満足度★★★
中途半端
何もかもが中途半端
ネタバレBOX
ついてない殺人犯に温情をかけるホテルマンたちや刑事たちの話。
コメディ的な緩さも腐敗に対する正義感も中途半端でした。いくつかのシーンを予め演じる予告編と称する部分も全く意義を感じませんでした。石原軍団らしいアクション面も見られるかと期待しましたが全くありませんでした。
満足度★★★★
いつものように
日常と非日常
ネタバレBOX
男はちょこちょこ歩き、女はすり足という様式で入場。長椅子に座った女と立ったままの男との会話から始まりましたが、まるで駅のベンチ回りの情景のように見え、列車内と気付くまでには時間が掛かりました。
と言う訳で、男が一生懸命不思議がっていましたが、下手にはけて上手から戻って来ることの不思議さに気付くのも遅くなりました。そして、遅ればせながらこの世のことではないと理解できました。
松田正隆氏の『月の岬』でも下手にはけて上手から出てくる不思議なシーンがありましたが、『阿房列車』の方が先でしたね。
会話の内容は、人の集まる場所に録音装置を置いて何でもない会話を収集し、選りすぐりを再現したかのようないつもの感じでした。
満足度★★★★
ハチャメチャ
ホント台風と台風一過のようでした。
ネタバレBOX
先生方の机が奥の方にあって舞台前方が空いている、それに俳優さんの胸板が厚い、これは何かあるなと思いましたが、まさにプロレスまがいの格闘シーンがありました。
学校に呼ばれた初日に、先生方の人格を疑うような行動とテロという二つのとんでもない騒動に巻き込まれた新任教師でしたが、全ては先生としての適性を試すための大芝居だったという話。
見事合格しましたが、武道ができないということは、次回新しい先生の適性検査を行うときに役に立つのか少し心配ですね。
制服選びのファッションショーはもう少し女子高生っぽい人でお願いしたいところでした。
満足度★★★★★
素晴らしい!
引き込まれました。経営と人事、本当に難しいと思います。
ネタバレBOX
三洋電機の吸収合併をモチーフに、山東電機のリチウムイオン電池を開発している部署が松川電器との合併で解体されていく過程を描いた経済ドラマ。
合併を経験し、他の企業の営業譲渡にも携わったことがあるのでとても興味深く拝見しました。また、何十年も前の話ですが、三洋電機の社員からボーナスが現物支給だと聞かされたことも思い出しました。
経営者は長期ビジョンと短期の稼ぎを考えなければなりませんが、貧すれば窮する、傾いた企業は判断能力を失っていて、また支援団との関係もあってか、正しい判断ができなくなるものですね。
さらに、誰が技術開発に重要な人物かを見極めて慎重に行動していた松川電器でしたが、ナンバー2の扱いを見誤ったため、ナンバー1は中国企業へ転身してしまいました。技術者を評価し、どのような地位と権限を与えることが重要かという人事面の難しさを示していました。
臨場感があり、引き込まれました。素晴らしかったです。
ただ、前のシーンで使われたコーヒーカップに蒻崎さんが口をつけそうになったときはおえっとしそうになりました。やはり、都度新しいものを出すべきです。
満足度★★★★★
そこそこ
優等生
ネタバレBOX
ペンションのオーナーとの間で生まれた我が子を後継者にしようと雪女が迎えに来たことから始まる大騒動。
客も、漫画家一行、家族旅行に愛人、恋愛禁止条項のあるスキー同好会サークル、オカマ御一行と多彩で、そこそこのネタが多数ありました。
長男が借金作ってぶらぶらしている点が立派に成長したには該当せず、このままであればいつまでも命拾いできるという緩いオチにはこれでいいのかと思いつつニヤッとさせられました。
美しい女優さんがいてそこそこ優等生的な出来なのですが、ぶっ飛ぶぐらいの魅力は感じられませんでした。
満足度★★★★★
いつにも増して面白い!
