ITOYAの観てきた!クチコミ一覧

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jam 【活動休止公演】

jam 【活動休止公演】

グリング

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/12/09 (水) ~ 2009/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★

さらばグリング! 地味ながら、身近なだけにより切実に心に迫る強いメッセージがある。
ペンションと地元の人々の人間関係を描く。

「自分のやりたいこと」を思いながらも、
日常に言い訳をつけながら、何も変えられない毎日。
時間が解決するのを待ってはいないか。

グリングで描かれる青木さんのメッセージは、
ごくごく身近なものが多く、それだけにより現実的で
観る者に問い詰めるように迫ってきます。

(長方形の舞台を前後の客席ではさむ、2方向からの囲み舞台でした。)

曲がれ!スプーン

曲がれ!スプーン

ヨーロッパ企画

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/12/10 (木) ~ 2009/12/22 (火)公演終了

満足度★★★

ゆる~くぐだぐだと描くのが「ヨーロッパ企画」の特長!
喫茶店カフェド念力に集まった超能力者たちが巻き起こす大騒動。

超能力者が集まっても、特に大きな事件は起きず。
喫茶店内でのドタバタを、細かい笑いをはさみながら、
ゆる~くぐだぐだと描くのが「ヨーロッパ企画」の特長ですね。

舞台版『妹と油揚』

舞台版『妹と油揚』

metro

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

幻のカルト映画舞台化.月船さらら+出口結美子のユニット"metro"により天願大介が描くエロスホラーシュールコメディー
今年旗揚げした月船さらら+出口結美子のユニット"metro"の第2回公演。
天願大介による幻のカルト映画『妹と油揚』の舞台化作品は、
エロス、ホラー、シュール、な「コメディー」だった。

定員70名の新宿・SPACE雑遊は自由席満席。

冒頭、薄暗~い和室で奇妙なダンスのように暴れる女性
のシーンから始まる。
妹の憑き物落としを、私立探偵に依頼する兄の物語。

この異様な↑ポスターからシリアスなホラーを想定して
いたら・・・シュールなコメディだった!

中盤過ぎくらいは出演者で鍋をつついてくだらない話を
するという意外な展開に…。
(このシーンがだらけて長かった!ここ長すぎ!)

第1回公演が素晴らしすぎて、少し物足りなかった。
冒頭のシュール、ホラー、エロスのまま、暗いままで
話が進む内容のものをものすごく観たかったっ!

同じ方向性より、違った方向のコメディに向かったのもとってもわかるのですが…。
それならそれでもっとくだらない、おかしい内容を詰め込まないと。

ただ、大好きなmetoroのお二人も、ほかの俳優さんたちも、
あの狭い空間、しかも2列目で、非常に濃~い演技+
アドリブを、目の当たりにできたのは感動ものでした!
特にあの若松武史さんをこんなに近くでっ!

でもでも、metoro!応援してます!

パッチギ!

パッチギ!

フジテレビジョン

新国立劇場 中劇場(東京都)

2009/12/04 (金) ~ 2009/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

爽やかな感動作!深刻な問題を背景に,恋と歌と喧嘩と踊りの青春ドラマ。
基本的には映画とほとんど同じエピソードと展開で、シナリオが再構築されています。
映画では掴みの部分、冒頭のバスのシーンは丸ごとカット。
その代り、キョンジャ(三倉佳奈、マナカナのカナちゃん独り立ち)は、吹奏楽部?から朝鮮舞踊に変更。
グループで踊る朝鮮舞踊は華やかで迫力があって、今回の採用は大正解です。
映画では、喧嘩の血糊の生々しさや激しさ、残酷な部分(ビー玉とか最高に痛そう…)がありましたが、舞台では表現上、必然的にかなりソフトになってみやすくなった感じがします。

そして、何といっても歌!「イムジン河」はもちろん、「帰ってきたヨッパライ」に始まって、「悲しくてやりきれない」エンディング「あの素晴らしい愛をもう一度」など加藤和彦さんの楽曲はそのまま使用。
舞台オリジナルの作曲やアレンジ曲を依頼されていて、本格的に始動する前に、ああいうことになってしまったとのことです。

