喪服の時間
弾丸MAMAER
なかのZERO(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
隅から隅まで上質な作り!
葬儀場を舞台にして、様々な事件が起こる、その人間模様を見事に表現している。役者の演技の小気味よさ、そして演出のテンポの良さは特筆もの。竹重洋平の芝居はコメディを描いているのではなく、人間を描いているのだと思う。しかし、その間合いが絶妙なので観ている観客は、思わず笑ってしまうのだ。
長男を演じた中村哲人が、若干気が弱いお人好しを好演した。
ORGAN 【ご来場ありがとうございました。次回公演は9月中旬】
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2010/04/07 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
はりつめた緊張感の果てに・・・。
日常の中から劇的なシチュエーションを切り抜くうまさ、そしてその劇的な状況に、さらに衝撃的な結末を用意する演出のうまさ、マキタカズオミの作劇術は円熟味を増している。今回は自らSFというとおり、まだ日本の現実ではありえない話も混ざっているが、非現実的な感じは全然しない。
作品としてはドナー編の方が完成度が高く、レシピエント編は、若干細部に感情移入しづらい部分があったが、それでも作品の質は高い。
75分と60分という、通常の芝居に比べると短いが、その間、はりつめた緊張感を維持するのは並大抵のことではない。エンターテイメントとは全く逆の道を進む、エレファントムーンの姿勢が潔い。
忘却曲線
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2010/09/06 (月) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
芸術の香り高い上質な芝居。
まるで職人が手掛けたような手作りで、ていねいに作られた作品。細部にまで神経が行き届き、誰もが感情移入する。
井上みなみが今までやったことのない役を初チャレンジ。こんな役まで見事にこなすのだとまたまた感心。井上みなみフアンには見逃せない作品だ。
3月27日のミニラ
渡辺源四郎商店
ザ・スズナリ(東京都)
2009/05/02 (土) ~ 2009/05/06 (水)公演終了
満足度★★★★★
面白いうえに考えさせられる。
教育の現場で起こっている問題を、見事に凝縮して観させてもらった。面白いがゆえに恐ろしくなるドラマ。解決はない。我々がこれから真剣に考えていかなければならない問題。
テーマの重さを除いては全てにセンスの良さを感じた。
ザ・キャラクター
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
軽快で躍動感があり素晴らしい。
久々にかろやかな野田芝居を堪能した。夢の遊眠社時代のような若さを感じた。宮澤りえが抜群にいい。なんてすてきな声、しかもよく通る。後ろ向きでもクリアに聞こえる。そして圧倒的な存在感と美しさ、すごい女優になったものだ。
アンサンブルのメンバーの身体の動きと調和に感動。スケールアップして遊眠社が帰ってきたような感覚だ。
君が壊す戦争
たすいち
明石スタジオ(東京都)
2009/03/12 (木) ~ 2009/03/15 (日)公演終了
野外パフォーマンス『果物夜曲』 *入場無料
FUKAIPRODUCE羽衣
東京芸術劇場 アトリウム前広場(東京都)
2009/08/11 (火) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
芸劇前、野外劇場で羽衣が魅せた夜!
いつもの羽衣メンバーに、冨士山アネットの長谷川寧さんが特別参加して、繰り広げられる20分間のスペシャルステージ。たった20分ではあるが、贅沢な時間を過ごさせてもらった。客入れから役者自らひとりずつていねいに客席に案内して、始まる前も色々と話しかけて盛り上げる。今回の出し物は「果物夜曲」という音楽劇(妙ジカル)。
野外ステージを見事に使った演出で客席と舞台を一体化させた。客の大半はたまたま芸劇前を通りかかった人たち、そういう人たちに興味を持たせ、そして20分間で虜にした。羽衣恐るべしだ。
北と東の狭間
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2010/05/07 (金) ~ 2010/05/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
JACROWが贈る美しい純愛ドラマ!
いつもながら舞台装置の隅々にまでリアリティを感じる。JACROWの芝居はリアリティが売りだ。そして店の奥が窓のように切り取られており、そこから店の外が見える。ここら辺の演出が憎い。
偽装結婚をテーマにしているが、見終わった後の感じは純愛ドラマ。そしてラストシーンがとても美しかった。これは外伝も見ずにはいられない。
愛死に【ご来場ありがとうございました。】
FUKAIPRODUCE羽衣
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2010/06/12 (土) ~ 2010/06/22 (火)公演終了
満足度★★★★★
新たな高みに。
オープニングからラストまでがひとつの詩になっている。すべての部分で洗練されている。糸井ワールドが演劇から芸術へとステップアップした作品。
音楽もさらに魅力的になっている。
緑果テシナク
kanikuso
アイピット目白(東京都)
2009/07/01 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
全ての役者がいきいきと
初見の劇団だがとても面白かった。若手からベテランまで様々な役者が登場していたのだが、演出家がそれぞれにあった役をしっかりと設定していて、舞台上で魅力的だった。
人情喜劇にSFを盛り込んだ内容で、誰でも楽しめる。
主役の才勝 誠司が、中年男の悲哀を前向きに演じていたのが好感が持てた。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
Dear My Hero
LIVES(ライヴズ)
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2009/07/08 (水) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
よく練られた大作。
群衆劇でもないのに、総勢30人にも及ぶキャストをぜいたくに使い、その30人の役者それぞれに見せ場を用意し、それでいて劇が散漫とならない。しっかりと主人公を中心とした骨太のテーマに全てが集約していく、脚本も演出も見事だ。2時間を超すドラマでありながら、途中でだれることもなく、どんどんドラマが盛り上がっていく。とても面白かった。
草莽崛起
劇団宇宙キャンパス
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2010/09/17 (金) ~ 2010/09/21 (火)公演終了
満足度★★★★★
挑戦する姿勢が素晴らしい!
