孤天 第二回「ボクダンス」
コマツ企画
APOCシアター(東京都)
2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了
満足度★★★★
パワーアップ。
五人のキャラクター+踊り子たち4名をもちろん一人で演じます。交互にキャラクターが登場するのは前回同様なのだけど、声がぐんと力強くなった分、言い方乱暴ですが空間をぶった切る感じが面白いです。
自分のテリトリーに入ってこさせない緊張感が川島さんの芝居は独特で、さっきまで浅瀬で一緒に遊んだと思ったら、いきなり海溝に置いてけぼりにされちゃう孤独感が怖い。それを味わえるのはやっぱり一人芝居。
後半に踊り子たち4名をもっとみたいと思ってしまうのは一番大変そうだから(笑)
いつにも増して多重人格者を眺めているような面白さがありました。最前列中央だと目がよく合って緊張するので上段の席が良さそう。約80分。
アグリカルチャー
弘前劇場
ザ・スズナリ(東京都)
2009/12/04 (金) ~ 2009/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
りんご。
100分。毎度観客の平均年齢がぐっと上。ぼたっと大粒の涙がいくつか落下。
今回の作品に限らず弘劇は、食べること=生きること。青い空、水、男の脆い部分、それを受け入れる女 がベースにあると感じています。方言が遠慮してない生のスピードの部分が多くいつも通り(それが良く)。退屈に感じるのか骨身に染みるのか、他の方の反応が気になったけどいい拍手だったと思う。背後に山と海を感じる劇団。父役の長谷川等さんに切なくなり、林久志さんは初見でしたが熱い何か、を感じる。
ジェネラルテープレコーダー
あひるなんちゃら
「劇」小劇場(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
A面
観ましたよ。最後まできちんと解明されないまったりとした感じがいつも通りだけど、竜巻を起こす何か(誰か)が欲しい印象も。B面のメンバーと一緒の絵がみたいと思った私です。久しぶりに高橋優子さんにも会いたかった・・・
映画「曲がれ!スプーン」【12月より舞台版全国ツアー開始!】
映画「曲がれ!スプーン」製作委員会
※劇場情報は公式HPにてご確認下さい。 (東京都)
2009/11/21 (土) ~ 2009/12/31 (木)公演終了
米。
ほんとに小劇場で活躍されてる役者のオンパレード、ソフトなトルネード。夜、ただの飛行機を謎の飛行物体だ!と騒いで追いかけた誰にでもある幼少の頃。主人公の米(ヨネ)が信じたい超能力は結果、それプラス人の優しさをも信じられることになった。小さく小さく絡み合う前後の出来事にずっと笑いっぱなしでした。子連れのお客さんにも良さそうです。舞台の芝居を作ってゆく過程と同じく稽古を充分してから撮影に入ったとのことで、それがよく伝わります。来たお客さんが家に帰って検索し、小劇場に行くきっかけとなれば。
最後の料理人
味わい堂々
OFF OFFシアター(東京都)
2009/11/26 (木) ~ 2009/11/30 (月)公演終了
満足度★★★
毎度お馴染み
荒船泰廣さんの映像、物語の内容を汲み取るセンスがいつも良くて今回も楽しませていただきました。芝居は店長である「おかか」の存在を強くし過ぎないで控えめに進み、7人の居場所がきちんとある感じ。ゆったりした時間が長く感じたかな。以前のお試し公演でやった役柄が前半登場します。おかかさん、愛おしい。
東京裁判
パラドックス定数
pit北/区域(東京都)
2009/11/13 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
傍聴席より
傍聴席からしか観てないですけど、視力良ければ席によってメモの内容まで見えて面白い。何も言うことないです。なので感想も書かずにきました。もう言葉は必要なく拍手に込めました。
子供の頃、教頭先生が顔を真っ赤にして東京裁判の不公平さ、滑稽さを懸命に話してくださいまして、君たちは黄色い猿と呼ばれない態度で生きなくてはならん、まずは日本産を食べなさい日本産の服を着なさい、と。小さい島国です。意識が薄まれば簡単になくなってしまう怖さもみました。野木さんこそなんとか賞にノミネートされて欲しい。硬質な芝居が好きな大人の方に。
ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
JUNK
PLAT-formance
千本桜ホール(東京都)
2009/11/05 (木) ~ 2009/11/08 (日)公演終了
清潔感。
役者二人+作家の三人組、PLATさん。コントというよりも、二人の掛け合いが洗練されているので演劇を観た印象が強く残る。小刻みな短編が続くのかと思いきや、最後は繋がる面白さがありました。どことなくクールで清潔感がある、汚い言葉を言ったとしても汚くきこえない、そもそもそんな言葉は使わないのだけど。この方たち私好きです。
