jokermanの観てきた!クチコミ一覧

1-20件 / 1448件中
卓

風雷紡

小劇場B1(東京都)

2026/08/12 (水) ~ 2026/08/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/08/13 (木) 19:00

諏訪の旧家が舞台の重厚なミステリー仕立てで、「家」の持つ不条理を炙り出す。124分。
 2010年初演の『墨を塗りつつ』を改作しての上演だが、初演は観てない。蚕農家から製糸業へと進出して財を成した藤盛家では、終戦の日に当主の泰彦が毒殺され…、の物語。その後、連続殺人となり、ミステリー仕立てながら、戦争の不条理や「家」の不条理などをベースとしつつ、時代が変わろうとする時期のあれこれが展開される。重厚な舞台で笑うシーンはほとんどないが、緊張感を持って観ていられるのが心地好い。役者陣も丁寧かつ迫真の演技で、安心して観ていられる感じが良い。推しの吉水雪乃はいつもながらの「豹変」的演技で魅せるが、時折、ストーリーを離れた台詞を語る本間理紗に印象が残る。舞台美術は単純だが美しく、ライティングの妙が光る。セリフフェチの私にとっては、気になるセリフがちょっと…。

隔たる

隔たる

JACROW

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2026/08/21 (金) ~ 2026/08/23 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/08/07 (金) 19:30

社会派の雄の新作は、実話ベースながら重くストレート。129分。
 1968年に連続射殺事件を起こした永山則夫(劇中では近山由夫・小平伸一郎)を自分と重ねて獄中結婚した妻・新垣和美(劇中では古垣洋美・宮越麻里杏)が辿った経緯を、妻の立場から描く。なぜ結婚を、の、誰でも思う疑問から初めて、丁寧に永山の死までを紡ぎ、特に、被害者遺族との軋轢や報道関係者の悪意がストレートに描かれる。いつものような笑いを誘う展開ではなくて、淡々と描かれる芝居に息を呑む。

この夏、屋根裏から異世界へ(※行けません)

この夏、屋根裏から異世界へ(※行けません)

猿博打

OFF・OFFシアター(東京都)

2026/08/05 (水) ~ 2026/08/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/06 (木) 19:30

お気に入り劇団の新作。ヲタク心をくすぐり、見たことがない芝居が展開される。観るべし。(前説3分含み)102分。
 やみ・あがりシアターの笠浦静花の書き下ろしを、劇団員の村上弦が演出し、劇団員の3人で展開される芝居は、笑えて切ない。祖父母の家の屋根裏にやってきたアオイ(村上)は、突如現われた騎士レイド(河村凌)と出会い、大好きなライトノベルの世界に行けるのでは、と期待するが…、という物語。もう一人の異世界から来た???(板場充樹)と「三すくみ」になるという発想が強烈で、大笑い・苦笑の連続だった。笠浦の「頭オカシイ(誉めています)」は本作でも存分に発揮され、元々が見事なコンビの3人なので見事に演じ、見事な作品になっていた。

「TOKYO SLUM」

「TOKYO SLUM」

TRASHMASTERS

上野ストアハウス(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/01 (土) 14:00

お気に入りの劇団の新作は、深刻な現状から始まって一種のファンタジーで終わる。とても面白い。観るべし。(4分押し)79分(11分休み)85分(2分置いて、アフタートーク23分)。
 都庁前での食糧無料配付に並ぶ様々な人々が起こす軋轢から、派遣会社内部のあれこれから、誰も悪くないのにシンドイ思いをする人々、それを解決しようとする人々が入り交じって、最後は一種のファンタジーで終わる。前半は気持ちが苦しくなるような場面も少なくないが、後半はちょっと巧く行きすぎている感じもあって、『チョークで描いた夢』と同様のファンタジーとも感じる。冒頭のシーンから、ホームレス3人組を演じるベテラン勢(亀井幸代・松田史朗・山本亘)が存在感を見せ、後半もそれをしっかりキープするあたりは凄い。他の役者陣も役割をしっかり演じて、どちらかというと悪役でもある三田村を演じる神野崇や、その元先輩の名波を演じる佐藤礼菜、そして台詞は多くはないが、一人だけ浮いた出で立ちの愛美理を演じた白瀬りかも注目。軸になる秋野宇宙(あきのそら)を演じた倉貫匡弘も成長著しい。押しの小崎美希子は珍しく恋愛モードがあり、一段グレードアップした印象がある。ベテラン劇団員の長谷川景は出演作毎にビジュアルがかなり変わっているのが面白い。