いつもはヒューマンコメディをやっている劇団が今回はいくつも挑戦をした。まず初の時代劇。しかもコメディでなく本格派時代劇。そして若手を大抜擢し、ベテランが脇を固めるという布陣。
それぞれが功を奏して雄大な歴史ロマンが完成した。
主宰の小林ともゆきがワンシーンだけ女形で登場するが、とても美しく、ワンシーンだけの出演ではもったいなかった。
ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール
ロロ
王子小劇場(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
文句なく名作!
スタートシーンから釘付けになった。胸がときめくシーンが何度あったことか。これが三浦直之の真骨頂だ。
役者も素敵だった。いつもロロを見るとき、女優のかわいさに目を引かれるのだが、今回は男性陣も素敵だった。
篠崎大悟、望月綾乃というロロの看板は当然として、ボスを演じた板橋駿谷、三下役の亀島一徳、タカシマ役の田中佑弥がかっこよかった。女優陣は皆素敵だったが、北川麗が特jに輝いていた。ラストシーンは神々しいばかりだった。
リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!
演劇ソリッドアトラクションLINX’S
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
Aチームも魅力たっぷり!
今日はAチームを観劇。
驚いたことに関西の武器である笑いを前面に出した公演がひとつもない。それぞれがしっかりと構成されたストレートプレイなのだ。
それでいてひとつひとつの劇団が個性的で魅力的。
お見それしました。
新釈 ヴェニスの呆人 2009
コマツ企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/08/27 (木) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
演出が見事!
全編こまつみちるワールド。シュールな狂気が気持ちいい。次から次へと展開していくシーンは、それぞれの心象風景を断片的に表現し、その断片が積み重なって壮大な物語へつながっていく。
観ながら久しぶりに芝居に酔っている自分を感じた。しばらくの間、酔いが醒めそうもない。
バスケットボール
ナカゴー
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2011/07/08 (金) ~ 2011/07/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
衝撃的な面白さ!
再々演だそうだが私がこの作品を観たのは始めて。
前回を観てないことを後悔させるくらい面白い。
高校を舞台にした学生ドラマだが、後半の疾走感は凄い。役者も舞台美術もストーリーも全てがB級テイストで進みながら、そこに仕掛けられた企みは驚くほど緻密だ。
鎌田順也にやられたと感じた。お見事。
テンリロ☆インディアン
劇団6番シード
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2009/04/18 (土) ~ 2009/04/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
両バージョンとも見応えあり!
ガールズ編・ボーイズ編、両方を見せてもらった。こういう機会でもなければ同じ芝居を男性バージョン、女性バージョンで見ることなどないだろうが、両方見て、片方だけ見るよりさらに芝居が面白くなった。
同じストーリーを2回見るのだから、飽きるのではないかと思ったが逆である。同じシーンを男優陣が演じるのとと女優陣が演じるのでは全くニュアンスが違ってくるのである。新しい芝居の楽しみ方を提供してもらったような気がする。しかもラストシーンをガールズ編とボーイズ編で全く別物にしてあり、その点でも演出家のしたたかさを感じる。
もちろん一本だけの芝居としても秀逸。細部まで練られた見応えのある作品である。
いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校
ロロ
新宿眼科画廊(東京都)
2010/10/17 (日) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
亀島一徳がいい!
不思議な甘酸っぱさに心ときめく。ナイーブでPOPでキラキラしていて、とても素敵。亀島一徳が今回特にいい。 感受性豊かな駄目男を独特の魅力で演じきった。
北川麗のこの世のものとは思えない妖しい魅力も素敵だった。
ピーナッツ畑にかかる月
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2011/03/04 (金) ~ 2011/03/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
壮大なエンタメファンタジー
2時間を超える壮大なファンタジー。話の展開は荒唐無稽だが、それでもしっかりと楽しませてくれるし感動もさせてくれる。
エンクラの役者は皆、味があるが、中でも奥山雄太と寺島功毅が魅力的だった。
エンクラの伝統的様式と、役者の力量で、破綻しそうなところを全て魅力に変えている。あらためて凄い学生劇団だ。