十一ぴきのネコ 公演情報 こまつ座「十一ぴきのネコ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    清濁
    客席には子供もいましたが、どこが子供向けかと思いました。

    ネタバレBOX

    老猫から話を聞いた飢えた野良猫11匹が大きな魚がいる星の下の湖へ行き、苦労の末に捕獲に成功し、定住を決めてその土地の先駆者となる話。

    ラストでは、その後猫が集まり大都市となった土地の先駆者として出世した仲間は権力者となり、清濁併せ呑むことは大切ですが、正論を吐く理屈っぽいにゃん太郎が邪魔になり撲殺してしまいました。

    邪魔な年上の人たちがいなくなり、才能があれば分不相応に何でもできた戦後の闇市世代を象徴しているようでした。そして、正論を踏みにじる権力者の姿は今日そのものでした。老猫は若者たちについて行かず、若者たちも誘わず、老猫は自殺しました。特攻機が体当たりするようなシーンもありました。

    1971年当時の時代背景があるのでしょうが、井上さんも思いをこめ過ぎで、もっと底抜けに楽しい話にすれば良かったのにと思ってしまいました。子供たちには分からないだろうなと思います。そして今日では子供たちの親世代も理解できないかもしれません。

    ところで、パントマイム的な身のこなしができ、透き通るような歌声を持つ北村有起哉さんの演技力には改めて感心しました。

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    2015/10/03 10:54

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