なくとも地方の問題だけには決着というか、何らかの希望を見せて欲しかったかなあと、「星が綺麗だなあ」じゃ納得出来ないです。
ボンクラカップルの良かった感だけではいくらなんでも矮小化しすぎでしょう。そもそもあのカップルの借金地獄だって結局解決してないように思えるのですがどうでしょう。
風呂敷を畳み切れていないのであるならば、もう単純にボンクラカップルのどん底からの這い上がりだけを上手く描いていれば良いと思うのですが、これ自体もしっかり描いていないと思います。
人生を掛けた大勝負が二回って言うのもどうかと思いますが、もしそうするなら二回目は彼女の勝負でしょう。
一回目に彼氏が人生を掛けた勝負に負けた所で、彼女登場って方が上がるでしょう(それまで会わせないのが前提ですが)。そうすることにより、彼氏が二回目の勝負に行く際の取って付けたというか完全にご都合主義に周りの人が殆ど理由なく彼氏に大金を掛けていくのには正直辟易な展開を回避し出来ます。この展開では、彼氏はただただ甘やかされているだけで。成長しているようには到底見えない、そもそも彼氏自身二回目の勝負に対し、また人に頼ろうとしているのですから。
彼女が船内を逃走している時にゼネコンのサラリーマンや地主の金持ちや議員と会わせて、そこで彼女に賭けるだけの会話なりエピソードを入れることで、なぜ彼女に賭けるのかの説得力が出てくるのでは無いのでしょうか。
そして、彼らが観客の前に次々と現れることでカタルシスがあるのではないでしょうか。何故か、それまでも舞台にいて気付いたように二回目の賭けには参加するではカタルシスは無いですよ。何故か舞台にいると言えばコンパニオン達。あれだけ前半は素晴らしかったのに、完全に背景と化していましたね。あれならあの場面はいなくて良いでしょう。いるなら、どちらかに付くか立ち位置をつけて欲しかったです。それから、もっと後半になって意味がなくなったのは、もう一組のカップル。あの展開なら、こちらは全くいらないでしょう。結局主人公のボンクラカップルと同じような境遇で何の対照にもなっていないですし、ラストで抱き合うって全く意味が分からないです。だって、こっちのカップルにはラストの勝負がどうなろうが何のドラマも起こってないのですから。ボンクラカップルに自分達を重ね合わせ生命保険金を掛けるか、私はこちらの方がしっくりくるのかと思うのですが、ボンクラカップルが彼氏の成長で上手くいくなら、こちらの彼氏は何の成長しないでこのカップルは別れると言う決着が、納まり良いと思うのですが、主人公のボンクラカップル自体がでそんな状態なのでこれもなんだかなあと言う感じです。
でも、一番の問題はこんなにラストの勝負の場面でいらない人が出ているのに対し、ピストルが出てきた場面で一番いなくちゃいけない人、私がずっと何で出てこないんだと思っていた人、女性警察官です。実は勝負の裏側で仕掛けをしていたと、それならそれで良いですが、その仕掛けが醜悪で心の中で「ふざけんな」と思ってしまったのですが、裏で北の刺客?と繋がっていましたよと言うオチ。いくらなんでも酷いでしょう。警察は大犯罪者を逮捕するために一般人のボンクラは見殺しにするってことかい、明らかに殺意のあった殺人未遂者と手を組むってことかいと怒りを覚えましたよ。北がパチンコ業界を牛耳っていて警察中枢部とも繋がっているって言う件を入れたことで、余計グチャグチャです、地方の問題も結局パチンコ頼りで希望が見えないってことじゃんと思ってしまいました。これも提案なのですが、謎の清掃婦はインターポールで、こちらはマカオのカジノ王の犯罪を追い、日本の警察は、日本の詐欺犯罪者を追っている話にして、お互い利害が一致したから協力したとして拳銃の件も入れなくて良いし、そもそもギャンブルの利権争奪もいらなくて良いでしょう。

長々と不満を書いてしまいましたが、前半が素晴らしく良かっただけに正直5点満点でそれ以上あげてもいいと思っていただけに失望が深かったのかもしれません。

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