石井幸一郎の観てきた!クチコミ一覧

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酒神 ディオニュソス

酒神 ディオニュソス

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2010/12/24 (金) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

殺人事件
新興宗教の僧侶(仏教ではないが)が布教の為に、信者の息子(宗教に反対する立場)を惨殺する、という古代ギリシアの事件を、現代の東京・吉祥寺で、クリスマス・イヴの夜に観劇した、ということを大事にしたい。

リア王 4カ国語版

リア王 4カ国語版

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2010/12/15 (水) ~ 2010/12/21 (火)公演終了

グロスター家
老人リアが悩みと苦しみの増幅装置となって描かれるグロスター家の出来事は、どこまでも純度を高めた家族の問題であり、何故に家族は、親子は、ここまで苦しまなければならないのか、と長男である自分は苦しくなる。

猫と針

猫と針

東京農業大学 農友会演劇研究部

農大劇研アトリエ(東京都)

2010/12/09 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

コミュニティ
同好会の同窓会というコアなコミュニティ内の行き違いすれ違い、重なり合いを描く、という物語がまず最初にあって、
それを見た観客がそれぞれの個人史と重ね合わせ、共感なり反感を感じたり、忘れていた記憶を呼び覚ます、
それぞれの観た人々が何を感じられるか・・・・・・
というのが恐らくこの舞台において大事な成果となるのだろう、と思う。
しかし、そのコアなコミュニティ、が成立していなければ、観ている側は戯曲の言葉を聞いているしかなくなってしまう。
今回の舞台では、それが残念。
舞台上の造形、視覚効果は一定の世界を形作ることに成功していただけに、生身の人間がもいったいない、と感じてしまった

ネタバレBOX

もっと「演劇」を楽しめるような気がする、裏を返せば楽しめてないように見えてしまう。
水の中のプール

水の中のプール

第七劇場

学習院女子大学 やわらぎホール(東京都)

2010/11/06 (土) ~ 2010/11/07 (日)公演終了

発明
演出家の、ある種の発明を観た。これは発明だと思う。もしくは戦い続ける武器にもなり得ると思う。その興味深さと喰い足りなさ

ウエスタンモード

ウエスタンモード

*pnish*

天王洲 銀河劇場(東京都)

2010/10/20 (水) ~ 2010/10/24 (日)公演終了

疾走感
多くのシーンを連続的に見せる美術の使い方が功を奏して、疾走感のある物語展開だったと思います。

ネタバレBOX

その疾走感の中で、個々の俳優ではなく、俳優全体が一塊となれるような見せ場があれば、もっと幸福感が得られたのではないか、と思いました。
Project BUNGAKU 太宰治

Project BUNGAKU 太宰治

Project BUNGAKU

ワーサルシアター(東京都)

2010/09/30 (木) ~ 2010/10/10 (日)公演終了

『HUMAN LOST』を1位に
『HUMAN LOST』と『人間失格』は客席に居るということの幸福感(なんたること!)を味わいました。

『人間失格』主演のコロさんの笑顔が、『時計仕掛けのオレンジ』のアレックスの(後半の非暴力主義者に改造されてからの)笑顔に酷似していて凄い!

いつだって今だもん

いつだって今だもん

東京農業大学 農友会演劇研究部

農大劇研アトリエ(東京都)

2010/10/07 (木) ~ 2010/10/10 (日)公演終了

共有して欲しい
演出も俳優も含めて共通認識というか、共有されるべきコードが出来ていないのが辛いです。
作品の良し悪し好き嫌いを感じる以前の処でつまずいてしまう。
勿体無い、残念。

ネタバレBOX

魅力的な題材、空間、人材も、それが輝く為にはソレナリの練磨、研鑽が必要で、『ありのままの自分』で勝負するのは結構しんどいのです。
学生生活という限られた時間とはいえ、やるのであれば、魅力的な作品を作って欲しい。
可能性はある、でも今は勝てていない。(あえて勝ち負けという言葉を使うならばだけど)
特に1、2年生の事に関しては、3、4年生には猛省を促したい。


街【公演終了!ご来場誠にありがとうございました!】

街【公演終了!ご来場誠にありがとうございました!】

ヲカシマシン

タイニイアリス(東京都)

