papamomo 老年団・サポート・センターの観てきた!クチコミ一覧

21-40件 / 69件中
穿つ泡(うがつあわ)

穿つ泡(うがつあわ)

LiveUpCapsules

小劇場 楽園(東京都)

2025/08/06 (水) ~ 2025/08/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/10 (日) 17:00

昭和初期 子供向け漫画で人気を博した漫画家 田河水泡の物語。
戯曲の力と圧倒的テンポでの演出に幕開きから引き込まれた。素晴らしかった。
義兄が小林秀雄だったと今更知った。
NHKの朝ドラ「あんぱん」をご覧になっている方には特にお勧めだ。
NHKの朝ドラ、いつも見ている訳ではないけど、今回の「あんぱん」は欠かさず見ている。時代も重なっており、やなせたかしは「のらくろ」の愛読者だったそうだ。
「あんぱん」では嵩ではなく、のぶが愛国の鑑として第二次世界大戦へ雪崩れ込む戦時に巻き込まれていったのだけど、「のらくろ」を描いた田河水泡も時代に翻弄された一人と言えるだろう。劇中、小林秀雄と戦争を描くシーンがあったが、流石小林秀雄だ、と言えるのかどうかは知らないのだけど。
そう言った意味で、今、田河水泡を上演する意義は大きい。
田河水泡を演じられた内田健介さんを筆頭に 9人の演者もハイピッチの展開を見事に描き上げていた。

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演

かるがも団地

吉祥寺シアター(東京都)

2025/08/08 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/10 (日) 14:00

能代市と言えば、そうかバスケットの街と呼ばれているのか! 地図を見たら秋田市よりも北で青森は直ぐそこなんだな。でも言葉は秋田寄りと言うことなのだろうな。

朗読劇『少年口伝隊一九四五』

朗読劇『少年口伝隊一九四五』

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2025/07/31 (木) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/08/02 (土) 14:00

高校生の頃から拝見している方が研修生ということで拝見。朗読劇なれど少し動きを伴う。皆さん、研修で広島を訪られたそうだ。皆さんの緊張が伝わって来る。舞台の真ん中に、焼けてしまった色にも見える段ボールの広島の街が

それは、満月の夜のことでした

それは、満月の夜のことでした

WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)

2025/07/29 (火) ~ 2025/07/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/30 (水) 14:30

大阪に居られ、何度目かの関東での公演。関東に来られると観に伺う。
独特の言葉を持つ、好きな俳優の一人、七井悠のひとり芝居。
「途」(みち)の先にあるパン工場、月と向い合う男。
主宰の久野那美さんはことさら独特の色合いを持つ。
本人はそう思っておられないのだと思うが、独特だ。その個性、心地良さが今回もあった。
七井 悠さんの台詞が好きだ。その好きで埋まっていた。良かった。

ノーマンズランド

ノーマンズランド

Oxymoron Thatre Club

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2025/07/23 (水) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/23 (水)

オクシモロン シアター クラブ『ノーマンズランド』(作 ハロルド ピンター/翻訳 朝比奈竜生/演出 島村和秀)
試演的なリーディング公演を拝見しているが今日の公演は別物だった。出演は秋場清之、クロス フラット、椙田航平、丹野武蔵の4氏。秋場清之は怪演を繰り広げ、翻訳作品にNative Speaker(とは言え、氏の母国語が何かは存じ上げてないのだけど)の方が出演されているのが何か不思議な感覚になる。
椙田航平、丹野武蔵の両氏は秋場清之氏の怪演を加速させる。
戯曲を読んでから拝見しないと咀嚼、いや理解し切れない。いや、背景にあるだろうイギリス社会の深淵がなのか、イギリスに居た者でも、ハロルド ピンターが描こうとしたことを拾い切れない。しかし、何やら不思議な感覚を存分に受け取らせてもらった。その不思議な満足感に満ちている。

消えていくなら朝

消えていくなら朝

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2025/07/10 (木) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/23 (水)

