Dの観てきた!クチコミ一覧

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ジェントル怒髪天

ジェントル怒髪天

多少婦人

東京アポロシアター(東京都)

2006/12/01 (金) ~ 2006/12/03 (日)公演終了

ジェントルだけど、怒!
脚本提供を受けた「又起請」、酒井雅史の作・演出「程良く過剰な彼女の感情」、渡辺裕之の作・演出「オペレッタ二幕 引一斥」

以上の3本。

ネタバレBOX

本来の団体のカラーと明らかに違う演目をトップに持って来ているものの、全体で見れば正解な並びだった様に思います。それを経て笑いを多く散りばめたものをやって、ラストはお得意の恐怖演劇で締める。後味の微調整も上手く済ませた感じでした。
上海、そして東京の屋根の下で

上海、そして東京の屋根の下で

サンハロンシアター

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2006/11/22 (水) ~ 2006/11/26 (日)公演終了

THE★お芝居。
現代における演劇の方法論とかを追求するのではなく、客席に何かを届けたいという趣旨。予想を裏切る様な物が観たい人には刺激不足かもしれませんが、人伝に過去の出来事を聞くのが好きな人にはぴったり。大人数なので出演時間の差は残念に思うところです。まぁ、規模が大きくなれば事情も沸きます。

コンパクトディスクリードオンリーメモリー

コンパクトディスクリードオンリーメモリー

国道五十八号戦線

明治大学和泉校舎第二学生会館地下アトリエ(東京都)

2006/11/10 (金) ~ 2006/11/13 (月)公演終了

CDROM。
ものすごーい規模の図書館の話。そこを守ろうとする人、壊そうとする人、なんだかよく分かんないけどいる人。交錯の末に…。

ネタバレBOX

シチュエーションコメディかと思わせる様なドタバタで終盤まで持って行き、ラストは一気に雰囲気を変えて締める。綺麗な流れでした。え、結局どっちなの?みたいな第三舞台の「トランス」っぽいラスト。観ていると頭を整理しつつなので、「似てるなー」とか一瞬思ってもまたすぐに観る事に集中します。そうしないと置いていかれたまま終わっちゃうから。
想夏のカケラ

想夏のカケラ

Team Good Speed

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2006/11/10 (金) ~ 2006/11/12 (日)公演終了

そうねぇ
雰囲気を作りたかったのだろうけど、作り方が分からなかったのかも。
今でも活動しているらしいのであえて言ってしまうと、演技は壊滅的。台詞を口にするのに自信なさげだし、目の前の相手がどう反応しようと自分は自分で作った人物像があるからそれを壊さずにやる事を目的にしてた。今はどうなってるんでしょうね。変わっている事を願います。

ネタバレBOX

ラストに花火を見上げるのは演出担当の方の中で早い内に決まっていたんじゃなかろうかと。そこに辿り着かせる様に作っていった印象が強いものの、どうも足りないパズルを無理矢理に当てはめてしまった感じ。その前にもうちょっと何かあったほうが良かった気がする。
本能G

本能G

ACTOR’S TRASH ASSH

麻布DIE PRATZE(ディ・プラッツ)(東京都)

2006/10/20 (金) ~ 2006/10/22 (日)公演終了

信長がギューン!
信長がギューンってなって、みょーんってして、便器があって、みんながギャーとかわーってなります。よく分かんないですか。理解しなくていいです。Don't think,feelです。ASSHの番外公演ですが、結構似てます。気になる方はまたの機会を待ちましょう。

恋-アントン・チェホフ-

恋-アントン・チェホフ-

シンクロナイズ・プロデュース

劇場MOMO(東京都)

2006/10/17 (火) ~ 2006/10/22 (日)公演終了

難解というより頑固。
最近チェーホフを読む機会がありましたが、それまでこれを観たのをすっかり忘れていました。「三人姉妹」を完全に初見のつもりで読んだのに、実際にはこれで観ていたはず。なのに覚えてない。記憶の糸を手繰るだけ手繰ってその理由を考えたら、観たはずのいくつかの場面が思い出せました。それは以下に。

