jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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Marble

Marble

Sans Limite

小劇場 楽園(東京都)

2025/12/04 (木) ~ 2025/12/07 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/12/04 (木) 19:00

劇団 tea for two の西尾早智子が出るので行ったのだが、「少しずつ分かる」作りと哲学的な内容の未来の物語。とても見応えある舞台だった。(2分押し)86分。
 劇団「ここ風」の天野弘愛のプロデュース公演で、天野の作・演出。謎の場所に現われた男女2人がその場所を担当する男と話す内に、未来の物語だと分かるが良く分からないところがいっぱいあり、不思議なエピソードが次々に出て来る内に、徐々になんとなく分かってくる。丁寧に作り込まれた物語をベテランの役者陣が演じて、生と死を考えさせられる芝居だった。西尾と一緒に劇団 tea for two の主宰の大根健一が出ているのだが、久々の役者としての大根がとってもいい仕事をしている。小劇場楽園の欠点とも言える中央の柱を、大木の幹にするという美術は見事。

星降る教室

星降る教室

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2025/11/22 (土) ~ 2025/12/01 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/11/22 (土) 18:00

ラジオドラマの舞台化だが、景色が立ち上がってより深い作品になっていた。(2分押し)64分。
 主宰で作・演出の吉田小夏が、2016年にNHKラジオドラマとして書き下ろした作品を自劇団で2024年にリーディング公演(観ている)、同じメンバーで今回舞台化した。演技と言うよりムーヴィングとでもいう感じの作劇だが、リーディングでは観客に想像させる部分が大きいように思ったが、今回はより場面が立ち上がって、説得力のある作品になっていたように思う。心優しく帰れる芝居だった。

ジオノ

ジオノ

Project Nyx

芝居砦・満天星(東京都)

2025/11/13 (木) ~ 2025/11/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/17 (月) 19:00

昭和テイスト・アングラテイストいっぱいながら、エンターテインメント性もあり面白い。(3分押し)44分(11分休み)69分。
 昭和40年、夢の島で生まれ育った地斧(ジオノ・二條正士)は戦争遺骨収集をしていた父親を探すが、「骨の声が聞こえる」特質を持つ。太田のサンザシが遺した財宝を探す四姉妹はジオノの力を使って財宝のありかを探そうとするが…、な話。19歳でデビュー作『酒乱お雪』(2022年上演)を書いた矢内有沙が万を持しての戯曲を、若手を軸としたメンバーで上演。戦争の名残りを感じる舞台は、昭和40年代の出来事を交えて、音楽劇っぽく作られて、(良い意味での)分けが分からん舞台になっていた(^_^;)。地斧とはジオノが地面を掘るシャベルのことか。多分26歳だと思う矢内がこういう戯曲を書く事にも驚き。しばらく追っかけてみたいと思う。

絶滅のトリ

絶滅のトリ

だいだら

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2025/11/13 (木) ~ 2025/11/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/15 (土) 19:05

ONEOR8の2010年の作品を、小劇場系の達者な役者を集めて上演したが、ちょっと笑えて切ない物語。(2分押し)109分。
 観ていないと思ってたONEOR8の初演を観ていることが、始まって分かった。絶滅危惧種の鳥であるオウカンチョウが住む島で、オウカンチョウを観察し保護する仕事をする施設で働く若い男女の群像劇で、諸事情で「おばさん」のノグチ(吉水恭子)が島に来たことから物語は動き…、の展開。初演の感想に「微温湯的生活の問題は、中途半端なことではなく、抜け出せないことである、ということを、改めて思い出させてくれる」と(MIXIで)書いたのだが、今回もその感触がよく出ていた。吉水を除いては観たことがない役者陣だったが、小劇場で経験を積んでいるらしいことが良く分かる素敵な舞台だった。終盤、「木綿のハンカチーフ」が流れる3分強の間に台詞なしで物語が展開されるところが特にイイ。エンディングの希望ある感じも良い。

Too Young

Too Young

ワタナベエンターテインメント

紀伊國屋ホール(東京都)

2025/11/13 (木) ~ 2025/11/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/14 (金) 18:30