新国立劇場小劇場で上演するのであればこうなるのかな。現実味は後(うしろ)に置いて、家族が諍い合う。ああは振る舞わないだろうと言う方向に、久し振りに両親の家に顔を出した次男が崩れて行く/恋人を連れて帰ったのにだ。その辺りの不自然さが澱の様にずっと
付き纏い続けた。
5人の俳優の方達の演技(声のボリューム/舞台の移動)はこの劇場だとこうなのだろう(小劇場と称するも 200人規模)と言うことなのだろうか? 当然、ここならこうだと一様に括れるものではないと理解しているつもりだけど。新国立劇場での本公演を拝見するのが初めてでその辺りは判らない。皆さんの演技はシリアスさと可笑しみの端境が入り乱れてそれが凄く良い。
自分が家族コンサルタントとして相談を受けたとすれば定男を徹底的に指導教育するな(笑)。レイは今日は悲惨な日になったと言うことで、彼女はそうするのだろうけど、定男とは別れた方が良いと助言をする。そう "消えていくなら朝" だ!無論無料サービスでだ。

始まりの終わり

始まりの終わり

ムニ

アトリエ春風舎(東京都)

2025/07/20 (日) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/21 (月) 14:00

ムニ『始まりの終わり』作/演出 宮崎玲奈
このチームが良い
南風盛もえ/藤家矢麻刀/渡邊まな実/伊藤拓/黒澤多生
舞台監督 黒澤多生
空間設計 渡辺瑞帆
音響デザイン SKANK
照明デザイン 中村仁
衣装 横田僚平
宣伝美術 渡邊まな実
制作 上薗誠/河﨑正太郎
どこからが宮崎さんの実体験と重なるのか、あるいは重なってないのか。
ムニの常連の皆さんが出演、皆さん若いので(当事者との対比にて)、この作品の設定が使える。
これもムニの常連の渡辺瑞帆さんの無機質な正に空間設計が良い。7本?のフレキシブル パイプと T、I、Nの3個の存在。2個からの灯、あれの床/壁への固定、天井からのあれの強度凄い。
横田僚平さんの衣装が良くて、服の意匠と 5人のバランスと、伊藤拓さんにサムライ ブルーを着せていて。
その場に現れるのが、俳優同士の会話のやりとりがほぼない、5人の俳優のモノローグの連打の 2時間20分。新しい演劇の形なのかも知れないと思った。不思議な感覚を持ちながら、宮崎さん自身もこのパターンでの展開は初めてではないかと思いながら、ずっと舞台に目線を送り、耳をそばだてていた。
6人で出掛けたニセ修学旅行を過去として振返る 5人の同級生、同年代の 5人の俳優達が演じる前提としてちょうど良い設定。
70歳になって高校の頃の記憶は朧気になってしまった今、それを追体験させて貰う感覚があった。半世紀以上前の高校の修学旅行、いや中学の時の修学旅行も微かに記憶しているけど。作中、彼女達や彼等が仲間と訪ねるトウキョウの喧騒を思い出す姿が良い。自分自身のかつての記憶と重ねられる様に思える 5人の在り姿が良い、かなり良い。
原宿に居酒屋はないのか。
子供が二人居るけど、子供に骨を拾ってもらうと言う意識はまったくなかったけどなあ。
枕投げ ”したいん” かい。
ジャンスポがどのブランドか判らん世代(調べた)。
銃、子供の頃、今はBB弾っていう様だけど、銀玉鉄砲で撃ち合うのが流行って、回転式銃のおもちゃを買ってもらって嬉しくてと言う世代で、最近、YouTubeでなぜかエアガンのが流れて来て、60年振りぐらいに、東京マルイの シグ ザウエル P226 E2 ステンレスモデルを買おうと、数週間前に思っていたのが、話と重なって。で、その銃の意外性が効いていて。あっ、銃って漢字を思い出せなかった。ミリタリー志向とかではなくて、それは子供の頃の月光仮面や七色仮面、まぼろし探偵、もう少し後の忍者部隊月光などの我々のヒーローが銃を持っていたから銃への憧れが持ったからだけで。
成人女性の検査ってああなのか。
こう言うストーリーがニセ修学旅行と重なって描かれ、自分と繋がり合ったり、離れたりで、それも良かった。

グロリアストラベル

グロリアストラベル

桃尻犬

浅草九劇(東京都)

2025/07/16 (水) ~ 2025/07/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/19 (土)

本州最北端を目指すロードムービー!しかしその場に留まることでむにゃむにゃ。そこで動き出すのは夫婦と家族とチームメンバーのあれやこれやがむにゃむにゃ。そして野田さんの登場にニヤリ。そう来るかの gloriousさの向こう側への旅物語へと展開する!
朝ドラのあんぱんは先週朝田家の釜爺が亡くなったけど、朝田パンの釜は使えた!さぁニシカワベーカリーの爺さんは/釜は、どうなるのか ?!

