緑地-ryokuchiの観てきた!クチコミ一覧

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ガラ版世界の国からこんにちわ

ガラ版世界の国からこんにちわ

ガラ劇

シアター風姿花伝(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真田林佳さん出演。Bチームの木曜と土曜ソワレ。
真田さんは學天則の西村博士。よく考えたら男性ですが、それを忘れるくらいイメージぴったりでしたね。いつも期待される(?)面白ネタもしっかり入れて。

事前に少しヒントをいただいたのはありがたかったです。それでもなかなか難しかった。木曜に観劇、電子パンフレット買って台本読んで、土曜に観劇。
その後もまだ読んでます。台本の解説部分で初めて意図が分かるところも多いです。

主演は倉垣まどかさん。2015年「ハッピー・ウェディング」よく覚えています。なにしろ3回観劇したので、売り場におられたショートカットの方が仮面をつけて出演されているのには気づいてました。そして千秋楽カーテンコール。木村昴さんに呼ばれて初めて紹介されたその倉垣さん、遠慮がちに出てこられました。段取りと違ったのか、主演の河村さんがド真ん中でまごまごしてたのが目に焼きついてます。

ネタバレBOX

土曜ソワレの日替わりネタ「なんだ国会議員か」は大笑いするのを耐えました。
多くの言葉遊び。大谷のチケットはエチケット。イエスは肯定と殉教者。

なかなか理解は難しかったです。読み手に委ねているというよりは、明確に表現したいことがあり、言葉遊びのフィルターであえて遠回りしている、と感じました。
電子パンフレットでたくさん解説されてます。有料ですが、それとセットで楽しむのか良いですね。犬地雷、人間地雷の話は知らなかったです。

2025年の大阪万博から1970年1940年と遡っていく。1970年はクフと南のいるシーン?
倉垣さんの「人」のセリフ「私が一人称です」は、岩永さんの「僕」と自分を分けた?
「いたいけな少女があんなことするなんて」は放火を指す?ならば終盤の太陽の塔の火事は2025年?
サヨナラにはまた明日が枕言葉(西村) / サヨナラはまた明日の枕言葉(人)
→これは後者の方が正しそうですね。

万人向けとは思いませんが、自分はリピートしたくなる演目でした。引き続き電子パンフレット読みます。
WITCH LIGHT

WITCH LIGHT

ProjectAmythos

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。金曜ソワレと千秋楽を観劇。

持田さんは演出助手に初挑戦。初日の2週間前に驚きの発表が。降板になった大庭すみ花さんの代役として出演されると。
予定されていなかった役を短い準備期間で引き継ぐということになります。とても難しいこと、大きな負担だったことでしょう。ご本人のSNSからも伝わってきます。

観劇して。あたかも元からエミリア役だったかのようでした。フィジカルもメンタルも強い役。ご自身の強味を活用されて、役のイメージに見事にアジャストされていたように思います。

運営さんもすごいですね。パンフレットやグッズはちゃんと間に合いました。大庭さんとは身長がだいぶ違いますが衣装はぴったりで。主宰の長田さんの、完成度についての強いこだわりを感じました。

ネタバレBOX

王のセリフに「各国」という表現があります。「大国アヴァロン」の王だけれども、その中に複数の国がある、という構成のようです。一国の王であり、各国も統べる立場、と理解しました。
「独裁を疑われる」というセリフがあります。現状は独裁ではない、各国の主権が尊重されていることが示唆されています。
国を統べる側の苦悩が具体的に伝わりました。こういうのリアリティがあって好きです。

Project Amythosさんのダークな世界。たくさんの犠牲があって、生き残ったのは子ども3人だけでしたね。王の言うとおりであれば、未来は明るく無さそうです。

演者さんの名前は把握しつつ、各役は把握せずに臨みました。どの役がどの演者さんかな、と考えながら見るのも楽しいものです。今回はメイクでちょっと難しかった。

主演のひとり平松可奈子さんは「梅雨のむらさき」で主演された際、持田さんとは母子でしたね。印象はずいぶん違うというか180度違いました。

一本鎗希華さんはつい最近「ブラッドムーン・ドラッグ」でヒロインをされたのを拝見していました。今回、見終わってもどの役か分からず。光の魔女メルガだったのですね。分からなかったのは特殊なメガネのため、ということで。

ジャネットの藤川茜さんは声で分かりました。さすが声優さんです。
ジョーンの七海とろろさんは雰囲気で分かりました。さすが・・・です。

アグネスの山﨑悠稀さんは背の高さですぐに分かりました。「降臨SOUL」シリーズで拝見していたのですが、何役だったかな・・と。そう思って見ていたらだんだん角が見えてきて、思い出しました。井伊直政ですね。
2000年生まれとお若いのは正直意外でした。降臨SOULでもですが、存在感あります。
商店街グランドリオン2025

商店街グランドリオン2025

劇団バルスキッチン

あうるすぽっと(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

倉田瑠夏さん出演。木曜ソワレと土曜マチネ。

この演目は初演が2021年で、2024年に再演されました。今回で3回目ですね。2024年の池袋演劇祭で大賞をとった人気作です。
商店街とファンタジーという、かけ離れた存在が融合する壮大なコメディー。好きな演目なので面白さはよく知っています。
初演、再演の役者さんが別役で出演されることもあり、どんな変化があるのかも楽しみにして観劇に臨みました。

再演の2024年版と同じ役での出演は、ズドンさん、尾上恭平さん、ViViさん、紙野千鶴さんと笠原紳司さんの計5人。別の役では大内真佑花さん、緑川青真さんと井坂仁美さんの計3人。2021年の初演以来は2人で、浮谷泰史さんが同役で、倉田さんが別役で。計10人がこの演目の経験ありということに。全部で32人なので22人が新規ということになります。

初演は30人。再演で「渡辺」が追加。今回さらに「神官2」が追加で32人。この大人数が広い あうるすぽっと の舞台上を駆け巡るのは迫力満点でした。

ロビーも広い。駅からも近い。あうるすぽっと、ほんといい劇場です。去年の池袋演劇祭の大賞をとったことで、ここでの上演が実現したとのことです。おめでとうございます。

ネタバレBOX

今回主役の松本幸大さん。2022年シアターχ「レ・ミゼラブル」で拝見しておりました。今回はコメディということで、シリアスなジャンバルジャンとはまた違った松本さんが見られて、楽しかったです。

