ひなつの観てきた!クチコミ一覧

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『ROMEO & JULIET』

『ROMEO & JULIET』

東京デスロック

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2009/10/24 (土) ~ 2009/10/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

本年度ダントツのナンバーワンなKOREA ver.
直前に観たJAPAN ver.のみならず、岡崎藝術座『ヘアカットさん』ままごと『わが星』ハイバイ『て』ロロ『いつだっておかしいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』DULL-COLORED POP『エリクシールの味わい』 toi 『四色の色鉛筆があればシアタートラム』などの秀作・傑作たちがすべて吹っ飛ぶほど、魂が震えた! 純粋に単純に熱烈に、多くの人に観て、感じて欲しいなあ。

ネタバレBOX

JAPAN ver.が盲目的に愛を求めて彷徨う13歳15歳の疾走に重ねて、そこに存在する役者たちの未来への模索を描いているとするならば、KOREA verは、家社会がいまだ頑なに人を縛っているだろう、ある種シェイクスピアの中世ともつらなる世界が熱く漏れだしてくる作品。
芍麗鳥(シャックリ)

芍麗鳥(シャックリ)

乞局

駅前劇場(東京都)

2009/06/17 (水) ~ 2009/06/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

錯乱させられてしまいましたでございます。
とにかく怖い。不安。気持ち悪い。不安定。気味が、気色が悪い。なので、ずつと震えながら観てしまいました…。しかも、土下座の瞬間、なぜだか死にたくなつてしまつたりもして、ああ、おぃしゆうございました。もうすつかり疲れ切つてしまつて走れません。何卒お許し下さい。気が休まることもなく御苦労、御心配をお掛け致し申しわけありません。すいません。ほんとに申しわけございません。生まれ直して、まいります。

ソコバケツノソコ

ソコバケツノソコ

BATIK(黒田育世)

シアタートラム(東京都)

2010/01/15 (金) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

むきだしの黒田育世を、
板つづきな空間で観る、巻き込まれる、はげしく揺さぶられる。

ネタバレBOX

たくさんの靴を履き潰し、熊避けの鈴をつけ、ときに水を貯めたバケツのなかに顔を突っ込んで耐えながら、だれかのために踊る。まるで彼女のこれまでの半生を追体験しているかのようで、
ちょっと苦しくなったりも。

けれど終盤、黒田さんと飴屋さんが握手していたんだけれど、じつは開演直前にも飴屋さんは奥さんらしい人と握手していて、それが重なりあい、まるでヒクソン・グレシーの選手入場のときのような“絆”の強さを感じて、ゆっくりと息を吸い、吐いた。ふう、生きてる。
四色の色鉛筆があれば

四色の色鉛筆があれば

toi

シアタートラム(東京都)

2009/01/27 (火) ~ 2009/01/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

芝居を観にいったはずなのに、
恋に落ちて帰ってきてしまいました(笑)。
いやあ、言葉では、あの愛おしさ、あの切なさ、あの素晴らしさはまるで伝えられない。
やっぱり、体験しないとね、恋愛は♪

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

異常あり。
すごく温かい、居心地のいい客席の雰囲気。だから。ここからはじまって欲しい、と思った。なにかがはじまるはず、と信じている。

黒猫

黒猫

TBS

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2008/12/03 (水) ~ 2008/12/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

好み♪
もちろん、映像作家にして映画監督でもある奥秀太郎が作・演出なので、多用される映像はほれぼれするほど刺激的で素晴らしい。ただ、そこに焦点を当てすぎてはいけない気もするなあ。

というのも、日本語の練度をもっと高めて欲しいとか、黒猫に収束しない余剰な物語が多すぎるとか、役者の演技に統一性がなさすぎるとか、じつは脚本や演出に不満も少なくなかったのだけど、結果としてはそういったことも含めて、ひとつの世界を作ることに成功していたからね。なんか、逆にその制御されていない不安定な部分が最大の魅力だったかも?
 
