『昇鳴蛇 Cry:me Snake クライムスネーク』(全ステージ完売御礼)
エムキチビート
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/06/25 (木) ~ 2009/06/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
日本人の美徳。
エムキチの本公演を観たのは初めてですが、小劇場にありがちなマニアックさとは無縁の、観る人全てに前向きなメッセージを送る極上のエンターテイメント作品でとても好感が持てました。
まるで少年がそのまま大人になったような、純粋で真っ直ぐな脚本と演出が煌びやかな衣装やヘアメイクや照明で彩られて非常にカッコ良く、潔い。一つの時代の終わりに生き、その誇りを背負って時代と共に滅する勇気を持つことの崇高さが迫力満点の殺陣やパワフルなギャグをスパイスに語られ、劇場が非常に狭く感じるほど熱量に溢れた素敵な舞台でした。
忘れかけていた日本人の美徳を会津藩士達に思い出せていただき、自分の生き方や意志の持ち方に反省もさせられ。演劇としてのクォリティの高さに加え、各時代における人間の生の歴史も考えさせられ。人間の持つ力の素晴らしさに、ただただ、感動。毎回号泣させられました。これで3500円は安すぎです(*_*)
ちなみに、この舞台の世界があまりに好きすぎて、当日券で追加して4回観てしまいました。白虎隊員の皆さまのカッコ良さもさることながら、神々しいオーラを纏った小沢道成くんの身震いするほどの妖しさに感動。次はもっと大きな舞台で、この劇団のお芝居を観たいです。
花のゆりかご、星の雨
時間堂
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/06/02 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
この上なく温かく、優しい時間。
こんなにも穏やかな優しい気分でお芝居を観たのは初めてです。終始笑顔で見てしまい、最後には涙。胸がとっても熱くなりました。4日前に同じルデコ4でMUを観ましたが、同じメタリックな内装で対極の芝居(しかも両方とも極上!)を観させていただき、人間の力・演劇の力は凄い、と感動させていただきました。観て良かったと心から思います。
JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)
MU
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/05/26 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
胸が痛くて死にそう。
『便所の落書き屋さん』、パンキッシュかつコミカルな舞台から浮き彫りになる人間の愛とエロス、その夥しいリアルに過去の恋愛を思い出し、帰り道に絶叫したくなりました。あんなに壮絶な芝居を紡げるハセガワアユムさんが怖いです。
魂℃OUT~ソウルドアウト~
劇団ナグラチーム
池袋GEKIBA(東京都)
2009/05/14 (木) ~ 2009/05/18 (月)公演終了
満足度★★★
観ないと絶対後悔する。
正直、かなり未熟です。しかし観ないと絶対後悔します。なぜなら作・演出の木田友和さんは10年後・20年後の演劇界に名を馳せている人だから。今公演で再確認したのですが、ストーリーから浮き上がる感性の素晴らしさは天下一品。それを活かせてないのが残念ですが、これから経験を積んでクォリティを上げていくことでしょう。
本日のソワレ、明日の千秋楽。行ける方は是非足を運んで下さい。そしてナグラチームの旗揚げ公演を観た事を将来自慢して下さい。
以下、足を運びたくならない程度にネタバレを。
偽伝、ジャンヌ・ダルク
アロッタファジャイナ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/04/07 (火) ~ 2009/04/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
アロッタファジャイナ・ゼロ
派手なセットや小道具はなく、衣装替えもなく。アロッタには珍しくフェティッシュエピソードや目まぐるしい場面転換もなし。しかしそれが、役者個人の肉体だけを使って、演劇と人間の持つ力を最大限に引き出そうとした試み・・・つまり「アロッタファジャイナ・ゼロ」だと気づいたときに、俄然舞台を面白く観られるようになりました。数回追加で足を運び、最終的に8回観ました。
一人最大7役の演じ分け、膨大な長セリフ、人によっては毛嫌いするであろう、史実の説明部分の講義的演出。その実験的な舞台の中に、一見膨大な史実を詰め込みすぎの感のある脚本から浮かび上がる「偽伝」に盛り込まれた人間達の様々な「生」。ジャンヌを火刑台に送り込んだ人間達の点と線を結びつけることによって再度ランスへと導く脚本は、まさに「奇蹟」。なんて途方も無い課題を松枝さんは役者さん達に与えたのかと驚きますが、この志の高さこそが私の好きなアロッタファジャイナの姿、なのです。
