latticeの観てきた!クチコミ一覧

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ホテル・ミラクル6

ホテル・ミラクル6

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/07/05 (木) ~ 2018/07/10 (火)公演終了

満足度★★★

byassist さんが配役表紛失ということで得意技が出せずに残念そうなので代わりに書いておきます。
一言書こうと思うと舞台を反芻しなければならないので良いトレーニングになりますね。しかし自分の記憶力の減退にはあきれるばかり。男性俳優さんの記憶がないのは年齢のせいではないみたいですが(笑)。

ネタバレBOX

『ビッチの品格』の女優さんは画像検索で調べましたが、電車に乗っているうちに記憶が薄れてしまったので外れがあればご指摘ください。

『ホンバンの前に』脚本:池田智也(feblabo)
男:ニュームラマツ(劇団鋼鉄村松)
女:上岡実来(しあわせ学級崩壊)
天使:永橋州
悪魔:荒井ミサ(ヱウレーカ)
ゾンビ:おしうみあゆみ

『ビッチの品格』脚本:岩井美菜子(劇団人間嫌い)
マリ(彼とは友達以上恋人未満なJD):荒井ミサ(ヱウレーカ)
ひなこ(彼氏と1か月セックスレスのJD):吉原桃香
アヤ(無頓着にしゃべりすぎのJD):おしうみあゆみ
ふうか(一番冷静なJD):まりな。(劇団くるめるシアター)
はる(インターンシップ活動中のJD):中尾美友

『ホテル・リトル・ミラクル』脚本:小西耕一(Straw&Berry)
小川(ラブホのベテランスタッフ):永橋洲
桃子(新人スタッフ、最後に霊が降りてくる):田邉美保
2か月前にこのホテルで自殺した38才だがおばさんではないと言い張る女:窪寺奈々瀬

『かっこ悪いオトコ(悪)』脚本:島田慎吾(あんかけフラミンゴ)
松戸:秋元潤
純平:那須康史
アヤ:中村つぐみ
カズ:武島龍児
池田(小劇場ゾンビの親玉):池田智也(feblabo)
その他大勢

『最後の奇蹟』脚本:フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)
男:ニュームラマツ(劇団鋼鉄村松)
実はコスプレ女かもしれないJK:上岡実来(しあわせ学級崩壊)
トリプレット イン スパイラル

トリプレット イン スパイラル

SAYATEI

スパイラルホール(東京都)

2018/07/07 (土) ~ 2018/07/08 (日)公演終了

満足度★★★

「レニングラード・ホテル」に引き続き、首藤康之さんが出演するパフォーマンスです。セリフがなくダンス中心であること以外は全体の構成も踊りの種類もまるで違っています。

共演に近藤良平さんというと「かがみのかなたはたなかのなかに」を思い出しますが、3人目は松たか子さんではなくバレエの中村恩恵さんです。そのため踊りが本格的になっていて「かがみの…」のような分かりやすさはありません。他に3人の若手ダンサーの方々が出演します。

題名の「トリプレット」は3つが組になっていることですが、ベテラン3人、若手3人がグループになっていることと3拍子の踊りがあるくらいしか私には分かりませんでした。「イン スパイラル」は単に会場が「スパイラルホール」だということでしょう。踊りに何か螺旋をイメージするものは見出せませんでした。ちなみにホールのある「スパイラル」ビルは階段が螺旋状になっています。

こういうパフォーマンスは私のセンサーが育っていなくて面白さを十分に受け止めることができないのが残念です。まあそのうちハッと気づく時が来るでしょう。なので今の満足度は星3つに留まります。

この公演では途中に拍手をするタイミングはありません。

LENINGRAD HOTEL レニングラード・ホテル

LENINGRAD HOTEL レニングラード・ホテル

SAYATEI

スパイラルホール(東京都)

2018/07/05 (木) ~ 2018/07/06 (金)公演終了

満足度★★★★

首藤康之さん+パフォーマンスユニットCAVA(サバ)の5人+他お二人によるダンス+マイムです。
洗練されたダンスとマイムが郷愁を誘う音楽に乗って美しくそしてコミカルに展開されます。