倉田さんは初演で魔法使いのマヨーネ。「こんなかっこいい役は初めて」とおっしゃってたことを思い出します。今回は一転、コミカルな大賢者のペペ役。初演で萩原成哉さん、再演で愛恵さんが演じました。今回の終演後のチェキ会で「愛恵さんより面白くするのは難しいでしょ?」と尋ねたら、真顔で「難しいよー」と。負けないくらい面白かったですよ。

雅美役の大内真佑花さん。二週間もしないうちに始まる次の舞台で、出演だけでなくプロデュースもされてます。多忙な毎日だと思うのですが、それを感じさせないご活躍でした。
再演での猛獣使いのエイルはよく覚えています。初演でガングロの朝子だったのですね、意外でした。振り返ると、自分にとって大内さんの初見はその朝子でしたね。

朝子の役、今回はりんごちゃん。さすがの存在感でした。日替わりのギャグだと思いますが、「ダルシム」と名乗ったのは爆笑でした。
演技中に、まともにビンタを食らってましたね。思い出しましたが、再演で演じた若松春奈さんもビンタを食らってました。大内さんはどうだったかな。

余談ですが、チェキ会で倉田さんに「2回来てくれるとは!」と驚かれました。そういえば、倉田さん出演舞台で2回行ったことはほとんど無かったですね。グループ在籍8人出演の「見よ、飛行機の高く飛べるを」を除けば、14年前の「Stranger than Paradise」以来かな。
『私立シバイベ女学園』灼熱の課外授業編

『私立シバイベ女学園』灼熱の課外授業編

SFIDA ENTERTAINMENT

劇場MOMO(東京都)

2025/08/26 (火) ~ 2025/08/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

玉川来夢さんが日替わりゲストとして出演。金曜ソワレのG組を観劇。

始まってほどなく、有紀羽優さんがステージ上にいることに気づきました。チラシにはいなかったはず。はて?
あとで知ったことですが、降板された方の代役でした。発表は初日の2週間ほど前。チラシには間に合わなかったようですが、パンフレットと台本にはちゃんと入ってました。
パンフレットには降板された方もそのまま載っていて、肩に「本日欠席」と。有紀さんは元の役名ではなく、新たな役名で。なかなか気が利いているというか、良い編集だと思いました。
6月の「今時な運命のシンデレラ」では声が出なくなるという不運があった有紀さん。今回しっかりお声が聞けて良かったです。

大西佐依さんと涼川夏音さんも同演目に出演されていました。校長役の大西さんはそのときのイメージどおり。グラビア役の涼川さんはだいぶイメージ変わりました。ちょっとハプニングがあったのですがそれはネタバレBOXに書いておきます。

モデル役の神戸智佳さんはバルスキッチンさんの「夢ぼくろファンタジア」で拝見してました。けっこうな面白キャラだったように記憶しています。今回は全員面白キャラなのですが、神戸さんはモデルなだけあって背が高く、目立ってました。

玉川さんは色気のある保健室の先生役。すっかり得意分野になりましたね。14の頃から知っている者としては正直まだ慣れないですが、いい役、いい演技だと思うのでこれからも注目していきたいです。

邑上優希子さん演じる担任の先生。英語がすごくきれいで驚きました。「この業界にもう1回は無い!」は刺さりました。

個人的には、芸人役の平田みやびさんがいちばんおもしろかったです。

ネタバレBOX

A組から学力がマシな順、ひと組8人なのでG組は49~56番目ということでした。なるほど。ということは逆班のS組は相当・・・想像をかきたてます。

終演後にはミニライブがありました。1曲目に8人の生徒たち、2曲目は3人の先生たち。3曲目は着替えた8人の生徒たちが再登場。急いで着替えたのでしょうか、涼川さんのショートパンツのチャックが開いてました。最後までそのままで、演者さんは誰も気づいていないようでした。

その状態で動いて踊ってるわけで、さすがに気になってしまいました。何かが見えたわけではないですが。
素晴ラシキ世界ノ片隅デ -Refrain-

素晴ラシキ世界ノ片隅デ -Refrain-

E-Stage Topia

ザ・ポケット(東京都)

2025/08/21 (木) ~ 2025/08/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

素晴ラシキ世界ノ片隅デ -Refrain-

この演目は2015年の初演以来10年ぶりの再演。自分も当時観劇しました。船岡咲さんがミライ役の主演。脚本はまつだ壱岱さん、演出はGENKI Produceの西秋元喜さん。

今回はE-Stage Topiaさんプロデュースで、脚本のほか演出も松多(まつだ)壱岱さん。パンフレットで松多さんは「大幅にリライト」と表現されています。

ミライ役は高井千帆さん。個人的には、降臨SOULの伊井田尚として拝見してました。そちらも松多さん脚本・演出ですね。カナコ役の長月明日香さんも降臨SOULのレギュラーで、高井さんとともに来年5月の出演が決まっています。

個人的にはE-Stageさんといえば詰将棋シリーズ。川本紗矢さんのウズメ、桜井あゆさんのコズエ。詰将棋シリーズで感じたイメージにぴったりでした。

素敵な舞台、という表現は適切かどうかはわかりませんが。心に響く舞台でした。

ネタバレBOX

太平洋戦争末期の日本を題材に、架空の世界として描かれています。「過去だと思う。未来かも知れない。未来の私たちかもしれない」。未来にも起こりえることです。

人々がとった行動は。80年と少し前、実際にもあったでしょう。今後も無いとは言えません。逃げるのは卑怯と言うのは簡単ですが。逃げて生きたおかげでその子孫が、今の世代が存在できているのかもしれません。