今話題の組み体操ですが、やはりプロの技は違いますね。
ネタバレBOX
風の神様の請負で風を操る人たちが巻き起こす騒動劇。
一つひとつのパフォーマンスがコミカルで笑いを呼び、これまで観たひげ太夫の中で一番面白かったと思いました。
息を吐くと前髪が揺れるのは『くちづけ』のうーやんみたい、髪を切る仕草は虹組キララの漫才「美容師」を彷彿させました。
満足度★★★★
日本たばこ産業株式会社
協賛か
ネタバレBOX
演劇部に所属する演出担当の女子高生が文化祭を楽しみつつ、来年の文化祭ではクラスでロミジュリをやりたいと思ってから翌年の文化祭当日上演するまでを描いた青春群像劇。
様々な恋愛感情や芝居に対する温度差が交錯し、真面目な生徒も不良っぽい生徒もいていかにも高校生らしく、熱く、本番での告白など楽しく、内容的には好感の持てるものでした。
しかし、今やハードボイルドでもタバコはあまり使用しませんが、本作品はスパスパ吸いまくり副流煙被害を被りました。タバコが格好いい時代は昔の話になったというのに、日本たばこ産業株式会社を支えているのは高校生だと言わんばかりで不愉快でした。
満足度★★★★
熊谷真実さん素敵!
レーガン大統領が謝罪した後の作品という感じでした。
ネタバレBOX
1942年のカリフォルニア州マンザナ強制収容所が舞台。所長の命で芸能に秀でた日本人女性が集められ、慰問と宣伝を兼ねたお芝居の練習をする話。
熊谷真実さんのコミカルな演技が冴えていました。三味線も弾き、浪花節も上手そうでした。
青年座劇場で『第十七捕虜収容所』を観たばかりだったので思うのかもしれませんが、捕虜収容所にはスパイがつきものというか、むしろ井上さんはオマージュの意を込めて書いたのではないかと思いました。
1993年初演。1988年にレーガン大統領が謝罪した後ということもあってか、収容所内外を問わず米国で生きる上での理不尽さなどへのツッコミ方は穏やかだったように思います。
満足度★★★
あっち方面は
嫌いです。
ネタバレBOX
昔、表さまと呼ばれる神のお告げによって喧嘩で勝った村一番の男に娘が授かったり結婚ができたりしたことから、5年毎に喧嘩祭りを続けている集落の話。
この年は複合レジャー施設反対派と容認派が決着を付けるための喧嘩祭りとなりましたが、祭りの掟を一部破ったということで山の一部が崩れ、結果複合レジャー施設の用地となり、めでたしめでたしでした。
石からパワーが出ているとか言うスピリチュアル高校生なる人物が登場しましたが、霊感商法的発想は大嫌いです。
満足度★★★★
【B】観劇
子供イジリもありました。
ネタバレBOX
自分だけりんごが実らず、願って、一つできたら欲が出て、大きくなって、金儲けしようとしたものの一個だけでは売れもせず、噂を聞いた王様が八本足の怪獣対策に利用しようと考え、怪獣に食べさせのどに詰まらせ殺害。
のどに詰まらせたのですから存在したはずですが、大きなりんごはその有無も含め想像させる存在として現物は登場させませんでした。
とにかく皆さんニコニコと楽しそうにして、おしっこするシーンを入れたりオチンチンという言葉を入れたりして子供に少し恥ずかしい思いをさせ、如何にも子供向け音楽劇という感じでした。
せっか育てた作物が殺しに使われるという皮肉な話かと思っていましたが、欲の皮が突っ張ていたのと本人がその時はりんごが嫌いだったのでそこまでは行きませんでした。
そして、育てることの大切さを知ったパパパさんとマママさんは子供を作ろうとしましたとさ。
満足度★★★★
清濁
客席には子供もいましたが、どこが子供向けかと思いました。
ネタバレBOX
老猫から話を聞いた飢えた野良猫11匹が大きな魚がいる星の下の湖へ行き、苦労の末に捕獲に成功し、定住を決めてその土地の先駆者となる話。
ラストでは、その後猫が集まり大都市となった土地の先駆者として出世した仲間は権力者となり、清濁併せ呑むことは大切ですが、正論を吐く理屈っぽいにゃん太郎が邪魔になり撲殺してしまいました。