新撰組 IN 1944

新撰組 IN 1944

PSYCHOSIS

ザムザ阿佐谷(東京都)

2026/07/24 (金) ~ 2026/07/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/24 (金) 19:00

スタイリッシュなアングラ。凄~く面白い。(客入れと前説で3分押し)109分。
 月蝕歌劇団・高取英の作品を、現代的にアレンジして上演する劇団の最新作だが、月蝕での上演は観てない。冒頭、新撰組の池田屋襲撃を現代的にアレンジして展開するが、暗転して1930年代のドイツに移り、少年合唱団の会話に・・・。その後は、2つの時代と1944年を飛び回り、歴史を変えようとする人々のあれこれ。いつも以上に分かりやすく、途中で「演劇界一のめちゃくちゃな作家の作品」みたいなセリフもあって、奇想天外な展開だが、とてもとても楽しめた。たまたまなんだろうが、「玉を取る」というセリフがあって皇室典範改訂のタイミングにピッタリな物語だとも思った。押しの大島朋恵は一人だけ「笑い」担当だったけど、大事な場面で大事な役をやるのも彼女ならではだな…、と満足。

パール食堂のマリア

パール食堂のマリア

青☆組

吉祥寺シアター(東京都)

2026/07/17 (金) ~ 2026/07/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/18 (土) 18:30

再々演で静かに沁み入るいい話。心が洗われる。(前説等で3分押し)123分。
 劇団化した2011年に初演、その後2016年に再演した作品を再々演。初演も再演も観ている。作・演出の吉田小夏の出身地である横浜で、伝説の街娼をモデルに、昭和30年代、歓楽街の外れにあるパール食堂とその周辺の人々の群像劇。それぞれが心に寂しい所を抱えた人々が、互いにかばい、ある時は傷つけ合いながらの物語は、切なく温かい。初演と同じ役で、ストリッパーの役を演じる小瀧万梨子のすがすがしさが気持ちよい。この所注目してる蓑輪みきの演じ方が素敵。

煙の汽水域

煙の汽水域

ムシラセ

小劇場B1(東京都)

2026/07/11 (土) ~ 2026/07/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/13 (月) 19:00

名前は知っていたが初見のユニット。丁寧で繊細な会話劇。(2分押し)81分。
 誠吾(阿岐之将一)の誕生日。20歳・35歳・50歳の3つの誕生日を描き、それぞれ「別れ」があるのだが、巧みに繋がれた物語が面白い。誠吾と友人の宍道(池岡亮介)はそのままだが、それぞれの場面に出てくる女性・母:秋・恋人:圭・愛人:時を異儀田夏葉が一人で演じる。巧妙で繊細な展開は面白いとは思うのだけれど、セリフフェチの私にはフィットしない言葉の選択もあったりした。タイトルは活きていない気がした。
 終演後、3分置いてアフタートーク20分弱。聞かない方が良かったかなとも思う。

プライマ・フェイシィ

プライマ・フェイシィ

シス・カンパニー

ザ・スズナリ(東京都)

2026/07/01 (水) ~ 2026/07/26 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2026/07/11 (土) 17:00

2度目の観劇。110分。三浦本人が慣れてきたようで、前半は笑いを誘う演技をする余裕ができていたが、その分、後半の絶望が深く響く。エンディング、前方に出てくる演出は、我々にも問い掛けているという意味なんだろうなぁ。
カーテンコール3回の価値があることは認めるが、あのタイトな作品を演じた後に3回も呼び出すのは、三浦に可哀相ではないかという気がした。

野火

野火

世田谷シルク

サンモールスタジオ(東京都)

2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/08 (水) 19:30

タイトでシビアで緊張感ある舞台。観るべし!87分。
 大岡昇平の小説を舞台化した作品で2024年に初演で何回か上演しているが、初見。フィリピン・レイテ島で肺病のため、部隊から追い出された兵士・田村がさ迷いながら生き延び後に回想した、というスタイルで描かれる。登場人物が3人いるが、一人芝居にすることで逆に緊張感ある舞台になっている。演じる永井秀樹が精神を痛めないかと心配するほどのリアルさ。戦争が如何に人を狂わせるかをも描いているように思う。
 元来は「絵画的」な作品が多いユニットだが、本作はある種のリアルさを追求して珍しい。近年、東京近辺での上演が少ない同ユニットだが、元気なのが嬉しい。

プライマ・フェイシィ

プライマ・フェイシィ

シス・カンパニー

ザ・スズナリ(東京都)

2026/07/01 (水) ~ 2026/07/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/04 (土) 17:00