ネタバレBOX

そもそもチェーホフは難しいというか、受け取る側が自分の中で反芻させたり反響させたりしないと味わいが出ません。その分やる側も特に何を意図するでもなくやったら、ただのポーズになってしまう。これを観た時は客席側にあまり影響力みたいなものがないと感じました。むしろ『僕らチェーフフなんてやってますよ。観てください』ってくらいの雰囲気。譲歩がない。あえて難しいものに挑むという前向きな姿勢は充分な評価対象になりますが、やる側がそれを意識しちゃうとねぇ…。
川崎プラザホテル

川崎プラザホテル

ラゾーナ川崎プラザソル

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2006/10/12 (木) ~ 2006/10/15 (日)公演終了

【ユニットC】
劇団820製作所「彼」
柿喰う客リンク劇団ごふくだんご「来週は桶狭間の合戦」
IIt's a GREEN!!「Time after Time」

以上の3本。

ネタバレBOX

もうやんないのかなー、ごふくだんご。っていうか柿喰う客リンク。2009年に玉置さんがやるらしい作・演出のあれはまたリンクものとは別なんでしょうか?
It's a GREEN!!はちょっと覚えてる。「たーらこー♪たらーこー♪」のメロディで「そーうじー♪そーうじー♪」って歌ってた。
川崎プラザホテル

川崎プラザホテル

ラゾーナ川崎プラザソル

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2006/10/12 (木) ~ 2006/10/15 (日)公演終了

【ユニットB】
劇鶴「Impact-正義とは-」
劇団Human Dust Union「プライスレス」
演劇集団カナブンズ「初どろ」
柿喰う客「人面犬を煮る」

以上の4本。

ネタバレBOX

正直、柿しか覚えていないのです。目的は確かにそれを観たかったからなのだけれど、どうせなら他のもずっと覚えていたかったです。
REMEMBER DREAMER

REMEMBER DREAMER

MDP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2006/09/29 (金) ~ 2006/10/01 (日)公演終了

ゲームっぽい。
物語の展開、イベントまでの経路。そういったものがゲームっぽい。そもそも劇中BGMは基本的にFFのものを使用。なのでそういうのが好きな人にはハマるかも。個人的にはもうゲームをしてないので忘れた感覚でした。

「自分症候群~self syndrome~」

「自分症候群~self syndrome~」

tri-be factory

北池袋 新生館シアター(東京都)

2006/09/22 (金) ~ 2006/09/24 (日)公演終了

いーけぶくろー。
第18池袋演劇祭参加作品。「記憶のスープ」「じじこくこく」「papillon」 の三本立て。それぞれの作品には何の接点もなく、純粋にオムニバス。違った色合いを楽しめたという前向きな意見も持てる一方で、一番質が高かった最後の演目を観るまでに疲れてしまったのも事実。回によって上演順を変えるとかしてもよかったかもしれない。

ネタバレBOX

舞台未経験者の起用が目立った。明らかにそう見えるので見守る気持ちも沸いたけど、実年齢の三倍くらいある役をディフォルメさせつつ演じていたのはちょっとなぁ。金を払ってまで観たい芸域ではなかったです。
「協力」に東京ブラジャーがいた。へー、なんでだろ。
センの風とムラサキの陽

センの風とムラサキの陽

劇団バッコスの祭

池袋小劇場(東京都)

2006/09/15 (金) ~ 2006/09/18 (月)公演終了

わたしのー。
年末の紅白で「千の風になって」を見て、これを思い出しました。今後もそういう機会には思い出すと思います。

顔に自信がある

顔に自信がある

柿喰う客

新宿シアターモリエール(東京都)