邪魔な年上の人たちがいなくなり、才能があれば分不相応に何でもできた戦後の闇市世代を象徴しているようでした。そして、正論を踏みにじる権力者の姿は今日そのものでした。老猫は若者たちについて行かず、若者たちも誘わず、老猫は自殺しました。特攻機が体当たりするようなシーンもありました。
1971年当時の時代背景があるのでしょうが、井上さんも思いをこめ過ぎで、もっと底抜けに楽しい話にすれば良かったのにと思ってしまいました。子供たちには分からないだろうなと思います。そして今日では子供たちの親世代も理解できないかもしれません。
ところで、パントマイム的な身のこなしができ、透き通るような歌声を持つ北村有起哉さんの演技力には改めて感心しました。
満足度★★★★
坂東太郎
結構現代的なテーマもありました。
ネタバレBOX
平将門亡き後の関東を巡る朝廷と関東武士による勢力争いと人間による自然破壊の是非を、将門と狐の血を引く瀧夜叉の武勇伝を通して描いた話。
狭い場所での殺陣は大変だったと思います。
朝廷側と、将門の長男を後継者に立てて朝廷に対抗しようとしつつ暗殺を図ろうとする勢力の存在など、陰謀渦巻く展開がありました。時の権力者が河川の流れを変えようとして龍のお姫様が苦しみ、瀧夜叉たちによって流れを元に戻すというエピソードを通して自然破壊を戒めるメッセージもありました。
ただ、治水と自然破壊の関係は難しい問題です。治水工事を否定する考え方が人民から受け入れられないときは分かってもらえるまで説明すると瀧夜叉は言っていましたが、説明し続ければ分かってもらえなくても良いと言っているようで、まさに憲法学者の意見を無視する安倍首相のようでした。
満足度★★★★★
爽快
久し振りにスカーっとし、これぞエンターテインメントという感じでした。
ネタバレBOX
昭和32年、今は亡き天才詐欺師フジケンの息子で新宿界隈で医者をしている日根が、チンピラのゆすりを手伝ったばかりに殺された売春婦の仇を打つべく、フジケンの手下を呼び寄せ暴力団や大物政治家を大掛かりな詐欺にかけて懲らしめる気分爽快なストーリー。
前半は回り舞台によって溜まり場のバーの内外や組事務所をスピーディに移動させてヤクザを騙し、後半は帝国ホテルの一室でじっくり政治家を騙すという飽きさせない展開でした。そして、エピローグがあり、小気味良い展開からすると邪魔かなと思ったのですが、思わぬ展開が待っていました。さらに上手を行く詐欺師にしてやられましたが、心温まるとともに爽やかさが残りました。
個性的な俳優陣も素晴らしく、主役の股間を掴むなどした鳥肌実さんの自由奔放さには恐れ入りました。
売春防止法が施行された年は長嶋がデビューした年でもあったのだと、改めて当時を知ることができました。
満足度★★★★
もう少し
人間の背景が浮かび上がるようなものであれば良かったと思いました。
ネタバレBOX
神様と呼ばれる浮浪者に会いに、終電が出た後の駅構内に出入りする不治の病の元風俗嬢と彼女に惚れた元結婚詐欺師、妻が自殺を図り逃げてきた男、男を探しに来た妻の妹の女子高生、シャッターを上げ下げにくる駅員、清掃員たちの話。
黄色い点字ブロックもあったりして、とても駅構内らしい雰囲気のある舞台美術でした。その割には人間の描き方は思ったほど深くありませんでした。
本物の神様か天使かどうかは分かりませんが、またその必要もありませんが、そして後付け解釈にはなりますが、神様と言えば天使、天使を登場させるためにどうしようかと考えたときに天使のブラが思い浮かび、そこに繋げようにとブラを装着する男性を登場させたのがミエミエで、あまり気色の良い伏線ではありませんでした。
満足度★★★★★
緊迫感あり
誰がスパイかと一挙手一投足見逃さないように必死で観ていました。
ネタバレBOX
ドイツ軍の捕虜収容所に収容されているアメリカ兵の情報が漏れている疑いが濃厚になり、スパイを探し出す話。
しかし、そういう原作なのでしょうが、最初に疑わしいと思われた人物は犯人ではないといった鉄則に則っていて、しかも誰がスパイかすぐに分かってしまったのは拍子抜けでした。物を逆さに置くということが情報有りの通知方法だったようですが、その不自然さに誰かが気づいても良さそうに思えます。