2010/08/27 (金) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

気だるさ
想像力のふり幅を広げやすい(観客にとっても作り手にとっても)題材。
しかし、観念的(というか箇条書きのような?)科白と、俳優の生理(演劇っぽさ)が多分に入った語り口によって、どんどん現実離れ(飛躍という意味ではなく)していってしまう。
なので、観ていてコネクトし辛い。
ざっくばらんに言ってしまえば『街ってこんなドロンとしたモノ?』と思ってしまう。
それくらい一辺倒な、単眼的な視点に思えてしまった。
別に相対的な演劇が観たかったわけでもないのですが。
あと世代差によるギャップなのかも知れませんが。
そして、多分に自分の主観ですが。

以前観た公演(第二回?)から、ほぼ同じメンバーで公演が継続されているようなので、今後の集団性の熟成に期待したい。



ネタバレBOX

ちょうど一年くらい前に、同じアリスで観た、別の団体の演劇でも、秋葉原の連続殺傷事件が劇中で使われてて、その時も思ったのですが、そして別に僕が思う筋合いもないことなのですが、なんか「キャッチーなトピック」的な事柄として、こういう事件を劇中に差し挟むのは、なんか浅薄な気がして好きではありません。極々私的な意見ですが。
宮殿モンスター

宮殿モンスター

新劇団松葉ステッキ

アミュゼ柏(千葉県)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

キャッチーさ
かなりの資力を持った劇団なのだと思うのですが、舞台上に現れているモノの一つ一つが粗い、というか安っぽく感じてしまい、勿体無く思いました。こういう展開にしたらキャッチーだろう、こういう場面はキャッチーだろう、という演出?脚本なのかな、それら根っこの作り手側の意識が透けて見えてしまうようで、それもまた安っぽさに拍車をかけていたように思います。テレビの真似事みたいな事は、あまり好きではありません。すみません。

ネタバレBOX

俳優の発語が妙に母音が強調されていて不思議でした。四季?みたいな
シラノ・ド・ベルジュラック

シラノ・ド・ベルジュラック

(財)舞台芸術財団演劇人会議

利賀芸術公園 野外劇場(富山県)

2010/08/21 (土) ~ 2010/08/28 (土)公演終了

これはSFだ・・・・・・
これほど演劇の公演が、他にあるのだろうか・・・・・・海外に行けばあるんですかね。
妄想の具現化、視覚化というのが、戯曲から舞台に立ち上がる際に言われる事があるが、本当にしちゃってる・・・・・・
利賀芸術公園まで、東京から車で片道500キロ、往復で1,000キロオーバー。所要時間は7時間を越える。しかし、ココでしか、この舞台は観れない。
観に行く動機は、それだけで充分だ。
あと、高速土日割で片道の高速代が1,600円だったのには驚き!

新・帰ってきた日本

新・帰ってきた日本

(財)舞台芸術財団演劇人会議

利賀芸術公園 新利賀山房(富山県)

2010/08/21 (土) ~ 2010/08/28 (土)公演終了

アジアの地図
股旅モノ、任侠モノで語られる「一家」は、「国家」にも置き換えられる。

ネタバレBOX

入射角を変えられた言葉は、徐々に毒を帯びて行くようで・・・・・・笑いから入った筈の観劇が、いつのまにか、痛烈な批評の世界に取り込まれていた。
そして、最後の「シャララララ~ン・・・・・・」「ウォウ、ウォウ、ウォウ~」
通りゃんせ

通りゃんせ

ユニークポイント

座・高円寺1(東京都)

2010/08/05 (木) ~ 2010/08/10 (火)公演終了

凄く良い!
日本人同士ならありふれている光景、韓国人同士でもそうだろう。
でも、「日韓」という言葉が混ざると、ありふれることすらできなくなってしまう、もしくは多くの作家は過剰にしてしまう(しまいがち?)ように感じる題材を、
美しさすら感じる物語の構成によって、「日韓」の「ありふれた」光景と感じさせてくれる、その劇作に感動をおぼえる。

ず~~と観ていたい、と思える舞台に久し振りに出会いました。

覇王歌行(はおうかこう)

覇王歌行(はおうかこう)

BeSeTo演劇祭

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/07/08 (木) ~ 2010/07/11 (日)公演終了

