斉藤可南子の観てきた!クチコミ一覧

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思/外

思/外

人体色彩画廊I’NN

pit北/区域(東京都)

2015/08/26 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

演出家だと思いました
主宰の中野さんが作・演出・出演されている「人体色彩画廊I'NN」さん。その名に違わぬ人体彩色っぷりで、これは劇団さんの売りだな見応えあるな、と思いました。
他にもいろいろ演出面でへえ、と思わせられる箇所がある一方、脚本は少なくとも自分には響きませんでした。テーマそのものに共感するところがなかったことが大きな理由だと思います。(こればかりは人それぞれ興味の持ちどころが違って当たり前なので、何とも仕様がないのですが)

ネタバレBOX

中野さんはおそらく「演出家」なのだと思います。この人が他人の脚本を演出したらどうなるんだろう?新作ではなく、古典や既作の、すでに様々な演出が試みられている作品を。その時に真価を発揮できたら、面白いことになるんじゃないかと思いました。
BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

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劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

誰にでも薦められるお芝居
出来がとにかくいいと思いました。脚本、演出、演技、どれも小劇場で観られる演劇の最高峰、これが人気駅団なんだな、と思いました。わたしには少し端正すぎるのが難点だったのですが、これは完全に個人の好みの範疇で、普通に考えたら大満足!な観劇体験だと思います。

ネタバレBOX

これは「劇評」欄に書くことかどうか微妙なので、ネタバレに。
適正価格だと思いました。最近、チケット代が高いな・・・と思うことが多く、それが小劇場演劇離れを促進している気がしたので、なんだかホッとしました。
いえ、3200円は大金です。ですが、ここまでやってくれるなら。回収(やる側の都合)ばかりを考えた価格設定に辟易していたので・・・「自分たちの作品は面白い自信がある(だからこれぐらい頂く)」と感じさせてくれる劇団さんに、久しぶりに出会った気持ちです。
黄金のコメディフェスティバル2015

黄金のコメディフェスティバル2015

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2015/08/20 (木) ~ 2015/08/31 (月)公演終了

満足度★★★★

チョキチーム観ました
面白かったです。

「鋼鉄村松」
お目当ての劇団さんです。スーツの男共(主におっさん)が汗流しながら全力で芝居をしている、それだけでもう満足です。紅一点の方も含め、役者さんみんな好きです。
お話もよかったです。もう少し深みがほしい気もしましたが、45分なら仕方ないかと。

「スズキプロジェクト」
お笑いの方が作られたのでしょうか、"演劇"の匂いの薄さが、物足りなさでもありながら声を出して笑いやすい空気になっている印象でした。
お巡りさん絡みの部分が面白かったです。

・・・と、書いてきましたが、観劇時のコンディションが悪く(寝不足+朝昼何も食べてない)ちゃんと楽しむことができませんでした。二団体の皆さんに申し訳なかったです。

黄昏の手記~LIVE LIBRARY~

黄昏の手記~LIVE LIBRARY~

劇団カッコカリ

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2015/05/28 (木) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★

小劇場らしさに安心
わたしがカッコカリを観に行く大きな理由に「小劇場感」があります。アマチュアの演劇人が、一生懸命作っている感じ・・・主宰の弦巻さんは"劇団宇宙キャンパス"にも所属されていますが、宙キャンさんが音響照明舞台装置すべてプロが手掛けている感じに対し、カッコカリさんは極力手作りしているような、なんともいえないぬくもりがある感じ。今回も、変わらぬぬくもりに安心しました。