劇団チョコレートケーキの古川健 が脚本、日澤雄介 が演出して、重い題材を真正面から扱う。伊礼姫奈の初舞台ということで行ったが、緊張感を持って観ていられる舞台だった。(3分押し)110分。
 元家裁調査官の本郷(宮崎秋人)は、離婚した夫に付いて行った娘・茉姫(伊礼)が自殺した経緯を調べてほしいと亀山裕子(朝海ひかる)に依頼され、トー横でいろいろと調査するが、そこにはトー横キッズのカコ(大石愛陽)やショーヘイ(岡島遼太郎)のほか、キッズたちにアドバイスをする大人・ジャック(綱啓永)がいて、…という物語。歴史的な題材を扱うことが多い社会派の古川・日澤コンビだが、現在進行形の問題を扱っていてもしっかりとした作品作りをしていて、緊張感のある舞台が展開されていた。トー横キッズについては詳しいことは知らないのだが、いかにもありそうな物語が描かれ、個人のレベルでは解決できないことへの苛立ちも含め、丁寧な脚本が、しっかりした役者陣でしっかり演じられていた。別れた夫役の玉置孝匡が最後に美味しい所を持って行くというのは、ちょっと笑えた。ドラマ等で注目してた伊礼は、度胸ある演技を見せてくれて、今後に期待したい。

存在証明

存在証明

劇団俳優座

シアタートラム(東京都)

2025/11/08 (土) ~ 2025/11/15 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/11 (火) 19:00

数学の話題を使って、謎解きの要素など、いろいろな側面のある作品。俳優座の底力を観た気がする。63分(12分休み)86分。
 1977年イギリスの精神病院でアン(保亜美)が数学者リトルウッドの娘だと明らかにするシーンから、1907年のケンブリッジ大でのハーディ(志村史人)とリトルウッド(野々山貴之)が未解決問題「リーマン予想」の解決に協力して取り組むシーンに飛び、時間軸を行き来しつつ壮大な物語が展開される。戦争と科学の問題や、女性の地位や、性的マイノリティの差別、細かいところでは殺人事件の謎解き、そしてもちろんリーマン予想のほかチューリングマシンとかエニグマ解決とかの数学の話題も出て、数学者の協力を軸に描いていて、さまざまな要素を描く大作だが、それだけにテーマが絞りきれていない感じが惜しい。トラムの舞台を縦横無尽に使う美術や、デリケートな照明などは素晴らしく、俳優座の底力を感じる。アン役の保の佇まいがいい。「数」を「数字」と言ったり、「漸近展開」を「ざんきんてんかい」と読ませるなどのミスがあるのは気になる。エンディングはやや冗長だが、これは長田の癖だと思う。

蜥蜴の夜は虹色

蜥蜴の夜は虹色

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/12 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/07 (金) 19:00

お気に入り劇団の新作は、笑えて切ない。(3分押し)81分。
 高校生の奥田(奥田洋平)は同級生のヤリマン徳橋(徳橋みのり)に告白するが、その理由は…、から始まる物語。他人を嫌な気持ちにさせないために自分を押さえる…、みたいなことって誰でも有るのだと思うが、それを極端にするとどうなるか、の思考実験のようにも思える芝居だった。途中で櫻井が笑い出したときには驚いたが、続いて堀も、で思わぬ展開もあり、面白く観た。それにしても澤は犯罪者の役を降られることが多いが、本当にそう見えるところがなかなか。
 上手のライトがチカチカしていたが、何かの不調だったのだろうか。

イヴ・プリマ・パンドラ〜幻想都市の魔女〜

イヴ・プリマ・パンドラ〜幻想都市の魔女〜

ヅカ★ガール

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/10/22 (水) ~ 2025/11/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/10/24 (金) 19:00

初見のユニット。月組を観劇。世界観芝居だが「怪盗」に焦点を当てて、楽しめる舞台だった。(4分押し)125分。
 2019年に初演した作品だそうだが、「黒蜥蜴」「怪人二十面相」へのオマージュとして書かれたこともあり、壮大な展開で興味深く観ることができる。独特の世界観で描かれた都市に現われる怪盗と探偵の物語だが、貴族がいる一方で遺伝子捜査をしているなど、微妙な違和感が逆に楽しい。登場人物が多いが描き分けもできていて、最後まで楽しく観た。推しの岡本麻妃呂は少女探偵団の一人という役でダンスも演技も魅せてくれて満足。

わがことなかれ

わがことなかれ

海ねこ症候群

シアター711(東京都)

2025/10/22 (水) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/10/22 (水) 19:00

気になってる劇団の新作。若いから書けるファンタジー。111分。
 小学生4人が秘密基地を発見するオープニングから、その内の2人が大人になってシェアハウスで同居しているが、もう1人は既に…、の物語。ファンタジーっぽい芝居をやっていたユニットだが、本作もその感じはあるものの「よくある話」ではあるかと思う。展開はある意味で期待通りだが、丁寧に描いて面白い。秘密基地とか戦闘機とかのエピソードは今一つ有効ではないように思うが、清清しく描かれた若い芝居で気持ち良く帰れる作品だった。地元に一人残った晴子のキャラクターが良い。

白貝

白貝

やみ・あがりシアター

浅草九劇(東京都)