今から本当の事を話しますよ
今から本当の事を話しますよ、と歴史の登場人物が観客に語りかける。

項羽と劉邦の話の知識が、そもそも無いので、どれくらい史実(と云われているモノ)を遊び倒しているのかは定かではないが、
博物館で、自分の持ち物だった遺物を手に取り、「本当はね~」ってな具合で話しかけてくる項羽は愛くるしい人物だった。

ネタバレBOX

最後の最後で、最近の歴史研究では~、と、それまでの物語を更に無化するような字幕(字幕のみ!舞台は無人)を入れれる作家のセンスがカッコイイ!
リア王

リア王

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 中劇場(東京都)

2010/07/10 (土) ~ 2010/07/11 (日)公演終了

仏壇の‥‥‥
仏壇のマクべスならぬ、屏風のリア王。

アッパーなドラムパーカッションで駆け抜ける、壮大な娯楽作。

最後にレクイエムの様に歌われるコーラスが無性にカッコイイ。

公演期間が短かったのが非常に残念。
色んな人に薦めたくなった作品。

ある日、ぼくらは夢の中で出会う

ある日、ぼくらは夢の中で出会う

東京農業大学 農友会演劇研究部

農大劇研アトリエ(東京都)

2010/07/08 (木) ~ 2010/07/11 (日)公演終了

高橋いさを
高橋いさを作品を脚色、ミュージックビデオ的とでも言ったら良いのか、断片的なイメージを大量に差し挟んだ舞台

ネタバレBOX

本来の戯曲では、舞台上の俳優の役柄、固有名詞が如何に曖昧というか、いい加減なモノであるかを刑事と誘拐犯一人二役という条件付けによって喝破した作品なんだと思われるが、俳優の数と役を増やした結果、全体像がぼやけてしまっていた。
演者に張られた役というラベルが上書きを繰り返される事によってナンセンスな破壊的な笑いへと導かれる筈なのだが、反射的な面白さは幾つかあっても笑いが継続して渦巻いていかない。
それが残念。
薮の中

薮の中

atelier SENTIO

atelier SENTIO(東京都)

2010/06/26 (土) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

これは
珍しいモノを観てしまった。

ネタバレBOX

物語でも、言葉でも無い、「ルール」によって組み上げられた舞台。
欲を言うならば、その「ルール」をもう少し簡略化して、消耗して行く肉体が観たかった。
共生の彼方へ-セレクション-

共生の彼方へ-セレクション-

A.C.O.A.

atelier SENTIO(東京都)

2010/06/17 (木) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

凝視
凝視し過ぎて消耗してしまった。
前回の宮沢賢治といい、今回のブラッドベリといい、原作は好きだが、映像化舞台化などの2次創作になると途端に嫌いになってしまうのだが、そうはさせないでくれるのが、何よりも嬉しい。
決して忠実なビジュアル化というわけではないのに‥‥‥

ネタバレBOX

とはいっても、前回の宮沢賢治の方が個人的には好きではあった。
東京ノート

東京ノート

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 特設会場(東京都)

2010/07/02 (金) ~ 2010/07/17 (土)公演終了

演劇的装置
この「東京ノート」という演劇的な装置を発明したコト、それだけでも平田オリザという人は演劇史に名を残す資格を持っている。

欲望の海

欲望の海

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 中劇場(東京都)

2010/07/06 (火) ~ 2010/07/07 (水)公演終了

オニール
オニールの戯曲を題材としながらも、昔から中国にあった説話です、と言われても納得してしまいそうなくらい中国の物語として腑に落ちる「らしさ」を持っていた、ように思う。

ネタバレBOX

繰り返し訪れる高揚と退屈の中、子殺しの場面にはギョッとしてしまった。これは凄い、と。
羯諦羯諦(ギャテイギャテイ)

羯諦羯諦(ギャテイギャテイ)

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 中劇場(東京都)

2010/07/02 (金) ~ 2010/07/03 (土)公演終了

ハラギャテイ
葬式の際に執り行われた六道の行進の姿にも重なり、般若心経の光景として、妙にしっくりくる。

ネタバレBOX

まさかお坊さんが、あんなコトになるとは思わなかった。

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