暗転時の照明と音にも色々工夫されていて記憶に残ってます。換気扇からの光など格好良く。★3と4の間くらいで。
いらない里
ホチキス
吉祥寺シアター(東京都)
2009/11/07 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了
どこだって必要な里。
劇団初見なるもほぼイメージ通りでさくっと楽しめる。宇宙っぽいセットとキャラの分かり易さもあるのでもう少し短い時間であれば親子で観劇、も良さそう。小玉さんの演技は立派な小玉芸であり彼女が登場すると嬉しく思う。背骨に金属が入っているかのようなシャキーンッとしたキレ。玉置玲央さんの子犬っぽい役柄はとても新鮮。最初登場した時、最前列のお客さんの顔を確認しているように見えてなんでかな?と思っていたら最後に嗚呼・・・・・これも芸術。印象に残ったのは全員踊ってる時の表情の良さ。一人一人ぐるり、観察。★は3と4の間くらいで。
百合の季節
劇団朋友
俳優座劇場(東京都)
2009/11/04 (水) ~ 2009/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★
熟れた乙女の貫禄。
客層はぐっと上の世代であれど、若い子達には新鮮だったのではないでしょうか。若干24歳、脚本担当相馬さんの人の見つめ方が、優しく言葉に出ていました。
休憩15分あり。全体で2時間15分。
甘い丘
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2009/10/30 (金) ~ 2009/11/08 (日)公演終了
リフラブレイン
MCR
駅前劇場(東京都)
2009/10/29 (木) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
あ〜なんと
面白い。前回は男と男の友情が強かったせいなのか初日を観たからなのか、あまり入ってこなかったけれど今回はもう、MCRの強さを堪能。カッコつけてない本当に経験したことから生まれる台詞ががつんっと胸の内に入ってくる。最近のMCRの中ではダントツ好き。笑いの中にもピリッとした緊張とスプライト。叱られたい。
コンプレックスドラゴンズ
The end of company ジエン社
d-倉庫(東京都)
2009/10/22 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
初 ジエン社。
なんといっていいのだろうとずっと悩み今日になってしまいましたが。山手線の車内での互いの距離感、決して富士山が見える街を走る電車ではなく山手線の。近くにひとがいるな、あの人は具合悪そうだな、でも皆音楽ばっかり聴いてゲームばっかりして漫画ばっかり読んじゃってまったく人でなしだな、そうだよ爆弾が落ちるならあの、優先席なのに携帯いじってハチクロ読んでるリーマンに落ちるといいよね、なんて清き心で思う。そういう不健康な感じが面白かったと思う。
個人的に9月のてあとろ50'新人公演に出演していた藤村和樹さんが出てきてびっくり。胡散臭い感じが良かったんじゃないでしょうか(←褒めてる)。あとアンケートにあった、不快に思う演出は何か、の問いが凄く細かくて面白かったです。☆はパッと数が浮かばないので付けてないだけです。
いつか見る青い空
弘前劇場
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2008/11/07 (金) ~ 2008/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★
魂の世話。
ほんとにその辺にいる商店街のおばちゃんや上野公園であぐらかいて寝てるようなおじちゃん、のような、役者に全く見えない人が役者なのが驚く弘劇。演技ではなく魂の世話。との長谷川さんの言葉がしみる。
ゆったりしているけど侘び寂びの緊張感はあるので退屈じゃない。
印象に残った台詞「情報はあるけど知識がない」
自分で調べる前に先ず人に聞くような現代人。沢山の情報から選択することができないで選択の仕方をまた人に聞く。
弘劇を観終わった後はしばらく誰とも口をききたくない、と思う。
あと、小笠原真理子さんにいつもぐっときます。
真理子さん真理子さん・・・いいな〜真理子さん。
ヒマラヤと嘘
ハイバネカナタ
調布市せんがわ劇場(東京都)
2009/10/08 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
満足度★★★
ブルの小島聡さん
が客演だとどんな感じなのか興味があって行きました。身体の線が細いので少年のイメージでしたが嘘を纏った役も合いますね。セットの使い方がわかりやすく、何も動かしていないのに情景が浮かびます。人が丸まって岩石となりヒマラヤの頂上に見せるとか大人の芝居になるとあまりやらないせいか新鮮。図工の時間。
「うちも今年も暮れてくよ」だったかな、定食屋に哀愁が漂った瞬間が良かった。年配の役者がいるといいなと。淡々とした印象が残る。
劇読み! vol.3