当日パンフレットによると表題の付いた15のパートに分かれています。そのいくつかを引用すると
1.セルゲイの帰還
2.美しい記憶
3.穏やかな日々

14.奪われたレニングラード・ホテル
15.セルゲイ復讐の行方
となっています。例えば「4.V.I.P.は突然に」はアラブの大富豪がホテルにやってきて気前よくチップを渡し、それを巡って支配人のセルゲイ(首藤)とボーイ達がドタバタを繰り広げるという内容です。とはいえ始まってしまうと表題しか書いていないパンフレットも暗くて読めないし、そんな余裕もないしで私には半分も理解できませんでしたが音楽を聴き動きを追っているだけで十分楽しめました。

昨年の再演ですがまだ観客がこの形式に慣れてなくて誰も拍手のタイミングが分かっていません。とりあえず6日の公演に行く人は最初のダンスの後の音楽ストップ、そしてポーズで思い切って拍手を入れてください。あとは難しいところもありますが何とか成り行きで…

言葉がないので目を伏せて休むことができませんが70分と短いので集中力を保ちましょう。

硝子の獣

硝子の獣

雀組ホエールズ

「劇」小劇場(東京都)

2018/06/27 (水) ~ 2018/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

役者さんの演技は素晴らしく、観ているときは引き込まれていたのですが、後から考えてみると無理な点が沢山あってちょっと冷めてしまいました。それに友崎は傷害致死で少年刑務所に5年入っていたので成人の場合とそれほど違いはなく、何を問題にしているかが分からなくなりました。

戦国アイドルタイム

戦国アイドルタイム

企画演劇集団ボクラ団義

浅草九劇(東京都)

2018/06/27 (水) ~ 2018/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★

全体に「手慣れた感」とか「こなれた感」といったものが溢れています。手を抜いたのではなく余裕でできてしまったという感じでしょうか。芝居も踊りも70点というところで十分楽しめます。内容的には時代劇の形を借りたマイルドな反〇劇ですが、それもまた70点の題材でしょう。

なんだか先週観た「人を殺して生きている」のピリピリ感が懐かしくなりました。あちらは旗揚げ公演でこちらは10周年という違いでしょうか。もしかするとタイトルに合わせて狙ってホンワカ感を出しているのかもしれませんが、まだまだ若い方々なのでどこか尖がったところが欲しいと思いました。

人を殺して 生きている

人を殺して 生きている

オザワミツグ演劇

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/06/27 (水) ~ 2018/07/03 (火)公演終了

満足度★★★

[Bキャスト]の初日を観劇

私のような純真無垢な老人は観ていて精神を病みそうになった。こういう世界とは(表面上は)無縁で生きてこられたことに感謝したい気分だ。主宰は「観客の今後の人生に影響を与える事の出来る作品」を作りたいのだそうだが、私の観劇中の2時間10分と観劇後の数時間を暗鬱な気分にさせることには成功している。

内容は雨模様さんのネタバレBOXを読んでいないと分かりにくい。高校時代があってその9年後に事件が起こり、その原因を9年前に戻って記述するという構造になっている。私は初見の若い人の顔が覚えられないのでいろいろ混乱した。絶叫および絶叫調のセリフが多いのは安易だし飽きてくる。

瑞生(みずき)桜子さんが高橋弥生さんに代わっていた。ホームページもチラシも何の断りもなく最初からそうだったように高橋さんになっている。しかしCorichでは瑞生さんのままだ。また瑞生さんのTwitterは1か月以上更新が止まっている。私のような想像力豊かな老人は変な憶測をしてしまうよ。
(7/30追記)瑞生さんの twitter は 7/25 に静かに再開された。一安心。

最近よく使われる「花まる学習会王子小劇場」だが、JRで来る人は必ず北口から出ること。降りたところから近いといって南口から出たりすると地獄だ(体験談)。

ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ

ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/06/23 (土) ~ 2018/07/16 (月)公演終了

満足度★★★

疑惑の渦中にある首相の会見が数時間後に迫っている。ここは国会記者会館の屋上、国会前のデモ撮影の一等地である。安田成美さん演じるインターネットTV局代表(兼記者兼カメラマン)が屋上の使用を断られるが何とか潜入に成功したところに大新聞社所属の記者が現れる…。

政治や報道に対する当てこすり的なストーリーはありきたりですが、役者さんは名人揃いなので、演技に注目するのが吉でしょう。作者の永井愛さんや役者さんのファン以外の方にはあまりおすすめしません。