しかし、映画同様、それらの歌の持つメッセージはとても強く伝わります。

ネタバレBOX

キョンジャに「もしもずっと付き合ってもし結婚することになったら朝鮮人になれる?」と聞かれた康介が、
映画版ではそれに答えは描かれませんでしたが、舞台版では一歩踏み込んで、「キョンジャと一緒に居れるなら朝鮮人になってもいい」とはっきり言いきったところが印象的。
その前に、ギターを壊すところは、映画では一人きりのシーンが、舞台ではキョンジャに見守られていたり、二人の関係が親しく感じられたのがうれしい。

当然、本来はずっとっずっと深刻な問題なんでしょうけれども、恋と歌と喧嘩と踊りの青春ドラマになっていて、さわやかなエンディングで感動的でした。
サボテニング

サボテニング

プロペラ犬

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり水野美紀はコントが似合う!この「ほんわかさ」加減が心地よくて癖になる。ゲストの人選もうまい!
今回で3回目、3年目。
プロペラ犬=楠野さん水野さんのコントの世界で、ゲスト演出家・ゲスト出演者が遊ぶ・・・という公式が、すっかりできてきています。

物語は、サボテニング=サボテン進行形の話と、病院での三角関係の話が同時進行で、シンクロするストーリー。
今回の演出は、倉持裕!シュールなところが倉持さんらしい?
でも、ここまでくだらない、失礼、明るいコメディーは珍しい。
他では見れない水野美紀のコントの演技!
この「ほんわかさ」加減が心地よくて癖になる。
猫背椿、福田転球というゲスト共演者の人選もうまい!

ちなみに、前回公演「ジャージマン」出演、今回カメオ出演の玉置孝匡(ペンギンプルペイルパイルズ) さんが観に来てましたね。
「ジャージマン」のDVDも買っちゃいました。
(あとで楽天/amazonでも売っていてびっくり!)

自分の中では、毎年年末の恒例になりつつあって、すでに今から次回が楽しみです…が、次回は何と筋肉少女帯とのコラボ!。
エンゲキロックin赤坂BLITZ プロペラ犬 × 筋肉少女帯「アウェーインザライフ」!

見えざるモノの生き残り

見えざるモノの生き残り

イキウメ

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

「今何が幸せなんだろう?」イキウメらしい、ちょっとだけほろ苦いヒューマン・ファンタジー。
イキウメらしい、ちょっとだけほろ苦いヒューマン・ファンタジー。

現代に生きる座敷童子=家守(やもり)たちと、彼らとの不思議な生活。

座敷童子が居るだけで本当に幸せが訪れるのか?
そもそも、今、自分は幸せなのだろうか?

日常生活に潜むリアルな心理、悪意、人の心のもろさを、座敷童子というフィルターを通して描き、後味は爽やか。

フロスト/ニクソン

フロスト/ニクソン

シーエイティプロデュース

天王洲 銀河劇場(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/12/05 (土)公演終了

満足度★★★★★

北大路欣也×仲村トオル,インタビューという「戦い」,一瞬の交流.北大路さん最高です!
大統領ニクソン対インタビュアー・フロスト。
限られた時間、カメラの前で繰り広げられるインタビュー
という名の「戦い」。

北大路欣也は、最初から大統領としての貫禄で、
したたかな面もにじませながら堂々と演じきる。
その熾烈な戦いの中、深夜にニクソンがフロストに
電話してくる独白シーンの熱演は、泣けてきた。
さすが北大路欣也!
せりふをずっと聞いていたくなる。
その姿をずっと観ていたくなる。

ほとんど椅子、机くらいの簡単なセット、
イギリス人、アメリカ人を実にシンプルに
演じる男優たち。
事件をめぐりインタビューで戦うニクソンと
マスコミのフロスト陣営。
全編硬派でシリアスな中、ニクソンとフロストが
イタリア製の靴についての、ほんのちょっとした
やり取りが胸を打つ。

中島みゆき 夜会VOL.16~夜物語~「本家・今晩屋」

中島みゆき 夜会VOL.16~夜物語~「本家・今晩屋」

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/12/18 (金)公演終了

満足度★★★★★

前回の再演!身近に生で感じる表現者”中島みゆき”の今!
去年同じ頃に観た『「夜会」VOL.15~夜物語~元祖・今晩屋』の再演でした!
当日、入場して舞台の寺の欄干?を見て、初めて気付きました!
どおりで、去年より話題にならなかった感じがしてました!