2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/11 (土) 17:00

いやー、また笠浦の「アタマオカシイ」(誉めています)が炸裂してる。129分。
 何が何だか分からない展開の中に隠された2重の謎。一つ目の謎が、なんでなかなか解けないんだ、という謎に上書きされ、最初は何が何だか分からなくなるけど、後半で一気に回収される。笠浦はやっぱり頭オカシイ(誉めてる)。

I, Daniel Blake ―わたしは、ダニエル・ブレイク

I, Daniel Blake ―わたしは、ダニエル・ブレイク

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋ホール(東京都)

2025/09/26 (金) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/10/03 (金) 19:00

シリアスな戯曲を丁寧に演じて緊張感のある舞台となっているが、翻訳劇特有の問題もありそう。(2分押し)68分(15分休み)57分。
 ケン・ローチ監督の2016年の映画(観てない)を、主演を務めたデイブ・ジョーンズが2023年に舞台化した作品を翻訳して本邦で初演。心臓発作を起こした大工ダニエルは、給付金の手続きに訪れた福祉施設でシングルマザー親子のケイティとデイジーに出会うが、官僚的な福祉制度は彼らを救わないのだが…、という物語。とてもタイトでシリアスな展開で、観ていて心折れる場面も少なくないし、イギリスの物語ながら日本でも似た話はありそうで、嫌な気分にもなろうかという舞台。救いは娘のデイジーの存在だが、それも最終的には救いになっていないあたりが辛い。ただ翻訳劇なので、イギリスの福祉制度の詳細や階級制に関する知識があると、もっと理解がしやすい物語だとも思い、翻訳劇ならではの問題点も感じた舞台だった。軸になる3人、葛西和雄・中山万紀・竹森琴美を初めとする役者陣の演技は見応えがあったし、照明が美しかったと思う。

ライフ・イン・ザ・シアター

ライフ・イン・ザ・シアター

シス・カンパニー

IMM THEATER(東京都)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/21 (日) 14:00

2度目の観劇。やや進化した感じもあるけど、戯曲も演出も演技も、好き。104分。
 とにかく元の戯曲がよくできているのだが、役者が役者を演じることの難しさもあって、良い芝居になるかは演出や役者に依存することも分かっていて、本作はヒットしていると思う。何回か観て、本筋はロバートの老いの物語で、そこにジョンの成長の物語が絡んでくる、という構成だと改めて思う。かつてジョンも演じた堤も巧いが、中村の濃淡ある演技がいい。

The Breath of Life

The Breath of Life

serial number(風琴工房改め)

OFF OFFシアター(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/17 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/12 (金) 19:00

詩森ろば(serial number)の新機軸。林田麻里・李千鶴とのユニットの旗揚げだが、女性2人の関係の変化は面白い。131分。
 ワイト島にあるテラスハウスに、フランシス(李)が元夫マーティンの愛人だったマデリン(林田)を訪ねる。マーティンは新しい恋人ができてシアトルにいるらしい。最初は敵対的だったマデリンだったが…、みたいな物語。デヴィッド・ヘアー2002年の作品で、日本では2014年に新国立劇場で初演された戯曲だが、女性2人の関係が濃やかに変化する様子が丁寧に描かれて、詩森の演出で女優2人がしっかりと演じた。タイトルは「必要不可欠なもの」という意味があるらしい。
 どうでもいいことかも知れないけど、ドアが内開きというのは違和感。

『REAL』

『REAL』

metro

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/12 (金) 14:00

宮沢賢治とニーチェのテキストを使って濃密でアングラテイスト。他に代わるものがないタイプの芝居。113分。
 旗揚げからずっと観てるユニットで、天願大介の作・演出が光る。昔ながらの質屋の帳場に、三姉妹の次女・愛枝(まなえ,サヘル・ローズ)がいるところに垣乃花(渡邊りょう)が来て、長女の日枝(にちえ,月船さらら)はいないかと問うのだが、いないと答えたところにドイル君(マメ山田)がやってきて質草を出そうとするけど急いで帰り、やがて日枝は空(キャットウォーク)から現われ、三女の智枝(ともえ,犬宮理紗)は寝ている…、みたいに物語を追うことができなくもないが、そこが本意ではないだろう。宮沢賢治やニーチェのテキストをふんだんに使い、最後は『三人姉妹』的な終わり方。開演から聞こえる轟音がキモ。感性を刺激される芝居だった。