テン9

テン9

ペキニーズ・ドットコム

OFF OFFシアター(東京都)

2025/07/15 (火) ~ 2025/07/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/18 (金) 14:00

ペキニーズ・ドットコム『テン9』
最後列の一列前の下手通路横に座った。迂闊にもあのスペースがそう言うことだと気付けなかった。新部聖子さんのシャウトに鼓膜が震えた!なんなら足もぶつかった!その勢いから途中ホラーに転調して、10年間演劇を観続けて演劇漬けの脳が最後の佐藤有里子さんのシーン、激しい抗争を経た空へのシーンに反応して涙が止まらなかった!
これぞ演劇の醍醐味だと言う上演だった。満足満足!

いつだって窓際であたしたち

いつだって窓際であたしたち

ロロ

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/19 (木) 15:00

三上晴佳さんが出演されるロロであることと、その三上晴佳さん X 土本燈子さん X 端栞里さん作用が働く上演だと言うことで観るしかないので拝見しました。
この『いつだって窓際であたしたち』は2017年3月12日のアゴラでの上演がインフルエンザのために公演が中止になってしまって観れなくて、でも新型コロナウイルスの蔓延でロロがいつ高シリーズを配信で流してくれた時に『いつだって窓際であたしたち』も配信してくれたのを拝見しました。
三浦さんのアフタートークで窓の配置に触れておられましたが、映像で拝見したのは窓は確かに奥に固定されていました。今回は先ず手前から始めて、.... [ネタばれになるのでここまで]
なので今回が初めての生での観劇でした。
三上晴佳さん X 土本燈子さん X 端栞里さんは、アフタートークで三浦さんがおっしゃっておられた様に最強でした!
『いつだって窓際であたしたち』細やかな戯曲で、気配りが行き届いている戯曲でした。

『from HOUSE to HOUSE』

『from HOUSE to HOUSE』

終のすみか

劇場HOPE(東京都)

2025/06/19 (木) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/20 (金)

終のすみか の企画名が「from HOUSE to HOUSE」で、上演作品の題名は『Deep in the woods』と言う作品の上演を拝見しました。
森の中に深く迷い込み、暗い闇に言葉を頼りに、手探りし合う様な現代会話劇。
3人の俳優が登場、武田知久 vs. 串尾一輝+田崎小春の図式での展開なのだけど、武田知久 vs. 串尾一輝 vs. 田崎小春でもあった。
青年団の上演をなかなか観れない今、青年団の二人が出演しておられ、戯曲自体しっかりした会話劇であり、アフタートークに登場された贅沢貧乏の山田由梨さんも(作/演出の坂本奈央さんは青年団の出身かと)勘違いしかけておられた様に、少しその風を感じることが出来た。
そして田崎小春さんのこれまでとはまた違う役柄を拝見出来た。

大谷ひかるのシンデレラ 尼寺修行編

大谷ひかるのシンデレラ 尼寺修行編

三条会

アトリエ春風舎(東京都)

2025/05/29 (木) ~ 2025/06/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/31 (土) 14:00

初めての三条会。一人芝居なのかと思っていたら、大谷ひかるさんに、伊藤紫央里さん/関美能留さんの三人による、そう、シンデレラも王子さまも現れ、大谷ひかるさんの曹洞宗の尼僧の修行の途に雑念を抱く、あの千葉なのに東京の名を冠する夢の世界との繋がりを描いた演劇であった。
脚下照顧、この言葉に裏付けられた大谷ひかるの僧侶としての在り様が示される後編と、それに先立つシンデレラとの繋がりの話。禅と大谷ひかるの身体性の融合。
只管打坐、作務、その日常の在り様を修行する姿が在って、法衣の着付け、修行の在り方、壁/樹に向かい合う座禅のすっと背筋通った在り様、解脱への道、そんな法話の様なと思っていると、シンデレラ然とした正に我々が知っているシンデレラが現れてと、俗世と修行が混然と溶け合う、日々が在る 85分だった。
大谷ひかるさんがシンデレラにお茶を点てるシーンがあった。以前、映画「日日是好日」を見た時に勧められた、映画の原作の森下典子さんの「日日是好日 ー『お茶』が教えてくれた15のしあわせー」を読んでいた。劇中だけど、実際にお点前を拝見したのは初めて、で、ずずっってのも。なるほど、これがお茶なんだなと。

シホウドウセキ

シホウドウセキ

日本のラジオ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/06/04 (水) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/06/07 (土)

