満足度★★★★★
いい話でした。
ネタバレBOX
競争社会で疲弊しストレスを抱えた青年が会社を辞め、耳かき屋の雇われ店長をしたことで、店員や顧客との対応に苦労しながらも自分の弱点を見つめたりして成長し、癒され巣立っていく話。
こんな下ネタ風題名付けなくても良いと思いました。前説での今回は耳かき屋を題材にして作ってみましたという話に、ストーリーテラーとしての池田さんの才能を再確認しました。
暴力が嫌いなんじゃなくてむき出しの感情が嫌いなんだという台詞は、今一腑に落ちるというまでは来ませんでしたが良さげで、かっちりした舞台装置でやれば、人情コメディとして新橋演舞場にでも掛けられそうな内容だと思いました。
満足度★★★★★
やはり感動しました。
ネタバレBOX
2009年のシアターコクーン、鈴木杏さんがアニー・サリヴァン、高畑充希さんがヘレン・ケラーを演じていたとき以来の『奇跡の人』でした。
ヘレン・ケラーを演じ、その後アニー・サリヴァンを演じるというのは女優としてとても誇らしいことだと思います。
高畑充希さんの身のこなしはスピード感もあって素敵でした。ただ、ヘレンが大柄なせいか、高畑さんが小柄なせいか、体格のバランスがとれていないようには感じました。
2009年のときは本物の犬が登場して驚きましたが、今回は人がダイナミックに操る形のぬいぐるみでした。本物以上に生き生きとした自然な動きで、じゃれるシーンがあることを考えるとこちらの方が良かったと思います。
こんな小さな子役がいるのかと驚くくらいの小さな子役が登場しました。これまで見た中で一番小さな子役でしたが、それでいて台詞はきっちりしていて素晴らしかったです。
物には全て名前があることを理解させることの難しさ。ヘレンは病気になる前の赤ちゃんのときに、水のことをウォーウォーと発しており、物と名前の関係をある程度理解していたことがこの奇跡に繋がったのではないかと痛感しました。
満足度★★★★
【Bチーム・西尾季隆(X-GUN)の回】観劇
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小学校低学年のときに親権が父親から母親に移ったことをなぜか忘れていた女優の卵が、金町の銭湯に取材で訪れた際に、過去の思い出を思い出させる特殊能力を持つ男の力を借りて2002年5月と2019年4月19日を行き来するうちに、ここがかつて父親と一緒に住んでいた再婚相手先の銭湯であることや、目の前にいる人たちが、父親、当時の義理の母、なじみの人たちであることを思い出すという話。
母親からの言い聞かせがあったり、ショックなどから意図的に記憶をシャットダウンしたりしたと考えてみても、それでも小学校低学年のときに父親と一緒に暮らしていたことを忘れることが何とも腑に落ちませんでした。
17年後に娘が訪ねにやって来るというメモを残していたという展開は、デジャブ感がありました。
X-GUN西尾季隆さんの回で良かったと思いました。
満足度★★★★★
『舞い上がれ、レジャーシート』観劇
ネタバレBOX
ピクニック中に風で舞い上がったシートを追いかけて池にはまって亡くなった父親のことがトラウマになって、ピクニックに行きたがらない作家に編集者や知人たちが誘いに来る話。
落とし穴好きの編集者など登場人物が皆バカバカしくて面白かったです。
次の作品のための取材と称してピクニックに出掛けようとしたのはまとも過ぎました。
ベッドとか、布団、座布団、テーブルをビニールで覆っていたのは何だったのでしょうか。溶けたアイスクリームで汚れないため?シート嫌いな主人公がシートで覆うなんて、汗でべたつくと思うと気持ち悪くて仕方ありませんでした。
満足度★★★★★
イライラは嫌だけど好物です。
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ゲーム喫茶のなれの果て、奥の部屋にある違法賭博ゲーム機で生計を成している在日韓国人一族の、こんな生活から抜け出そうにもやはり違法なことでしかやる方法がない、やるせない日々を描いた話。