この試みが成功したかというと、必ずしもそうであったとは言えません。チーム・ホワイトは菅野貴夫さんの貫禄十分の演技、若宮亮くんの色気と茶目っ気たっぷりの演技、そして峯尾晶くんの狂気のジル・ド・レが好印象で千秋楽には死ぬほど泣きましたが、チーム・ブルーは殆どの役者さんが迷いの多い演技だったように思い、全体的な完成度は決して高くなかったです。
しかし、この公演中の劇団の迷走や成長具合が演劇、そして人間の力の素晴らしさを教えてくれて、私にとっては心に残る奇蹟の舞台になりました。完成度は前公演の『今日も、ふつう。』の方が圧倒的に高かったですが、愛着は本公演の方に強く感じています。
しかし、大概の人は1回しか観ないのだから、クオリティの高さは常に維持してほしいなとも思います(^-^;)再演の際には、初日から完成度の高いお芝居で魅せてください。きっと、誰にとっても素晴らしい奇蹟の舞台となることでしょう。
評価は、作品の完成度では☆3つ、しかし愛すべき作品ということで☆5つ。
ちなみに、安川結花ちゃんは、聖女ジャンヌ・ダルクそのものでした。ミラ・ジョヴォヴィッチのジャンヌなんて足元にも及びません。
誰も寝てはならぬ
国道五十八号戦線
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2009/03/05 (木) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
何を伝えたいのか・・・
初見の劇団なので楽しみにしていたのですが、とりあえず何が言いたいのか、何を掲げているのかが伝わってこないまま時間が過ぎてしまいました。自分達の信じる演劇の復活がテーマかと思いきや、目の前にあるのは非常に刹那的なやり取りでしかなく。今まで人生や人間の歩んできた歴史と密接に絡んできた舞台ばかり観てきたせいか、小手先のテクニックだけで観客に対峙しているようにしか思えませんでした。いや、対峙も無かったのかな。
今日も、ふつう。
アロッタファジャイナ
新宿シアターモリエール(東京都)
2008/12/10 (水) ~ 2008/12/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
アロッタファジャイナ最高傑作。
想像を絶するような性と生、そして美と死に満ち溢れた耽美的な舞台でした。 物語の核となるのは、女性の「性」。 その美しさの根源は、生を凌駕するほどの死への直結。 セックスとは本来産む為の本能から起こされる行為であるはずなのに、 舞台上から溢れ出る性は一直線に破滅へと繋がっています。 エロスで輝いているのは常に女性で、 破滅を恐れて情けない姿を見せているのは常に男性。 思いを遂げられずに叫ぶのも男性。 ああ、斯くも女性は、美しく、残酷であるものなのでしょうか。
薔薇や蔦の絡まる壁、アンティークな椅子や食器の数々といった ゴシックなセットの中で、実に耽美的に、刹那的に。 アロッタファジャイナという劇団の持つフェティシズムが全開! 看板女優である安川結花ちゃんは、どの公演でも毎回 「この役が当たり役」と思わせてくれるのですが、今回も然り。 というより、今まで以上に彼女自身の経験にない(と思う)部分を身体に取り込み、 それを舞台上で説得力のある、且つ魅力のある演技にしてしまうという良さが今回は突然、何かの域を超えてしまったような気がします。
贋作 舞姫
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2008/11/05 (水) ~ 2008/11/08 (土)公演終了
満足度★★★★★
エキス姉さんに惚れました。
女の人の足って、人によってあんなに表情が違うものなのね、と感心しながら観てました。原作の舞姫にはいろいろ文句を言いたい部分があったのですが、そんなストレスがこの「贋作」で解消(笑)思い切り笑って思い切りエキサイトできる、そして「舞姫」もデュマの「椿姫」も、森鴎外の伝記まで?読んだ気になってしまう、エロいのに文学的な作品でした。でも、何より私はエキスというキャラに惚れました(^-^;)どの踊り子さん達よりも、どの男性キャラよりも存在がシンボリックで素敵でした☆ヴィクトリア座に行ってエキス姉さんに会いたいです。かなり本気で惚れてます 笑
L・I・V・E vol.1
エムキチビート
池袋GEKIBA(東京都)
2008/10/16 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
志が高い☆
アドリブ&遊び心満載のインプロ芝居がメイン。観客を楽しませよう、そして自分達も成長しようという志の高さが現れていて、抱腹絶倒&感動に満ちたイベントでした。本公演も見に行きたいと思います☆