***

2015年版のDVDを持っているので違いを再確認しました。大きな違いは以下のとおり。

・国名が登場する。自国が「イズモ」、カールの出身国が「オオクニ」。
・ナガトの上司としてハクリュウが追加に。ハクリュウが「トツカノツルギ作戦」を推進しているという構図に。
・そのハクリュウのセリフで「特攻」という表現あり。
・コズエの回想としての、4人でピクニックのシーンが無しに。
・ウズメの大幅な変更。父がナガトに(正当防衛ではあるが)殺害された、恋人だったススムがナガトの実の子と知った、ナガトへの復讐としてススムを戦場に送り出そうとしている、これらの設定が全部無しに。
・その代わりにウズメの兄のエピソードが追加。兄がススムの補充要因として戦場に行って「トツカノツルギ作戦」つまり特攻で死んだ、ということに。
・特攻する前日のススムに対し、ナガトが飛行ルートを教えて助けようとすることが追加に。
・特殊警察のヤソガミは女性だったのが男性に。
・ナガト、ホウジョウがハクリュウ、ヤソガミと対決する殺陣シーンが追加になり、全員が死ぬことに。
・ススムが特攻のために飛び立ったことが明確に。飛行シーンも追加に。

あとは細かいですが、メモとして。

・ヤソガミとホウジョウがウズメに接触するシーンで、ホウジョウによる壁ドンなどの色仕掛けはなくなってシンプルに。
・ナガトたちによる喫茶店の捜索の理由としてカールにスパイ容疑、という話が追加に。
・ウズメの「アマノイワトに隠れた(中略)踊りで気を引いたりしない」というセリフが追加に。
・ススムをかばった者が罪に問われることなく見逃されたのはナガトの判断であることが明確に。
・コースケとススムが同日に一時帰宅してたところ、コースケだけに。ススムの一時帰宅は無しに。
・自国に新型爆弾が落とされた、と明確に。

***

ウズメの大幅変更のため、ナガトがユメコを置いて行った理由がよく分からなくなっていると感じました。もともとは「正当防衛とはいえ人を殺めてしまった」ということがありましたが、今回はそのエピソードがありませんので。
イリクラ 〜Iridescent Clouds〜 2025

イリクラ 〜Iridescent Clouds〜 2025

カガミ想馬プロデュース

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/08/15 (金) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。土曜マチネと火曜千秋楽を観劇。

ほぼ毎年上演されている演目。個人的には2021年版「イリクラ ~Iridescent Clouds~ 2020-2021」を見て以来の2本目。戦隊アルバイトが主役の戦隊もの、公式には「ヒーロー青春活劇ミュージカル」と書かれています。

2021年版でも出演されていた方は5人かな。サキだった持田さんはグリーンに。インプティン騎士だった有馬芳彦さんは緑谷に。演出のカガミ相馬=石部雄一さんはかわらず清田社長。あとダンサーズの平塚あみさんと小倉江梨花さん。小倉さんは演出助手でもあります。

ブルパリップ夫人と部下のインプティン騎士のコンビは、ブルパリップ”令嬢”と”上司”のヒーアヘッド騎士、というように変化していました。2024年からのようです。

ダンサーズのみなさんが6人から9人になって、ミュージカルとしての迫力が倍増してました。なお平塚さんは2021年から、小倉さんは2019年から参加されているようです。

ネタバレBOX

以下は私が解釈したストーリーです。

悪役側のチキンスキン伯爵は、皆既日食の闇に乗じて地球を支配しようとしている。そのパワーとして必要な、ノゾミとサキを探している。

数十年前、かつての戦隊フードマンは伯爵と戦い、ブルー(清田)の中に伯爵を封じ込めた。しかし年月を経て、清田の心につけこんで表に出てくるようになった。今はほぼ伯爵が出ている状態。

戦いよりあと、すなわち伯爵を封じ込めたあとに清田とピンク(桃花)の間に生まれた双子のノゾミとサキ。桃花は病でこの世にはいない。ふたりが伯爵に見つからないように戦隊の司令(コンノジン)がかくまっていた。結界が弱まったことで見つかってしまい、ノゾミは伯爵のしもべとして覚醒する。

ノゾミは恐ろしく強く、皆を蹴散らす。サキはノゾミを道連れにし、ふたりとも死ぬ。しかしふたりの力は伯爵のものになってしまう。

皆既日食が始まりいよいよ地球が伯爵に支配されようとするとき、かつての戦隊たちは戦いを挑む。伯爵=清田を道連れに、戦隊アルバイトのフードマン5人の必殺技を受けて消滅する。

残った皆は気づいたら何も覚えていない。コンノだけは覚えていることが示唆される。

***

2021年版との違いで主なところ。

ブルパリップとその相方(前述)。
ノゾミとサキの通名。卯月と葉月でしたが、ロンとセーナになっています。
警備員=司令の名前。「畠山」が「コンノジン」になってます。白が紺になったんですね。2024年版からのようです。
本編と無関係の「宇宙刑事バキュバン」。2021年版にはいません。2023年版にはいたようです。2024年版は分かりません。今回演じたのはダンサーズの過能光希さんでした。
水戸の色はブラックからパープルに。
伯爵がサキに「このできそこないが」というセリフ、2021年版にはありませんでした。
サキがノゾミを道連れにするシーンで歌が追加になっているようです。

***

持田さん今回はほぼしゃべらないという特殊な役だったので、戦隊の中で唯一、歌のソロが無かったです。声を出せない分、動きと表情に対して力を入れてることを感じました。
ワンシーンだけ長セリフがあります。それがレッドとブルーを仲直りさせる重要なポイントで、正確性が求められるところ。ファンとしてはどうしても心配になるので、毎回ハラハラし、見事にこなしてホッとする、でした。

永石匠さんは「If you don't know ai」で印象的な演技をされたのをよく覚えています。歌も上手ですね、ちょっとイメージ変わりました。

岩田裕耳さんは朗読劇で拝聴したことがありますが、さすがにいいお声をお持ちですね。

ブルパリップ令嬢役の羽藤萌結さんは初めて拝見しました。とくに上司にイラつく顔がいい感じではまってました。公式プロフィールによると1996年生まれとのこと。夫人というより令嬢ですね。

横川役の松木わかはさん。2021年の柴原麻里子さんの印象が強いからか、ちょっと年齢感と重量感が足りないかな、と思いました。脚本の柴原さん、やっぱり大きな存在ですね。

***

双子につけた名前は月にちなんだもののはずですが、どう解釈して良いか分かりませんでした。話の流れから、本名を指すはずです。ノゾミは月が入る漢字「望」だとして、サキはそれらしきものが無いのです。「朔」をサキと読ませるのは不自然ですし。
通名の「ロン」「セーナ」を指すと仮定すると。セーナはギリシャ神話であります。ロンは月関係では見当たりません。太陽ならアポロンがあるのですが。