ネタバレBOX

今回は弦巻さんの原案を座付き作家の平沢さんが脚本にされたということで、新しい試みでした。
ただ、そのためか、脚本は少々辻褄が合わない印象・・・「ここを出たら自殺しそうだから出せない」登場人物がいるのに、前の場面では「ここを出て自殺を図った」人物もいたり。前例があるから次はそうさせない、ということだったのかも?臓器移植や新興宗教については少し表層感も感じました。ただ、神奈川県は面白かったです。こんなトリック(?)があろうとは。
役者さんでは、宙キャンさんからの客演お3方はさすがでした。個人的にはしずこさん役の方が好きでした。たぶん上手くはないんだろうけど、ご本人の優しい持ち味と役の持ち味がぴったり。あて書きだとしたら大成功だと思います。
sognare

sognare

COZZA

中野スタジオあくとれ(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★

やりたいことと、観客に提供することの一致の難しさ
COZZAは、いつも役者をされている手塚優希さんが、ご自分のやりたいことをやるために立ち上げたプロデュース企画とのこと。その第一回公演でした。
お芝居の全体から「旗揚げ公演」を感じました。
もう一つ感じたのは「役者さんが作るとこんな感じになるのかな」です。作・演出をしている人が役者として出る、のとはやっぱり違うこの感じ。

ところで、出演者では山田佳奈さんが頭一つ良かったように思います。彼女はいつ見ても、セリフと気持ちが乖離しない、いい女優さんだなと思います。
主演のシモーヌさんも、主人公の胸のうちをリアルに演じられていて、お芝居の大黒柱を果たされていました。なにしろ声がよかったです。

ネタバレBOX

なんというか、やっぱり、作も演出も(出演も)特殊技能なのだと改めて感じました。才能、あるいは経験が培って実力をつけるのだなと。
出演はまだ多数のキャストが色とりどり集まって作れば多少の力量の差はそれもまた味わいと言えますが、作・演出は多くの場合一人でその責を担わなければならず、つまり一人で作品の出来を左右してしまう恐ろしい部署なのだなと。
その意味で、作と演出は、プレ公演とか発表会の域を出ないように思いました。
もちろん、「主宰がやりたいことをやるための公演」とアピールされているので公約違反ではないのですが、演劇作品として観に行ったので、少し不完全燃焼な気持ちになりました。
恋にょ奴隷

恋にょ奴隷

ウラダイコク

RAFT(東京都)

2015/03/13 (金) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

なぜだろう
脚本、つくり、熱量。面白いと思う要素は多かったのに、なぜか引き込まれて見ることができませんでした。観るコンディションが悪かったわけでもないので、自分でもわかりません。

東京22区

東京22区

劇屋いっぷく堂

テアトルBONBON(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

限りなく5に近い4
☆5個を付けたいぐらい楽しかったです!脚本もよく練られ、キャストもあて書きと思うぐらい皆さんはまっており、見せ方笑わせ方、すべて的確でストレスなく楽しめました。

ネタバレBOX

惜しかったのは、最後の最後、脚本に浅さを感じてしまったことです。
一つは、終わらせ方です。伝えたいことは最後の議長の表情から(議長さん素晴らしかった!)伝わってきましたが、伝えたいことそれ自体が、観ていて少し消化不良でした。
もう一つは、最後の「なまはげみたいな顔を~」の辺りです。投票方法がなぜ脳波でなければならなかったのか、ここに集約されるのに、1時間半の積み重ねにしてはあっさりしすぎており、お芝居が終わって帰途につきながらやっと腑に落ちました。
とはいえ、面白かったです。関東圏でしか上演できないお芝居だとは思いますが、時事ネタを盛り込みながら再演しても面白いだろうなと思いました。
よく知られているものの擬人化というのは、お客さんとの距離が近くてすぐ入り込めていいなーと思いましたし、擬人化して笑うことが最終目的ではなく、その先にちゃんと表現したいものがある、ことにとても頼もしさを感じました。
金色の翼に乗りて

金色の翼に乗りて

ピープルシアター

シアターX(東京都)