シークレット・ガーデン

シークレット・ガーデン

東宝

シアタークリエ(東京都)

2018/06/11 (月) ~ 2018/07/11 (水)公演終了

満足度★★★★

極端に低評価な感想があって観る前は心配でしたが、大傑作とは言えないものの、なかなかの佳作で、私の満足度は4つ星です。

一番若い(幼い)コリンを除けば、皆さん見事な歌を聴かせてくれます。石丸幹二さん、花總まりさんは余裕の歌で緊張感がないのが逆に不満なくらいです。ただ石丸さんと花總さんの歌声の相性にはやや?がつくかなとは感じました。私の一番の推しはマーサ役の昆夏美さんです。張りがあって若々しい歌声はTVで聴くよりずっと素晴らしいものでした。ベン役の石鍋多加史さんの歌声にもうっとりとしました。

今回は音響の良さも特筆ものです。いつもは文句を書いているシアタークリエですが、大人数の絶叫調の歌がないこともあってか実にクリアでした。小編成オーケストラの生演奏も鮮度を損なわずに増幅してくれます。この音の良さは5つ星ですね。

原作との違いですが、ミュージカルでは歌が命です。もし原作通りに10歳、10歳、12歳の3人を中心にしたならば、セリフはクリアできるでしょうが、歌は学芸会になってしまうでしょう。やはり別物として、楽しむところを見つけるのが吉だと思います。

ゲイシャパラソル

ゲイシャパラソル

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

【墨バージョン】を観劇
「○○○の陰謀」的な話は“アホクサ”だが、役者の演技力、芝居と音楽と踊りの構成の巧みさは素晴らしい。おまけに今回は終演後にミニライブがあって“あんたのお名前なんてーの”と会場全体で大合唱したため、まあ良いかあという気分になった。

ナイゲン

ナイゲン

ILLUMINUS

浅草九劇(東京都)

2018/06/12 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★


アガリスク3本目にして初「ナイゲン」です。
相変わらず美味しい料理ですが濃い目の味付けは3皿目になるとちょっと鼻につくところも出てきました(具体的にはここでは書きません)。

アガリスクのメンバーが抑え気味の演技で他の役者さんに譲っているような感じがしました。それに応えてやり放題の1・2年の男子(甲斐優風汰さん、秋本雄基さん、澤井俊輝さん)が痛快です。とはいえ今回の私の一推しは前田友里子さんの監査委員ですね。大騒ぎの中でもしっかり通る冷静な受け答えが最高です。

ヘンリー四世

ヘンリー四世

シェイクスピアシアター

ザ・ポケット(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

鷹野梨恵子さん演じるホットスパーがパワー全開で登場すると、口からはマシンガンのようにセリフを撃ち出し、眼からはレーザービームを発射して、あたりを焼き尽くしてしまった。いやあ、これで最後まで体力が持つのかなあと心配になるくらいだった。フォールスタッフ、ハル王子、ホットスパーの3人の対比を考えると力強い女性がホットスパーを演じるのは断然有りだと納得した。バックに流れる欅坂46「不協和音」もそれを象徴していてどんぴしゃりだった。鷹野さんは二部では娼婦ドルを演じる。こちらは演技の強さはそのままに女の濃密な色気をまき散らしていて、絡まれるフォールスタッフが羨ましくなった。そしてまたウェスモランド役では強さを封印し、落ち着いた演技もしっかり見せてくれる。というわけで一二部通しで観れば3つの味の鷹野さんが楽しめるお得な舞台だ。

タイムトラベラー

タイムトラベラー

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイムトラベルものと言うと60歳以上なら「タイムトンネル(1966-67)」を思い出すだろう。トニーとダグの活躍を毎週ワクワクして待ったものだ。その第一回がタイタニック号であった。この舞台でもタイタニック号が1つのエピソードとして出てくる。「タイムトンネル」は大昔から未来まで行き宇宙人まで出てくるに及んでギャグドラマになってしまった。そんなにいくつも面白い話があるわけもなく30話も続いたのはすごいことだった。

