君、いい。
茂木健一郎さんのトークショーとギリギリまで迷っていたけど「いい子いるよ」と聞こえた気がしたので行きました。
ネタバレBOX
入学したばかりの新人さんということで、戦国、忍者ものを元気一杯演じられていました。本当に適材適所で一人一人の個性にぴったりの配役。一年生と思えない堂々たる演技。
一目で気に入ったのはツクシを演じた松浪慧(男子)さん。派手な外見でもなければまだ演技は未開拓ですが、どうにでも化ける予感。素朴な雰囲気からは意外なほど落ち着いた声。いくえみ綾さん(漫画)の作品に出てくる人のように、口が横に大きく開くので静と動の差が出やすく観ていて飽きない。松浪さんはきらびやかにならずにこのままいって欲しいなあ。理科室、校庭、芝生の上での芝居が似合いそう。
余談。
新人公演は芝居を観るのが初めての生徒も多いと思うので、こんなこと情けないけど「前の人の背中を蹴らないように」とか観劇マナーを当日パンフに載せて欲しかった。学生演劇を観る時はそれなりに覚悟しているのだけどこの日は背中や横腹を蹴られる回数が多かったので・・・・とある劇団は「蹴ったら謝ってください」とまで前説で言っていたくらい、なんかもう日本もそこまで来たか!っていう驚きです。
次回公演は12月ということで。松浪さんが出る予定でしたら行きたいです。
満足度★★★
大衆演劇
ということなので杉さまのように歌がどうしても入ってしまう。
ネタバレBOX
ごめんなさい、私には合わなかったー。
DCPOPの堀さん、時間堂の菅野さん、菊池美里さんといったがっつり芝居する役者が観客を惹きつけている場合、空気を無理やり歌で変化させられてしまった感じでびっくりしたのであります。歌舞伎のような動きに合わせての音出し、提灯が暴れるところなど楽しめた。
目当ての堀さんと菅野さんの視線が結ばれるところは、精神の通い合いが線で見えたようでまるで近親相姦の恋心、ぐっときます。堀さんの呆けてしまう表情なんか良かった。
菊池さん、今までで一番可愛く見える役でもっと観ていたかった。猫娘みたいで可愛い、可愛い、と小声で何度も言ってしまう。声も存在感あり。
小櫃川さんはさすがに着こなしが上手い。男性陣のほうが細かく衣装が選ばれていたように感じます。るきあさんの帯の位置、身長がおありなので胸の補正をしてもう少し下にしたらバランスが良いと思いました。
私には合わなかったけど、大衆演劇ということは間に歌謡曲が入るわけで、いつも来ているお客さんが喜んでらっしゃればそれで良いのだと思う。一話目のまんじゅうの話がわからなかったのは、自分と何かテンポが違うのだろうか。
あ、菅野さんの踊りは貴重でした、忘れません。もうあんな菅野さんは見られないだろうな(笑)
思いのほか真面目。
もう一度観れば星が増えそうな芝居だなあと開始早々思う。呑気にサラリと楽しむものの、もっと深く時間をかけて凝視すれば違う感覚も覗けた気がして・・・・演出云々より、役者の演技がいいなあってそっちに意識を集中してしまった。コマツの役者の新しい一面を見て驚く。
今回の注目の一つは近藤美月さんがコマツの中でどうなるのかという点。ドリルチョコレート(MCRの企画の一つ)で川島さんとカップルを演じている雰囲気そのままに、顔だけでエロスを出せる近藤さんは人間に化けた奇っ怪なキツネ、でやはり面白い。あの顔立ちで甲高い声であればパー子さんになるところだけどそうはならず。男女の抱き合うシーンでは下からライトが綺麗だった。
噂のネット。始めのうちはボールの投げ合いがあるのであっても良いけど外すとしたら、こまつさんが台本読み始める辺りからかな。あそこから他人の領域に土足で踏み込んでくる感じがあったので。新しいものを観た感じ。星四つに近いくらいで。
にしても、アゴラは体育座りに近いのでお尻にきますなー。
満足度★★★
最後惜しい気もするけど
スピード感があってアメコミっぽい言い回しを納得させてしまう(ケロッグコーンフレークのCMみたいな白いパンツの人特に)勢いがありました。
全部観る予定じゃなかったけど
全部観劇。前回より芝居を観た感覚が強い。個人的に60分×2本の枠が、40分×2本になったら腰に優しいなあなんて。スタートから終了まで4時間30分ですか、次も挑戦しようかと思ってます。
バナナは
いつも通り、バナナ。もう台詞は聞き取れなくてもいいですってマイクで言っています。柿さんはやっぱり凄いんだなあと思ったり・・・・
肉。
初見。60分は少し長いかな。
ネタバレBOX