ただ、敵を欺くにはまず味方からと言いますが、それ故に何も知らない味方にあっさり射殺されて終わるラストシーンは皮肉で残忍でした。
ジュネーブの人権委員会から捕虜の待遇状態を調査に来ていたのは素晴らしいことでした。ただ、この調査員と収容所の所長が同じ俳優さんだったことは、人権を守る側と抑圧する側を際立たせるという意味で重要なのかもしれませんが、特徴的な顔や声が同じでは如何にも省エネとしか思えませんでした。その点、足の悪い捕虜と看守の二役は見事でした。
満足度★★★
少し
中途半端かなと
ネタバレBOX
東京に進学した大学生の王子のアパートに高校時代の同級生が集まって東京タワーを目指すような話。
パソコンを使ったDJが良く見える位置は奥の方でした。四方囲いでなく、客席を三方にしてどこからでも見えるようにするのもありだと思いました。
このご時世、みんながみんな道に迷うのは疲れます。
東京タワーがロケットで、記憶の曖昧な友人はロケットに乗って行ってしまったのか、東京タワーがどこかに行ってしまったと思ったら存在していたりして、ここは地球か別の惑星かと思わせたところは少し趣がありましたが中途半端でした。
満足度★★★★
こんなの初めて
斬新な演出でした。
ネタバレBOX
15歳の少年の自分探しの旅に猟奇事件が絡み、性的少数派と着ぐるみが登場する話。
温室のような、水槽のようなユニットを多くの黒子が大移動させ、組み合わせることで場面展開が行われました。こんなの初めて、一つひとつのユニットは一つの生態系、あるいは他から遮断、防御されているようでした。森などは水中庭園のような雰囲気でした。
着ぐるみは、着ぐるみ役ではなく猫の役でしたが、スタイルのいい女性が着るとスタイルのいい猫になるものですね。
何があったとしても父親が死んだんだから早く帰れよと思いつつ、周りもそうしろよと思いつつ、良く分からないうちに少年は家に帰ることを決め、自分探しの旅は終わりました。
永遠の33歳である浅見光彦の今を描いたテレビドラマを見て、戦争との関係から本当に33歳かよと思うのと同じような違和感を覚えました。
満足度★★★★
色白は七難隠す
とは良く言ったもので、小春の肌の美しさが光っていました。
ネタバレBOX
近松の心中物。
FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介氏が関わったことで妙ージカルになっていましたが、バイオリンも弾け、歌の上手い女優さんがいた一方で、一部の男優さんの半音高そうな歌声が気になりました。
アフタートークで、人を救ってくれる天の網やこの世界の不安定さを表すために乱れた格子に組まれた棒状の板材と平均台を置き、今度はベニヤ板を載せることで家庭の安定性を強調するとの説明に、激しく合点がいきました。
それにしても主宰の木ノ下裕一氏はじーっと良く見ても不思議な存在でした。
満足度★★★★★
からのー
イライラ系、面白かったです。
ネタバレBOX
大学近くの一軒家に住めることになり、入学したら学生生活を大いに楽しもうと考えていたのに、実際はヤンキーの溜まり場になってしまい計画が狂わされた大学生の転落人生。
衝撃の冒頭シーンが妄想だったと思わせておいて、からの理不尽な展開、意味不明な登場人物もいましたが大学生は鬱状態だったこともありそのせいか、そして抗鬱剤が原因となっての転落へととても興味深く観、さらにはテンションの低い一気飲みなど、知らない世界を垣間見ることができました。
満足度★★★★
そこそこ
温かいくらいな
ネタバレBOX
人気の弟分に先を越されたもののようやく真打昇進が決まった惣領弟子と彼を見守り応援する周囲の人々の話。
真打昇進披露公演に向けての稽古も大切ですが、総領弟子に師匠の死を告げないというのは不自然で、また真打に推されるくらいですからそんなやわなはずもないと思いました。
弟子入りした人だけが落語家だと思っているので、素人が素人として落語をやるのは構わないのですが、こういうお芝居や風間某や小宮某のように素人が落語家然としている姿を見るのは本当に申し訳ないのですがそもそも好きではありません。
米屋や魚屋の賑やかしも邪魔っぽく感じました。