満足度★★★★
モーターフル回転!
小玉さん、バッチリでした。
ネタバレBOX
絵に描いた電車のゆるキャラ、バラキレフが飛び出してきて活躍する話。
小玉久仁子さんにピッタリのはまり役。『江波戸さんちのにぎやかなひなまつり』の妖怪のときと同じように突き抜けていました。小玉さんはキャラが立ち過ぎているので人間以外の役がいいと痛感しました。
逆に言うと、人間の役をやるときは少し抑え気味にやられた方が自然でいいのではと、あくまでもイメージですが、普通の会話で声をしゃくり上げ、斜め上を睨む人はいないと思うのです。
バラキレフにおんぶにだっこで、ストーリー的にはもう一段弾けてほしかったような気がします。
大雨が降って放水しては下流域の人々に損害を与えた今回の全国的ダム騒動でしたが、ダムダム大臣は他にもっとせき止めるものがあるだろうという言葉が意味深でした。日本の領海に侵入する外国船をせき止めてほしいものであります。
満足度★★
I4U♥
他愛もない話でした。
ネタバレBOX
憲法を改正せず、国会議員が国会議員40名の推薦を得て立候補し、国民投票で過半数を得た者が国会の追認を経て総理大臣になるという制度。
面白いアイデアで、ここまではまあ良いとして、具体的な政策が何も無いままでの国民投票、高橋愛さんの唯一のキャッチフレーズが♥を胸に愛注入、これではパクリなので愛フォーユーでは何をか言わんやです。
救いは高橋愛さんと石川梨華さんが出ていることだけでした。
満足度★★★★
夢でパンパン!
役柄のせいだけでなく、出演している少女たちの夢見る気持ちが前面に出ていて好感が持てました。
ネタバレBOX
開演前から販促する少女の脇で、数人の少女が少女人形と称して30分間微動だにせずに佇んでいました。歳を経る毎に時間は早く流れるものですから、彼女たちにとっては私の2倍ぐらい長く感じられたのではないかと思います。良く頑張っていました。
歌唱力には上手い下手がありましたが、皆さんテンションが高く概ね良かったと思います。ただ、敵対する相手役のイメルダですが、スタイルも良くとても妖艶だったのですが、低音としゃべりが少しゆっくりなところがあって、地なのでしょうが、一人だけ周囲とテンションが異なっていてちょっと調子が狂ってしまいました。
ストーリー的には、イメルダの良い方への心変わりに唐突感がありました。
満足度★★★★
お互い
こういう仕組みがあるといいですね。
ネタバレBOX
タヌキさんのタヌキとは、ホームレスの親方が名前なんてどうでもいいんだと言って勝手に付けた名前とのことでした。そりゃ名前なんて誰かと誰かを区別するためのもので、特にホームレスの世界では本名を使うことは避けるでしょうから確かに何でもいいのですが、初対面の人にタヌキなんて名前を付けるでしょうか、ちょっと失礼なような気がします。
じゃあ、キムタクが来たでもいいじゃないかと思ったりもしました。
ま、英題には『A raccoon dog has come.』とMrも付かず、タヌキがやって来たになっていることなども考え併せると、題名を考えるときに何かミスリードを目論んでいた、少なくとも死神のイメージから少しでも距離を置こうとしていた作者の意図が窺えますが、初めて公園に来たときに土埃で薄ら汚れていて、親方には私がまるでタヌキのように見えたそうですよと言えばそれまでのことで、変に違和感を覚えさせることも無かったのではないかと思いました。
死んだ者がこれから死ぬ者に対して、生の意義や死の意義を自分の経験を活かしながら説明して安心させる…、こんな仕組みがあるとすれば、死ぬ者も心穏やかに死ねますし、死んだ者にももう一つ遣り甲斐ができていいですね。
ラストの看護師さんがバラの花を片付けるシーンは患者さんの死を象徴していますが、実際にはお姉さんかお父さんが片付けていたはずでしょと言いたくなりました。
全体として少し不自然さが目に付き、話を作った感がありました。
満足度★★★★★
ギャハハ
