生前葬(so)ng♪
吉本興業
あうるすぽっと(東京都)
2019/08/21 (水) ~ 2019/08/25 (日)公演終了
満足度★★★★
突っ込みに“間の悪さ”の上手さ、絶えず笑いが客席から起こる。生前葬に絡んだ人間模様のドタバタ。わかり易くて楽しい舞台だったが、“笑かそ”が少ししつこい気がした。やっぱり肝心のところは肝心のところの締めというか、全体にもう少しメリハリが欲しい。
DNA
劇団青年座
シアタートラム(東京都)
2019/08/16 (金) ~ 2019/08/25 (日)公演終了
満足度★★★★
見せるセットに、しっかりした演技。さすが青年座さんと唸ったが、事を起こさずに終わらせてしまったあたり、ちと残念過ぎる。確かに継続というそれも一つの結末かもしれないが、やはりはっきりした出来事や意思と行動を貫く姿も観たかったと思う。とはいえ、最後まで“どうなる?”と引きずられたのは間違いない。
第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』
DULL-COLORED POP
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2019/08/08 (木) ~ 2019/08/28 (水)公演終了
満足度★★★★
かなり昔の話だが、柏崎の原発の見学に行ったことがある。一番感じたことはこの町は原発で成り立っているという事。そして、それを失うことは町が停止しかねないという事。危険なのは十分わかっていても、その必要性はあまりにも大きく・・・このストーリーの中で語られた部分に改めて、どうにも出来ない現実を感じた。可能性より切実な現実。言葉をすり替えて生きることになってしまった町長。その苦しみの大きさとやがて来る悲劇。福島出身者としてはあまりにも痛みを感じる内容でした。出演者の演技も素晴らしかった。しかし、残念乍ら、この舞台の上に土の匂いは感じられなかった。聞き慣れた方言がいくつか出てきたが、なじんでいないことに違和感を感じてしまった。
二度目の夏
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2019/07/20 (土) ~ 2019/08/12 (月)公演終了
満足度★★★
こんな結末・・・どこかはぐらかされたような、勝手に自然消滅してしまったような、どろどろしたものがオリのように湖の底に渦巻いたままの様な、なんとも不思議な終わりに戸惑った。自分の考えに支配され、なくてよかったはずのものに囚われた人々。その会話が一つ一つ突っかかってくる。片桐はいりさんらの味付けが重いだけの作品にはしなかったが、歪み始まった想いは元に戻らないものだという事は痛く感じた。人の弱さを感じさせる作品でもありました。
古~inishie~
エヌオーフォー No.4
シアターサンモール(東京都)
2019/07/24 (水) ~ 2019/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
共通の体験と目的、そんな仲間の繋がりと、表と裏の複雑な人間関係と思惑、まぁ有りそうな話ではあるのだが、出演者たちのチームワークがとてもいいので、思った以上に楽しめたように思える。
怪談 牡丹燈籠
アーティストジャパン
三越劇場(東京都)
2019/07/19 (金) ~ 2019/07/24 (水)公演終了
満足度★★
出演者眺めて、これは!と思い、観に行ったのだが、残念ながらその出演者のこれはという美味しい部分はあまり感じられなかった。なんというか演出さんのお仕事の冴えが感じられない。ただストーリーに沿って、話が流れて行ったような・・・このメンバーで・・・と思うと残念だった。
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壱劇屋
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2019/07/26 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
この劇団を初めて観たのが約四年前。
そして三年前の感想
「無機質で淡々と感情よりも構成力が強い。場面場面の動きが良い分、観ている側の気持ちを引っ張る芝居が足りない。それが惜しい!前半は単調。しかしラスト、最終列車からのラッシュは見事だった!迫力があり、構成も見事!あれだけのものをこなす力があるのであれば、もう少し演技にも観客を引っ張る彩が欲しい。」
今回この足りなかった部分が見事に満たされたように思えた。
話の流れが見えてきても、どんどん引き込まれていく。これでもかという大量の殺陣のシーンも飽きさせない!