サキがノゾミに抱きついてふたりとも死ぬシーン。サキが月でノゾミが太陽ならば、日食ですね。卯月と葉月 を ロンとセーナ にしたのは、そういう意図があるのかも知れません。

石部さんによると、いろいろ見直して2年後に再演するそうです。楽しみにしています。
大塚ショートストーリー

大塚ショートストーリー

萬劇場

萬劇場(東京都)

2025/07/17 (木) ~ 2025/07/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2回目は最終日の21日ソワレ。最初と最後を見たことになりますね。

(1) 演劇ユニットZANNEN座 「はなよははよ」
(2) どんぐり劇場 「かみの声」
(3) !ll nut up fam 「FruuÜuuit!」

初日とあわせて5作品を観劇しました。今回もテイストがバラバラ、お題に対するアプローチがさまざまで楽しかったです。

ネタバレBOX

(1) 演劇ユニットZANNEN座 「はなよははよ」
男性2人女性6人の8人構成。
主宰の方は「とある花屋のとある母娘の半世紀の記憶を辿る物語り」と表現されてます。素敵なお話でした。
シングルマザーになってしまった母との50年を、娘の視点で。娘の分身の語り部は男女4人が交互につとめるという。終盤「結婚式も、娘が生まれる時も、離婚したときも、ずっとそばについてくれた」。泣かせますねえ。
オイルショック時30才で今80才は年齢が2年ずれてると思ったのですが、2023年の再演なんですね。納得です。

(2) どんぐり劇場 「かみの声」
演者さん8人、みなさん澄んだ声で歌います。小学生かな、すがも児童合唱団の9人も何曲か参加してコーラスを。合わせて17人全員女性。
ミュージカルの中でもさらに歌に寄せたミュージカル、という印象でした。短編の中になんと11曲。
掛軸の表装という、あまり馴染みのないところを題材としたもの。保存としても芸術としても重要性があるのですね、勉強になります。
「スミ」には掛軸たちの声が聞こえてないとのこと。会話してたように見えましたが、実は聞こえるふりをして合わせてたということなのですね。気づきませんでした。
「フル」役の山﨑和香さんの歌声がとくにすごかったです。会場から拍手が湧きました。

(3) !ll nut up fam 「FruuÜuuit!」
初日に続いて2度目の拝見です。男性陣5人がイルナップファムさん、女性陣4人が姉妹団体のSuperb Sick Squadさん所属。さすがに息の合った掛け合いでした。他団体はいわゆるプロデュース公演が多いなか、この構成はむしろ珍しいのですね。
店頭に並ぶ桃を選ぶオーディション。8人の桃がそれぞれアピールするコメディ。それぞれが「選ばれなければならない理由がある!」と。
ピーチ姫はカラスに食べられた桃マリオのために。さくらももこは自分がなってた木トモゾウのために。桃太郎と桃三郎は芋虫に食べられた桃次郎のために。山口百恵はアピールの時間をもらえずひと節歌ってマイクを置きました。
思い返すとピーチ姫の太田彩佳さんは昨年の舞台「Spirit Seek Story」の「ブレイクザルール」でもお姫様のような役でした。舞踏会でフィーバーする淑女、だったかな。

複数の団体の短編集は楽しいです。1回で3度おいしい。来年もぜひ開催してほしいです。
大塚ショートストーリー

大塚ショートストーリー

萬劇場

萬劇場(東京都)

2025/07/17 (木) ~ 2025/07/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

めあては !ll nut up fam (イルナップファム)さん。初日の17日ソワレ。

萬劇場 夏の短編集。8団体が参加。1公演に3話、それぞれ異なる団体でひとつ30~40分。
2年ぶりの開催ですね。前回は近くの公園で祭りもありました。今年は猛暑のため公園はやめて劇場でのお祭りになったようです。

(1) こわっぱちゃん家 「HOTELタイムポート大塚」
(2) えのはぐべる 「やおよろずの銀の祈り」
(3) !ll nut up fam 「FruuÜuuit!」

各団体それぞれテイストがバラバラなのが楽しかったです。

ちなみに「えのはぐべる」さんは、「劇団えのぐ」さん「ハグハグ共和国」さん「Jungle Bell Theater」さんの複合団体とのことです。


ネタバレBOX

(1) こわっぱちゃん家 「HOTELタイムポート大塚」
建設計画中の大塚のホテル。地元企業が集まって、何かの「世界初」を考える。
舞台後方の夫婦だけがメインの話と関連ない様子で。それがなぜなのかは終盤に分かりました。未来から、亡くなった母親の若いころをリアルタイムで観察していたのですね。
現代でたどり着いたアイデアは、タイムマシンの離発着のための広いスペースを作って待つという「未来からのタイムトラベルの誘致」。なるほど!と思いました。その発想はなかったです。

(2) えのはぐべる 「やおよろずの銀の祈り」
カップルが神社で神頼みしていたら、神様たちが現れました。戦時中の恰好をした若者も。そして米軍の空襲がやってきました。
観劇したあと、不思議な気持ちになりました。神様たちの中にいた仲の良い男女は「天祖神社の夫婦イチョウ」なのですね。空襲を生き抜いて、樹齢600年とか。
大塚駅の近くにあるので、実際に行ってみました。老いてもなお力強く太い幹と枝を見て、また不思議な気持ちになりました。

(3) !ll nut up fam 「FruuÜuuit!」
ピーチ姫、桃鉄、松坂桃李、山口百恵、さくらももこ、MOMO、桃太郎、桃三郎。
田中沙季さんの芋虫が進んでいくさまがすごく面白かったです。昨年の舞台「Spirit Seek Story」で拝見した面白さそのものでした。沼舘ミオさんの切れのある動き、松岡里奈さんの歌声、太田彩佳さんは何かいろいろ、良かったです。
男性陣はほとんど初めて演技を拝見しました。「ドウトク」のイメージが強かったからか、想像以上のおふざけに驚きました。いい意味で。

21日にも行きました。それはまた別の記事で。
七夕スターダスト

七夕スターダスト

劇団バルスキッチン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/07/09 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