さて、この「タイムトラベラー」ではタイムマシン製作者のイギリス人ジョン・テイラー伯爵が自分の家系を調べるために作ったという設定にしたので、時代は15世紀ヘンリー6世のころから現代までに限定される。そのおかげで(「タイムトンネル」に比べれば)しっかりと地に着いた話になった。過去を順に訪れてみると自分の祖先が結構立派なことをしているのに驚き、つい決定的なアドバイスを与えたりしてしまう。タイムパラドックスを一応気にしながらもどんどん影響を与えてしまうのはご愛敬。

祖先が皆、有名な事件に居合わせるというのはお芝居だから当然なのだが、これをどうやってエンディングに持って行くのかが現代に近づくにつれて心配になってくる。そこでジョンが明かしたタイムマシンを作った本当の意味を知って私は脚本のうまさに感動したのであった。

ミュージカル座は名前の通りに、素晴らしい歌声を聞かせてくれる。ダンスは現代的なキレッキレというものではないが、このステージにはピッタリのもので十分に盛り上げてくれる。フランスでのレジスタンス運動の場面では“「レ・ミゼラブル」のようでしょう”という煽りが入って、その通りで笑ってしまった。

珍しくポスターが売っていた。A2版(594x420)で500円。

最後に「タイムトンネル」が観たくなった昔の子供たちをがっかりさせることになるがDVDは英語音声版しかないのだよ。字幕もなし(泣)
*2023年に日本語音声版が出た(喜)

山茶花

山茶花

ENG

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ミニ「髑髏城の7人」という感じもする時代劇エンターテインメントである。とは言っても前半にダンスがあって、チャンバラシーンが多いということと時代設定が近いような感じがすること(向こうは秀吉の時代、こちらは不明)くらいで違っていることの方が多いのだが。もちろん客席は回らない(笑)。

初日から俳優さんたちの演技は完成度が高く安心して楽しめた。しかし、お目当ての那美さんの見せ場が少なかったということもあって、女優陣よりも何故か侘助の落語や演技に惹かれた。

しかし、3年前の「観てきた!」に書かれている、皆さんの不満点はそっくりそのまま残っている。素人とプロの見解の違いなのだろうか、残念なことである。

朗読三昧 2018年6月

朗読三昧 2018年6月

朗読三昧

GINZA Lounge ZERO(東京都)

2018/06/03 (日) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

俳優・金田賢一さんの朗読(と歌少し)と作曲家・丸尾めぐみさんの歌とピアノ(とゆかいな楽器いくつか)が織りなす極上空間。もうコンビを組んで10年にもなるという。半年ごとの定期公演と誕生会(今年は7月22日にある)および臨時ものの他、呼ばれれば全国どこへでも出かけるとのことである。

今回は定期公演かつCD発売のリリース・イベントであり、会場は銀座7丁目のビルの7階にある「GINZA Lounge ZERO」というおしゃれなレストラン。12月の定期公演もここらしい。

一般的に朗読には生演奏のBGM付きが多いが、臨時の伴奏であるせいか、あまり調和していないこともしばしばある。この「朗読三昧」の場合はレギュラーなユニットであるので、お二人が対等にステージに責任を持っている。したがって音楽と朗読が邪魔をしあうことは原則的にない。もし音楽が朗読を消してしまったならばそれは彼らが意図したことなのである。

丸尾さんの歌はどのタイミングでもどんな声量でもいかなる調子でもすっと始まり、無理がない。年齢不詳の方であるが、公称は金田さんと同世代とのこと(微笑)。後半はちゃんと衣装を替えてくるというおしゃれさんでもある。

朗読の内容は
・インディアンの酋長からのアメリカ大統領への手紙
・おくのほそ道(の俳句に曲を付けたもの中心)
・いそっぷ詩(イソップ物語にインスパイアされた谷川俊太郎の2016年の作品)からいくつか
・落ち葉になったフレディ
などである。60分+20分休憩+60分であった。

90分前から開場しているので、ゆっくりと食事をとることもできる。入場料の他にワンドリンクが必要で、ちょっと恐れていたのだが、ソフトドリンクは600円と普通であった。

私的には少し泥臭さとか陰りがあると良いのだがそれは無理な注文である。ハッピーな朗読と歌を求める人はぜひ一度行ってみよう。今回の会場は向かい合わせの長テーブルが3列で定員90人くらい。小さな丸テーブルに一人だけよそ者で困るということはない。

TRUSH!

TRUSH!