『シホウドウセキ』のチケット発売と同時に申し込んで、コンビニエンスストアでの支払いを忘れていて、他の観劇の予定を調べていた時にそれに気付き再度申し込んだ。『シホウドウセキ』は会話劇で、座席が両面の対面式の座席配置。事前に俳優の方の座るポジションが明かされていたので、早めに並んで、安東信助さんの背中越しに岡野康弘さんが見える席に座るつもりだった。受付順に入場だと勝手に思っていたのだが、チケットの申し込み順で、遅れをとったチケットだった ので、入場は40番目の手前ぐらいだった。目指す席は諦めていたのだけど、空いていた。アカシ→アンドウ · ライン上のサカキの後ろの席が。観客の好みのばらつきに感謝だった。 

でも位置などは何も関係なかった。その劇の内容の濃さに座る位置などは容易に侵食されたのだった。

『シホウドウセキ』四方同席、警察庁、千葉県警、議員秘書と、4つの暴力団の幹部達が、秘密裡に会議を行い、シノギを回避しようとする濃密な95分だった。日本のラジオの薄気味悪い、狂気を帯びたいつもの劇ではなく、固定した配置での会話劇、作/演出の屋代秀樹さんの戯曲は緻密で交錯しても整理されていて、官暴共にそれぞれの組織のしがらみを抱えた、狂暴さが見えるけど、それでいて面白味を抱える、ゴリゴリザラザラした会話を楽しめました。

Shake&Speare!!Stage 宮川彬良×木村龍之介 『ナツユメ』

Shake&Speare!!Stage 宮川彬良×木村龍之介 『ナツユメ』

株式会社トゥービー

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/06/06 (金) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/06/06 (金) 15:00

宮川彬良(音楽/生演奏) X 木村龍之介(脚本/演出)
シェイクスピアの『夏の夜の夢(松岡和子訳)』をベースに、生演奏に乗せた楽しく面白い、現代性も加わった、たっぷりシェイクスピアの音楽劇でした。
白石加代子さんが AIアバターでティターニアを演じられ、というのかAIアバターが演じ、9人の俳優の内、ハーミアを演じた安住の地の日下七海さんのみが存じ上げている演者でしたが、皆さん歌が上手い。
上演が遊び心がたっぷりでずう〜〜っと魅入っていました!
上演中も撮影して構わない、トイレもご自由にとのことでしたが、平素はタブーの行動なので撮影しませんでしたが、記憶に残っているので良しとします!

秘密

秘密

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2025/05/30 (金) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/06/05 (木)

劇団普通『秘密』
フライヤーには

老いた父、
老いた母、
そして私。

とある。
『秘密』は 2022年4月に初演を拝見している。老父/老母の年齢に、あの時から3歳近づいていて、2人と多分同年配なのだと思う。今、その年齢で何とか健康ではあるけど、あそこに居る二人、他人事とは思っていられない。そして、親子、兄弟、姉妹と各家庭が秘めていることが、隣家を巻き込み舞台に現れる。
静かな、しかし、家庭の課題/問題を巡る緻密な会話。
用松さんが演じておられる様な爺さんにはなるまいと思うのだが....

贋作・罪と罰

贋作・罪と罰

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2025/06/05 (木) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/05 (木)

早稲田は、演劇研究会、 劇団木霊 、 劇団てあとろ50’ は何度も拝見して来ていたが、早稲田大学演劇倶楽部は今回が初めて。新歓公演2025『贋作・罪と罰』(主宰/演出 山口亜希子)を拝見した。
新歓公演としては大成功だと思う。どこまで新入生の方達がご覧になられるか、そこは判らない部分ですが、上演内容は、演劇を志す方達の琴線に触れたのは間違いないと思う。

上演中、ずっと目が離せなかった。

当日パンフレットに「挑戦には挑戦をもって、(野田戯曲に)真正面から挑む...」とある。上演は正に挑戦だった。
11人の演者、演出の気迫も十分に。この主宰/演出のに山口亜希子による画像に 見られる美的感性が舞台美術、道具としてのパイプ椅子の使い方、衣装、演出に美意識が現れていた。
演技については、終盤の、英/溜水、才谷/溜水、溜水/智、才谷/溜水、清/溜水など、対峙する演者達、英/才谷の絡みには説得力があった。他の演者も挑戦する者として、その気持ちは受け取れた。チャレンジする試みや良し。あとは.、いや演技がどうのこうのと言える知見はないのだけど、経験を積み、研鑽して行けばと

僕は肉が食べたくて裸(ラ)

僕は肉が食べたくて裸(ラ)