小劇団としてはハイレベルな衣装がキャラの個性を良く表していた、
音使いも選曲も場面を引き立てていた。
観劇仲間の中には「あの劇団はパス」という方たちもいる。そういう方たちにこの作品はぜひ観て欲しい!
演劇というよりパフォーマンス的に受け止めているらしい方たちにがっちり芝居のこの舞台を観て欲しい!
(個人的には動きの構成の見事な、十八番的な公演もそれはそれで好きなのだが・・・・。)
誰もが楽しめる舞台!
ぜひぜひ観て欲しい!
群盗=滅罪
クリム=カルム
シアター711(東京都)
2019/07/24 (水) ~ 2019/07/28 (日)公演終了
満足度★★
二月に宝塚が上演していたとか・・・どんな出来上がりだったか、気になる所。
今作は設定が一部男女変わっていたようで、それがニュアンスの違うものになっていたかもしれない。みなみさんがおっしゃる通り「パパ」はあまりに若過ぎてどうにもしっくりこないし、勢いのあるお姉さん方(実はなかなかできる方たちではないかと思う)が本来の作品とニュアンスとは違う物を匂わせてしまっていたし、今時ではない情緒的な説明台詞、しかも熱が入っているにもかかわらず、リズムを踏んで単調になってしまっている。いくら大声でも同じリズムでは話が盛り上がらない。話の流れに緩急が感じられない。ベースを完全に現代にするなり、セリフをもっと砕いて作るなり、もう少し手を入れてベースを作るべきではなかったかと思うのだが・・・。
出演者の実力が良い意味で活かされなかったように思えた舞台だった。
舞台「大悲」
BS-TBS/オデッセー
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2019/07/19 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了
満足度★★★
大量殺人の犯人に玉城君、捉えどころのない捕まえられないその感覚、こういう役にはぴったりなキャスティングと思ったのだが・・・。
個人の感覚で申し訳ないが、彼の綺麗に切り揃えられている髪を観た時に“違う”と感じてしまった。佐久間がいかに周りに不快な行動を起こしていたか、その話が全然つながらない。見た目で感じてしまうのは彼の演技力に対して、大変申し訳ないのだが、どうにも可愛らしく見えてしまって、佐久間の人間像が語られるたびに違和感が感じられてしまった。ストーリーも特にこの話だからこそ!というものが感じられず・・・最後まで気持ちが引っ張られずに終わってしまった。
ブアメード
Pave the Way
ブディストホール(東京都)
2019/07/04 (木) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
元ネタにそそられて、観に行ったのだが、結局個人の被害妄想レベルで終わってしまったように感じた。それですら、これがと言うきっかけ、重なる要因があまり見えてこない。脚本に細かな心理描写が感じられなかった。タイトルの持つ雰囲気とはかなり違うものになってしまっていたのは、残念。
若手が頑張っているのが、感じられるだけにもったいない。
舞台「アンフェアな月」第2弾 ~刑事 雪平夏見シリーズ~ 殺してもいい命
刑事・雪平夏見シリーズ製作委員会
サンシャイン劇場(東京都)
2019/06/21 (金) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
緊迫感のある雰囲気がステージ全体に広がっていた。中日を過ぎたせいか、出演者にイイ馴染み感と気迫が強く感じられた。主演の篠田さん、“出来る女”の身のこなしが見事だった。こんな風に成長しているとは思いもしなかった。
ただ残念ながら、後半どうもまとめに走ったというか、後半から登場するキャラが端的ではなく、もっと細かくかかわってくるともっと面白かったのかも?展開があっという間で、前半に比べ、慌ただしい終わりだったような気がする。もっとじっくり仕上げて欲しかったなと個人的には思う。
Rock Opera『R&J』
ネルケプランニング
日本青年館ホール(東京都)
2019/06/14 (金) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
歌良し、ダンス良し、芝居も熟年組の安定感と若手の熱気のある舞台だった。でも、なんというか話に深みが感じられない。人間関係も随分と簡略化されてしまっているような・・・。もう少し複雑味が欲しかった。
五右衛門
弌陣の風
テアトルBONBON(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
痛快娯楽といった感じの色合い。艶やかでパワーも感じた。キャストの成長も感じられて、満足感有り!
