昆虫大戦争
こゆび侍
RAFT(東京都)
2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了
満足度★★★★
祈りたくなるような時代感
あたかも防空壕や核シェルターのなかであるかのような、暗い、舞台装置のなにもない空間だからこそ、成島秀和の詩情に満ちた台詞は効力を発揮していたように思う。
まるで祈るように、他が顧みない家畜の糞を食糧とすべく丸めて転がしつづけ、採取され、やはり祈るような姿で標本にされてしまうフンコロガシの世界に、いまの二十代の心情が重なっているような気もした。
月並みなはなし[2010]
時間堂
座・高円寺2(東京都)
2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★
月の引力、あるいは魔力
べつに月に憧れがあるわけでもないのに、全身にたゆたう七割の水分が激しく登場人物たちに惹かれていく。まるで月による潮の満ち引きのように、強引に。
だからきっと、月に行きたい理由なんかはどうでもよくて、翻弄され揺らぎつづける彼ら、彼女たちとしばしおなじ時を過ごせるだけで心地良いのだろう。稀薄にみえて、じつは海のように深い繋がりを感じられるから。
トランス
中野成樹+フランケンズ
【閉館】江古田ストアハウス(東京都)
2008/11/05 (水) ~ 2008/11/06 (木)公演終了
満足度★★★★
気楽に多田演出を楽しむw
かつて、鴻上尚史・第三舞台派か、野田秀樹・夢の遊眠社派かということが問われた時代があり、それはある意味で演出派か戯曲派かの争いでもあったと思うのだけど、まあ、自分は後者で、しかも完敗で、それはふたりがおなじく英国留学した直後に作ったKOKAMI@networkとNODA MAPのその後の知名度の差に明白に現れていて、そんな鴻上尚史の『トランス』が、現代の演出派急先鋒的存在の多田淳之介演出によって甦ったことだけで劇中、けっこうそうそうに落涙。
もちろん、戯曲も押し付けがましいぐらい、いい話だからということもあったけど(笑)。また、多田演出を我慢とか覚悟とか勝負とかを強いられずに気楽に楽しく観られたのも嬉しい。軟弱者、それでもあなたは多田ファンですか、物足りないという声もあるだろうけど、そういう人は年末の東京デスロック本公演に期待すればいいのであって、タダフラはこれでいいのだ、って感じ?
義弟の井戸
黒色綺譚カナリア派
シアタートラム(東京都)
2009/04/10 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了
満足度★★★★
赤澤ムックの美しい世界感が、
「つるべ」がカラカラと音を立てて手繰りよせられるような、あるいは放たれるような心地よい韻律を刻んで、“鮮やかな闇”をともなって展開する後半が素晴らしい!
今日もいい天気
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/11/05 (木) ~ 2009/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★
今日もぬぐタマる
きっと、いろんな客層に届けようとしているんだろうなあ。そんな思いが場内に染みわたって生まれたあたたかさが、とても気持ちいいのです♪
邪沈(ヨコチン)
乞局
笹塚ファクトリー(東京都)
2008/11/06 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了
「ここで光ってみる」 「飛ぶ布団」 「愛愛愛愛愛愛愛っ」
ロロ
スタジオ・ガンボ(東京都)
2009/10/03 (土) ~ 2009/10/03 (土)公演終了
『リズム三兄妹』 / 『はやねはやおき朝御飯』
岡崎藝術座
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/10/30 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了
遡上 (4/13&20 2日間のみの公演です)
東京ネジ
名曲喫茶ヴィオロン(東京都)
2009/04/13 (月) ~ 2009/04/20 (月)公演終了
満足度★★★★
まるで羊水に包まれるかのような温かさ
子供を産む話が重層的に絡まりあい、出産体験のあるほずもない自分(男性)にも、母親の大変さ、尊さが伝わってくるような作品。そして、名曲喫茶ヴィオロンの歳月を積み重ねたゆえに生まれる雰囲気も含め、とても心地よい時間を堪能。なので思わず、お母さんありがとう! と、童心にもどったかのような素直な気持ちにも。たとえるならこれは“カフェ浴”? ああ、癒されたぁ~
クセナキスキス
The end of company ジエン社
d-倉庫(東京都)
2010/06/03 (木) ~ 2010/06/06 (日)公演終了
満足度★★★★
さあ、お代は観てのお楽しみ、でも先払い、返金不可♪
進化の袋小路という言葉が思い浮かぶ。現代口語演劇のガラパゴス。はたまた、手足をもがれながら、それでもなおこれは退化ではなく進化だと、蛇を指差して語るさまは、あたかも、大きな板に赤い文字で「大イタチ」と書いて客を湧かせた江戸の粋のよう。まったく違うかも(笑)。
宇宙でマヤ印
マヤ印
atelier SENTIO(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
好企画!