南京豆NAMENAME

新宿シアタートップス(東京都)

2025/05/28 (水) ~ 2025/06/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/01 (日) 12:00

南京豆NAMENAMEを初めて拝見した。カーテンコールの後、前の席の女性がしゃがみ込んでで泣いておられた。 前の席の女性の気持ちが判る気がした。 底辺をギスギスと生きる弱者とその愛を描くそれぞれの個性が良かった。

歳を言い訳にしたくないけど客席が沸くのだけど、台詞にあるそのキーワード達が引っ掛からない、展開/設定を咀嚼し切れないところがあった。ただ人物の描写は、14人の俳優が素晴らしく、無謀で場当たりに生きるアウトローの若者を上手く描けていた。

終盤の物事をはなから忘れていって覚えられないツボミさんの台詞「急に繋がった気がして」の一瞬前に、自分自身も物語が急に繋がって、ぐっと引き入れられていた。

面識があった俳優の方が尾﨑優人さん/後関貴大さんだったけど、 そのお二人とて、しっかり化けていて、何度かシーンが見た後に確信をもって認識できた。あの尾崎優人氏の豊満なボディー/豊かな声/髪をもってしてでさえだ。主宰/作/演の河村慎也さんはイメージが刷り込まれていて認識できた。他の11人の皆さんはほぼ初めまして(だったと思う)。でも、皆さん、かわいく、一途だし、思いが見えて、粗野で乱暴だし、ピストルを撃つし、でも、なによりも愛を描いていて、良かった。
アパートの一室の舞台美術も思い切り、本当にあそこには居たくないな、演者の皆さん、良く居るなと思わせる汚しっぷりで、リアルさが。爆音の音響も良かった。初めての南京豆NAMENAME、また一つ次を観てみようと思う劇団が増えた。

穴熊の戯言は金色の鉄錆

穴熊の戯言は金色の鉄錆

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/27 (火) 14:00

劇団MCRを初めて拝見したのは 2年少し前の『死んだら流石に愛しく思え』が初めてで、 その素晴らしいと思った『死んだら流石に愛しく思え』 を年間のベストに挙げたのに、感想を言葉に出来なかった。
取っ掛かりから途中まで(いやずっとだけど)滅茶苦茶面白かったのに、個人的には序盤にもったりした感覚が数度重なって意識が飛んだ瞬間があった。
出演しておられた、小野ゆたかさんは拝見したことがあって、相手役の帯金ゆかりさんが初めてだと思うのだけど、その帯金ゆかりさんの激演が凄まじかった。その演技があってこの作品が成立していた。そして、二人の愛を描く物語の脇を固める皆さんが良い。
随所にネタを散りばめて笑いを取って行くのだけど、しっかりと愛を描いて行く。感想を言葉に出来るかと言われれば前回と同じ様な感覚だ。言葉にしきれないけど、緻密に組み合わせたシーン達で創って行くのがMCRなのだろうか。今回が 2回目なので、その答えはこれからになる。序盤で刷り込まれたあの握手のシーン、それを最後にまた置いて来た(笑)。あれはズルい、涙腺が崩壊した。

湿ったインテリア

湿ったインテリア

ウンゲツィーファ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2025/05/19 (月) ~ 2025/05/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/21 (水)

黒澤多生さん/豊島晴香さん/藤家矢麻刀さんの常連に松田弘子さんと根本江理さんのベテランを配してのいつものウンゲツィーファが落ち着いたウンゲツィーファに。シュールでSFチックな愛憎相まみえる物語。そしてアゴラが閉まってからとしてはこれだけ青年団の俳優の方達が出演される公演は初めてではなかろうかと。

あるアルル

あるアルル

やみ・あがりシアター

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2025/04/30 (水) ~ 2025/05/06 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/05/06 (火) 12:30

やみ・あがりシアターは4作目、全部違った趣きの作品で、共通するのは速射砲的な繋がりの展開、交差する物語達とでも言うところかな。

面白かった。が、ただ、「あるある」を宣託し続けるあるある仙人が2時間、あるあるを告げ続け、それを取り巻く4つか5つのグループが交錯し続けると言う展開で、舞台に散らばるあるあるが書き込まれた付箋、黄色い付箋が、あるあるが溢れ、間延びしていた。

面白かったとしたが、単調さをカバーし続けたのがこの16人の俳優達の素晴らしさ、魅力だった。初めて拝見した加瀬澤拓未さんが良き味を出しておられるなと、また楽しみな方が増えた。

このページのQRコードです。

拡大