今回特に目を惹いたのは華やかな衣装。小劇場の場合、ヒロインはともかく、相手役の男性の衣装は、頂けない場合が多いが、この舞台の五右衛門は実に華やか。そして、衣装負けしていなかった。またダンスシーンの黒い衣装、これはスグレモノ!なかなか良い発想と感嘆した。
あえて、難をいうなら、照明にメリハリが欲しい。加えて。数奇な人生を送る者には、他には無い、特別な感覚、妙なこだわりなどがあるはず。並の者にはない、もっと強い癖のようなものが、欲しいと思った。
個人的な感覚で言えば、ヒーローは永遠であって欲しい。ひとりの大事な人の為にも、民衆の為にも。
チューボー ~SECOND HOUSE Ver~
SECOND HOUSE
シアターシャイン(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★
こんな店ならつぶれても仕方ない・・・と思ってしまうほど、衛生観念が足りないとセットから感じた。まずは手洗い、石鹸の類、殺菌用のアルコールがない。今時考えられないお手拭きタオル!絶対的に不衛生だ。観れば、劇中では、水でチャチャっと手を洗って終わり。これは絶対に許されない!調理する者なら、肘近くまで石鹸で丁寧に洗い、爪先まで念を入れる。仕上げのアルコール消毒は当然!この衛生観念では当然なにかしらのトラブルは起こるべくして起こるだろう。舞台上でしっかり手洗いが出来ないのであれば、これは無しにすべきと思うが。さらに厨房から人が入ってくる!業者が品物を入れるのならまだしも、従業員たちが厨房から入り、着替えに行くなど許されない。しっかりと身支度を整えてから厨房へ入るものではないだろうか?重ねて、なぜ事務方の話を、わざわざ誰が入ってくるかわからない厨房でするのだろうか?・・・・と違和感というか、なんというか・・・・。せっかく歌も演技も出来る方たちの舞台で、こういうものが無ければ、もっと楽しめただろうに・・・と、とても残念。また、ミュージカルというには無理無理歌を入れたような感じがしてならない。もっとスムーズな流れで歌を入れられなかっただろうか?ラストも唐突で、一度切るより、繋がりで見せたほうが自然な気がする。
出来る方たちが揃っているだけにもったいないもったいない舞台でありました。
ONとOFFのセレナーデ
ことのはbox
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★
トーリーとしては、葬儀というものの考え方の本音と建て前、また人の持つイメージの強さ、これらが印象に残りました。シタイのネーミングの意味合い、ラストの二人、ちょいとばかり唸りました。大変興味深い作品でした。出演者も熟年組がイイ味を出してました。叔父夫婦のコショコショ話、すんごく有りです!夫婦として成立してました!・・・なのですが、メイン三人は少し芝居がこなれていないような気がします。また、演出に細やかさが感じられない。劇場が使いづらいせいもあったかもしれませんが、セットから雑然とした印象しか受けなかった。なにか物足りない気がしたのも事実です。☆四つ付けますが、実際のところ3.8ぐらいだと思ってください。
ざくろのような
JACROW
座・高円寺1(東京都)
2019/05/29 (水) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
経済とか経営とか、こういう事にはあまり興味がない。
が、どうしたことか、思いっきりのものを観に行ってしまった。
“やっぱ小難しいのね”と思いきや“うん?”“それはないんじゃない!”“どうすんのよぉ!”
とつられつられて最後まで。
「観たい」に書いた通り、“肩の力を抜かずに最後まで”
がっつり入って観てしまいました。
平坦にならない場の造りに、生身の感情を感じられる演技、
そういう事があるという事は知らないわけではないけれど、
やっぱり目の辺りにすると、改めてその残酷さというか、会社の存在・その組織の在り方みたいなものに
疑問や憤りを感じる。
自分がそういう場の中にいないことに安堵し
その真っただ中にいるうちの旦那様を労わってあげようかと思ってしまうほど!