バルスキッチンさんの公演は再演が多いのですが今回は新作。個人的にも再演の観劇が多かったので、新作は久しぶりでした。

ズドンさんの前説はいつも楽しいです。ほぼ毎回おっしゃっていることがあります。劇団は一貫してコメディを作っている、伏線がどうとかややこしいことはない、おふざけが多い、と。

これまでの前説では「真面目に見ないでください」という定番のくだりがあったと思いますが、私の見た回ではありませんでした。初日はそれどころか、涙を誘うシーンがあることを示唆されてました。珍しいなと思ったものです。

※バルスキッチンさんはこりっちにエントリが無いことが多いですが、今回はあってうれしいです。感想書けます。今後もぜひ。

ネタバレBOX

活気が無く人口減少中の「七月市」という自治体。主人公は若き新人市議。市に伝わる「七月物語」の世界から彦星と織姫と仲間たちが現れる。織姫は主人公の亡くなった妻にそっくり。

市は隣の市から合併を持ちかけられている。市の力関係から事実上の吸収合併。主人公はそれに反対し、織姫や市民たちと共に、市独自に活気を取り戻そうとする。

絵に描いたような一本道で、すごく分かりやすかったです。バルスキッチンさんはそれが魅力のひとつだと思ってます。

老人役の五十嵐かいと さんたち3人が突然若返って歌いだすところはびっくりしました。チラシでも老人だったので珍しいと思っていたところ。一本取られました。

主人公の市議を演じるのは中島拓人さん。バルスキッチンさんではこの1年で5回の主演。エースですね。クライマックスでの力強い演説はすごく魅力的でした。

今回「真面目に見ないでください」と前説で言われなかった理由は分かりました。いつもより真面目なのです。現実世界の問題に対するメッセージが込められているのかも知れませんね。そこは受け取り方次第かな。
ENGRAVE DREAMS

ENGRAVE DREAMS

ENG

六行会ホール(東京都)

2025/07/02 (水) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。
初日と千秋楽を観劇。

小説家のいる現実世界と、小説の中の世界。
持田さんは現実世界ではクールな姉、小説世界ではクールで強い使用人。物理的な強さです。ご自身も仰ってるように元々クールと強さは得意分野ですよね。最近では2月の「魔法少女育成計画F2P」で、錫杖を使う無敵の強さでした。
今回は初めて扱う武器だったと思います。オリジナリティもあってお見事でした。武器を持っていない左手の位置にこだわりを感じました。

ネタバレBOX

異世界ファンタジー。主人公の特殊能力。「中2!」。

異世界転生ものはいくつか読んでます。「転生」は本来は「死んで生まれ変わる」こと。ただし赤ん坊から始めては話が作れないのでしょう、ある程度の年齢から始まったりします。序盤でさらっと「交通事故をきっかけに異世界に転生」と言ってますが、そういうことなんですよね。元の世界では死んでしまっているので、「戻る」ということは出てこないです。

モズの人がクルリとメルリを「古い友人」と言っていました。持田さんや中野さんのSNSによると、もともとモズの一員だったそうです。なるほど、話がつながりました。

S4とE2は小説にはいない、別の層の存在と解釈しました。642回繰り返したのは想像主の意識か無意識か。ゴミ箱が溢れるほどの書き直しがそれなのでしょうか。想像をかきたてます。

持田さん演じる千雛の「私が世界で最初の読者」。気のないふりして気にかけてたのですね。そうなると拓海は遅くとも高校時代から「双国のフロンティア」を書いていたことになります。ライフワークですね。

現実世界の役名は、演者さんの芸名に寄せてます。「千雛」は千妃来から。「芹崎」の芹澤良さん、など。8年前の「リトルマンメイト」を思い出しました。芹澤さんはセリーヌ、梅田悠(はるか)さんはハールでした。そうそう、中野裕理さん演出でしたね。

スイの人格が変わる件は、よく分かりませんでした。話の筋には影響なかったと思います。台本を読むと分かりやすいんですけどね。

台本といえば応援グッズのブックカバー。いい試みですね。到着を楽しみにしています。

感想はたくさんあって書ききれないくらいです。壮大なお話でした。
六道追分(ろくどうおいわけ)~第六期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第六期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

倉田瑠夏さんさん出演。
28日(土)マチネの龍チームを観劇。

同じ演目で期ごとに演者さんを変えるロングラン公演。5月頭の時点で第1期、第2期と上演していることは知っていました。倉田さんの出演が発表されたとき、第6期まであるとはすごいなあと思ったところ、なんと第8期まであるとか。すごいですね。

パンフレットの巻末に、他の演目との相関図が。「旅シリーズ」として6演目が関係あるようです。正月に観劇した「冥途遊山」とも少しだけ関係があるようですね。自分は聞き逃したようですが台本によると、序盤のセリフに冥途遊山の登場人物の名前が出ていたようです。

三吉 役は剣チームの寺田遥平さんでした。龍チームの笹尾ヒロトさんがもともとこの日に仕事が入っていたことによる、予定通りのシフトだったようです。貴重な回になりましたね。

ネタバレBOX

アフタートークで、清吉役の小谷嘉一さんがご自身の年齢を43とご発言。とても若く見えるので、知らなかった人は驚いたのでは。
個人的には6年前、舞台「比翼の人」で違和感なく27歳を演じた小谷さんを拝見し。そのとき実年齢を知ってびっくりしたことを思い出します。

倉田さんは花魁の お菊。芯の強さと凄みを合わせ持つような。倉田さんの実力がいかんなく発揮されていたと思います。
最後のシーン。お菊と清吉が楽しそうに歩いているところに粂次郎が合流。これぞ冥途遊山ですね、素敵な終わり方でした。

アフタートークによると、倉田さんが ざ☆くりもん に出演されるのは ざ☆よろきん 時代の2014年「高松心中」で猫を演じて以来とか。自分は観劇しておらず、見ておけば良かったなあと思った次第です。
ちなみにアリー・エンタテイメントさんの舞台としては、同年10月の「Pirates of the Desert 2 〜アカツキ国の牢獄〜」に出演されてます。それは観劇してました。クールな感じの役だったかな、記憶がおぼろげですが。
たしかDVD売ってたんですよね。もう手に入らないかなあ、探してみます。
今時な運命のシンデレラ