絵的に面白い三人(そら豆くん二人+西郷隆盛に似てるよ)がちっともボディビルダーな体じゃないのに大会で優勝を目標に頑張ります。
・プロテインをあんなに嬉しそうに飲む人見たことない
・殴り合いの音の出し方上手
・「崖をショートカット」とか部分的に面白い台詞が入る
60分はやはり長いけど周囲の反応は良さそうだった。見た目が笑っちゃうし一生懸命さで憎めない感じがあり・・・ずっと後ろから堀越涼さんの反応を観察してました。
満足度★★★★
新作ではなかったので
それを楽しみにしていた方は残念かと。初演の「家族のこと〜」を観てない方はロロがぎゅっと詰まっています、おひとついかがでしょうか。
ネタバレBOX
演出は初演のような水ばっしゃんばっしゃんやりません。コンロはあるけど他にセットなし。一列に並ばせて言わせるのが意外で面白い。
普通「お母さんの奪い合い」と聞くとお母さんにかまって欲しい子供の喧嘩が思われるけど、ロロなのでそうはならない。「わたしおかあさ〜ん」を叫ぶシーンなんかなんでだろう胸がザワザワ。この世の存在の一位にお母さんを置いているのが凄くじんとくるのです。
「お母さん売れる」「お父さん売れない」とか初演よりもダイレクトに面白さが伝わりました。ロロは万人にオススメしないので初演が好みでしたら余裕で楽しめるかと。短編になっていいとこ取り。
ただ、今後は予告通りいかなかった場合、前もって伝えるべきです。新作だと思って行く人もいるので。←自分
満足度★★★★
少しセツナイ。
ブルでお馴染み黒木絵美花さんも出演されていたので嬉しい。
ネタバレBOX
待ち合わせに相手が来ない時の寂しさ、虚しさが切ない。怒りもあるだろうけど悲しみの方が強く感じて、それがよけい雨の音に混じると肌寒い。
女同士で遊ぶ約束のやり取りが良かった。黒木さんの声って機械音の振動に近いのか、ブルの時よりも淡々として透明度が上がる。
話ずれますけど、高尾山の頂上で毎週待ち合わせしている年配の方が結構多くて、相手が来なくなればいずれ死んだことを悟る、そういう優しい死の知り方も素敵だなあと。そんなことを思いながら観ました。
涼しい気分に浸ったお芝居でした。
満足度★★★★
やまだかつてない。
可愛い役しかやりたがらない役者もそりゃあ、いることでせう。んが、味わいの三人はなんでもやる。なので三人いれば充分楽しい。今回は短篇が5つで他の劇団の方の脚本もあり、成島秀和(こゆび侍)、佐々木充郭(バジリコFバジリコ)、吉増裕士(リボルブ方式)、吉田海輝(サンチャゴ)+お馴染み荒船泰廣さんの映像です。1時間40分くらいだったかな?
ネタバレBOX
おそらく本公演でない、このお味見公演に来ているお客さんは彼女らの長所を熟知していると思うので、初見の方と違う楽しみ方をしているんではないかと思う。
前回のお味見よりも見応えがありました。シンプルで天井の低い会場ですが、台やランプの配置がセンス良いなあと。
簡単に、
○ひとくちめ「アジミ祭」
一瞬不安になるがやっぱりお芝居でめでたしめでたし
○ふたくちめ「マッチ売りの少女たち」
今回の中で衣装が一番好き。この会場ってなんか灯火、蝋燭といった小さな光がぴったりで絵本で見た風景が広がりました。浅野さんの嫉妬っぷりが光る。
○みくちめ「中日VS女子」
味わい堂々でまさか中日ネタが登場するとは夢にも思わず(笑)うでたまご、ばきゅう、の岸野さんが愉快。
○よんくちめ「ペプシの神」
こんなにはじけた宮本さんは初めてでした(笑)なにかふっきれたものを感じた。
○ごくちめ「さよなら味わい堂々」
ひとくちめの内容があってこのごくちめが活きる。宮本さんがおばちゃん役に挑戦する。若いのにひなびた感じがちゃんと出ていた。
私は3人をみているのが楽しいのでとても満足。以前にも増して声色が豊かでパワーアップ。お約束、荒船氏の映像は和紙っぽいけど臨場感がある。
個人的には初見の方より味わい慣れしてる方にオススメと思うのですがどうでしょう。作家陣の個性色々でいつもより味が濃いめ。好きな企画です。
遅くなりました。
コメントしたつもりでいた・・・
ネタバレBOX
三つとも初見であったけども劇団名から想像した通りのお芝居で、劇団名だけで行く行かないって決めてしまう方なので、作風って名前に出るんだなあと。
elePHANTMoon。の「アイノユクエ」は子を亡くしたショックよりも、恋人の裏切りを目撃したことのショックの方が大きかった、と解釈して観ました。最後抱いている缶の中から骨が出てきてびっくり。それを食べるというのも愛があれば口に入れても平気でしょう。骨を本人と考え、灰をペンダントに入れてる人の感覚とそれほど違いはないと思うのですんなり受け入れました。
