マイン
チタキヨ
イズモギャラリー(東京都)
2023/10/16 (月) ~ 2023/10/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/19 (木) 19:30
3人が愛おしくてたまらないので、2度目の観劇。すごくいい芝居です。(4分遅れ)47分。
幼稚園のママ友3人の物語。イラストレーター、それを手伝うパート、税理士と3人が三様の立場から、いろいろと絡み合う。よく考えると、それぞれの夫がダメダメな感じがあるけど、それでも強く生きて行けそう、っていうのがいい。エンディングもよく考えてみるとハッピーエンドになるかどうか分からないけど、きっと頑張って行くんだろうな、と思わせる。
同学年女性4人のユニットだが、最も古くから知ってる高橋恭子を初めて観たのは2003年なので、もう20年観てることになるんだなぁ…(遠い目)。
マイン
チタキヨ
イズモギャラリー(東京都)
2023/10/16 (月) ~ 2023/10/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/16 (月) 19:30
女性4人のユニットがホッとする作品を上演。なんだかとてもカワイかった。78分。
イラストレーターの永子(田中千佳子)はママ友のいずみ(中村貴子)に仕事を手伝ってもらいながらも、ちょっとしたヒット作を出し収入が急増したために、しばらく連絡を取っていなかった、やはりママ友で税理士の麗(高橋恭子)に連絡を取るが…、の物語。3人の関係や、それぞれの境遇で、マウントを取り合ったり慰め合ったり、など、あるある、な物語が展開されるのだが、出演した女優3人がとにかくカワイく見えた。最後はホッとする終わり方も同ユニットらしいエンディングで、作・演出の米内山陽子の作り方も安心できる。もう1回観に行きたいな、と思うが…。
オスカーの教室
電動夏子安置システム
駅前劇場(東京都)
2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/15 (日) 17:00
初日に観て、あまりに面白いので2度目の観劇。細かい部分もよくできていることが分かる。120分。
思い込みの激しい人物たちが、いろいろと行き違いや思い違いでドタバタするという展開。前回はやや後ろの席だったのが3列目になったので、個別の表情がよく見え、細かい部分でいろいろ演技しているのが分かる。冒頭の「幸福な王子」のシーンが好きなんだけど、澄華あまねの動きが美しいことが改めて分かった。澄華は道井とのやり取りのシーンでもとても細かく演技しているし、ちょっとイッちゃってる場面とそうでない場面の表情もしっかりと使い分けていたり、本当に巧い人だと思った。
KOTATSU
こまばアゴラ劇場
シアタートラム(東京都)
2023/10/13 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/10/13 (金) 18:00
青年団だとの付き合いが長いパスカル・ランベールが書き下ろして演出。面白いが、あり来たりという感じも持つ。(5分押し)140分。
とある建設会社の社長の豪華な家の茶の間に大きな炬燵があり、そこで繰りひろげられる、ある元日の出来事。会社は大きな事故が原因でSNSでクソミソに言われているが…、の物語。炬燵を安心または幸せの象徴として使い、にもかかわらず揉め事が家族の諍いが起こる、という、ある意味では分かりやすい展開。馴れているらしく、役者への当て書きだということだが、確かに、と思わせる展開で、興味深く、(適当な言葉ではないかもしれないが)楽しく観た。ただ、当て書きということで予想できる展開で、特に山内健司の使い方やエンディングなども、やはり、と思う分、冒険は少ない。
全席自由席ということだが、案内の方法が今一つで、受付(45分前)から開場(30分前)までに混乱が生じる。特に問題になるほどではないが、言葉を一考願いたい。
オスカーの教室
電動夏子安置システム
駅前劇場(東京都)
2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/12 (木) 19:30
ベテラン劇団の怒涛のコメディ。笑った、笑った。118分。
商工会議所っぽい組織が市に政策提言をするのに、演劇でプレゼンしようということになり、元高校の演劇部顧問だった女性に依頼するが…、ということで起こるドタバタ。皆ちょっとずつ変なところがあって、勘違いや行き違いでドタバタが起こる、というのは3作目となった教室シリーズに共通するパターンで、大笑いも起こるが苦笑も少なくない。それぞれが考える「芝居」のズレを扱う場面もあり、演劇そのものへの勘違いも扱っているように思う。電夏初だと思う澄華あまね、岡崎桃子が頑張っているが、演劇部顧問を演じた下平の振り切りぶりもなかなかのものだ。
セルフカバーvol.1
♯Q
新宿眼科画廊(東京都)
2023/10/07 (土) ~ 2023/10/10 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/10/07 (土) 19:30