そしてなにより、演出家の作りたいもののイメージと、お客さんにひたすら楽しんでもらいたいと願うおもてなしの気持ちが明確に伝わってくる、とても美しい佇まいの心地よい舞台、でした。

身ひとつ

身ひとつ

リトルモア地下

リトルモア地下(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

さながら舞踏浴?
途中で、なぜか目の疲れ・肩の凝り・腰の痛みなどが急に消えてしまう。比喩ではなく。さらに、全身の血液も新しく替わったかのような気分にも。

たとえるなら、美味しい野菜料理をたくさん食べて、ゆっくり睡眠とって、爽やかな朝陽をたっぷり浴びた感じ?

ああ、いったい、どんな魔術なんだろう…。
すごい体験でした!

VACUUM ZONE

VACUUM ZONE

Dance Company BABY-Q

シアタートラム(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

魂が共鳴するような、圧倒的な舞台
じつは当日パンフも読まないまま舞台を観たので、ほとんどまるで知らなかったのだけど、途中、ダンスだけで、この場所で彼女が事故にあったことが伝わってきた。たぶん奈落に落ちたのだろう、ということまで。そして、そこからの再起。さまざまな虚飾から逃れ、いま、ふたたび踊れていることの喜びが溢れだす。それだけで幸せだと。
二度目のカーテンコールのときに、彼女は奈落に向かって手を合わせる。まるで、その事故があったから、いまの踊りに辿り着いたと、ふかく感謝するかのように。

動け!人間!

動け!人間!

鰰[hatahata]

アトリエ春風舎(東京都)

2010/04/16 (金) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

満足度★★★★★

4時間の愛おしい愉悦
淡水魚2回目で、まずはお詫びと訂正を。前回の感想で稽古場を覗き見する面白さ的なものを強調してしまったけど、じつは大間違いでした…。楽日の今日は、もう、完璧に4時間の作品になっていたんです!!!

ネタバレBOX

最初に、前回までに作られた作品を上演し、約3時間の稽古のあとに再上演するわけですが、これがもう雲泥の差で。もちろん稽古によって練られていく部分もあるんだけど、おそらく役者の身体の温まり方みたいなものがおおきく違うので、最後の上演では、もう、一気にギアがあがる感じに。しかも、おなじ時間を共有した観客による密度、濃度も高まって、ああ、もっと観ていたい、これで終わっちゃうなんて寂しすぎる、という、あたかも千穐楽の役者が感じるかのような心境を疑似体験できてしまったんですよね。だから最後、離れがたいような愛おしい空間になっていて、ああ、気持ちいい、いい湯加減だあ、大満足♥
『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。

『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。

快快

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/06/03 (木) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ある意味、伝統芸能の正統な継承
現代に置き換えた談笑の「シャブ浜」とか、嘘をつき、拾った金を隠した妻を殴打する話にしたりとか、古今の噺家たちが懸命に新たな「芝浜」作りに挌闘してきた歴史からポンと突き抜けちゃってるのに、紛うことなき「芝浜」だったなあ。

ネタバレBOX

もちろん、言葉だけで語り尽くす落語という芸には敬意を払いつつも、劇場全体を使って感応させちゃう祝祭的な力って、やっぱりスゴイよねと思う。

そういう意味でも、これは紛うことなき演劇です!

そしてまた、わりと「アリ」的な美談として描かれがちなこの噺を、あえて「キリギリス」的なダメ人間感で貫いていたのも心地よくて♪
そうそう、そんなきっぱり酒とか博打やめられるなら、最初から溺れねえよ、みたいな(笑)。

いやあ、なんか、かつて芝居小屋が、廓とおなじく、「悪所」と呼ばれていた頃の猥雑さを甦らせちゃったかも☆
八百長デスマッチ/いきなりベッドシーン

八百長デスマッチ/いきなりベッドシーン

柿喰う客

タイニイアリス(東京都)

2010/04/15 (木) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

再見
初日に比べて、役者の解像度が高まっただけでなく、なにより照明の造形力が格段に増したことで、まるで密度が違う作品に。とくに「八百長デスマッチ」は、ふたりの声の重なり方がより音楽的になっていて、おなじ小屋とは思えないほど気持ちよい響きに変容していたのが、嬉しい。