今時な運命のシンデレラ

SFIDA ENTERTAINMENT

劇場MOMO(東京都)

2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

玉川来夢さんがゲスト扱いで出演。
Mチームに続き、20日ソワレのCチームについて。

19日の夜に「お詫びとご案内」というメールをいただきました。二ノ宮一馬さんが急性虫垂炎で降板になり、玉川ちゃんが急遽20日に出演されるという知らせ。ソワレなら行ける、それがたまたま逆班のCチーム、ということで当日券。ゲットしたのは後方ながらも中央の通路側。

MOMOは大好きな劇場です。オープニングのキャスト紹介が手持ちのフリップ、それが良く見えること。後ろでも6列目ですからね、フリップで十分なのです。

ネタバレBOX

序盤で 白坂恋 役の、色摩菫(しかますみれ)さんが登場。あれ、色摩さんはMチームで出てました。見るチームを間違えたかな?と不安になりましたが、青井花 役はCチームの森川さんが出てきて、安心しました。しかしなぜ色摩さんが?

進むうちに分かりました。本来の白坂恋 役の有紀羽優(ゆうきうゆ)さん、声が出なくなっちゃったんですね。多くのシーンを色摩さんがこなして、有紀さんは「白坂恋の妹のレン」として一緒に出て、動きと表情でがんばってらっしゃいました。終盤、奏一が妄想世界に入ったときには、色摩さんではなく有紀さんが。大丈夫かな?とはらはらしました。必死の動きとともにセリフを絞り出す姿は、声はほとんど聞きとれませんでしたが、心に響きました。あとから召喚された未来坂結 役の玉川ちゃんが「妹を呼んじゃったの?失敗したね」と笑いに変えてくれました。

Mチームと違う点があるのですが、それがまるでパラレルワールドのようで不思議な感じがしました。主人公の小春の「推し活」の成り立ちが違うのです。Mチームでは中学生のときに先生に連れられて、自分は興味がなかったアイドルグループのコンサート会場に行き、そこからハマった。Cチームではそもそも自分が熱心なファンで、彼氏をそこに連れて行った。
チームごとにシナリオが異なることはあるのですが、過去が異なるというのは珍しいと思いました。

エンディング。通路側の特権として玉川ちゃんから花びら入り紙コップを受け取って、後方から入場する石川さんに花シャワーをさせていただきました。楽しかったです。

終演後にライブがありました。二ノ宮さんは等身大のフリップで。その後ほどなく快復されたとのこと、よかったです。
今時な運命のシンデレラ

今時な運命のシンデレラ

SFIDA ENTERTAINMENT

劇場MOMO(東京都)

2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

玉川来夢さんがゲスト扱いで出演。
M(マッチング)、C(カップリング)の両チーム観劇。まずは17日ソワレのMチームについて。

ゲスト扱いが3人で、公演日によって交代。玉川ちゃんは17、19日。自分は17日しか行けないので必然的にMチームに。

いわゆる日替わりゲストと思って観劇に臨んだところ、冒頭いきなり登場。あれま、もしかして出番はここだけ?ところがどっこい、出番はたくさんありました。事実上のトリプルキャストですね。しかもかなり重要な役で。うれしい誤算でしたね。

九条麗華役の荒木双葉さん。写真ではそうでもないのですが、演技中は後藤郁さんにすごく似ていて驚きました。

ネタバレBOX

その麗華がサッカー選手である彼氏にプロポーズされる寸劇。「ざいおーん」は人名だったのですね。自分はサッカーに明るくないのでよく分からなかったですが、それでも面白かったです。

主演の石川花音さんは唯一のシングルキャスト。飾らない「くしゃくしゃの笑顔」を含め、表情のバリエーションが豊富なところに感心しました。意図的にされているのだと思いますが、ここまでなのはなかなか見ないです。その素敵な笑顔はパンフレットでも見られます。

玉川ちゃんはチラシによると「未来 幸」役ですがVチューバー名は「未来坂 結」ということですね。この理解にちょっと時間がかかりました。劇中でなぜユイと呼ばれてるんだろう?と思ったり。

バイクにまたがってプロポーズまでの寸劇、さすがでしたね。アイドリング!!!魂を感じます。

エンディング前、中央通路側席の人たちは花びらの入ったコップを受け取り。入場する石川さんに花のシャワーを。いい演出、通路の人いいなあ、と思ったり。

シングルキャストは主演の石川さん1名のみで、9人がダブルキャスト。とても面白かったので、逆班も見たいと思いました。しかしCチームで玉川さん出演は19日マチネのみ。行けない日程なのであきらめてました。ところが20日に急遽同じ役で出演されることに。ソワレなら行けるぞ、と。それがたまたまCチーム。

というわけでCチームも別途書きます。違いがいろいろありました。
ドウトク

ドウトク

!ll nut up fam

studio ZAP!(東京都)

2025/06/12 (木) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真田林佳さん出演。
餓(うえ)チームを観劇。3チーム制。

何度も再演されている人気演目。エンタメ要素はなく、メッセージ性の強い演目です。

2月に公開されたキャスト募集には以下の条件が書かれていました。

死刑囚52:主人公(男性30代〜)
死刑囚313:暴力的な殺人鬼(男性20代〜)
死刑囚489:純粋な殺人鬼(性別問わず20代〜)
死刑囚23:猟奇的な殺人鬼(性別問わず20代〜)
死刑囚159:芸術的な殺人鬼(性別問わず20代〜)
死刑囚043:望まない殺人鬼(性別問わず30代〜)

真田さんは前回と同じく489役。普通の演目であれば「不思議ちゃん」に分類されるかも知れません。この演目では「純粋」という表現で納得です。

ネタバレBOX

オープニングが前回とだいぶ違いましたね。6人順番に呼称=番号の紹介があったのは良かったです。前回は無かったと記憶しています。

そのあとの展開は前回とほぼ同じ。
演者さんの個性が、とくに52と313に表われるような気がします。前回は朧チームを見ましたが、見るからに313の方が体格で勝っているので、52が疲れた状態でそのまま挑むのが不自然にも見えたのです。
今回の餓チーム52の大力さんは大柄で、313の麻生金三さんと良い勝負になりそうでした。見た目の勝ちそう・負けそう はけっこう大事な要素な気がします。

最後に489は52に自分を刺させるのですが、前回は52が戸惑いながらも自分の意志として刺したと記憶しています。今回は489が52の腕をつかんで自分の方に強く引き寄せて刺されました。比較すると52の意志が薄いと感じました。台本では表現されない範囲です。前回と変えたのかチームで差があるのかは分かりません。

489は真田さんしか見てないのですが、演者さんによって印象が大きく違うのは想像できます。メッセージがあるとすれば、そのキーになる役割と思います。52は後悔するのでしょうか、それとも?