本当に WARSが勃発しました。
構成も斬新で素敵でした。
ネタバレBOX
振られた男の気持ちも考えず、塩をなすりつけるような言動をするあんなKYな彼氏がいたら、彼女の立場だったらホントに嫌になります。
彼の仕事に対する姿勢もそうで、頼まれた資料を自分から持って行かない、頼まれた仕事の最小限のことしかせずプラスアルファができない…、空気が読めないとは正に他人への配慮に欠けていることですね。
そして戦闘マニアの介在によって恋人同士に戦闘が勃発、さらには、振られた男と新しい方の男、媚びる女とそれを暴露する女等々、いがみ合う人間同士にも戦闘が始まって職場は戦場と化しました。
二人に「その先」はありませんでした。別れて当然です。
戦闘シーンも含めて、具体的な事案に則したようなダンスパフォーマンスが楽しくて素敵でした。職場の面々がマイクに向かって本音を話すシーンも斬新でした。
満足度★★★
バカバッカでいいのに
変に真面目で疲れました。
ネタバレBOX
以前テレビで取り上げられ、ヤラセや何だでこっぴどく叩かれたことのある大家族を巡るお話。
ま、テレビのビッグダディ物にはヤラせがあったのだと思います。家族側の事情やテレビ局の制作姿勢などへの批判精神と、大人数の役者を登場させることができることから本作品のアイデアが生まれたのでしょう。
全家族のラップ+E(演歌)のラッピーも非常に長い楽曲になっていましたが、ノリがいいのでそこそこ楽しめました。しかし、テレビに出たことで虐められたことやそもそも大家族を作った父母への不満などを述べた子供10人の独白は、長くて辛気臭くて疲れました。
満足度★★★★
年齢的にも内容的にも
本当に雰囲気の異なる二つの劇団でした。
ネタバレBOX
ごっこのごっこと神を殺す話。
◆集団快遊魚 『U・M・A』
謎の生命体を探す冒険ごっこをしようと、部室でその練習ごっこをする話。理由はよく分からないのですが、最後に生き残った者には罰ゲームでもある的な学生のノリなでしょうか、冒険には危険が付き物でどんどん死んでいく練習ごっこの後、さあ酒でも飲みに行こうかというどうでもいい午後の暇潰しのお話でした。
◆演劇サムライナンバーナイン 『セカイから抜け出すいくつかの方法』
人間の欲望によって生み出されるものには、死んだ息子が生きていたらと想像するような癒し効果の他に神の創造があり、人間が創造したはずの神に支配されてしまう現実がありますが、そんな神の支配を根本的に断つには人間が認知症に罹ること、あるいは人間が死ぬことと指南するデカンショ節的な話でした。
暇潰しの話と哲学的な話、全く趣が異なっていました。
満足度★★★★
ごちゃごちゃ、スッキリ、萌ーッ!
究極の自己犠牲。
ネタバレBOX
学園は、宇宙人、天狗、1300年前から来た人、狼男と思い込んでいるのか思い込まされているのかそんな感じの男、狼女、女スパイ、1300年前から悪さをしながら生きてきているであろう妖術使いの男等々で溢れています。そしてそれだけではなく、あの世の入り口にも神様がいて、もう現実社会もあの世もありとあらゆる怪しい人たちのオンパレードでした。
学園の中は、喧嘩があったり、妖術使いが狼女の命を狙っていたりでごちゃごちゃです。妖術使いも好き放題できるはずなのでなぜ狼女に拘るのかよく分かりませんが、いずれにせよ、謎の転校生昇太郎は妖術使いから狼女を守ることができず、二人は殺されてしまいます。神様の計らいで何度生き返っても結果は同じです。
こんなことがずーっと続いたら飽きてくるな―っと思ったら、男がなぜこうなったのか、1300年前に戻って根本を正すことが重要なのではないかということに昇太郎が気付き、神様に頼んで過去に行きました。
さあ、次回に続くかと思いました。本当に次回に続くでも面白かったですよ。しかしそれは無く、そして…。
現在は平穏な学園ですが昇太郎はいません。誰も彼のことを知りませんが、彼の犠牲によって救われたのでした。