デート商法ではイライラさせられました。
母国語の話せない在留者の子孫たちは日本で生きていくしかないとしたら、我々もそれを理解しておくことが必要だと思います。
最後のアイヌは蛇足と感じました。
満足度★★★★★
【RIPEチーム】観劇
ネタバレBOX
友人を目の前で飛び込み自殺で死なれて精神を病んだ女子高生が、少しずつ治癒していく様を描いた話。
とってもポップでした。
マツリが、小春に小山田マツリですと名乗るシーンが感動的で素敵でした。
満足度★★★★
非日常さを味わっておくのも名残雪のようなものだと思います。
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暴動か何かが起きたかで人が減少している少し先の東京で、以前から道路工事現場で働く人形安全太郎と結婚したいと思っていた一人の女性が東北に帰るという話。
この女性役で出演している女優が拠点を仙台に置くということと、作演の大池さんも城崎に移るということを象徴的に表現したもので、少し切なくなります。
非日常さを加味するのは青年団の常套手段ですが、その青年団がどうなるのかと考えると、マンネリと考えず非日常さを味わっておくのも重要かなと思いました。
満足度★★★★
意欲的なものは感じました。
ネタバレBOX
グルグル回りながら、中央部分に白墨で文字を書きながら、思っていることをしゃべるようなパフォーマンス。
一時間にも満たないものでしたが単調で疲れました。
満足度★★★★★
断然、女亡者の方が面白かったです。
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『女亡者の泣きぬるところ』 非正規が長引き、生きがいを失くした女性が、殺し屋に自分をさり気なく殺すことを依頼するも、外出しなかったため叶わず、自宅にやって来た殺し屋と話すうちに次第に置かれている立場が逆転していくような話。
『男亡者の泣きぬるところ』 偶然エレベーターに閉じ込められた男性二人が会話をするうちに、生真面目な男とチャラい男は同級生で、出生から女性関係、生まれてくる子供に至るまで、人生万事塞翁が馬の如く悲喜こもごも立場が急展開していく話。
男亡者の方は想像がつき易いのに対して、女亡者の方は悲惨さがスーッと移動していく様が素晴らしく、女性の社会的地位が表現できていて、しかも具体的に餃子を作るという意外性もあって、秀逸なおいしい殺人でした。
満足度★★★★
嫌いなジャンル
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高層ビル火災で死んだ9人の亡霊が、そのビルの建替計画のこともあって、迷い込んで来た女性が彼氏と結婚できるように後押しする仕事を最後にこの世から消え去る話。
結局は幽霊物。
満足度★★★★★
重厚な内容に身が引き締まりました。
ネタバレBOX
ナチスによる影響を避けようとするオーケストラを、少しずつ取り崩し支配下に収めていくナチスの話。
野木萌葱さんが学生の時に書いた作品とのこと、才能に驚かされます。
満足度★★★★
【② 「かんしゃく玉」「屋上庭園」「医術の進歩」】観劇
ネタバレBOX
「かんしゃく玉」 かいしょなしの無職の夫と美人で引く手あまたの妻の仲のいい夫婦が腹が立つことがあるとかんしゃく玉を鳴らして憂さを晴らす話。
「屋上庭園」 金持ちの友人の施しを断る貧乏人の矜持の話。
「医術の進歩」 在宅療養中の心臓の悪い男が妻の外出中に死ぬ話。
結局、クスッとしたのは①だけでした。
満足度★★★★
【③ 「麺麭屋文六の思案」「遂に「知らん」文六」】観劇
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「麺麭屋文六の思案」 娘が、妻が実家に帰って下宿している小学校の先生の子を宿してしまい、心配して別れさせようとするパン屋の主人の話から、彗星が地球に衝突するという噂が流れ、「遂に「知らん」文六」 流言によるどさくさに紛れて色々な男女が本能的にくっついて、その中で娘の結婚も認められたのかなというような話。