でも「みゆきの歌に手が届く-」のキャッチコピーの通り、
みゆきさんの生歌を聴き逃す手はありません!

内容は「山椒大夫」、「安寿と厨子王」が後生に出会う物語。
縁切り寺、暦売り、水族館、その従業員の飼育係、
激安ツアーの散らし配り、工夫、ウェディングドレスの花嫁
・・・そして安寿、厨子王の生まれ変わりは・・・。

「安寿恋しやホーヤレホー 厨子王恋しやホーヤレホー」

舞台上は、みゆきさんを中心に4人だけ。
30曲以上の歌を次々に歌い、間を詩のようなちょっとした
セリフでつなぎながら、それぞれの役を次々に演じて
物語が進行していく、言うなれば「音楽劇」です。

構成演出・脚本・作詞・作曲のすべてを担う、
みゆきさんならではのこの独特の世界観に、
初めての人は戸惑うかもしれません。

カーテンコールのあいさつでは、
初演と同じく今回もみゆきさんは、
「間違いは見逃して…」みたいなことを言ってましたが、
前回同様、何の間違いも気付きませんでしたよ。
どれだけ完璧主義者で謙虚なんでしょう。

帰り道の小雨の心配もしてくれて、
そういう常に細かい気遣いをされるところも好きなんです。

Live,Love,Drive. 死神の精度【脚本:竹重洋平 演出:松村武】

Live,Love,Drive. 死神の精度【脚本:竹重洋平 演出:松村武】

MINERVA WORKS

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

短編小説3作を舞台化。死神のキャラクター、静かな進行が魅力的。
原作を読んでませんが、全体的に抑えた演出から
きっと原作の雰囲気を大切に、忠実に舞台化した
のだろうと思います。

夢の遊眠社にもいた羽場裕一さんの死神も
それまでの非常に抑えた演技が、
静かなラストにも効いていました。

キャラメルボックスから3名出演していて
作風がキャラメルっぽいところもありました。

バンデラスと憂鬱な珈琲

バンデラスと憂鬱な珈琲

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2009/11/02 (月) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

コントの連続に歌とダンスで楽しめる!広い舞台でスケールが拡大。
世界勃発を未然に防ぐため奔走するネゴシエーター、
バンデラスの活躍を描くコメディー。

福田雄一・マギーによる作・演出作品は、今はなき
新宿シアターTOPSでU-1グランプリ公演第2作である
「厨房」を観ました。

今回は、その面白さを保ったままで大きな劇場、
有名な俳優さんたちにより、スケールアップ。
ストーリーは13のコントのシーンに分かれていて、
それぞれのシーンはそれだけでも可笑しくて、
しかもそれらはつながっていて、クライマックスに
突入するという面白さ。

その上、伏線まであって、オチまであるという
構成が実にうまい!

やはり笑いに、歌とダンスをプラスして、
とにかく皆で楽しもうという心意気は、
U-1グランプリと変わりません。

福田雄一さんもマギーさんも本当に生真面目に
笑いに取り組んでる感じが伝わってきました。

パンフレットの座談会で、なれないコメディ、
コントの演技に戸惑う堤さん、段田さんらの
話も楽しいです。ほんとに悩んでたみたいで。

ヘンリー六世 第一部 百年戦争

ヘンリー六世 第一部 百年戦争

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2009/10/27 (火) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

足かけ10時間20分の長編、見ごたえがあって十分楽しめました。
シェイクスピア初期の長編です。
三部通し上演で9時間、第1部11時の開演で、
第3部終演は22時20分、足かけ10時間20分にも渡ります。
丸一日かけた観劇は、見ごたえがあって十分楽しめました。
お気に入り、印象的だった役者さんは、
ソニン、木場勝己さん、上杉祥三さん、岡本健一さん、中嶋朋子さん。