(これはその日の旦那様の態度が悪かった為、露と消えましたが・・・。)
珍しく普段考えないことをいろいろ考えさせられる舞台でありました。
後家安とその妹
明後日
紀伊國屋ホール(東京都)
2019/05/25 (土) ~ 2019/06/04 (火)公演終了
満足度★★★★
このストーリー、兄妹がメインではあるけれども突き詰めると“二人の女の生き様”が軸となっている。
妲己のごとく存在するお藤の冴え冴えとした美しさ!他者に染まらない少女の冷たい残酷さ。演じた芋生さんが実に美しい。対してお染。持って生まれたろくでもない男を引き寄せてしまうような艶っぽさ!広山さんの色気と哀れ、なかなかのものでした。という事で、女性陣の映える舞台であったと私は思います。次回は豊原さんメインで観たいと思いますけど・・・。
オフシアター歌舞伎「女殺油地獄」
松竹
新宿FACE(東京都)
2019/05/22 (水) ~ 2019/05/29 (水)公演終了
満足度★★★★★
獅童氏のその変化が怖かった。頼りなげだった表情がどんどん険しく変わり始める。
“異質のもの”への変貌。空気が変わる。ひゃっとした背筋を走る恐怖。その視線に凍り付き始める。
相手の恐怖が彼を殺人者に変えたのではないかと感じるシーンであった。
残念ながら囲み舞台、5列目までは段差が無い為、この必死のもみ合いが良く見えない。
私は北側だったのでまだある程度は見えたが、西側にいた観劇友はそのシーン全く見えなかったと言っていた。
舞台と観客に一体感が生まれる囲み舞台の多い劇場(と言っていいものか?プロレス興行多いよね)
それはとても素敵なことだが、客席の造りには?となることが多い。
この辺り劇場側も主催側ももっと検討して頂きたいなと思います。
さて獅童氏の演技はもちろん
相手役の壱太郎氏の二役もなかなか見事だった
加えて荒川良々氏の存在が良いスパイスになっていた
そして
普段滅多に褒めないのだが子役さんが凄い!
台詞の間合いがムッチャイイ!表情も良く出ていた
驚かされたのは、母の霊前に座っているシーン。
何か見えて?となった。
見間違いかと思ったが、彼女の目からポタポタとまさにポタポタと涙がこぼれ落ちていた!
涙ぐんだなんてものじゃない。大粒の涙がぞろぞろとこぼれていたのだ!
なんて集中力!そして役への入り込み度の高さ!浅沼みうちゃん。
この後どんな成長をしていくものか?それこそ将来楽しみ!
(先の友人はこれも全く見えなかったとの事もったいない!)
至近距離で生の歌舞伎が味わえる。決して堅苦しいものではない。
テンポもいいし、笑いもある。情緒もあれば、生身の凄みもあった。
この機会がもっとあればと期待する。
赤と黒 サムライ・魂
舞台「赤と黒 サムライ・魂」製作実行委員会
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2019/05/25 (土) ~ 2019/05/31 (金)公演終了
満足度★★
御歳80歳の里見浩太朗氏の存在感は流石!声も変わらず、浩様ここにありという感じなのだけど・・・浩様ファンに合わせた為か、ストーリーは藩を上げての一大事という割にスケールが小さいし、話に深みがない。“わかり易いのが大事”という事なのだろうか?また、殺陣好きとしてはバリエーションのない殺陣にガッカリした。誰もが同じバリエーションで、やたら相手の剣を背中で受ける型が出てくる。殺陣の振り師の方にもう少し“魅せる”ということを考えて欲しいし、動ける若手が抑え抑えの殺陣を(メインお二人をこき立たせるためには仕方ないのだろうが)強いられているのは観ていてかなりつらかった。
YELL!
TEAM 6g
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/05/22 (水) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
始めに“こういう話”とわかってしまったが、わかっていても引き込まれる演技力と演出の腕の良さ!前作はこなれ感が足りなく、少し残念な思いをしたが、今回は“じっくりやり込んだ”が強く感じられる出来!しっかりした演技の先輩に若手が良い影響を受けているのも感じられる。主役は勿論、脇役の方でさえ、ナチュラルな想いをしっかりと感じさせた。今回は文句なく☆5つ!+付けたいくらいです。