犬と串。劇団名にある犬、を串焼きにするのかと思いきや、人の形した大根を主役に最後まで・・・・学校向きかも。
角角ストロガのフ。これもイメージ通り過ぎるくらいイメージ通り。狭い会場だけどスピードがあった。私は銀座アスターの北京ダック、真鯛の皮が食べたい。男性器をネタに入れて芸術にみせるのは難しい。
とっても狭い客席なので時間はもう少し短いと有難いです。
満足度★★★
あひるったら
ちゃらんちゃらんしてるんだから。
ネタバレBOX
相変わらず説明不要な感じで、ゆるく始まりゆるく終わります。
小林タクシーさんは短髪であったのでDCPOP「ショート×7」の時とは違って爽やかな印象。爽やかだったので初め気がつかなかった(笑)もちろん液体は飲みませんし欲しがりませんよ。
あひるは王子小劇場で多く観てるので、OFFOFFは窮屈そうに感じました。ステージ広めの方が、あひるらしい「間」がよく見えるように思う。MCRの江見さんはいつも飛魚のように元気。
周りが少しずつ変わってゆく中にあって、あひるはほんとにマイペース。けどマイペースなように見えてきちんとコンスタントに芝居する辺りがあひるっぽくないのだけど(笑)なんでかふんふん♪言いながら散歩したくなる、そんな雰囲気。
ひなつさんがどのへんでぐっときたのか気になります(笑)私は「アダ、アダ・・・」言う子。うちにおいでよって言いたくなる。あ、テーマ曲がおニャン子クラブみたいだったけど黒岩さんも唄ってるんですよね確か。今回もお約束のビンタ一発あり。ビンタされたい男子もいるんじゃなかろうか。そして70分というのがまたいい。以前あひる慣れしてない頃、約束時間に迷っていたら友人が「あひるは70分で絶対終わるから大丈夫!」と自信満々だった彼女は今の私だ。次も行っちゃうんだろうな。先日のマリーの後にこういうのが観れて小劇場はメリハリが面白い。初心者に観てもらって文句言われたことないけど、実は芝居馴れしてる人にオススメだと思う。
満足度★★★★
敷地内。
はい、今日からこの島は日本と呼ぶこととします、となるもっと大昔からこの島国は色々な血と関わりを持って存続してきたと思う。言葉と歌を教え合うシーン、日本語が理解できず目をまん丸に見開くチョソンヒさんの存在感に目が熱くなる。韓国公演では中立であった点も温かく熱狂的な反応と拍手があったようで、スズナリでも力強い拍手が。本は遠慮しずにもっと互いに悔しい情けない愚かな部分を露呈しても良かった。日本の裏の顔(表でもあるけど)を、みたい。真実はここでも書けないようなことが多いので人間と人間の交流に重点を置いたのが温かい印象であった。なぜか弘前劇場を思い出した。
満足度★★★
タピオカ。
あくまでも谷崎をモチーフ、ということでオリジナル性が強かったのが良かったんじゃないかと思う。
ネタバレBOX
雰囲気としては地球割さんに少し近いかなーと思うのでタイニイアリスでやる濃い口の芝居に慣れてる方にはあっさり楽しめる演出。
床を鉄棒でひっかく音がむぎゃーっと鳥肌が立つ私はその間耳をふさいでいたのですいません、部分的に台詞を聞いてません。
刺青を彫るシーンの顔を隠した踊り手さんの動き、紙テープを突き破って踊る際も赤い紙テープを選んで正解に思う。
個人的に1時間35分はやや長く感じて・・・最後の愛を語るシーンがくどかったのが勿体ない。
愛がテーマだからなのか大槻ゆかさんの振る舞いが昭和だったからなのか、海を連想しました。港町の場末の古い喫茶店の良さ。普通のコーヒー注文したらタピオカ入ってきたよ、みたいなちょっとアジアンな感じも。
劇団名の入ったノボリ?旗?あれは会場が見つけやすくて親切ですね。
満足度★★★★
間仕切。
美術が凄くて静からしい、ということを頭に入れて観劇。台詞が少ない分、注意して観ないと解釈に違いがでやすい作品に思いました。まるで水槽の中で演じる人を遠くから眺めるのは面白い経験で、なんというか古いロシアのアニメーション。人、廊下、階段、壁、ソファー、机、赤い日記帳の配置がよく考えられていると思いました。一人ずつ消えていく時のスローモーションが印象的。パッといなくなるより黄砂に混じって消えてゆくイメージ。真上からみたら人生ゲームみたい。なかなか好きでありました。帰りは道に迷い駅まで45分歩いた。なんでかな。
キャサリン役の