第一部 「百年戦争」
ソニン演じるジャンヌと木場勝己さんの
トールポットの活躍と運命が見物。
久々のソニン、今回もがんばっていていいなぁ。
木場さんは井上ひさしさんの芝居の常連でよく
観るのですがそれとは違って、外国人の考え方を
もった理路整然とした武闘家のキャラクターがうまい。


子供や身内を政略結婚や人質に使い、一族の存亡の
ためにどちらの陣営に付くか振舞う様は、
日本の戦国時代、信長、秀吉、家康らを観ている様で
おもしろかったですね。

来年3月はこれを蜷川さんが6時間に短縮してやると
いう…といっても6時間。
もちろん通し券を、すでに先行チケット購入済みです。
上川隆也・大竹しのぶの競演、楽しみです。

ヘンリー六世 第二部 敗北と混乱

ヘンリー六世 第二部 敗北と混乱

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2009/10/28 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

足かけ10時間20分の長編、見ごたえがあって十分楽しめました。
シェイクスピア初期の長編です。
三部通し上演で9時間、第1部11時の開演で、
第3部終演は22時20分、足かけ10時間20分にも渡ります。
丸一日かけた観劇は、見ごたえがあって十分楽しめました。
お気に入り、印象的だった役者さんは、
ソニン、木場勝己さん、上杉祥三さん、岡本健一さん、中嶋朋子さん。

第二部「敗北と混乱」
上杉祥三さんのウォリック伯が味があっていい。
渡辺徹さんのヨーク卿は本人のキャラクターから
どうしても少し軽い感じです。
注目のソニンは、祈祷師一味の踊り子役をコミカルに。

子供や身内を政略結婚や人質に使い、一族の存亡の
ためにどちらの陣営に付くか振舞う様は、
日本の戦国時代、信長、秀吉、家康らを観ている様で
おもしろかったですね。

来年3月はこれを蜷川さんが6時間に短縮してやると
いう…といっても6時間。
もちろん通し券を、すでに先行チケット購入済みです。
上川隆也・大竹しのぶの競演、楽しみです。

ヘンリー六世 第三部 薔薇戦争

ヘンリー六世 第三部 薔薇戦争

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2009/10/29 (木) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

足かけ10時間20分の長編、見ごたえがあって十分楽しめました。
シェイクスピア初期の長編です。
三部通し上演で9時間、第1部11時の開演で、
第3部終演は22時20分、足かけ10時間20分にも渡ります。
丸一日かけた観劇は、見ごたえがあって十分楽しめました。
お気に入り、印象的だった役者さんは、
ソニン、木場勝己さん、上杉祥三さん、岡本健一さん、中嶋朋子さん。

第三部 「薔薇戦争」
ソニンは毅然とした少年を。

二部も暗躍するリチャードの岡本健一さんは、
その内面も外面も憎むべき役柄にもかかわらず、
なぜか愛すべきキャラクターになっていて魅力的。

そして、今回観ていて一番惹かれたもう一人が、
これまでのイメージと違う強さを演じた
中嶋朋子さんでした。

子供や身内を政略結婚や人質に使い、一族の存亡の
ためにどちらの陣営に付くか振舞う様は、
日本の戦国時代、信長、秀吉、家康らを観ている様で
おもしろかったですね。

来年3月はこれを蜷川さんが6時間に短縮してやると
いう…といっても6時間。
もちろん通し券を、すでに先行チケット購入済みです。
上川隆也・大竹しのぶの競演、楽しみです。

社会派すけべい

社会派すけべい

毛皮族

駅前劇場(東京都)

2009/11/19 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了

満足度★★★★★

とにかく面白かった!ノンストップ・エロ・ナンセンス・コメディー・音楽劇!この勢いが病みつきになりそう!
私の初「毛皮族」!やっと観れた!
とにかく面白かった!

老舗旅館を潰そうと企む、隣接した温泉リゾートの陰謀・策略!
バブル、ハイレグ、トレンディドラマ、デカイ携帯電話…。

'80年代のバブリーな雰囲気とサービス精神満載で突っ走る、
ノンストップ・エロ・ナンセンス・コメディー・音楽劇!!