2015/02/18 (水) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★

お手軽感なしの見応え
仕事を終えて駆け付けたのですが、間に合わず、ファーストシーンを見逃してしまいました。大変失礼いたしました。
先日のギルドさんに続き、ある程度大きな会場での、ベテラン劇団さんの舞台鑑賞です。やはりどこかに70年代の匂いを感じました。その時代を経験している先輩方のお芝居は、重厚さ・・・内容においても、労力においても、を感じます。社会性のあるテーマを深く掘り下げる思考力、それを手軽さなんて排して徹底的に、突き詰める突きつける熱量、働力。それだけで最低限の満足は保証されてしまいます。
お芝居は、プラットホームでの会話が主体となっています。主役の日本人男性とフィリピン女性の会話、フィリピンの女たちとの会話、やくざとのやり取り・・・だけは、アクションも加わりますが。

ネタバレBOX

違和感があったのは、場面はプラットホームという日常空間で、登場人物も現代日本の人たちなのに、言葉が文学的に美しい言葉に寄っていたことです。ただ、役者さんたちはそのちょっと違和感があるほど文学表現的な言葉を、とても自然に発されていました。役者さんはとにかくレベルが高かったです。特に偽装結婚相手の女性、すごく魅力的!
照明もきれいだし適切だし、音響もちょっと重低音強めの爆音系SEがアクセントになっていて、とても効果的だったと思います。
内容は、今の日本人が考えなくなってきている「国と国」「人と人」の在り方を深く考え、問う、興味深いものでしたが、全般に泣き語るシーンが多く、観ていたい気持ちが薄れていきました。ラスト近くの音楽を聞かせる場面も長く感じました。音楽(と歌詞)に任せないでほしかったと感じたのは、それまでの問題提起を、わたしがうまく受け取れなかったということかもしれません。
踊るメシアにシロップを

踊るメシアにシロップを

フィルレアリスト

RAFT(東京都)

2015/02/13 (金) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★

不可解コント
10本立て(と記憶しています)のコント?集です。
全体的に、よくわかりませんでした・・・が、パンフレットの文面によると、それで間違っているわけではないようです。
「まいむさん」が面白かったです。
役者さんは上手な方や味がある方や、揃っていると思いました。声量が小屋のサイズに対し大きかったのが、最初の2,3本は気になりました。
一番楽しめたのはアフタートークでした。
不条理は苦手、というわけでもないのですが・・・なんとなく、引っかかってくるものを感じられませんでした。

神様の言うとおり2 βテスト

神様の言うとおり2 βテスト

NICE STALKER

王子スタジオ1(東京都)

2015/02/07 (土) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度

場違いでした
ひとことで言うと、表題のとおりです。ガラケーユーザーで、そもそも携帯でネットをしない自分は、投票にもアンケートにも参加できませんでした。もちろん、この公演の特殊性は承知で観に行っているので、劇団さんの落ち度はありません。
この後が否定的な意見になってしまうので先に書きますが、劇団さんはとても感じがよく、今回試験版を試されていることからも、観客のことをよく考えてくれていると思います。その点、とても好印象でした。
お芝居そのものはというと・・・わたしには楽しめませんでした。わたしが演劇に求めているものと、この公演で提供されているものが、全く重ならなかった気がします。
仮に投票に参加できる環境にあったとしても、たぶん参加しないと思います。自分が選択したものを観たいのではなく、作り手が「これが最高だ!」と出してくるものを観たい。そんな感じです。
また、この形だと、周到に張り巡らされた伏線がラストで結集、大きな感動を生む・・・といったことをやりにくいのではないかと思います(不可能とは言いません)。すると、どうしてもゲームの楽しさに近くなっていくのではないかと。
この上演形態ならば、ネット上で映像を公開して、さて、この先はどちらのパターンを観たいですか?と投票して、多いほうを公開・・・というのと、あまり変わらないように思います。これをライブでやる楽しみは、ひょっとすると、出演者が「この選択で来たか!」と狼狽する様が垣間見えるとか、そういう面白さかもしれません。
演劇も映画も、参加型が増えており、「アトラクション風」の楽しみ方が広まっている気がします。その場に集まってのアトラクションに価値を求めるなら、お客さん相互が影響しあってもいいのかな、と思いました。ネット回線を介しない”場の交流”がストーリーに影響を与える形式が生まれたら面白いかも、と思いました。