えみりーゆうな、さんが印象に残る。しずしずと存在する人と思っていたら徐々に存在が巨大化。キャサリン素晴らしかった。あと椎名豊丸さんのぎゅんぎゅんが凄いぎゅんぎゅんで良かった。作風が正直苦手だが小劇場はこういうのがあるから面白いわけで・・・コマ送りのシーンが気に入りました。チャップリンみたいにテケテケしてて面白い。私は多分芝居で見るオープンな女体が苦手なのだな。
ほのぼの。
ハチミツは出てこないんですね。
ネタバレBOX
しゃがむとここから月が見える、というシーンがあったので、このクマさんは月の輪熊という意味なのかと思って見てました。ヒグマと違って体も小さく(といっても150キロ以上)本当はこちらからちょっかい出さなければ滅多に人を襲うことがないといわれる月の輪熊。身軽なのでヒグマと違って木登り上手。僕は大人しいですよ、音で知らせてくれれば僕から離れますよ、という舞台上のクマさんの物腰柔らかなイメージがそれ。
一切変装しなかったのが人間寄りなクマさんを感じました。
自分ならクマさんをどうするか、手だけもじゃもじゃか、「クマ」と書かれた幼稚園児の名札を胸に付けるか、耳だけ可愛く頭に乗せるか。あれはあれで成功例に感じる。
最後友達と思っていたクマさんを熊汁にして食べるのかなあと考えて行ったら、とっても可愛らしいお話でほげほげ楽しみました。
私の席からクマさんがどう描かれていたのか見えなかったのが残念。外が暑いので中で待つにも狭いのが辛かった。というか知ってる顔がいると恥ずかしいのもあり。無、になって観たい。
おやつがトマト、きゅうり、とうもろこしというのが良かった。
そこでチョコとかポテチとか出てくるとアスファルトの世界がわっと出てしまう気がしたので。
役者がまた良く。★4に近いくらいで。
満足度★★★★
シンプル。
初見でありました。劇団員53名を抱える大きい劇団のようで、ファンクラブまであるんですね。
ネタバレBOX
守るもののない信長の強行突破な姿勢と所々で窺える人間の弱さと、下心からくる計算された振る舞いを新宮乙矢さんが演じていました。はあ、この劇団はスターがいるのだ、なるほど、と客層をぐるり。
コテコテの戦国衣装ではなく近未来な衣装の人もいるし、ダンサーはアラビアンナイトな装いで苦悩する人を囲んで踊る。
二階、三階にも時折役者が姿を見せるので上の階の方が観やすい。
後半、白い糸のようなものを信長にかけるのだけど、その後処理に時間がないので、そのままステージに残ってしまい、それが汚らしいのが残念。血吹雪の意味で、赤であったら残っても戦国野原みたいに映るかも・・・・無理か。奥方達の衣装がホステスのようなのが気になりますが。
展開も分かりやすく男性陣が光る。年配の女性客が多いからか美術の割にチケット代は高め。初見割引など設けると新規の客も来やすいのでは。が、固定客がいるので必要ないのかもしれず。
新宮乙矢さんの存在感に星。良かった知ることができて。
無音。
チラシのあらすじに興味を持ったのですが、そこから湧くイメージに到達できないままであったような。
ネタバレBOX
観覧車の下から幼女二人の遺体が発見されるという大事件があってその3年後の設定なのだけど、その事件の余韻があまり感じられないので、3年後の静まり返った家族、のはずなんだけどなんとなく元々物静かな家族に思えてしまった。
当日パンフの挨拶にあるような、死刑制度についても少し触れると今置かれているこの家族がもっと見えてきたような。
何度も濾過して残った台詞、という印象だけど、観客はそこまで精神を上げていっていないのでやはりもう少し言葉が欲しかった。伝えたいことは漠然とわかるんですが。
前回の「日本の言葉」はそれほど苦にならず。
また、冷房は消すので昼の公演はキツイかもしれません。明日以降少しテンポ上げるのかどうかわかりませんが。1時間20分。
満足度★★★★
外伝、最終日に。
公演終了しているのでここに。「1人5分」の芝居と聞いてあの少女が5分も演じるんだろうかの疑問と、刑事の腰痛の要因が何かあるのかしらと思ってやっぱり行くことに・・・・結果特に腰痛に関してのエピソードはないんだけどもラスト、雷光の中で佇む少女には「ヒィッ」と思わず言ってしまいました(恐怖レベル5段階中3)。一瞬これは自分だけが見えているんじゃないかと周囲を見回しホッとする。生身の人間がそこにいるのだけど、子供の残酷で怖くて美しい姿に息が止まる。存在の力強さ。
外伝は本編と違いユーモアもあって楽しい60分。
DCPOPの堀さんがひとつ階段を上がった気がした。