冒頭、劇中TVドラマ劇「寝取り屋ジロー」の最終回の
エンディング?主題歌で始まり、
笑えるセリフの応酬が続いて一挙に引き込まれます。

あふれるパワーとハイテンション!
クライマックスのハチャメチャ体当たりの演技と、
全員での歌と踊りまで突っ走る、
このくだらなさと勢いが病みつきになります!

よく考えると、色々なものを詰め込んでいて、
実はものすごく凝っている、巧妙な構成・展開・セリフに
感動すら覚えます。

晩秋

晩秋

明治座

明治座(東京都)

2009/11/03 (火) ~ 2009/11/27 (金)公演終了

満足度★★★★

長年を経て、許される罪。人と人、その時間の流れに感動の一作。観てよかった!!
やっぱりコリッチユーザでは観た人いないようですが、^^;)
私は大感動!お薦めしたい!

偶然2日連続でマキノ・ノゾミ作品、しかもこっちは演出もやられてます。
そして、坂東三津五郎、八千草薫、米倉斉加年、森 光子(国民栄誉賞受賞記念特別出演)という超ベテラン勢出演で、明治座公演!
『重責』です!

医療ミス問題で悩む主人公の医師のもとに、小学校の先生が突然訪れるところから始まり、話は当時の故郷の話に。
昨日の「高き彼物」同様、登場人物は自分の過去の過ちに長い間苦しんだ後、告白し許されるときがきます。
この作品も、とっても泣けて感動しました。
迷いましたが、観てよかった!!

物語は現代と小学生時代に分かれ、
坂東三津五郎の父の役を本人が、
八千草薫の女先生の若いときを星野真里、
森光子の若い時を馬渕英俚可が
それぞれ演じる構成も面白い。

ただ、終盤に森光子さんが登場すると、
拍手喝采ではありますが、セリフがおぼつかず、
劇場全体が凍ったような空気になって、せっかくの
芝居の流れ・感動の流れを止めてしまっている感じ
がしました。
森光子さんは、好きですし、尊敬もしますが、
非常に残念でした。

ただただ、星野真里さん、馬渕英俚可さん
目当てで観ましたが、八千草薫さんは素晴らしい
演技でした。
あったかくて、本当にベテランでやさしい先生です。

その若い時を、星野真里さんがストレートに
まっすぐに演じています。
まさに、当時の清楚な女先生です。

そして、馬渕英俚可さんは三津五郎さんの娘の
女子大生役。まさに普通の役でしたが、
やっぱりそれだけでは終わらない。
気の強い母親の若い時を演じて、もうぴったり。
強い役が多いですよねぇ。

グレイ・ガーデンズ

グレイ・ガーデンズ

東宝

シアタークリエ(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

ドキュメンタリーのミュージカル化!オーソドックスな一幕,衝撃的な二幕,シニカルな対比が見事!
珍しい、ドキュメンタリー映画のミュージカル化!
アメリカでは超有名な親娘らしいです。

裕福な一族を描くオーソドックスな一幕、
一転、落ちぶれた親子の姿の衝撃的・個性的な二幕、
このシニカルで強烈な対比が見事です。
これをミュージカルにするなんて、
こんな内容が受けるとは、さすがアメリカ!

そして、日本では全くなじみのない、この話題を
日本で演るなんてすごい。
最近の東宝ミュージカル×シアタークリエは、
つくづくチャレンジャーだなぁと思う。

独自の意見とファッションを貫く、リトル・イディは
あくまでも前向き。

夢を見ても、母親と喧嘩しても、最後まで家を
出れなかった中年のリトル・イディと、
ショービジネスを夢見て家を出た、
昔の若きリトル・イディ。

この対比は、ノスタルジックで美しくも悲しい。
若きリトル・イディを演じた彩乃かなみさんの
オーソドックスなミュージカル演技が美しい。

最近舞台に連続して挑戦されている大竹しのぶさんは、
悪態を突くような女性の役は、特にうまいです!
(歌は…)
片肌を披露された草笛さんは、つくづくお美しい。
ケネディ家長男を演じた川久保拓司さんは、
ウルトラマンネクサス主演でした!!