米沢瑠美さんなどの制服萌ーッ、遥奈瞳さんの大きな瞳…、女性陣が可愛くて良かったです。
満足度★★★★
スマート
とくお組はスマートです。本当に公園にいるようでした。
ネタバレBOX
周辺のビルは建て替えが進んで風景が変わる…、40年経っても100年経っても変わらないのは著名な公園、懲役過去刑で送り込まれた未来人たちが集まるのも納得です。
途中ちょっとダレたように感じましたが、武蔵野市の職員が彼らの懲役刑に関わっていたとはなかなか考え抜かれたオチでした。
職員の話によると、井の頭公園が時々でこぼこになったことがあるとのことでした。これまでにも何人もの流刑者が来て、爆破させてまた去って行ったのでしょうね。
満足度★★★★★
明るくてチャキチャキ、
ちょっとコミカルで楽しかったです。
ネタバレBOX
若々しい出演陣によって文学を目指す人たちや周辺の人たちが温かく描かれていました。
今日だけは諦めない、今日だけは自分の書きたいものを書く、こんな気持が持てているうちは辞めないのでしょうね。かと言って、一人よがりでもいけない、みんな苦労して生きていると諭す300円の借金を5銭のコーヒーで返済している喫茶店の女主人も素敵でした。
チャキチャキの女優陣が光っていました。オムニバス形式のため仕方ありませんが、売れ筋を瞬時に判断できる目利きの編集局員が一回しか出番が無かったのは残念でした。
ワーサルには文学が似合います、という風な空気が定着するといいですね。
満足度★★★★★
丁寧
何が正解か分からない難しい問題を丁寧に描き、一つの答を見せてくれました。
ネタバレBOX
頭で考えると、マトリクス的には様々なケースが考えられますが、実母が認知症になったからこそ帰ってきたわけで、そしてようやくこれまでのことが分かり、施設に連れ戻されることになったのにまた来てしまう、そうした自然な流れの中で解が導かれていきました。
居場所が無いというちょっとした喪失感から家を出て、そして帰るきっかけを失ってしまったことによる悲劇。後悔先に立たず、後で悔やんでも仕方がないという意味ですが、後とは一体いつのことでしょうか。帰るきっかけを失ったと思った頃はまだ後では無かったんですね。その時に帰っていればと思います。
捨てられたと思い込んで何も行動しなかった父親も悪く、仲間も悪いですね。
長男夫婦も危機でしたが、同じ轍を踏まず良かったです。
中年の新人さんについてですが、当日パンフレットに書いてあったのでついそういう目で見てしまったせいかもしれませんが、演技は確かに素人っぽく、周りから浮いていました。素晴らしい流れの中の違和感、初っ端にも違和感を覚えた箇所がありましたがそれは置いといて、一言、発表会を見に行っているわけでは無いということだけは言っておきたいと思います。
満足度★★★★
すっごいジレンマ
バタバタしたり、下手糞だったりした方が素晴らしいとは…。
ネタバレBOX
干されかけた俳優や自ら諦めかけた俳優、さらにずぶの素人などを集め、売り込みのために以前送られてきて、たまたま手許にあった脚本家志望の脚本を元に、今日の今日芝居を打とうというのですから、素人臭かったり、練習不足でバタバタになったり、間が悪かったりすることがリアルで素晴らしい演技ということになりますが、本当に下手っぴでいい加減な筋書きで、本番中に中断もあったりして素晴らしかったですぅとも言い難く、ジレンマに陥ってしまいました。
サイコドラマの手法を使った心理療法を受けたかのような効果があり、みんなが素をさらけ出すことができました。その結果、喧嘩別れした元恋人同士は復縁でき、他の人たちも目標に向かって頑張ろうということになりました。ただし、エイリアン役のエイリアンと、M16星で演劇指導をすることになった殺人犯役の殺人犯の二人を除いて。
ところで、殺人犯が俺の舞台だと叫んだときはオオッと思いました。本の中の登場人物が筋書きを変えようと作家に働きかけることはよくありますが、俳優が芝居を終わらせないように筋書きを変えようとするのは斬新で、芝居を続けている限りは誰も介入できず、警察にも捕まることがないという風な世界観に魅了されました。