159の百餅さんの、目をギョロギョロさせた演技が印象的でした。劇中で気になってしばらく観察していたところ、まばたきしない時間がすごく長いんですね。心配してしまいました。

この演目は全員ほぼ出ずっぱりなので、ずっと演技をしていることになります。上演時間は80分くらいかな、自分のような素人には想像もできない長時間。いまさらながら、舞台役者さんはすごいです。いつも敬意をもって拝見しています。
学園戦士薔薇戦士II

学園戦士薔薇戦士II

フリーハンド / オフィスケイ

新宿村LIVE(東京都)

2025/04/16 (水) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

倉田瑠夏さん出演。

新宿村LIVEはどこでも見やすくて好きな劇場です。ただし注意点が。椅子の足に引っかかって転びかける人が続出しています。形状の問題もあるのですが、色のせいもあるかも知れません。暗い劇場では見づらいのです。

さて今回の舞台。シリーズもので、前作は副題「痴漢退治はお任せあれ」。痴漢の冤罪が主題でした。今作は副題に「ホストの毒牙からJKをお守りします」と。社会的なメッセージがこめられていると思いますが、それはそれとして、前作同様楽しい舞台でした。

小鮒幸子さん。前作より前に2022年の「ザ・ファイナル・セカンド」でも拝見してました。シーンは別でしたが倉田さんと共演でしたね。いわゆる特攻ものの現代シーンで、いい味を出されていました。もちろん今回も。

吉田来深さんは前作のちょっと前に「貧乏神シャバダバ」で。弁護士を名乗っているが実は・・という役で。お話も良かったし、吉田さんもはまってて素晴らしかったです。

福原英樹さんは前作のあと、「商店街グランドリオン」で拝見してました。来る7月に同じバルスキッチンさん「七夕スターダスト」にもお名前がありますね。楽しみにしています。

※こりっちのタイトルが「学園戦士」となってますが正しくは「学園探偵」です。

ネタバレBOX

行方不明の相原優子は、実はホストの上條聖也のところに自主的に行っていた。
大柿誠さん演じる聖也。自分では根っからのワルと言ってますが実はそうでもなかった、というのが気に入りました。救われる話だと思います。
降臨SOUL ~是非ニ及バズ~

降臨SOUL ~是非ニ及バズ~

降臨SOUL製作委員会

六行会ホール(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

倉田瑠夏さん出演。
ご結婚されてからもペースを落とさず舞台出演を続けてくださって、ありがたいです。風憐火斬のときに書きましたが、アイドリング!!! OGで結婚後も舞台を続けられているのは倉田さんだけなのです。

「戦国降臨GIRL」の最初は2012年だったでしょうか。その世界観を引き継いだ人気シリーズ「降臨SOUL」も3作目。
このシリーズ第1作のプレスリリースによれば「舞台ヨルハの初演をプロデュースしたチームが再び集結」とのこと。そりゃあ凄いものが出来るわけです。
「ヨルハ」は舞台の後、ゲームも話題になり、アニメ化もされてます。メディアミックスというのですかね。降臨SOULもスマホ版のカードバトルゲームを展開するとのこと。ヨルハのように成功するといいですね。

ネタバレBOX

前回のエンディングで示唆されたとおり、徳川家康と真田幸村が新登場。

自分にとっての幸村のイメージは戦国BASARAの松村龍之介さん。不思議と、それに近いものを感じました。衣装が赤いことだけではなく。

家康はびっくりでした。想像もしなかった設定と戦い方、気に入りました。歌の力で太平の世を築くわけですね。そう言えば戦国BASARAの家康も武器を持たずに絆の力でパンチするという、なかなかのものでした。ありですね。

本多忠勝の高見彩己子さん。アクションが得意な方という印象で、最初に拝見したのは2017年「SOUL FLOWER」「雷ケ丘に雪が降る」で、その後「メイカ」「イリクラ」など、アンサンブルで何度か拝見してました。前回もそうですが、カッコいいですね。これまでの経験が花開いたと、勝手ながら思いました。

倉田さんの汐崎弥生と、根岸愛さんのアシカガ=響子の関係。次回作での展開にも期待します。
ジョダンダンジョ

ジョダンダンジョ

WaVe’S

ブディストホール(東京都)

2025/04/17 (木) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

関谷真由さん出演。
今は男装ユニットの風男塾で活躍されてますが、それを知られた上でのオファーではなかったそうです。結果、ぴったりでしたね。アイドリング!!!32号だったころはその片鱗も無かったです。風男塾に入って新たなキャラクターを生み出したと、こちら側としては思ってます。ご本人はがどう思ってらっしゃるかは分からないですが。

五十嵐啓輔さん、いつの間にか父親役がハマるくらいになったんですね。2016〜2018年に鬼斬など数本で拝見し、それ以来久しぶりでした。感慨深いです。

ネタバレBOX

主人公夫婦である一平&明美の若いころのシーン。途中まで誰なのか分からないところが良いですね。そしてそれが分かる瞬間。お見事でした。コメディな馴れ初めも味があって良かったです。

マンホール膝コンによる切り替わり。離婚が成立したら発生しなくなる、ということなのですね。気づくのに時間がかかりましたが、なるほどと思いました。よく考えればおかしな話ですが、自然と受け入れられました。
誰かの為の、其れまでと、此れから

誰かの為の、其れまでと、此れから

EXE.ROCK Entertainment

ザ・ポケット(東京都)