三浦透子渾身の一人芝居はシビアでタイトで緊張感ある舞台。凄い。110分。
 2019年にイギリスで書かれた作品が日本に初上陸、舞台・映像で活躍する三浦透子が初めて一人芝居に挑戦した。女性弁護士が被害者になり、立場が変わったことで…、の物語。個人の物語であると同時に、男性優位的な制度への問いかけという気がした。一人芝居なので、全てを一人で背負うので、シビアでタイトなセリフに心を削られるんじゃないかと心配するほどの熱演だった。トリプルコールも当然か。

シャープさんフラットさん

シャープさんフラットさん

キューブ

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/06/19 (金) ~ 2026/07/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/03 (金) 18:30

笑いとは何か、も考えさせられて、切ない舞台。いい。(2分押し)62分(14分休み)82分。
 ナイロン2008年の作品で、元々はホワイト/ブラックのダブルキャストで上演された作品を、マギー演出で上演する。物語は両方を混在しているような…。シュールな笑いの作品を書く劇作家・演出家のペンネーム辻/本名・田中(柄本時生)がある事情で隠れるように住む長野のサナトリウムを舞台に、さまざまな事情の入居者と関係者・職員の群像劇。徐々に、何故、が分かってくるプロセスと、シュールな笑いの数々が、最終的には切ない物語となってエンディングに向かう。初見の高梨臨はじめ役者陣も好演しているが、何と言っても松永玲子の存在感が凄い。

 杏仁豆腐のココロ

杏仁豆腐のココロ

演劇ユニット「みそじん」

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2026/06/30 (火) ~ 2026/07/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/01 (水) 19:30

橙チームを観劇。思っていたのとちょっと違って、シリアスでハードなセリフが飛び交う。面白い。(2分押し)82分。
 鄭義信が2000年に書いた戯曲で、いろいろなところで何回も上演された作品だが、個人的には初見。クリスマスイブの茶の間、離婚しようとしている夫婦の2人芝居。ちょっとホッコリする芝居が多いユニットだが、本作はシビアなセリフも多いし、何故別れるのかが徐々に分かる展開が一種の謎解きの要素もある。優れた戯曲だが、演出も2人の役者も舞台美術も優れた、良い芝居だった。
 構成員が三十路ということで「みそじん」と名付けたユニットも、40代の大石ともこ一人になったが、芝居作りは変わらず面白い。

逃げない

逃げない

かるがも団地

新宿バティオス(東京都)

2026/06/24 (水) ~ 2026/06/24 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/24 (水) 17:00

お気に入り劇団の本気のコントで、くすくす笑って面白い。(前説3分含み)61分。
 近年最も気に入った劇団で、通常の芝居でもクスクス笑うシーンは多い劇団だが、それが本気でのコント公演で以前も観たことがある。「見えない」「解らない」「逢えない」「知らない」「継がない」「食えない」「逃げない」という7つのショートコントを、劇団員と4名の客演で送る。大笑い、というより、クスクスの連続で楽しんだ。全体として30代の感覚だなと思える題材が多いが、なるほど、というエピソードを選んだ感じで、興味深く観た。個人的には「継がない」「逃げない」が面白いなと思った。

塔の上の

塔の上の

くによし組

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2026/06/18 (木) ~ 2026/06/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/19 (金) 14:30

お気に入り劇団の新作は、シュールだけど、とにかく切ない切ない切ない物語。(京浜東北線の遅れもあって3分押し)89分。
 冒頭、「主役です」と語って始まるというのは定番の同劇団だが、次から次へ皆が「主役です」と言い始める興味深い展開。とある塔の下に住む人々が、塔の上の人を思いつつ、さまざまなエピソードを重ねる。前半は何だか分からないが、徐々に、こういうことかなぁ、と分かってくるが、それに合わせて切なくなってくるところがいい。笑いも起こるが、人によって少しずつ違う所で笑うし、私も一人で勝手に笑ったりして、ポイントに違いが結構ある。セリフの選択が見事だし、劇場の特性を活かしたセリフ・演出も面白い。それにしても、國吉はどうしてこんなに切ない物語が書けるのだろう。メンタルがやられないと良いが…。見慣れた役者が多いが、大好きなやみ・あがりシアターの加藤睦望を初め、くによし組にはあまり出てない役者も少なくなくて、國吉がチャレンジをしているのが分かる。大阪公演も観てみたいが難しいだろうなぁ。

Sの顚末

Sの顚末

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/08 (月)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2026/06/07 (日) 14:00

2度目の観劇。やはり良い!

app.17【Oxymoron(オクシモロン)】

app.17【Oxymoron(オクシモロン)】

電動夏子安置システム

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2026/06/05 (金) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/05 (金) 19:30