ネタバレBOX

実はわたしの気持ちが離れたのは、投票云々ではなく、お話に興味が持てなかったためです。このストーリー展開ならどう転がっても自分には楽しめないと思ってしまいました。
これは好みの問題が大きいとは思いますが、ひとつ気になるのは、終演後のアンケートで、本公演に求めるものを「ストーリーに期待」に多数の票が入っていたことです。これは、今回のストーリーが良かったからという期待値なのか、ストーリーが弱いから改善してほしいという意見なのか?どちらにも取れる設問なので、内訳が知りたいなと思いました。
「蛍よ……妖しの海を翔べ」

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

劇団ギルド

座・高円寺1(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

義経ものは5割増で観てしまいます
2時間半の長丁場、わたしは飽きることなく観劇しました。が、それは"源義経"に思い入れがあるからで、普通に観に来ていたら、たぶん長く感じたと思います。
お話は基本的に義経の生涯を追っていました。見せ場になるはずの合戦シーンがほぼ描かれないのは、そこを見せたいわけじゃない、のだろうと思いました。若干、予備知識がないとつらいかも、とは感じましたが、焦点をあてているのがあくまで各人の思案・欲求なので、そこさえ追えればいいということだと思います。
弁慶がなぜ義経のバックについたのか、新解釈で面白かったです。義経・弁慶・影武者たちの内面を描く脚本の筆力に感嘆しました。対して鎌倉方の描写はあまり厚くなく、まぁそこまで追ったら3時間超えてしまいますよね(^^;)
そしてとにかく義経役の方をはじめ、表現力のある役者さんが何人もいて、そこが素晴らしかったです。お芝居のつくり自体にアマチュア臭さがなく、「観客に提供する」ことが当たり前になされていることに、さすが老舗の力を感じました。
女性の描き方にちょっと共感できなかったのが残念です。昭和っぽい表現の仕方のせいか、全員いっしょくたに見えました。

【ご来場ありがとうございました!】シシャのウタ2014

【ご来場ありがとうございました!】シシャのウタ2014

劇団CHAN’T

pit北/区域(東京都)

2014/11/28 (金) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ザ・社会人演劇
埼玉の社会人劇団CHAN'Tさんの20周年記念公演。まずは社会人劇団で20年続いていることに敬意を表します。
70年代生まれ→80年代後半~90年代前半の小劇場の味が色濃い。
何しろ、スピーディーな展開・90分の中の緩急・観客を飽きさせない呼吸、に長けているといつも感じます。
pit北/区域を実に上手に使っていると思いました。この使い方は観たことがありません。照明の組み方に相当工夫がいると思うのですが、どう解消したのでしょう。
脚本については、ラストは人それぞれ大きく感じ方が異なると思います。しかし、ありきたりな無難な言葉で終わらせないところに才気(こだわり?)を感じました。
演技的には、正直、素人くさい部分もあると感じます。どっしりはしていない。専門教育を受けたとか、技術を磨いたとか、そういう感じはしません。
ただ、これは投稿タイトルにつけた通り「社会人劇団」の在り方だと思います。演技だけでなく、美術や運営に至るまで、専門家ではない人が手作りでやっている感じ・・・これは社会人劇団を観る、ひとつの醍醐味かと思います。
発表会のつもりはない、かといってプロでもない。プロじゃない=スポンサーに左右されない、から、作りたいものを精一杯作る、という姿勢を、作品と、宣伝の文言と、チケット料金から、勝手に感じ取っています。
・・・しかし・・・いや・・・絡むシーンのエロさ・・・ある意味、特筆ものです。

シックスウーマン

シックスウーマン

松田真子

野方スタジオ(東京都)

