ITOYAが投票した舞台芸術アワード!

2013年度 1-10位と総評
カタルシツ『地下室の手記』

1

カタルシツ『地下室の手記』

イキウメ

文句なし、ダントツの1位。
笑わせながら、思いっきり情けないことをさらけ出し、
こちらも身につまされて、思いっきりシリアスになる。
出演のふたり、演出、大昔の原作、すべて良かった。

ジャングル・ジャンクション

2

ジャングル・ジャンクション

演劇集団キャラメルボックス

女組推し。
「ちょっと前の小劇場、小劇団っぽい雰囲気」がイイ。
主演の林さん、バリバリ?スーパーヒロインぶりの原田樹里さん、悪のボス坂口理恵さん、など、優さんたちが
従来と違うキャラクターを演じているのが
キャラメルファンとして、とっても楽しく観た!

シレンシオ

3

シレンシオ

ネビュラプロジェクト

原田知世ファンとして。
舞台上の穏やかな流れを楽しむ”居心地のいい静寂”を観客席に深くうずくまりながら味わうこれまでにない快感!
難しくない適度に演劇的でやさしいダンスパフォーマンス。

100万回生きたねこ

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100万回生きたねこ

ホリプロ

極端にパースが作られた舞台上に、ある時は歩く小さな家が、
ある時は海が、各シーンがまるでリトグラフのように絵画的で、
絵本のような世界を舞台上に見事に構築。

森山未来さんと満島ひかりさんの、独特のフォームの踊りが
素晴らしい。
わざとらしくない ねこ の仕草、ちょっと曲げた
足がしっぽの動きを現していたりして、
ちいさな動きが実に ねこ らしい。
さまざまな人と共に居て100万回生きて100万回死んだねこを
描く1幕目、私は特に藤木孝さんの歌と演技に感激しました。

ピアフ

5

ピアフ

東宝

本物のピアフに似ているかは、むしろ全く関係ない。
今、舞台上で創られた「大竹しのぶが演じるピアフ」のすべてを、
身を削るように毎公演出し切っている凄みある舞台が素晴らしい。

長い墓標の列

6

長い墓標の列

新国立劇場

まず、思いっきり地味な題材を取り上げる姿勢。
難解ながらも引っ張っていく演劇の力。
白熱する深く重い討論。
村田雄浩さん、古河耕史さんの演技がイイ。

レミング ~世界の涯までつれてって~

7

レミング ~世界の涯までつれてって~

パルコ・プロデュース

寺山作品の敷居を下げ、俳優のステップによるリズムと
足踏みしながら前後運動したりすることと、
短い無意味なセリフの連続のリズムなどが重なり合い、
実に心地イイ初めての感覚。
すべてを頭で理解しなくても楽しめることの発見。

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

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獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

イキウメ

小さな事件が、壮大なSFストーリーに展開していくゾクゾク感。
(特に新聞を見てあるものを発見するくだり!)

ロスト・イン・ヨンカーズ

9

ロスト・イン・ヨンカーズ

パルコ・プロデュース

三谷幸喜の演出と、普段の役とは全く異なる、中谷美紀の演技が本当に素晴らしかった。
重いけれど、前向き。
確かに三谷作品にはない「引出し」で、この作品を選んだ目もさすがです。

志の輔らくご in ACT

10

志の輔らくご in ACT

TBS

10位ではないかもしれないが、落語なのでここに。
前半は「仮名手本忠臣蔵」の解説、しかも解説前にまくらが有り。
後半に落語本題「中村仲蔵」という、理解するのに必要な知識を
事前にスライドと浮世絵で「笑い」を交えながら解説。
大幅に時間オーバー(35分)してでも笑いを詰め込む、
志の輔師匠のエンタメ魂を、ひたすら尊敬するのみ。

総評

大小、実に多彩な作品があって、今でもまだ新たな可能性を求めて実験する作品があったりと、演劇の世界は実に深いです。

しかし、その反面、少しずつ劇場が閉鎖していくようで、特に私の大好きな『青山円形劇場』がなくなるのは本当に残念!

ちなみに、次点以降(順不同)、ヴィレッヂ 「断色~danjiki~」、トム・プロジェクト 「完全姉妹」、東京芸術劇場 「マシーン日記」、ナイロン100℃ 「『わが闇』(再演)」、森崎事務所M&Oplay 「不道徳教室」・・・キリがない。

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