ネタバレBOX

一方、「いきなりベッドシーン」は、
入学したばかりで初々しく溌剌とした無邪気な女子高生が、そこから一気に転落する落差の大きさが印象的だった初日比べ、
七味まゆ味の疲れの浮かんだ顔付きもあってか、序盤から痛々しさが炸裂。

そして。
悲惨なイジメられまくり生活を言葉で反転させようと、それが自分の希望だったのだと、求めていたことだったと軽やかに明るく楽しげに自己洗脳しつつも、結局はそこから逃れるために自死を選ばざるを得なかった、それでもなお生きたい生きたい生きたいと叫ぶ女子高生の無念と、
まるで、楽日の最後の舞台を噛み締めるかのように、言葉を、あるいは自分を、舞台にしっかりと刻みこませつづけることにひたすら没頭し、どこか名残惜しそうな執着やら狂気すらをも漂わせる女優の佇まいが、
完全に同調し、
虚実定まらぬ不安定さをまとった哀切で鮮烈な作品になっていたように感じられた。
もしかしたら、役者の体調的に、演技的なベストはべつの日だった可能性もあるけれど、
この作品に自分が求めているのは、この過剰な人の思いなので大満足、そして大絶讃。 

なにしろ、開演直後にかすかに聞こえてきた、仏壇の鐘をひとつ小さく鳴らすような音が、いまも耳に残っているのだから。
インコは黒猫を探す

インコは黒猫を探す

快快

シアタートラム(東京都)

2010/01/20 (水) ~ 2010/01/22 (金)公演終了

満足度★★★★★

2日後の“進化”
インコと猫すら仲良く繋がっちゃうんだから、おなじ人間同士だと世代の壁なんてありえないよねー 一瞬、やたらと一体感があって心地よくて。やっぱ、スゴイ!!!

吾妻橋ダンスクロッシング

吾妻橋ダンスクロッシング

吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

いずれも楽しんだけど、
自分的にはやはり、飴屋法水作品!

※満足度はそれだけの評価です。

Spicy, Sour, and Sweet

Spicy, Sour, and Sweet

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり快快は、
東京最強のポップだった。それはつまり日本最強でもあり、世界最強にも近いといえるのではないか。
※満足度は快快にタイしてのものです。

ネタバレBOX

B-floor『Flu O Less Sense』は、911の航空機ハイジャック事件を基軸に、執拗に分配される「皿」を食糧という富の象徴、はたまた通貨に見立て、現在も繰り広げられている『タクシン派』と『反タクシン派』によるタイの政治的内紛状態を描いた、とても論理的な作品。たとえるなら、冨士山アネットが燐光群の戯曲で踊る感じ、かな?w

一方、
B-floorと快快のコラボ『どこでもドア』。
こちらでは、ヒロシマ・ナガサキ・終戦記念日には向かわず、
もっと庶民的なタイを描く。
たとえるなら、イデビアン・クルー主宰・井手茂太振付による日・タイコラボレーション作品 『コウカシタ』に近い手触りか?
言葉が通じなくとも伝わる、世界。

圧巻だったのが、観客の拍手とタイのスコールを重ねた風景。
語られる政情不安に関知することなく、晴れていれば物を売り、雨が降れば軒下で凌ぐ。
そんなタイの生活者たちの空気を瞬時に体験できたほうが、政治の話よりも、
親しみが湧くのは必然。
すべては相手への興味を抱いてからだろう、と語られていたように思え、
そこには新しい世界の未来がありはしないか?
いつだっておかしいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

いつだっておかしいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

ロロ

新宿眼科画廊(東京都)

2009/07/18 (土) ~ 2009/07/22 (水)公演終了

満足度★★★★★

好きなモノばかり入ってる玩具箱みたいな作品でした☆
なので、わあっ、カワイイ! と、無防備に猫を撫でようとしたら、じつは相手は虎の子供だった。牙もあるよ♪ みたいな感じ、でもあるんだけど(笑) 

ネタバレBOX

前回につづき今回も物語の底流には舞城ワールド、というよりズバリ『好き好き大好き超愛している。』と語ってしまっているわけだけど、じつは台詞もR.D.レインの『好き?好き?大好き?』っぽくもあり、劇中で流れるカノンからは『蛹化の女(むしのおんな)』→ 戸川純→『好き好き大好き』なんて連想も当然のようにできるわけで。で、タイトルはオザケン、ですか。そのうえ、客入れ時の宇多田ヒカルのときから「愛は祈りだ」感が漂っていたもんなあ。いやあ、「ろっ骨融合」してしまいそうでした!(違)
L0VE The World 2010