作・演出の久保磨介が他団体に書いた作品を上演。巧妙な作品が並び、力量ある役者陣がしっかりと上演した。(1分押し)イントロ4分、31分、18分、28分。
『high-end soda』は人魚に異常な興味を見せるカレシを持つアリエルというキラキラネームの女子が怪我した人魚を助ける…、な話。ありえない設定だが、そこから発生する様々な細かい展開が面白い。
『superman』は小学校から友達である、ある意味正反対の行き方の男2人の物語。なんか良く分からないが、感触が残る。
『dog tag』は、猫を飼っているのかいないのか、よく分かっていない女子と周囲の男女。なんか定義に拘っているのが非常に面白いが、物語はいいハナシとして展開されて、いい気分になる。
役者陣は皆見事だが、沈ゆう子が特に素晴らしい。
明後日のガラパゴス
ホチキス
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2023/10/04 (水) ~ 2023/10/09 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/10/05 (木) 19:00
久々に観たホチキスは、やっぱりホチキスだった!114分。
日曜の夕方で30年放送されているアニメの脚本グループに入った若手脚本家が、打ち切りを要求するスポンサーに立ち向かう…、な物語。リアルな登場人物が途中からアニメの人物に扮する、という展開が一種の無茶振りで、一層の笑いを誘う。荒唐無稽でマンガチックな展開を、説得力を持たせる演技力で展開し、最後はいい話にする、というホチキスの芝居そのものだった。冒頭から小玉久仁子がアニメの主人公に扮して出てくるのだが、そのブッ飛び振りで一気に入り込んでしまった。とにかく楽しい舞台です。
デイジー
SHEDDING
王子小劇場(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/09/29 (金) 14:00
旗揚げだと言う若いユニットのパフォーマンス芝居。若さを感じるし、楽しく観ることはできる。110分。
30年前に作られたパフォーマンスシティ「六六(ろくろく)」では、町のいたるところで歌・ダンス・アクション等のパフォーマンスが行なわれているが、ある日歌い終わった歌手が刺される事件が起こり、アクション集団の「デイジー」が犯人ではないかと疑われ…、の物語。展開はややありふれたモノだが、時折入るパフォーマンスは楽しく、最後まで観ていられる。セリフが残念な役者が何人かと、冒頭のダンスが残念な人が数名いて、ちょっと気が削がれる印象はある。客入れ段階からパフォーマンスをするのは、物語の世界観を作ろうということだと思うが、効果的かどうかはやや疑問。
ヒトラーを画家にする話
タカハ劇団
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/28 (木) 18:00
昨年に上演する予定が、コロナで延期され1年越しで上演。シリアスとコメディのバランスがとれていて、とても楽しく、しかも考えさせられる舞台だった。(3分押し)68分(10分休み)88分。
美大4年の3人が、教授が作ったタイムマシーンで1908年のウィーンにタイムトリップする。そこで美術アカデミーへの入学を希望する19歳のヒトラーに会い、虐殺をさせないためにヒトラーをアカデミーに合格させようとするが…、の物語。ありえない設定だが、そこの説得力を一定程度持たせる筋を考えるあたりが流石のタカハだと、まず思った。実はテーマは重いのだが、それを若干の笑いとともに展開させる巧さもしっかりある。エンディングは特に良い。
沼の中の淑女たち
トム・プロジェクト
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/03 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/09/27 (水) 19:00
ONEOR8の田村孝裕がトム・プロジェクトに書き下ろした作品を、5人の個性ある女優が演じて、楽しい舞台になっている。97分。
大金持ちの「まおまお」(羽田美智子)の家でシェアハウスをしながら暮らす「オカピ」(柴田理恵)・「あいちん」(阿知波悟美)・「ちっち」(長尾純子)は4人ともK-POPアイドルのRIONの沼にはまっているが、そこに新人の「オダマキ」(森川由樹)が住もうとする…、の物語。ちょっとありえない設定だが、推し活あるあるなエピソードが満載で、微笑ましく観ていられる。ちょっといい気分で帰れる作品だった。
柔らかく搖れる
ぱぷりか
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/09/20 (水) ~ 2023/10/04 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/09/27 (水) 14:00
2021年に上演されて岸田戯曲賞を取った作品の再演で、初演も観てるが、ちょっと違った感触を持った。面白い、とは言える。96分。