4演目11公演(4日間)を、一回チケットを購入すれば何回でも観ていいというお得な公演。ほんとに、時間があればもっと観たかったなあ、残念。とくに『致富譚』(ちぷたん)は、なにかいろいろと企まれている気配だけでも楽しく、そのうえ、atelier SENTIOの白い空間と相まって、いつまででも観ていたいように寛げる時間になっていたと思う。もちろん、舞台上に刺激的でピリピリしたなにか、とかも存在したからではあるけれど。
孤天 第二回「ボクダンス」
コマツ企画
APOCシアター(東京都)
2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了
ろじ式〜とおくから、呼び声が、きこえる〜
維新派
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2009/10/23 (金) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
ちっちゃなエイヨルフ
メジャーリーグ
あうるすぽっと(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
前回の『野鴨』に比べてしまうと、
やはり、大きい箱での上演な分だけ、緊密度に欠けてしまった印象。
戯曲も、役者も、演出もよかっただけに、ちょっともったいなかったかなあ。
GOOD DESIGN GIRL LOVES ART!
NICE STALKER
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/06/30 (火) ~ 2009/07/05 (日)公演終了
満足度★★★
Bバージョンのみの観劇
趣味のいい悪趣味な話の作りは、一番、気持ちよく笑えるゾーン、かも。
なかでも、#3「宇宙には行けない」はかなり秀逸。
ただし理想をいえば、ハマカワフミエと帯金ゆかりの対決は、キャットファイトではなく舌戦であったほうが好み。シュレディンガーの猫VSラプラスの魔の戦いとかも観たかった(←テキトーなこといってますw)。
The Pop
初期型
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/08/18 (火) ~ 2009/08/19 (水)公演終了
SURROUNDED ALWAYS
年年有魚
新宿眼科画廊(東京都)
2009/05/27 (水) ~ 2009/06/09 (火)公演終了
満足度★★★
ブタとサイとカバが好き☆
壁面に飾られていた、なかむらきりんの紙アートがとても柔らかい空気を発していて、とても居心地のよい空間に。
反面、その雰囲気のなかでは、いかにもな白もの家電っぽいオーブンレンジや、テーブル、イス、時計あたりは不釣り合いだったかも(紙アートは弟の作品、という説明があっても、です)。
さらにいえば、台詞も演技ももっと抑え目、引き算なほうが体感にあったかも。
たとえば、ウェルカムドリンクのメニューからオレンジやグレープフルーツのジュースは除く、みたいな感じで(途中、氷の音が少し気になったし)。
あるいは、温かい珈琲だけに限定する代わりに、一杯ずつ、丁寧に入れるとか。たとえ開演後にお客さんに渡すことになったとしても、そんなに違和感はなかったと思うんだけど。
「熊野」「弱法師」
三条会
三条会アトリエ(千葉県)
2008/11/22 (土) ~ 2008/11/28 (金)公演終了
満足度★★★
なんとなく、
三島台詞の心地よさに騙されてか、いい話っぽく感じていた「熊野」の虚飾が剥ぎ取られ、金満体質な男とベッドに縛りつけられる女の関係性がくっきりと。
「弱法師」の前半、演出過多に思えたけど、戯曲自体が退屈だから仕方ない? もちろん、それがあったからこそ後半の「橋口」との呼び掛けが生きるのだろうけど…。
サマーゴーサマー
あひるなんちゃら
OFF OFFシアター(東京都)
2009/08/19 (水) ~ 2009/08/24 (月)公演終了
満足度★★★
じつは、あひるではなく、
白鳥なんじゃね? と思った。この緩さをだすために、どんだけ水面下で足を動かしているんだろう、みたいなことを。いや、そんなものはまるで表にはあらわれていないのだけど(笑)。
火の顔◆フェスティバル/トーキョー09春
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/03/05 (木) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
満足度★★★
生々しくも、頽廃的で美しい、
現代版「恐るべき子供たち」でした。
なので、姉と弟が、いつまでもそのふたりだけの楽園で遊びつづけられたらよかったのに!
なんて、物語を無視した願いとかも、ついw