変な話でしたが、神は人間が作ったというところは納得しました。
満足度★★★★
何もそこまでしなくても、
ネタバレBOX
飛んできたサッカーボールに心を許したダンゴムシがつぶされ傷心した少年に、たまたまボールを取りに行かされただけなのに殴られ顔に大怪我を負った過去を持つ失踪した兄を探す妹の様子を描いたようなパフォーマンス。
多部ちゃんみたいでしたね。
大道具さん大変です。
満足度★★★★
元気はいっぱいでした。
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二股とか浮気じゃなくて、自分がナンバーワンの立場となる恋愛を成就させたいと思い行動するぽっちゃり系女優福井夏をリスペクトした集団パフォーマンス。
アドリブ風始まり方ですが、楽屋で会っているのに、お久し振りはないでしょう。白けます。
満足度★★★★
【① 「驟雨」「葉桜」】観劇
ネタバレBOX
「驟雨」 新婚旅行で友達に会い、新妻のことなどどうでもいいとカッコつけた夫の気持ちがまだ分からない妻の話。
「葉桜」 見合い相手から返答が来ないことを気にする母親が娘に問いただすと、相手の家ではぶっきらぼうだというものの、結局は手を握り合っているようで心配して損したという話。
「驟雨」の新妻が「葉桜」の母親になったという時の流れを感じさせるような演出に、なるほどこういう演出もあるかと感心はしたものの、一々ポーズを取ったり、笑いを誘うような凝った演出も含め、そうではない、一本一本普通に演出して、クスッと内側から笑いが漏れるようにするのが岸田演劇を演出する上での本質ではないかと思いました。
満足度★★★★
たられば
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男と喧嘩して、屋上に行った女性が凍死した話。
パラレルワールド物でしたが、パラレルワールドは何回もやると何でもありの詰まらないものになります。
満足度★★★
嘘はいけません。そして、パワハラ演劇、セクハラ演劇でした。
ネタバレBOX
飛び降り自殺を三回も目撃した男が、飛び降りしようとした女性と紆余曲折あって、動物の助けもあって恋が成就する話。
彼女を助けようとして誤って落ち、動物と話せるようになるなどとても面白い展開でした。
三人目の自殺者が早着替えに手間取るというコントはだらけるだけで不要でした。また、90分のお芝居で、開始30分で10分間の休憩というのは、場面転換するわけでもなく、衣装替えをするわけでもなかっただけに、全く理解できませんでした。
そして、嘘はいけません。客入れの際に、構造上、奥の方が見易い席になっておりますと案内していましたが、端っこは単に端っこの席に過ぎませんでした。正しくは、構造上、奥の方から座っていただけると幸いですと言うべきでした。最低の行為です。
さらに、女優のおっぱいを何度も触る行為は、パワハラ、セクハラ演劇の極みで、見ていて不愉快になりました。
面白い話だっただけに、演出面、スタッフ面で残念でした。
満足度★★★★★
楽しかったです。
ネタバレBOX
ロシアの地主農家の許に、大学教授を退職した亡き妹の夫と後妻が移り住みに来たことによる騒動、即ち美人の後妻に男どもが浮かれてしまったことと、元教授が土地を売ろうと言い出して大ひんしゅくを買ったことを描いた話。
初観劇のワーニャ伯父さんでした。
満足度★★★★
ルーさんが楽しそうで何よりでした。
ネタバレBOX
止められない癖に悩む人たちが、精神科クリニックの待合室で会話をするうちに快癒に向けて少し希望が持てたかな、あるいは病気とうまく付き合えるようになったかなと思える話。
発言を二回繰り返す癖は、結構大変だろうなと思いました。
自身も汚言症であるお医者さんがグループセラピーを仕組んだわけですが、その暴言が翻訳のせいなのか、フランス人と日本人とでツボが異なるせいなのか、言われて怒り出すほどのこともなく、卑猥さも中途半端でいまいちピッタリ来ませんでした。