劇団6番シード

六行会ホール(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

6番シード結成25周年公演の第一弾はウェスタン・ミュージカル・コメディである。前回の番外公演とは打って変わって、わかりやすさ、楽しさ全開となっている。

ここでは演劇の部分は他の方にお任せして(美少女)ミュージカルの部分に絞って書くことにする。()が付いている理由はお察しください(笑)。

特筆すべきはダンスカンパニー・チャイロイプリン(CHAiroiPLIN)からの4名の参加である。とくにエリザベス・マリーさんは役者の他に振付を担当し、清水ゆりさんはアコーディオンの生演奏とオリジナル曲の作曲を担当している。増田ゆーこさんも当然ダンスの指導をおこなっているだろうし、ミュージカル部分はCHAiroiPLINにほとんど丸投げになっているものと想像される。

出演者32名のうち21名が女性である。実は21名というのはAKB系の女性アイドルグループの選抜チームの人数と同じであり、普段TVなどで見ている彼女らの人数である。多人数による迫力がありながら個々のメンバーの動きが埋もれない、黄金の人数なのである。アイドルグループのダンスも昔はお遊戯だったが、今は一流の振付師がついて、その激しさに歌は口パクになるところまで行っている(行きすぎだが)。今回の振付も、そういう系統のもので、いくつかのパートに分けて細かく動きを付け、集合し、離散し、ダイナミックな動きを作り出している。衣装の統一感がダンスを引き立て、舞台の大きさもドンピシャリで高い完成度が楽しめる。また、この種のステージでは珍しくタップダンスが披露される。樋口靖洋さんのちょっと?なパフォーマンスで観客を不安な気分にさせ、最後に女性陣がビシッ!と締める構成もうまい。

生演奏をする楽団はアコーディオン+歌の清水さん、バイオリンの田村龍成さん、パーカッションの松下高士さんの3人である。清水さんには演奏者、歌手ではなくアーチストのオーラがあった。もっとも初日のせいか歌が一杯一杯になっていたようなところもあった気がする。田村さんは自由自在に余裕の演奏で祭りの主役であった。しいて注文を付けると、悪人どもをおとなしくさせるところではもっとベタで泣ける演奏にしてほしかった。松下さんはパーカッションとは言っても箱一つで迫力のあるリズムを叩き出していた(この箱はカホンという楽器らしい)。

衣装は映画でよく見るアメリカ西部開拓時代のもので、しっかり作られた舞台セットと相まって観客の気分を高揚させてくれる。

アメリ

アメリ

ミュージカル『アメリ』製作委員会2018

天王洲 銀河劇場(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★

カーテンコールで我が耳を疑った。
渡辺麻友さん(以下「まゆゆ」)の挨拶に続いて日替わりで話す俳優が言うに事欠いて
「(観客が)静かすぎる。拍手が少ない」
などと暴言を吐いた。折角、満足して帰途に着こうとしてしていた観客に、冷水を浴びせるとは。楽しさを売る職業としては最低の行いだと私は思うのだが、彼には彼の理屈があるのだろう。今後、彼の出る映画や舞台を観なければ良いだけだ。以下、怒りを抑えて振り返ってみる。

「まゆゆ」の歌声は澄んでいて張りがあり、しっかりとした意思が伝わってきた。他の声に埋もれない素晴らしい声質だと思う。大きな課題は、AKB時代には不要だったビブラートである。やはりミュージカルはこれがないと盛り上がらない。

「まゆゆ」以外の皆さんの歌唱力はいろいろだ。ソロはまだしもコーラスになると不揃いさが目立つ。ソロでも「エルトン・ジョン」役の歌は論外のレベルだった。本当は実力派で回りを固めて初ミュージカルの主役を支えるべきなのだが、舞台セットの安っぽさといい、もう少しお金をかけてほしいものだ。

最初に戻ると、拍手が少ないのは、終わったかどうかはっきりしない、歌によっては終わるとすぐセリフが始まるなど演出の問題も大きいと思う。もっとも今回もそれなりに拍手はあったので観客の一人としてはイチャモンを付けられるのは心外なのだが。

怪談 牡丹燈籠

怪談 牡丹燈籠

文学座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2018/05/25 (金) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