満足度★★★
わざとらしいドタバタは関西風
無理に話を作っているように感じました。
ネタバレBOX
羽野晶紀さん風なライターとバタバタおばちゃんの雑誌編集者で関西を感じました。ただ、おばちゃんが出てきただけで大笑いがあったのには、笑い袋が仕込まれているんかいなと白けた思いになりました。
話自体は天狗探訪の取材旅行に津波の話を無理にくっつけたように感じました。
天狗は西方から仲間が戻ってくるのを待っていると言っていましたが意味不明でした。海の色と天狗の赤が混じって紫色になったというのも意味不明でした。
満足度★★★★
沈黙は金
沈黙できなくとも金星。
ネタバレBOX
ちょっと小太りでしたが、王子様タミーノが鳥刺しパパゲーノと共に嫁取りのために冒険する話。夜の女王からそれぞれ魔笛と魔鈴を貰っておきながら太陽を崇拝する方のザラストロに与し、王子はしゃべってはいけないという沈黙の試練に耐え夜の女王の娘パミーナと結婚することができ、パパゲーノは試練には耐えられなかったものの、普通の人とはそんなもので、パパゲーナという伴侶を得ることができました。夜の女王はザラストロに、というか雷鳴、光に滅ぼされました。
ザラストロは夜の側には迷信がはびこっているなどと批判していました。人間は単に暗いということからくる恐怖心から、あるいはそうでなくても心の弱さから根拠のないことを信じ込みがちですが、それではいけないとする現在にも通じる先進的な考え方があったことが分かりました。
一方、女性は男性の指導に従うのが良いと、随分男尊女卑的な部分もありました。1791年当時の考えが窺えます。
時々ある、上部が光、下部が闇という配置も分かり易くて良かったと思います。王子様の最初の曲で、声がかすれそうになったように聞こえたのがちょっと気になりました。
満足度★★★★
『走りながら眠れ』観劇
だんだん作者の作風が分かってきました。
ネタバレBOX
渡仏したことや、ファーブル昆虫記の翻訳のことなど史実を踏まえてはいますが、別に大杉栄でなくてもいいじゃんという感じのストーリーでした。
結局、色んな痴話を録音し、その中から使えそうな部分を夫婦の日常会話として演劇にしたような感じでした。
そうした日常の後に、ラストで、もうすぐ関東大震災が起きて自分が死ぬことになるとまでは言いませんが、何となく虫の知らせのような一瞬の非日常と結論めいたことを言わせて終わる、『この生は受け入れがたし』と全く同じパターンでした。
『この生は受け入れがたし』では、ずーっとどこかの研究室の様子を録音でもしていたかのように日常部分を描き、途中、本人は意味が無いとおっしゃっていましたが、意味が無いのはその通りで、観客がキツネのお面で非日常的な感覚をちょっとでも感じればそれで良しだったのでしょう。そしてラストで愛の告白をさせる、でした。
録音を録ってきて、それで誰でも作品が作れるってわけでもありませんが…。
満足度★★★★
『銀河鉄道の夜』観劇
小さな子どもがお母さんに今日は大人が多いねって言ってました。平田オリザ・演劇展なんて銘打つから大人ばっかり集まってしまうんですね。
ネタバレBOX
カンパネルラとジョバンニの二人が固定されているだけで、あとの三人が色々な役柄を演じる、いかにも小学校巡業に適した演劇。
原作に忠実で、カンパネルラのお父さんとジョバンニの会話シーンも描かれていて良かったと思いました。
満足度★★★★★
祝歌舞伎座杮葺落公演!【第一部】観劇
入り口の絨毯がふわふわ。
知っていた人は知っていたのでしょう。知らなかったからサプライズなのですが、このサプライズを見るだけでも一見の価値ありでした。
ネタバレBOX
『お祭り』に勘九郎さんの長男七緒八君が勘九郎さんと七之助さんに連れられて花道から登場…、全く予想していなかったのでまあビックリ!