2006/09/08 (金) ~ 2006/09/11 (月)公演終了

時事。
主役をオーディションで選考した本作。とはいえ、いつもの如くに脇も濃い。「脇も濃い」ってなんか微妙な言葉回しですね。「みんな濃い」に訂正します。モロに旬の時事ネタを扱っていたので、余程に世辞に疎くない限りは分かったはず。世の中って面白いんだなーと思いました。

ネタバレBOX

「親兄弟にバレる」も国家に纏わる物語でしたね。これと合わせてなんかお国柄三本立てとかやらないでしょうかね。デスロックの国際三本立てに対抗する感じで。やらないかー。
CR卒業物語

CR卒業物語

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/16 (月)公演終了

憎めない。
大学を辞めた豊。終えられなかった青春を取り戻す為、都立オランダ高校に入学!カカフカカっぽいですね。
ネタ的にもすげーくだらない事やってるんだけど、何度かに一度笑わされます。爆笑一歩手前だったり、苦笑だったり。数秒過ぎてから「あ、さっきの笑いどころだったんだ」と気付いたり。数で勝負してきてます。ものがものだけに明かりも音もやたら切っ掛けが多くて大変そう。チラシの時点で気にしてなかったけど、出演者は4人。ではけも多いのでこれも大変そう。なんか見守っちゃいました。ネタのいくつかは何処かからお叱りの声が来ないかヒヤヒヤなのもあります。外小屋でアウェーな客の前でやれるかってなるとちょっと厳しいかもしれない。役者の能力的には実は真面目にやったら結構高めな感じだったので、それぞれが客演とかしてこれがスペシャルユニット的な存在になるんだったら今後も観ていたいなって気はします。

ネタバレBOX

肝心の「CR卒業物語」のエピソードに入るまでが長い。豊が何をすれば話が進むのかまでの提示が長いので、そこまでは何を観たらいいのか不安でした。なので冒頭からをもっとスマートにしちゃってよかったかも。
その逆に卒業物語以外の「CR~」各種ネタはもうちょっと多くても可。個人的にはバンドでE.L.Tの話になった時は、mixiで自分のマイミクに五十嵐さんがいるので余計に可笑しく思えました。
月並みなはなし

月並みなはなし

青山学院大学演劇研究会

青山学院大学(青山キャンパス)(東京都)

2008/06/14 (土) ~ 2008/06/14 (土)公演終了

学生演劇 meets 時間堂。
言っちゃえばアマチュアのコピーバンドみたいでした。カバーとまでは行かず。でもね、それの何が悪いのさって事でして。オリジナルを超えるかどうかじゃなく、自分達なりにどうこなすかが大事。本人らが楽しければいいとまでは思わないけれど。
役者の能力は、まちまち。台詞がないと何処を見ていいのか分からず不安そうにしてる人もいれば、かなり安定していい仕事をしてた人もいました。担当楽器に相当する配役は悪くない感じ。どうしても本家と比べるけど、キリン役の小嶋さんがうっすらと時間堂でやってたこいけさんに似てるんですよ。でも別に似せるつもりはなかったんだと思う。やってて無理がなかったから。合ってたんでしょうね。ススム役の加藤さんもよかった。煮え切らない、でもあの話し合いの場では胸中にかなりの揺れ動きを内包する微妙な状態のススムを上手く見せてくれました。