2025/05/14 (水) ~ 2025/05/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

後藤郁さん出演。日曜の大千秋楽を観劇。

去年は意外にも(?)ぱすてるからっと さん2本。K-farceさんのコメディ舞台もあって計3本。ファン目線で、充実した年だったと思ってます。

今年は初めての舞台出演。今回の EXE.ROCK Entertainment さんは初めてですね。どんどん出て欲しいです。

さてこの舞台。カーテンコールで演者さんたちは「重い話」とおっしゃってました。表現が適切かは分かりませんが、チャレンジングな内容だと感じました。

よく考えられてるし、良いお話だったと思います。客席ではすすり泣きも聞こえました。終わり方がかっこよかったですね、その手があったかという感じです。

自分は日曜の千秋楽を観ましたが、土曜の公演は心療所主宰の姉妹は出てないそうですね。どうやったんだろうと気になります。ブルーレイ化が決まったとのこと。両方のパターンが入ってるならぜひ買いたいです。

ネタバレBOX

宮永薫さんはぱすてるからっとさんの「悪役令嬢イミテーション」で後藤ちゃんと共演されてましたね。他でも数本拝見してます。今回の見せ場、簡単ではないと思いましたが、とても良かったです。

後藤ちゃんは「ザ・後藤郁」で安定感抜群でした。夫と子供がいる役は、浦安鉄筋家族のオカンを除けば初めてかな。今年達する年齢が節目であることは数年前にご自身が予告されてます。新しい役どころにも期待します。

シェークスピアも良かったですが。劇中で言及された映画、グレイティストショーマン、ショーシャンクの空に、ローマの休日。いいですねえ。絶妙なところを選んだと思います。

細かくてすみませんが記録も兼ねて気になった所を書きます。

犬飼のセリフ「お耳にしたいことが」は変ですね。相手に伝えたいのだから「お耳に入れたいことが」です。

人を数える時が「1名、2名」で死んだ時に残るのは「名前」というくだり。唐突で、話の流れに合わないと思いました。

悪い人だけ特定の方言にする、というのはやめたほうが良いと思います。その方言の人に失礼になりかねません。
音楽劇 『PHANTOM of the SHOGIKAIKAN』

音楽劇 『PHANTOM of the SHOGIKAIKAN』

E-Stage Topia

上野ストアハウス(東京都)

2025/04/23 (水) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

真田林佳さん出演。
25日のマチネと27日の大千秋楽を観劇。

E-Stageさんの詰将棋シリーズ。一昨年の「煙詰」、昨年の「ヴァンパイア」に続く第3弾は、なんとミュージカル。すごかったです。数日経った今も音楽と歌が頭の中でリフレインしてます。

傾斜の盤上に駒が置かれている、不安定な足場。演者さんはその上で激しく動き回り、踊ります。駒はズレたり別のマスに蹴とばされたり。「駒の化身」の皆さんがタイミングを見計らって直すところも、このシリーズの見どころだったりします。

怪人の要求が書かれた手紙。地下水路と船。仮面。落ちるシャンデリア。あらゆるシーンが映画「オペラ座の怪人」を思い起こさせ、楽しかったです。アマプラで映画を予習しておいたことで、より深く楽しめました。

3作連続で参加となった真田さん。存分にご自分のキャラクター、特長を発揮されてました。どんな役でも役以上の存在感があります。年齢不詳のマダム・ケイは原作のマダム・ジリーでしょうか。

駒の化身の皆さんがどんな役割をするのかも、楽しみのひとつです。今回は政田圭敬さんの「銀沙」など、かっこいい名前がつきましたね。将棋会館の対局室の名前なのですね。

ネタバレBOX

冒頭で、と金が「会長」という偉い人なことにまず驚きました。なにしろ前作「ヴァンパイア」では出番が1回しかない「と金の精」でしたから。自分はあえて棋譜を知らずに観劇したので と金がたくさん登場することを知らず、そこから驚くことができました。

オープニングパフォーマンス。玉将の力強い歌声。駒を裏返して血のような赤を表現。最後、次々に駒を盤上に打ち付けるところなど鳥肌が立ちました。撮影した動画を何度も見てます。

金将の「ぶっころニフ!」は最高でした。カルロッタのように声に細工をされたわけですね。

怪人の王将はクリスティーヌの角行に強く執着。角行は怪人に舟で連れていかれ、意識を失う。追いかける幼馴染の飛車はラウルですね。

舟のシーンは映画さながら。どうやって進んでるかと思ったら化身の戸嶋陽さんが押してました。なるほど船長と呼ばれるわけですね。
舟の進路に置いてある持ち駒を政田さんが退避させて、あとから戻すところ。目の前で見れて楽しかったです。
ブレーメンの音楽隊~ビカムアイドル~

ブレーメンの音楽隊~ビカムアイドル~

フェアリーテイルシアター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2025/03/29 (土) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

持田千妃来さん出演。29日ソワレのAチーム、30日ソワレのBチームを観劇。

29日のマチソワがAチーム、30日のマチソワがBチーム。持田さんはBチームなので30日だけの予定だったのですが、急遽Aチームにも代役で出ることになりました。発表されたのは当日お昼ごろだったかな。めずらしい機会ですし、ちょうど渋谷に用事があって会場の参宮橋までバス一本で行けることを知り、29日のソワレも観劇しました。

どちらのチームもですが、表情豊かで動きもあって飽きさせませんでした。朗読劇はともすると本に目を落としたままになってしまいがちですが、そんな心配はなかったです。

ネタバレBOX

持田さんの役はロバ娘ルシア。事前にはそれが主役とは知らなかったです。3匹組アイドル、朗読劇の位置どりは向かって右ですが、センターですね。

語り部のAチームベルべるさん、Bチーム岩田裕耳さん。ぜんぜん違う感じなのが面白かったし、楽しめました。鶏娘ヒルダ役の宇野心晴さんと桃崎あやかさんもですね。違いを楽しめること、両チーム観劇の醍醐味でもあります。

オレンジ担当、青担当、緑担当の3人組というのが斬新に感じました。赤もピンクもいないとは。あとから犬娘エルザが赤担当で加入しましたね。

ルシアは灰になった魔法使いの生まれ変わりということでしょうか。
テストメントとエリザベスの関係は、師弟ですかね。2回拝聴しましたが把握しきれませんでした。

なお、童話の「ブレーメンの音楽隊」とかほぼ関係ありませんでした。

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