広島らしい家の家族の物語。母・長男・その嫁・長女・次女・従妹・その娘などが展開する普通の生活を描く。それぞれ悪い人ではないが、それぞれの持つ感覚のズレが他の家族を傷つける。セリフにもあるが、他人なら距離を置くことができるが家族はそうはいかない、という現状から、幸せになり切れない家族の話が紡がれる。興味深くは観たが、なぜこんな芝居を、とも思う。
暗転が多いが、闇を効果的に使い、エンディングも巧い。ただし、その大切なエンディングのタイミングでスマホを光らせる客がいて(芝居中しばしば光る)、何考えてるんだと思う。劇団のせいではないが…。
救いの猫ロリータはいま……
ぼっくすおふぃす
南青山MANDALA (東京都)
2023/09/25 (月) ~ 2023/09/26 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/26 (火) 19:00
清水邦夫が演劇集団円に書いた1985年の作品だが、演出や場所も含めて面白い作品になっている。(5分押し)75分。
とある図書館に迷い込んだ旅行者のカップル(大谷優衣・柳生拓哉)に、図書館の女性(佐藤直子)と使用人の男(永野和宏)が声を掛ける。カップルが泊まるのをためらった民宿の女主人(松岡洋子)が追ってくるが…、の物語。リアルな物語が突然幻想的な展開になり、現実に戻りつつ幻想的に終わる。清水邦夫らしい、とは言えるのだろうか。飲食をしながら見るライブ・スタジオ(初めて行った)での公演で、それなりの制限がありそうだが、それを逆手に取った演出も巧い。効果音を使わずト書きを読む「黒子」(上野恵佳)に語らせるというのも味がある。以前観た『火のようにさみしい姉がいて』を思い出した。
ジャングルジャングル9
アイビス・プラネット
王子小劇場(東京都)
2023/09/20 (水) ~ 2023/09/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/21 (木) 19:30
事実上初見のプロデュースユニット。西田シャトナーが書いた短編を2本。どちらも再演らしい。とーーーーーっても面白い!25分,46分(3分休んで)アフタートーク17分。
『異界の魚』は野口オリジナルが自身で演出する一人芝居。面白い物語だが、ちょっと叫び過ぎな印象は勿体ない。
『尋問』は「9号」(高田淳)と「2号」(星瑠)が「6号」(大野清志:日替わりゲスト)を尋問する物語だが、6号を演じる役者は全く展開を知らされていなくて、反応を見て9号と2号が対応する、という展開が非常に面白い。日々新しい作品が生まれているとも言える。その意味でアフタートークが必須で、展開の理由を聞くのも面白い。6号は生涯で1度しか演じられないというのもスゴイ。
チョークで描く夢
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2023/09/07 (木) ~ 2023/09/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/18 (月) 14:00
初日に観て、あまりにも良くて楽日に滑り込んで2度目の観劇。やはり素晴らしい。心が痛くなる部分と安らかになる部分がある。奇麗事を実行する。障がいは個性。話せば分かる。85分(11分休み)71分。
実在するチョーク会社を舞台にした作品だが、綿密な取材を経て書かれたのがよく分かる。1幕は障害者を雇用するまで、と、雇用し始めた頃をちょっとだけ描く。昭和30年代で戦争の爪痕も残り、差別的な発言も今より多かった時代で、心が痛くなるセリフもいっぱいある。国鉄、というセリフにはチョットばかりドキッとしたが、穏やかに落ち着く展開でホッとする。これだけならば、よくある話とも言えるが、問題は2幕。現在の同社で障がい者が7割いるという現状で起こり得る健常者と障がい者のぶつかり合いを描き、ハラハラするけれども穏やかに終わる。本作がいいのは、「障がい者」と呼ばれていない人も同じ悩みを持つことを大事に扱っていることで、1幕の菅井と2幕の今岡の存在が大きい。 初日に観て、若干ぎごちないと思ってた部分がなくなり、スムーズに展開されていた。2度観て良かった。
アフタートークで同社の社長が「奇麗事だと言うかもしれないけど、それをやるんです」と言ったとか…。なかなか言えないことだと思う。
同劇団を初めて観たのが2003年8月の『トラッシュマストラント2003』だからもう観て20年になる。吉田羊という女優を知ったのも同劇団。最初は独特のコメディをやっていたのが、いつの頃からか社会派と呼ばれるようになった。いつもだと2つ(以上)の対立する意見を双方が述べて、白黒付けるわけでもなく終わる、という心が痛くなる舞台をすることが多い。前作『入管収容所』はその最たるモノだったが、本作では当パンで中津留も言っているが、心がホッとするような物語になっているのが何よりも良い。
リビング・ダイニング・キッチン
ウンゲツィーファ
アトリエ春風舎(東京都)
2023/09/14 (木) ~ 2023/09/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/09/17 (日) 17:00
永くやってるらしいが個人的には初見のユニット。(3分押し)75分。