あと、シアタークリエは、オーケストラピットが
見えないのが嫌い!
せっかくの生オーケストラ演奏の
”雰囲気”が味わえないんだもの!

高き彼物

高き彼物

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

あったかくなれる感動作!30周年カトケン×マキノ・ノゾミ×キョン2 の顔合わせ!
30周年を迎えた加藤健一事務所の記念シリーズ。
カトケン×マキノ・ノゾミ×キョン2 の顔合わせ!

マキノ・ノゾミ作品はよく観ますが、珍しく普通の日本、
静岡の田舎町が舞台の、感動作品です。

熱血教師が過去に過ちを起こし、後悔の念を内に秘め
暮らす長い年月。
意外な出来事をきっかけに、心の傷から解放される
ときが訪れる。

のどかな田舎の人情、元教師の結婚話、
少年との心の交流に、ストレートに感動しました。

過去の事件の真相がとっても恥ずかしいことであって
とってもカッコ悪い、体裁の悪い出来事。
そんな自分をさらけ出して、救われるところが
とっても良くて、泣いてしまいます。

カトケンの朴とつな教師は、ぴったりの配役。
そして、キョンキョンが方言で田舎の女教師を好演。
田舎の雰囲気が出ていて、うまいです。
特に客席に背を向けての演技が結構あって、
それでも「見せる」ところなんか、さすがです。

他に、元教師の娘役の占部房子さんは、
どこかで見かけたような気がしますが、
「普通」なんですけれど、とっても好感が持てて
好きになりました。次回作も観てみたいです。

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/11/17 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

蜷川演出で、この出演俳優陣!もちろん見ごたえありました!
いまや古典中の古典、数年前に俳優座で観ましたが、
まさかの蜷川演出で登場。
しかも、このメンツでは観ないわけにはいきません。
上演台本から一部作り直したという内容で、
これだけのベテラン俳優の丁々発止の演技合戦は、
さすがに、見ごたえありました。

改めて見直すと、自分はやはり、気の弱い2号や
ころころ意見の変わる12号に近いなぁと、
つくづく思います。
主人公になる8号はあまりに正しすぎて近寄りがたい。

さて、今回は、囲み舞台で、特設のベンチ席あり。
せっかくだからなるべく近くで観たかったので、
わざと平日でベンチ席指定で先行予約しましたら
見事最前列でした。
ほんの目の前でこれだけの俳優さんたちを目の当たり
にして大迫力!
しかし、真横(長方形のテーブルの短辺のほう)、
陪審員1号の真後ろだったので位置的につらかった~。
8号中井さんの正面ではあるけれど。
囲み舞台ではあっても、本来の正面がやっぱり正面。
いいシーンは後姿をみることになってしまうのは
ちょっと…。

そして、3号と10号の偏見、強引な頑固さで興奮し、
エスカレートして感情が爆発するまでの過程が少し
説得力が弱かった気がしました。
55年前の制作当時と、今の観客の考え方・差別意識
に大きな差があるため、難しいのかもしれません。

来年1月、「十二人の怒れる男たち」のタイトルで
俳優座劇場プロデュースでも再演されるので、
必ず観ようと思っています。

雨の日の森の中

雨の日の森の中

東京グローブ座

東京グローブ座(東京都)

2009/11/04 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

谷村美月ちゃん初舞台!驚異の「女子観客率」No.1?増田貴久がNEWSだからか!
いま注目の女優、谷村美月さん初舞台!
そして、こちらも注目の女優さん、初音映莉子さん、
ペンギンプルペイルパイルズの玉置孝匡さん、
ラーメンズ片桐仁さんも出演と聞いては
観ないわけにはいきません。

しかし、自分史上最高の「女子観客率」でした!
10人いなかったのでは?
しかもカップル以外では5人以下?
なぜ?なぜの嵐?
いや嵐じゃなくって、
そうか初座長の増田貴久さんはNEWSのメンバーだったのか!
本当にやさしそうで、器用で軽い身のこなしはコメディにぴったりです。