ネタバレBOX

付け足そうとした小技的な演出部分で損をしてしまった感じがします。終始みんな手のひらサイズの月の作り物を手にしているのですが、その扱いに意味深いものが見えなかった。たまにテーブルの上に置きっ放しにしたりして、そんなに大切じゃなさそうだったり。コウドウが置き去ったやつをモリが持って行って渡してあげたけど、それに対して特に何の気持ちも沸かなくて。
舞台は上手にベランダがあって、下手にテーブル。この双方への出入りの時に一旦停止してリセットする動きがあった。「三人姉妹」の時に舞台への乗降で使われていたアレですね。これがイマイチ上手く機能していなくて、初めの頃は客席の「あれなんだろう?」オーラを感じました。しばらくしたら感じなくなったんだけど、それは受け入れたんじゃなくて「よく分からないからとりあえずそういうものだと思って放置した」って感じでした。その瞬間が過ぎるのを待ってる気配がした。
欲を言えばあと少しの調和があると良かったかも。もっとチグハグするかと思ったけど、そうなりかけてギリギリ均衡を保ったりしてたのです。コウドウだけ行けないってなった時の沈黙とか、お互いの気まずさをもっと感じ合えば観てる側にとっても共有しやすい間に出来た気がする。抜本的な事を言ってしまえば、演技スタイルが統一されていないのが要因として大きかった。女性3人くらいが作り声でやってて。息声で無駄にセクシー(苦笑)。綺麗な人達だったから姿だけでも結構見ていられるのに、要らないセクシーが邪魔して人間味が失われていました。勿体無い。普通に日常で会話したほうが魅力ありそうだった。遣り取りをする相手側が受け取りにくかったと思う。
あ、そうそう。時間的問題なんだろうけど、アマネがパンを焼かない。焼いて欲しかったなー。
瓜幾つ

瓜幾つ

劇工舎プリズム

駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

何故このタイトル?
うっかり眠ってしまった自分が悪いのですが、劇中のあれこれとあんまり関係なかった気がするんだけどなぁ。内容としては戦争が起きたその地に居る人々と、特に影響のない地にいる人々のそれぞれの日々を描いたもの。冒頭で劇中に起きた世界情勢を説明する様な遣り取りがあるので、「あぁ、そうなってるのか」と把握はしやすかった。ただそこで兵隊服を上手く着こなせてない感じと、手にした銃の玩具っぽさが気になった。作り物であるのは仕方がないけど、もうちょっと扱いに慣れていればそれなりの説得力があったかも。
役名がパンフに載っていなくてどれがどの役者の名前か分からなかったのが残念。一番安定していた子が結構可愛かったのでまた何処かで名前を見たらチェックしたかったのに。順序が逆になりますが、劇場までの道案内看板が多くて助かりました。門をくぐってから結構奥のほうになるので。

ネタバレBOX

どの役者も台詞をスラスラと口にしていて引っ掛かりがない。ので、受け取るこちら側も引っ掛かる部分がなくてスルーな状態。それはこちら側で意識的に聴いてやれば済むものの、どうも下半身の不自由な役者が多いのは気になりました。頭と体がバラバラに動いてしまってギクシャクしていました。物語を進める段取りとしての演出は出来ているのですが、演技をさせる点では残念な出来。(そもそもはイスに使っていた)箱で人物を囲んでその自由を奪ったように見せるやり方とかは面白かったんだけど。
実は今回最大の収穫は次回公演予定を知れた事かもしれない。パンフの裏に萌えタッチのイラストがあって、タイトルが「トーストをくわえた少女」。どう考えたってシリアスものじゃないよね、これ!
杭抗(コックリ)

杭抗(コックリ)

乞局

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/06/04 (水) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

うん?
何が違ったのだろう。人間の陰の部分を見せるのは前作と変わらず。しかしながら、あの下水の中で呼吸をしていると感じるまでの気持ち悪さが今回はなかった。そんな訳で、初見の人にも観易くなっていると思います。ただその分、乞局の真価を観るにはちょっと物足りない気もします。意図しての変化か否か。これに続いての次回がどうなるか気になります。次回がこれまた変なタイトルだし(笑)。
三つの時間軸それぞれの物語が代わる代わるに進められていくスタイル。作中舞台は同一。リンクした部分は一応あるのだけれど、「それに繋がったか!」という様な仕掛けを企んだものではない。時代が変わって人が変わり、それに伴って同一の場所ながら起きる出来事も変わっていくのを見せています。過去の物語に登場する人物の子孫なども出ますが、別に何の思想も受け継いじゃいないのです。「いつの時代も大切なものは変わらない」みたいな事ではなく、「生き方が変われば大切なものも変わる」のほうを描いています。
サンプルの次回公演に出るらしい野津あおいさんに注目。役柄がそもそもそうだったのだけれど、かなりの少女性。ガーリー。ちょっと検索したらつい最近に大学サークルで作・演出・振付をやったらしい。今後もそういうの、するだろうか。それとも青年団に入っちゃったりするんでしょうか。気にしてみましょう。