舞台中央の赤い長椅子に二人に挟まれる格好でチョコンと座って皆さんの踊りをおとなしく眺めていました。
七之助叔父さんも優しく見守っていて、叔父さんの扇に興味を示した七緒八君に対して彼の扇を広げてあげたりして世話を焼いていましたが、彼はすぐに閉じて腰に戻してしまい、お父さんがきちんと腰に差してあげていました。
とにかく可愛くて、まん丸な顔は愛ちゃんに似ているなって思いました。
結局、七緒八君ばっかり見ていました。
満足度★★★★★
最高に楽しいー!
みんな元気ハツラツ、明るく、楽しく、隅から隅まで暴れ回ってサイコーでした!
ネタバレBOX
あほく星から地球を守るために派遣されていた双子の姉妹の幸(さち:鈴木アメリさん)と幸(ゆき:二階堂瞳子さん)、そんな使命があることなどつゆ知らず、育った家庭環境の違いから二人は反目し合い、殺し合い寸前だったのですが、地球上で誰かが成程と納得する度になるほ度が上がり、もうすぐ限界に達し地球が爆発しそうな危険な状態になったので、イエスならぬ、ドMなのでイエムと呼ばれる父親とイケメン軍団がやって来て、二人を仲直りさせ、地球のなるほ度を下げさせようとする話。
殺し合いの残忍さに気付いた二人はそれぞれプレゼントを贈りますが、オー・ヘンリーの短編のように、お互いに相手の大切にしている物のペアとなる品物を贈るために自分の大切な物を売っていて、役には立ちませんでしたとさ。
意外な結末に、なるほ度も下がったことでしょう、メデタシ、メデタシ。
それにしてもアメリちゃん、元気ハツラツで笑顔が可愛かったです。でもやっぱり気にしてるんですね。夜寝るとき鼻を高くする器具を使っていたとは。なるほ度も上がってしまいます。
男性陣も元気一杯、全裸は見たくありませんが、上半身裸ぐらいだったら許しましょう。
満足度★★★★
『この生は受け入れがたし』観劇
基本、研究室の日常をそのまま描写しているだけのようでした。
ネタバレBOX
研究員の妻が寄生虫のことを聴きに来ている特異さはありましたが、研究室の日常をそのまま描写しているだけのようで、それでもお芝居が成立するんだと不思議な気持ちになりました。
ラストシーンで、フタゴムシという寄生虫の話を通じて夫が妻に身も心も愛していることを不器用に告白するというところだけが所謂お芝居のようでした。
寄生虫の害や効用についてはおおよそ見聞きしている内容だったのであまり新鮮味はありませんでした。
キツネのお面をつけたシーンは狐憑きのようでちょっと幻想的ではありましたが、アフタートークでオリザさんが話したことによれば、初演当時たまたま秋田で見かけたキツネのお面を使うために取り入れただけということでした。
満足度★★★
分かってはいたけれど
そういう若者がいた、意外性の無い戦争群像劇でした。
ネタバレBOX
映画監督を目指した若者が、特攻隊の訓練基地で出会った元駅伝選手たちから取材した話を元に遺作として残したシナリオをベースにして、死んだ者、生き残った者を描いた戦争群像劇。
戦時下で一回だけ行われた東京箱根間の駅伝、そして戦争を経て戦後、生き残った者たちが大学に戻って再開された箱根駅伝…、ありきたりな感じです。
それにしても軍国主義は箱根駅伝を靖国神社から箱根神社までの駅伝に変えるほどえげつないことをするものだということが分かりました。
特攻隊に配属された男に娘を嫁にやるかやらないか、父親の判断以前に、お芝居が始まる以前に、二人が愛し合っているのことが大前提になっているのでどのような判断を下そうとも驚きも何もありませんでした。
男性陣の髪型は他の仕事のことを考えているのか中途半端で、どこまで真剣に取り組んでいるのだろうと思いました。
お父さんの天然なおとぼけや、ライバルの訓練生がセーラームーンの小松彩夏さんの手紙を盗み読むシーンで、手紙を閉じると小松さんが帰りかけ、また開いて読み始めると小松さんが戻ってきて喋りだすというコミカルな動きはとても面白かったのですが、このお芝居に本当に必要だったのかどうかはよく分かりませんでした。