われわれなりのロマンティック

われわれなりのロマンティック

いいへんじ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/07 (日) 14:00

期待の劇団の群像劇。いい作品だが、ちょっと違う、感が惜しい。(6分押し)120分。
 大学に入ってフェミニズム研究会で知り合った茉莉(まつり・小澤南穂子)と蒼(あおい・小見明生)は友人とも恋人とも言えない/言わない親密な関係を続けているが、卒業して様々な人々と出会い…、の物語。以前なら「男女の間に友情は成立するか」みたいな問いになることが多かった状況を、現在のさまざまな志向を背景に、丁寧に描いてはいる。そこの丁寧さが本劇団が気になる理由なんだけど、逆に、ちょっと違う、と思ってしまう理由でもあるな、と改めて思った。役者陣も丁寧に演じ、演出も丁寧。舞台美術も照明も細かい配慮で作られているのは確か。

ライフ・イン・ザ・シアター

ライフ・イン・ザ・シアター

シス・カンパニー

IMM THEATER(東京都)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/05 (金) 18:00

デヴィッド・マメットの傑作を中村倫也・堤真一が見事に上演。とてもいい芝居だった。(3分押し)105分。
 マメットが77年に書いた戯曲で、ベテランと若手の2人の俳優の力関係が時間と共に変化する様子を描いた傑作だが、俳優が俳優を演じる、というのがかえって難しい作品とも言える。日本では97年に石橋蓮司と堤真一で初演された作品で、それも観ているのだが、堤はそのときと役柄を変えての上演に挑む。結果、とても面白く良い感触の芝居になっていた。ベテランなりの態度を崩さないものの情けないところを見せるロバート(堤)と、若手から売れっ子になりロバートとの立場の変化が難しいジョン(中村)ともに、デリケートな役割をしっかりと演じてた。

鶏の首から上

鶏の首から上

あんよはじょうず。

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2025/08/18 (月) ~ 2025/08/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/28 (木) 19:30

ひよこ組を観劇。なんかすごい迫力が…。アングラテイストいっぱい。(3分押し)68分。
 作・演出の高畑亜美が19歳で書いた処女作を改訂しての上演だと言うが、言葉の選択がいい。筋は一応、とある姉妹の物語、ということだが、それよりも感触を楽しむ作品だと思う。やみ・あがりシアターで見慣れた加藤睦望は迫力のある芝居をしているし、PSYCHOSISで見ていた芝奏花は、こんなにも可憐な役ができるんだと驚いた。

舞台『ゼブラ』

舞台『ゼブラ』

株式会社エイジポップ

シアターサンモール(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/08/22 (金) 19:00

ONEOR8の傑作を川本成の演出で上演。ちょっとテイストが変わってしまった。107分。
 2005年にONEOR8での初演を観ていて、その後、ONEOR8でも他の劇団でも何回も上演されている田村孝裕の代表作と言って良い作品。その後も何回か観てる。新たな役者陣を集めて時速246億の川本が演出したが、初演の印象が強くて、テイストが随分変わっていると感じた。4姉妹のシーンはあまり印象が変わらないのだが、男性陣が随分と笑わせる方向で演じていて、ぎごちない笑い、という側面の印象が薄くなっている。木崎ゆりあは『パンセク』に続いて観たが、軽い演技を軸にしつつも重い場面もしっかり演じられて、なかなか注目の女優だと思う。終盤のシークエンスが見事。ただエンディングは初演が良いと思う。

ジャニス

ジャニス

エヌオーフォー No.4

博品館劇場(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/22 (金) 14:00

山田邦子と堤泰之のコラボで、物語も役者陣も素晴らしい舞台だった。115分(+フィナーレ10分)。
 70年代後半にガールズバンドをやってた内のドラマーが亡くなり、元メンバー4人が集まって、あーだこーだ、の内に追悼ライブをすることになって…、の物語。ありそうな展開が分かりやすいが、山田邦子に加え、山像かおり・小林美江・藤田記子という巧い役者陣を集めたことで、展開に深みが出てる。脇を固めるベテランの水谷あつし・海老澤英紀も巧いが、若手の橋本祥平・花音も見事に役割を演じて、素晴らしい舞台になっている。終盤のライブの場面は本当のライブに見える。花音は初めて観たと思うが正統派の美女だし、小林美江のオフショルダーと山像かおりの絶対領域を観られたのは眼服。終演後に後説と山田邦子によるフィナーレのショーがあるのも楽しい。

月の海 2025(東京)

月の海 2025(東京)

日穏-bion-

テアトルBONBON(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/21 (木) 19:00

丁寧な劇作で知られる劇団の代表作とも言える作品だが、本当にいい芝居だった。115分。
 2016年に初演、2018年に再演された作品の再々演で、初演も再演も観ている。再々演での目新しさはないが、とにかく良く出来た無駄のない戯曲で、役者陣も丁寧に演じて、とてもいい芝居になっている。重い題材を明るく演じつつ、また、一方で大変な事件に巻き込まれるのだが、それを巧みに展開させて、最後は少しホッとするように終わる。観て気持ちよく帰れる芝居。

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