ネタバレBOX

アフタートークで「過去の演劇スタイルに見えた」という話題が出ましたが、それは今回だけではないかと思います。直接聞いていないので予想に留まりますけれども、乞局の演出は役者よりも作中人物の在り方を優先しているはず。稽古でも役者側からの提示に委ねるというよりは、台詞の言い方などにある程度の枷がある様に思います。その演出のやり方自体が割りと過去の演劇スタイルになるので、その結果なのでは?予想ですが。その分、役者への付加が生まれて慎重にさせるのが空気を重くさせる。そして人間の汚い曲面を題材に扱う事から、観る側も印象も相俟ってあの下水っぽさが生まれるのかな。
鮮やかな食卓

鮮やかな食卓

角角ストロガのフ

明石スタジオ(東京都)

2008/06/05 (木) ~ 2008/06/08 (日)公演終了

「かくかく」と読みます。
これがやりたかったんだろうなというのがたまに点として見えるものの、その間にあるべき線が見えなかった。役者に段取りだけ付いていて感情の芽生えや流れがなかった感じがして、誰が何をするのを追うべき内容なのかが分からなかった。そんな中、初めてお姿を目にした役者・曽雌康晴さんが結構いい仕事をしていた様に思います。辻沢綾香さんも。後半は彼女あってこそでしたね。羽里早紀子さんは可愛かったから好き。

ネタバレBOX

大楽なのに客席の反応が微妙で、途中から観疲れた雰囲気が醸し出されていたのが残念。二つの物語と、あの二人に関する結末がまず当初の構想にあったのかな。けれど各々の物語はディテールだけおぼろげに考えていて、後から内容を埋めていったのではなかろうか?という印象。テツヤが従順人形を大切にするって部分だけは先んじて思い描いていたのだろうけど、そうなるフラグが立っていなかった。経緯なく心情がいきなり表れた様に感じられました。根津さん演じる耳鼻科医の耳フェチ話をもっとどうしようもなく変態的にしたらそれだけで結構面白いのが一本作れた気もする。
角田ルミさんのお姿はこれまで見た事がなかったのですが、役者として出演していたのを見てすぐに「あ、この人がそうだな」と分かりました。彼女だけ自由に演じている様に見えたので。初めての作・演出らしいのでちゃんと公演を迎えてそして終えられた事を労う気持ちも沸くのですが、次回にまた今回と同じ程度の出来ならもう観る気はないというのが本音。
あ、伊達巻が牛乳に合うというのには賛同します。でも劇中で飲んでたアレはカルピスウォーターか何か別の物だった?
小部屋の中のマリー

小部屋の中のマリー

DULL-COLORED POP

タイニイアリス(東京都)

2008/06/04 (水) ~ 2008/06/09 (月)公演終了

御注意あれ。
物語でもなく出来事でもなく、人物を書いた戯曲です。心情の変化や芽生えを追うべき内容ですので、くれぐれも目先の印象に囚われずに御覧あれ。印象に強く残る行動が目の前で起きても冷静に観るくらいでちょうどいいかも。むしろ印象にジワジワ残る様な所が観るべき部分。友達に相談を受けて、解決に至る回答が出せなくて後でモヤモヤする感じ。うん、そんな感じ。それは気にしてるって証拠です。