2014/11/12 (水) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★

繊細な作風が好きです
松田真子さんを観るのは3度目です。たしか第3回公演だから、全部観ていることになります。
3回観てきて、揺るぎない「松田真子の世界」を持っているなぁと感じます。そしてその世界が、たぶん他の団体さんを観に行っても得られない、独特のものだなと。替えがきかないことは、劇団にとってとても大事だと思います。
作演出の太田さんが描く繊細な繊細な襞、それを嘘のない演技で表現できる看板女優の松下さんの演技力。この二つには裏切られることがありません。
ただ今回は、お話の核心が提示されるまでが長く、観ていて集中力が切れてしまったりもしました。後半は引き込まれました。
会場の野方スタジオ、スタジオ?貸しオフィスの一室じゃん!という場所でしたが、場所の特性をうまく使ってらっしゃる・・・松田真子さんだからここでやろうと思われたのでしょう。ただ蛍光灯は、一般の照明とは異質でした。これだけは、良かったのか悪かったのかわかりません。

ヴェニスの商人 [Kingdom Come]

ヴェニスの商人 [Kingdom Come]

獣の仕業

pit北/区域(東京都)

2014/11/01 (土) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★

すばらしい出来ばえでした
星こそ3にしましたが、お芝居の出来自体は5つ星だと思います。神経が行き渡った妥協のない舞台だと思いました。独創的な演出で完成度も高く、理想を現実にするという大変な作業を実現されていると感じました。構成、俳優、音楽、すべてが高い次元で一つになって作り出されている世界でした。ではなぜ星が3なのかといえば、自分が鑑賞者であった・・・入り込む隙がなかったからです。これは多分好みの問題で、第三者として観る、ことが好きな観客も多いだろうと思いつつ、この「観てきた!」欄は評ではなく感想を書こうと心がけているので、まったくの主観で3にしました。それと、2階から観たからというのもあるかもしれません。

ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

テアトルBONBON(東京都)

2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

ものすごくよかったです
とってもサイエンスファンタジー。ですが、理論を理解する必要はないので、ストーリーに入り込むのは簡単でした。
全部とってもよかったのですが、特筆するならムラマツベスさんの演技が本当によかったです。でもみんなよかったです。
11月9日追記:開始30分ぐらい?までは、レイ・ブラッドベリ『宇宙船乗組員(スペースマン)』にだいぶ似ていて、最後までこのままだったらどうしよう?と不安になりました。途中から全然違う話になって、そこからは安心してのめり込めました。書き手がこの作品を知っている(ことを隠していない)ヒントがちりばめられてはいましたが、知らない人はオリジナルだと思っちゃうかなと。ちなみに私は萩尾望都の漫画化版で知りました。

僕と俺では幾らなんでも!

僕と俺では幾らなんでも!

THE CHAINS

APOCシアター(東京都)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

翻訳物のようなコメディ
こういう、湿っぽくないコメディを書けるのが、脚本:富田さんの強み、個性だと思います。
かと思うと、割と下世話な話も出てくるし、単発力技ギャグも出てくるし。とにかく「笑わせるための引き出し」の多さに脱帽です。

ただ今回は、その手数の多さに終始した感も否めません。
手数が多い分だけ、話も少し複雑すぎたかもしれません。
腰を据えて、じっくり観られる場面が2つぐらいあったら、もっと入り込めたかな、と思いました。

出演者では、まず主役の川島さんがさすがの力量でした。まさに獅子奮迅、この人の力がなかったら、お話自体が成立しません。気になる点があるとすれば、この人の持つある種の「上品さ」が、吉なのか凶なのか、まだよくわからない・・・使いこなせていない?ことぐらいです。
笑わせてくれたMVPは児玉華奈さん。「イケメン!」と「ひっこめ!」の二つしか仕事がないのに、絶妙に力が抜けた演技で、出てくる度に笑わせられました。
他の出演者も、個性と役柄がうまく一致しており、役者さんをよく見て書かれた脚本なんだろうな、と思いました。