三遊亭円朝(1839-1900)の傑作落語を大西信之が文学座のために脚本を書き下ろし、杉村春子+北村和夫で1974年から上演され評判となったものの新しい役者による鵜山仁の新演出での再演。60分+20分休憩+60分

円朝の話は非常に多岐にわたっていて、大西版は前後をかなりカットしている。
あらすじは文学座のウェブサイトにある。「文学座 牡丹燈籠」で検索しよう。

簡単に言うと、前半は色と欲に目が眩んだ男女二組のお話。すぐに幽霊が出て来てテンポ良く進んで行く。お米の「伴蔵さん」の低い声が最高に怖いやら可笑しいやら。お峰伴蔵のセリフ回しも快調!
後半は悪人どもに天罰が下るお話。こちらは少しテンポが悪く中身もすっきりしない。

年齢が高いほどしっくりくるはず。私の行った回はおそらく平均年齢は70歳近いと思われる。

Flamenco マクベス

Flamenco マクベス

DIAMOND☆DOGS

THEATRE1010(東京都)

2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★

東山義久さん率いる男性7人組のユニットDIAMOND☆DOGSが、元宝塚トップスターの水夏希さんと人気子役の木村咲哉さんを迎えて行うアクションミュージカルに、フラメンコ界の小島章司さんがゲスト参加しているという仕組みになっています。これらの方々のファンの皆さんにとっては満足の行くステージであると思います。以下は、積極的なファンとは言えない、いわば部外者の愚痴です。

「Flamenco」と表題に入っていますが小島さんが上段の奥の方で踊るシーンが2回あるくらいでフラメンコの香りは限定的です。私は水さんがバラの花をくわえ、フラメンコ・ギターに合わせてステップを踏む姿を夢見ていたのですが、かないませんでした。音楽的にはドラムとパーカッションが重用されているので「ドラム マクベス」が合っています。尺八の迫力ある演奏もかなりのものでした。

もっともその「マクベス」ですが、森が動く話などが大幅にカットされているのは仕方がないとして、木村さんの出番を増やすために、バンクォーの息子が次の王になるという改変を行っているのはどうかと思います。もっとも原作にはないバンクォーが殺されるシーンは見ごたえのある改変でした。木村さんは踊りはさすがですが、歌は子供の声なので雰囲気が壊れてしまいました。子役に過度に頼ってはいけません。

舞台は3段になっていてドラムセットとパーカッション+大太鼓だけで装飾は一切ありません。いろいろな場所になるので特定のものにはできなかったのは分かりますが、もう少しなんとかならなかったものでしょうか。

それから開演後35分に客席に道化が観客をいじりに入ってくるのですが、折角物語に集中し始めたタイミングで水を差しにくるとは、何を考えているのかと怒ってしまいました。

スタントウーマン!

スタントウーマン!

朝倉薫プロデュース・ガールズハイパーミュージカル

シアターブラッツ(東京都)

2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

華厳組を観劇

真島なおみさん、チラシの写真よりずっと魅力的な女優さんです。170㎝の長身でちょっとがっちりした印象もあります。美人でスタイル抜群、あまりの完成度にTVや映画ならCG疑惑が出たのではないかと思うほどです。

太田美月さんを初めとする他の女優さんも可愛く、ここまでは5つ星。

踊りもまあまあです。一人だけ側転、バック転が自在な人がいましたが、二人いるとバラエティ豊かな振付ができるなあと夢想しました。

ネタバレBOX

このステージで問題なのは歌です。
真島さん:声量が足りないが、あとはOK。星4つ。セリフ並みに声を張れば良いのに、なぜ歌では遠慮するの? ミュージカルではやや大げさなくらいが普通。
プロダクション社長:まったく普通。星3つ。もう少し頑張ってほしい。
マリー倉本:声量もなくうまくもない。星2つ。なぜこの方をソロ歌のある役に採用したのか理解に苦しむ。
他の方もまあ普通で、オーディションでは歌を重視していないのか、そもそも歌える女優さんが少ないのか、どうなんでしょう。
殉情わりだす演算子

殉情わりだす演算子

電動夏子安置システム

赤坂RED/THEATER(東京都)

2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★

普通のドタバタ・コメディです。
表題に“演算子”という数学やコンピュータ言語の用語があって、何かロジカルな話を期待してしまいますが、全くそんな要素はないのでお間違えなく。

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