劇団劇作家
TACCS1179(東京都)
2009/10/07 (水) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
あ、リーディングなのね
と、しばらくしてからやっと気付く。リーディングを観たことなかったのとセットが用意されていたので、こういう演出なのかと思って(笑)
「痩せてたまるか!」を観ました。この本の芝居をやる劇団を募集という、お披露目&売り込み企画が面白いです。他所でもこういう企画はあるものなんでしょうか。今回出演されていた役者でそのまま芝居できそうなキャスティング。もしくはもっと年配か、必死に痩せようとする大人達を小馬鹿にしてる意味で小学生だけで演じるのも面白そう。作家の人柄がうかがえる丁寧な言葉の運びでした。
90分くらいだったかな?会場は駅から2、3分。短篇を観られなかったのでまた機会があればと思います。ト書きを読む人も動きで役者に絡んだり、ハンバーガーを食べてる風の表現が面白かった。
「ここで光ってみる」 「飛ぶ布団」 「愛愛愛愛愛愛愛っ」
ロロ
スタジオ・ガンボ(東京都)
2009/10/03 (土) ~ 2009/10/03 (土)公演終了
夢幻燈 ヒトデナシノコイ
箱庭コラァル
遊空間がざびぃ(東京都)
2009/09/26 (土) ~ 2009/09/27 (日)公演終了
満足度★★★
人形への本気。
映像を見てから気になってしょうがなかった箱庭さん。基本的に谷崎が好きなのでそのへんの空気を期待して観劇。演奏と芝居は半分ずつの割合で、開始前からずっと場内でウ"ァイオリン演奏を続けているので気持ちが良く軽く寝てしまう(笑)
夫の愛情が自分へではなく、人形へそそがれていることを確認する妻のシーンが一番盛り上がる。愛人がいるのではないかと夜中出掛ける場面、展開がわかっていてもドキドキするし妻の化身(久堂英明)の喋りでより暗闇が密になる。
後半、人形に嫉妬した妻は人形をめちゃめちゃに傷つけてしまうのだが、それを見つけた時の夫の驚きが控えめに感じたのは、暗いシーンであり表情が見えなく動きも小さかったせいかな。最後死骸になったはずの人形が起き上がって演奏するのだけど、展開に少しぎこちなさを感じました。
音楽担当の人と芝居担当の人と共存するスタイル。映像を障子に映すのが良かった。
印象に残ったのは「手紙を読む者」という役の山田晴久さん。
『天才バカボンのパパなのだ』『マザー・マザー・マザー』
桜美林大学パフォーミングアーツプログラム<OPAP>
PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)
2009/09/18 (金) ~ 2009/09/26 (土)公演終了
レレレのおばさんと飴の人。
観たのは先週だのにだのにっ 私にはなんだか言葉にするのが難しいのです。『天才バカボン〜』はバカボンの強引な流れそのままにカラフルな衣装であの、バカボンっぽくはあるのだけど、レレレノおじさんはレレレのおばさんであり、主役がバカボンパパではなく署長であったのもあり、例えば韓国版バカボン、とかそういうよその国での芝居のような面白さがありました。
『マザー・マザー・マザー』は実際に起きた78年のガイアナ人民寺院集団自殺事件をモチーフにした作品とのこと。バカボンからあったステージ左よりの電信柱がここでもそのまま使われていて、神に背く人をその電信柱に縛り付けられたり音楽がない中、一定の速度でボールを壁に投げ続ける音が妙な不気味さがあり。後半人形の首吊りを見せしめのように狐の嫁入り行列っぽく運ぶ絵は本当にゾクッとします。人形なのに自分の子供と思い込んで悲鳴をあげる女もまた同じく。集団心理が引き起こす連鎖反応が気持ち悪いはずなのだけど、なぜか清いものを観た感じがします。
しかし役者も良いですねえ。あの空間でできるって自慢ですよやっぱり。
そしてまたいつもの飴を食べる人がいらっしって・・・・袋から出しておいて小さいプラスチック容器に入れておくってどうですか。台詞がない時だからいいかといえばそうではなく、その「間」も演技は続いているのです。後ろのお客さんは顔を覚えているらしく「あの人アチャコで開始10分で帰った人だ」と・・・(笑)
阿呆船
劇団5本指ソックス
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2009/09/19 (土) ~ 2009/09/22 (火)公演終了
満足度★★★
本を読んでいないけど
台詞は本そのものの言葉が多いのかな、衣装の配色が細かく吟味されていてグロさはなくポップな色調、詩を聴く感じで観ました。ダンスが多いのですがあまり繋がりは感じないというか寺山なので、ね。いつもとはがらっと違うということで、普段はどんな感じなのかしらと気になります。それでも澄んだ空気が底辺にある人達の気が。役者の年齢に幅をつけると良さそう。ほぼ素舞台ですが衣装がカラフルなので視覚的に楽しめる作品でした。
はなまるうどん、肉屋さんを過ぎたら狭い路地を左です。小さい看板出てます。何度も往復してしまった自分。