「笑い」を重視したお芝居は、作るのが難しいと思います。脚本だけでなく、客席を含む演劇空間そのものを「笑いの場」に変える必要があると思うので。
富田さんが作家としてだけでなく演出家としても活動されていくのなら、そのあたりの手腕を磨かれるよう、期待します。

「ハナノユノハナ」

「ハナノユノハナ」

劇団宇宙キャンパス

明石スタジオ(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★

出演者の持ち味が発揮されていた
ふだん作・演出をされている、主宰の小林さんが関わらない公演とのことでしたが、宇宙キャンパスさんは宇宙キャンパスさんなんだな、と思わせられる、立派な「劇団本公演」に見えました。
18名に及ぶ出演者は、「この役必要かな?」思う役もあることはあるものの、演者さんが皆個性を発揮されており、キャラもかぶらず、賑やかな舞台となっていました。
わたし的に惜しいなと思った点は、会話中心のお芝居なのに、その会話が今一つ面白味に欠けたかな、と。ストーリーを先に進めてほしいと思いながら見ていた時間もあり、脚本の細部が弱い気がしました。

浄罪、もしくは余りに強欲な寄生木

浄罪、もしくは余りに強欲な寄生木

salty rock

遊空間がざびぃ(東京都)

2014/08/28 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★

変形舞台でよかった
脚本・演出共に、あまり演劇でやる意義を感じませんでした。
主に台詞を聞かせるつくりだったと思います。でも目は見るものを探してしまうので、変形舞台―役者が特に動かなくても、立ち位置を追うだけで視点が変わる―のは、ありがたかったです。

全体に強い言葉(あまりにも、とか、狂いそうな程、とか)が多いのですが、言葉に役者が足りていない感じが気になりました。
その中で、ヤドリギ役の山田佳奈さんの言葉には、中身が伴っているように感じ好感を持ちました。

BLUE

BLUE

劇団昴

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/08/06 (水) ~ 2014/08/10 (日)公演終了

満足度★★★★

主軸のふたり
正直に言うと、お話は好きじゃありませんでした。善を強調するため悪が必要とはいえ、ホームドラマで悪役が悪いだけの人間だったので、もやもやした気持ちになりました。冒頭の自殺も必然性に欠ける気がして、気持ちが引いてしまいました。
その気持ちをぐっと引きつけてくれたのが、主軸となるふたり、人形のブルーと、ひきこもりの男の子テッドです。
びっこをひきながらも全身で喜怒哀楽をぶつけるブルーの愛らしさ、心を閉ざしているはずなのに優しさが端々からこぼれ落ちるテッド。
この二人が(元々そういう役ですが)この舞台を支え、引っ張っていました。
とはいえ、さすがにプロの劇団だけあって、周りの人形たち、家族、泥棒、みな物語の必要な役割をきっちり演じられていました。
やっぱりプロはプロだなと再確認させられる舞台でした。

空騒ぎ

空騒ぎ

獣の仕業

千本桜ホール(東京都)

2014/07/19 (土) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★

今更ですみません
ひと月以上前に観たものの感想を今更書いていいのか迷いながらも。
役者さんの体力?根性?に脱帽しました。開場中から終演まではけることなく出ずっぱり(そもそも袖がない)!しかも、かなりの激しい動きが全編に付いています。
喜劇悲劇の違いは終り方だ、との主宰さんの言葉に納得。確かに、演じる上では「懸命に生きる」のは同じですよね。
独特の様式美で織りなす世界に圧倒されました。
ただ、強い美意識は裏を返せば単調になりがちでもあり、ずっと同じ空気感で進行していくため、少し飽きた時間があったのも事実です。
主演のおひとり小林さん、とってもいいのに「ら」行が弱いのが残念です。
それにしても、観劇後の満足感が高いお芝居でした。お疲れさまでした。

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