L0VE The World 2010

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2010/04/23 (金) ~ 2010/04/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

再見
初日の作品の佇まいは、自分の先入観や接し方の影響も大きいとはいえ、あくまでもこれまでに慣れ親しんでいる『L0VE』に限りなく近しいもの、だった。けれど楽日の今日は、まごうことなく『L0VE The World 2010』が、まったく新しい世界観を従えて濃密に立ち上がっていた。

ネタバレBOX

なんだろう、冒頭の、荷物を周囲に結界を張るかのように配していくシーンから、密度が違う!?  さらに、はじめて出会うふたりが遠慮がちに距離をとっているのにくらべて、背後に映しだされる互いの影の近さに、人が人と親しくなりたい気持ちを秘めていることが漂う場面でも、その思いがより強く滲んでいたり…。

たぶん、もしかしたら初日には、海を越えて渡ってきた韓国人俳優が半数の座組ということもあってか、異文化が出会うときの戸惑いがまだ全体を支配していたのかもしれない。 
けれど、どこかを境に、異文化と出会う喜びに満ちた世界へと、舞台は一気に染めかえられたにちがいない。

だからもう、ここでは国境や民族や人種という垣根はあまり関係なく。
ただ、あるのは個人の、ひとりの人間の想い。
すべてがそこに収斂していくからこそ、
『L0VE』という、大きく、ある意味とてつもなく抽象的な言葉が、
今回は、最後に『I LOVE YOU』と具体的な形で強調されたのではないだろうか。
鋭く、人のこころになにかを突き刺し、はげしく揺さぶり震わせる形、で。
旅、旅旅

旅、旅旅

ロロ

王子小劇場(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

再見
二度目ということで観る側の理解度が数段増していることを差し引いても、初日にくらべ解像度がはるかに高まっていた印象。だからようやく、ああ、こんなにも丁寧に積み重ねていたのか、一見するとシュールとか感覚的に映るけれど、きっちりと論理が貫かれていたなあ、と納得。そして前回に書いた感想を全面撤回したいぐらい、いろいろと見えていなかったことの多さに恥じいる。

ほんとダメだね、頭の固い大人は…。

何も言えなくて...唖

何も言えなくて...唖

ゴキブリコンビナート

木場公園 多目的広場(東京都)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

王道のミュージカル
前回の木場公演とは違って完全密閉空間。とはいえ、野外でしかできないあの演出はあまりに効果的で、しかも切なくも美しいラストシーンを現出させていた。あ、横道かもしれないけどw 

冬物語

冬物語

三条会

ザ・スズナリ(東京都)

2011/01/05 (水) ~ 2011/01/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

春を感じる、冬物語
そこかしこで凍っていた雪が溶け、新しい春が訪れるしあわせを、一足はやく堪能♪

いきなりベッドシーン(七味まゆ味一人芝居)

いきなりベッドシーン(七味まゆ味一人芝居)

柿喰う客

王子小劇場(東京都)

2008/11/19 (水) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

ヤバイ、震えた。
ひさびさにもう一回観たくなった作品だけど、日程的に無理。だれか代わりに観てきてくれたら、思いっきりきり羨んであげまくるよ!



ネタバレBOX

おそらく台本は、たとえば吉田秋生の『櫻の園』的な、輪郭のくっきりした男目線で女子高生を描いたような物語なんだけど(あるいは山本直樹の『BLUE』っぽい、おませな女子高生と暴力とイジメと飛び下り自殺な話だけど)、
それを七味まゆ味が演じることで、制御されていない得体の知れなさが混じり、魚喃キリコの『blue』みたいな感じに。

こういう、個人の力だけでは達することのできない、作・演出と役者の共同作業によって核融合的に生まれた作品が観たくて観たくて観たくて仕方なくて、自分は劇場に足を運んでいたんだ! なんてことが判明したりした喜びもあって、大満足でした☆

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