「チームDt」を観劇。93分。
2チームを観て、初期のロジカルコメディと呼んだ頃の感触が戻って来た気がした。面白い!
 20~30分の短編を7本。2チームに分けて4本ずつ上演(1本は両チームで別の配役で上演)するスタイル。私が初めて観た電夏が2005年の『Performen Ⅲ』だったのだが、その中に出て来たショートコントと似たテイストの作品群だった。例えばLfチームの『カバネは躍る』は、一定の条件下で一定の人間だけ時間が逆戻りする、というルールに従って動く登場人物がどんなに面白いかを描いているが、初期はこういった作品が多かったなぁ、と、ちょっと懐かしくもあった。両チームで上演の『黙れ答弁書』は壮大なダジャレ合戦とも言えるなぁ、とかも。とにかく頭を使って面白く観た。
 劇団員とオーディションで選ばれた役者陣での上演だが、オーディションでの役者の発掘能力が半端ない。現在劇団員の坂本ともこ・吉岡優希もオーディションだったと思うが、本作ではLfチームの鵜濱咲紀が印象的。電夏で「色っぽい」演技を観るとは思わなかったぞ。茂山和夏も新発見で、チカナガチサトは以前も観たことがあるが、コメディエンヌとしてしっかり光る。

app.17【Oxymoron(オクシモロン)】

app.17【Oxymoron(オクシモロン)】

電動夏子安置システム

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2026/06/05 (金) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2026/06/05 (金) 16:00

「チームLf」を観劇。89分。

アサッテの人

アサッテの人

7度

調布市せんがわ劇場(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/04 (木) 19:30

難解な小説を舞台化して、良く分からないけど何か分かる舞台。(前説6分含み)107分。
 諏訪哲史の小説の舞台化だが、元の小説が難解らしく、観ていて何かが分かるというわけではないが、「伝える」ことに長けたユニットらしく、何だか分かった気になる舞台だった。ユニットの山口真由が語り、客演の飴屋法水は主にBGMならぬBGN(Back Ground Noise)を発しつつ、時折語りに加わる。照明が実に巧みで、観え方を意識した山口の舞台姿が妙に説得力を持ち、緊張感ある時間を過ごした。
 思わず原作の小説を買ってしまった。
 80分の予告が105分というのはちょっと・・・。

Sの顚末

Sの顚末

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/03 (水) 19:00

高羽彩が青年劇場と出会って、希有で濃密な作品が生まれた。とても面白い。(3分押し)131分。
 1911年に女性2人の心中の報に接し衝撃を受けた主人公エス(五嶋佑菜)は、ちょうどその頃創刊された雑誌「青鞜」の門を叩くが・・・、ということで、そこからの青鞜のあれこれをエスの立場から描く。独自の視点から作劇することで定評のあるタカハ劇団の主宰・高羽彩が、青年劇場で初めて作・演出を担当したが、多様な役者陣と高羽の独自性ある作劇が相まって、興味深い観点からの作品となったことが面白い。高羽にも役者陣にも拍手だが、高羽を起用した劇団の判断にも拍手を送りたい。期待はしていたが、期待以上の作品になっていたことが嬉しい。
 青鞜を題材とする芝居は結構あるが、パンフレットによれば、高羽は青鞜を扱いたいのではなく、女性同士の心中を扱うことからの連想ゲームで青鞜を題材にしたとのこと。高羽らしい発想だと思う。「エス」という言葉が、戦前の女学生同士の繋がりを表す言葉だということが、現在も理解されているのだろうか。そんなことも含むタイトルだと、勝手に想像したが当たっているだろうか。

帰還不能点

帰還不能点

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2026/05/28 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/05/28 (木) 19:00

劇団の代表作の一つ。心地好いが笑ってはいられぬ緊張感がある。130分。
 2021年に初演、その後、好評で2回再演され、今回が四演だが初めて観る。太平洋戦争前、優秀な若手官僚等で作られた総力戦研究所のメンバーが、戦後5年を経過して、1人の死を機会に未亡人の居酒屋に集まり、回想する戦争突入時の出来事・・・、の物語。どうして戻れなくなったのか、という問いへの答えを探る。見慣れた役者陣が熱演を奮い見応えがあるが、未亡人を演じた紅一点の黒沢あすかの終盤が特に光る。
 「戦争をしてはダメだ、と分かったから日本は大丈夫だ」みたいなセリフがあったが、80年経って、それが空しく響く昨今の状況が苦しい。

このページのQRコードです。

拡大