ネタバレBOX

クオリアを扱うのは分かっていましたが、それを人の感情に充てたか。ある色が誰にとっても同じ色として認識されているのかは確証がない。同じく、例え誰かに共感したとしてもその時に抱く感情が本人と同じであるとは限らない。人間社会で生きていれば身に覚えがある現象でしょう。身に覚えがないのはよっぽど箱入りな環境で育った場合のみ。あぁ、小部屋ってそういう意味もあったのか。どうだろ、あったのかな?こっちで勝手にこじつけた気がしないでもない。でもこれは確実だろう。白は、汚れやすい。
終点、ワタクシゴトになります。

終点、ワタクシゴトになります。

贅沢な妥協策

明治大学和泉校舎第二学生会館地下アトリエ(東京都)

2008/05/30 (金) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

首長国連邦。
役者名がアラブさんって方がいました。おらんだの次はアラブか。しかも女性。
年なのでズボンを履き忘れて来た運転手と、必要のないものばかりアナウンスするバスガイドと、何故か雑学に詳しいヤクザと、今時ペアルックでラブラブなんだけどたまに侮蔑の入るバカップルと、頭が悪くて空気の読めないマッドサイエンティストと、隙あらば事に及ぶAV女優。普通の人が1人もいないバスの中。誰かが何か動きを示せばそれは何から何まで異常な訳で。予想通り、「BANK BANG LESSON」現代版って感じでしたかね。詰めの甘い部分もあるけれど、ここ最近の活劇工房ユニットの中では悪くないほうでしょう。無料公演ならまた次も行くかも。有料で1000円超えたら多分行かない。でも800円なら行ってもいいかなー、くらいの感じです。

ネタバレBOX

脚本は悪くない。飛び抜けて上質ではないけれど、とっちらかってもない。ここ最近の活劇ではとっちらかってるのをチラホラ観ちゃったので、今回はちょっと安心しました。ラストのガイドと運転手の関係は、個人的には擦れ違う感じで終わらしちゃっても良かったかなーって気もします。『私も探し物を見付けます』みたいな事を言わせてあのリプレイをやっただけで充分に伝わっただろうし。
ここにいたのにいなくなる

ここにいたのにいなくなる

あさかめ

HIGURE 17/15 cas(東京都)

2008/05/23 (金) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

90分にして。
劇場というよりギャラリースペース。出入り口のある面がガラス張りになっていて、客席はその対面側に。つまり上演中に背景として屋外が見えています。芝居と何の関係もなく通り過ぎる人や車。たまに『これ、何やってんの?』とこちらを覗き込んで来る人も(笑)。それはある意味、生きた時間を感じられました。
内容としては芸術家の集まる場所の話。居やすい場所に留まるのは自分の殻に閉じ篭もるのと同じなんだろうか?とか。上演時間110分。何故90分を希望するかは以下に。

ネタバレBOX

まず5人芝居の静かな芝居なので長時間は保てないという観点。そして、終盤の20分くらいの場面が個人的に大嫌いだったのです。そこまでは割かし好きで、今度この団体でやるらしいワークショップへの興味も沸いていました。なのに、です。一度全員がその場所からいなくなる場面があったので、それで物語を完結させても良かったはず。でも更に数年後の場面があって、それが蛇足に思えた。一度その場を離れた人間が特に理由もなく戻ってきてしまっているし、伏線のなかった二人が結婚して子供を儲けている。そして虐待しているらしい妻を、夫が『お前死んでくれよ』と責め立てて見限る。テイストが変わった気がしました。『殺す』とか言っちゃってるし、言葉の使い方に嫌悪感を覚えました。そもそも二人がそうなる経緯を見せていないので、どちらにも心境を寄せる事が出来ませんでした。残念だなー。あそこまでは好きだったのになー。

-追記-
結婚の話がそれ以前に出ていたのでは?という御指摘を頂きました。ちょっと余所見をしていた自覚があるので、その時に見逃してしまったのかもしれません。自分の不注意で偏ったコメントになっているだろうと思いますので、読まれた方は信用度合いを低めに御考慮くださいませ。

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