豪雨の中、山奥のペンションに逃げ込んだカップルに
襲いかかる災難とサバイバルの物語。
話は、勘違いナンセンス・コメディでした。
ストーリーと舞台は、結構ありがちな話ですが(失礼)、
軽く楽しめて面白かったですね。
3階の席だったので、冒頭のシーンもナレーションかと思った。
一部乗り出さないと見れない場所があるのですが、
2階建てペンションで階段を行き来する舞台を
楽しむにはよい場所でした。

「Woo」で初めて見た谷村美月さんは、しっかり者の大学生役。
しかし、途中ビビり始めてからが面白い。


初音映莉子さんは、出番が少なすぎ!ながら、
細いスタイルと独特の声、不思議な個性は光ってました。
「シリーズ・同時代 混じりあうこと、消えること」
で気になって「あなたと私のやわらかな棘」「GOD NO NAME」
と立て続けに好演!
「夢をかなえるゾウ」「新しい男」「中国の不思議な役人」は
見逃し、今回は物足りなかったので、次にまた期待しちゃいます。

奇跡の人

奇跡の人

ホリプロ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/10/23 (金) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鈴木杏アニー/高畑充希ヘレンの呼ぶ『奇跡』!フレッシュさがストレートな感動を生む。
わずか3週間で起きた奇跡!

冒頭、回り舞台のセットを手さぐりで歩くヘレンに、
観ているほうもヘレンと同じ心境を味わう。

背景が真っ暗で、パイプやドアしかないセットは、
そのまま、手さぐりで物にぶつかるヘレンを表している。

何といっても主演の2人の若さ、フレッシュさ、
ストレートな体当たりの演技がよかった。

最近精力的に舞台出演を続ける鈴木杏さんは、
確実にステップアップしています。
今回もアニーを見事に演じています。
(ただアニーのイメージはもう少し細身かな^^;)

高畑充希さんの三重苦の様子、その中での感情表現も
よくやっていたと思います。
特に前述の冒頭のシーンが印象的でした。

最初のほうの、アニーが施設を旅立つときの子供たちとの
分かれのシーンは、短時間ながらいきなり泣ける名シーン。
施設の先生との強烈な皮肉めいたせりふのやりとりによって、
逆に親密さと愛情が本当に伝わってくる。

そして訪問した一家。
本来なら、厳格で厳しい雰囲気や、南部と北部の違いを
強調するべきなのかもしれませんが
B作さんをはじめ、家族はみな温かい普通の家族。

佐藤B作さんは、いくら厳しいことを言っていても
個性からくる優しさがにじみ出てくる。
七瀬なつみさんは、アニーとは時に信頼、時に友情、
しかし、ヘレンとの親密さへの嫉妬が入り混じっている。
他に、私がよくお見かけするのが、武藤晃子さん。
実に器用で明るくてさばけているけれど真面目な
一面が毎回感じられる素敵な女優さんです。
今回は子供役で盛りたててました。今後もチェックします!
そして、忘れてはいけないのが、ベルを演じたすみれ。

ラブラドールレトリバー=犬ですが、子供たちと
最初に舞台を綱なしで走って横切ったのにはびっくり。
よく調教されてるんですね。
後のほうの、おとなしくしゃがんでるシーンでは
2,3回起き上がって歩いて行きそうになって
杏ちゃんに押さえつけられてましたが。

さて、2列目右端の席だったので、井戸の真ん前でした。
井戸の下は格子になっていて、普通に水を出すときは
はねないようにできていますが、例のシーンでは
ウォーターが跳ねてきそうで迫力満点でした!

「ファイティング」の担当スタッフがいて、
殺陣のように指導している。
確かに暴れるヘレンを抑えるアニーの戦いには
必要かもしれない。

アクロバティックなアクションは、側転がうまかったり、
ときにコミカルだったりして笑いを誘いますが、
ちょっとあざといかも?
でも子供には受けていたからいいかな。

どこまでシリアスにするか、どこまで丸く収めるか、
障害者の表現にも気を使うだろうし、
気を遣いすぎてもいけないだろうし、
変にシニカルに作るわけにもいかない。
子供も観ることも考えないわけにはいかないでしょうし、
結局今回のように、いろいろ作り込みすぎずに、
ストレートに表現したのが正しかったと思いました。

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