あるLDKで若い夫婦が泣きやまない赤ちゃんに悩まされてる。喧嘩や協力をする内に、夫の兄が来て、…の展開。終盤はファンタジーになったりして良く分からないところもあるが、とにかくタイトル通りのLDKの物語、とでも言おうか。アフタートークを聞くと、手慣れたメンバーと楽しく作ってる様子が分かる。Bluetooth スピーカーから泣き声を流して赤ちゃんに見立てるという発想は見事。
絡め取りプリンセス投げ
MCR
劇場MOMO(東京都)
2023/09/13 (水) ~ 2023/09/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/16 (土) 18:00
櫻井智也久々の新作は新境地と言えるか。(3分押し)80分。
太宰治の「女生徒」をベースにしているそうだが、小説を読んでいないので、どのくらい使っているか分からん。女子高生・捺月が朝起きると何だかいつもと違う感じがして…、の物語。他の女子高生4人と男子3人(いつものおじさんメンバー)を加えてファンタジーが展開される。櫻井は新作が書けなくなったのかな、と思っていたそうだが、いつもとはちょっとテイストが違った新作が書けた。女子高生5人のキャラクターがしっかり描き分けられているのは見事。『アカデミック・チェインソウ』でも思ったが、櫻井はこの分野に新たな方向を見いだしたのか/進んでほしい。
ホテル・イミグレーション
名取事務所
新宿シアタートップス(東京都)
2023/09/15 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/16 (土) 14:00
ハードな題材を日常に落とし込みつつ問題提起する秀作。(3分押し)114分(7分の休みの後、アフタートーク49分)。
serialnumberの詩森ろばが名取事務所に初めて書き下ろす。入管というハードなテーマだが、舞台はある家のリビング。離婚して実家に戻った春江は入管から仮放免されたカンボジア人ヤンを自宅に下宿させている。夫に引き取られた息子が家出して突然やってくる所から物語は始まり、ヤンを預るな、と迫る町内会長や、幼馴染みの主婦、支援団体の関係者らを巻き込んで…、の展開。問題はシリアスだし不正義な出来事がバンバン出てくるのだが、それを生むのは誰なのか、という問題提起でもあるだろう。終盤の展開はちょっと一気かな、と思うのだけど、役者陣の(穏やかな)熱演もあり、見応えある舞台になっている。
ガクヤ
ナミプロ
劇場HOPE(東京都)
2023/09/12 (火) ~ 2023/09/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/15 (金) 14:00
シャッフルⅡを観た。楽屋を舞台に展開される女優4人の物語。とても面白い。57分。
清水邦夫の超有名作品『楽屋』と同じ響きの『ガクヤ』という作品。とある公演前の楽屋という設定で女優4人が語り合うスタイルを借りつつ、現代的な物語になっていて興味深く最後まで観ていられる。女優A役の設定が今風過ぎてちょっと跳ね過ぎ、と思わせておいて、終盤の展開に逆に重みを持たせるところもいい。4人のカラーでさまざまに変わるらしいのは確かに分かる。『楽屋』はいろいろな所で上演されるのを何回も観たが、本作もいろいろな所でいろいろな女優で上演されるところを観てみたいと思う。
濫吹
やみ・あがりシアター
新宿シアタートップス(東京都)
2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/10 (日) 17:00
いつもながら巧妙で緻密な作劇。111分。
ある小学校ではコロナ下に活動を縮小したのだが、それを進める者・反対する者、さらに、協力しつつ商売を盛り上げようとする地元商店街、などが入り交じり、さまざまな事件が…、の物語。中国の故事に基く漢語をベースに、故事の物語をちょっとやりつつ、展開される辺りは面白い。どの人にも理解できるところがありつつも賛成できないところもあり、なワケだが、謎の部外者を演じた加藤睦望の存在が大きい。と同時に、ちょっと事情を俯瞰するポジションのカナ(チカナガチサト)とナツ(端栞里)がいい。作・演出の笠浦は小学校事情に詳しいと思えないのだが、こんなに「ありそうな」物語を描けるというのはスゴイ。
いつぞやは【8月27日公演中止】
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2023/08/26 (土) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/09 (土) 18:30
観終えて切ない感触が残る作品だが、丁寧に作られていることは確か。102分。
劇団の主宰のところに、かつて一緒に芝居をしていた男がやってきて、自分は病気だと言うが…、の物語。展開はある程度読めるが、扱い方はやや独特。演出も含めて独自性はあるのだが、それが物語をふくらましているかと言うと、疑問もないではない。鈴木杏の使い方にも特徴があるのだが、それはそれで成功しているとは思う。公演の1週間前に窪田正孝が怪我で降板して平原テツに変わったのだが、窪田を想定して書かれた脚本だと思うし、平原の演技も窪田に寄せてる感じがあって、不思議な気持で観た。実話、というウワサもあるのだが、どうなのだろう。