旅がはてしない
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/17 (金) ~ 2009/07/21 (火)公演終了
ひょっとこが羽化=何になる?
何故か観るまでずっとカブトムシをイメージしていました。ひょっとこ乱舞は舞うし、蝶のほうが連想するに容易いはずなのに。なんでかなぁ。広田さんがカブトムシっぽいとかそういうイメージを持ってたのかなぁ。それとも男子はそもそもサナギって言えばカブトムシになっちゃうもんなのか?なんでかなぁ。
舞台装置が簡素な分、芝居を観る事に集中出来ました。広い空間で空調が効いていたのもあるけど、後半は体感温度が低くなりました。物語にはそれほど共感したつもりはないのに妙に空虚な切なさのせいで。置いてけぼりな気持ちがそうさせた気がします。再現でかつての姿を確かめようとしたものの、結局は初演版から結構変わっちゃったとの事。比較的最近ひょっとこを観始めた自分は昔の姿が気になったので、その点はちょっと残念だったり。でもまぁ時間が過ぎて関わる人々が移り変わればそれも当然かな。思えばそれも旅の一部だった。
タイトルの通り、はてしない旅の物語。人生を旅に例えるだけならよくありますが、これは更に深かった。物理的な移動だけではなく、状態や状況が移り変わるのもまた旅なのです。「自分という存在は何なのか」「他人は一体何を考えているのか」思惑や思考が答えに行き着こうと何処かへ巡っていく事も旅。この作品を観ながら意味を探すのも旅だった。個人的には「プラスチック・レモン」とセットな感覚もあったり。存在の是非に対するクエストに繋がりを感じたのかも。
先述した様に旅の定義をはてしなくしてそれを念頭に7月の公演を観ればより楽しめるはず。
風景
とりととら
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2009/05/03 (日) ~ 2009/05/04 (月)公演終了
鳥+虎=?
演劇と人生と男女の考察から家族の繋がりに行き着いて、繋がりたかったけど結局は繋がれなくて孤独。みたいな。どうも言葉で説明出来る気がしません。心に残る台詞はたくさんあった。たくさん過ぎてどれが一番かは不明。
開演からしばらくは色んな意味でなかなか始まらなかった感じ。開演が押したって意味ではないです。動き出しや温度の上昇は中盤辺りから。初めは「これ、結局何も起きないんじゃないかな」と思ったものの、観ている最中には何かが起きている気がしました。で、終わって振り返るとやっぱり何も起きていなかった気がする。1%だけサンプルっぽくて、また別に1%だけデスロックみたいな。残りの98%は何だったのか。UMAを目にした心境。
【筆に覚えあり入選!】家族のこと、その他のたくさんのこと
ロロ
王子小劇場(東京都)
2009/05/02 (土) ~ 2009/05/03 (日)公演終了
くちくちじゃなくて、ろろ。
まずこの演目にこのタイトルを付けたのは尤も。確かにその辺りの事を描いています。が、あくまで「その辺り」。その中に主軸が見付けられなくて、各人物の在り方が不透明。どの人物にも思い入れが沸きませんでした。人間ではなく世界観を描きたい劇作家なのかもしれません。こゆび侍とか好きな人には合うかも…?
笑い所が多々あるものの、ほとんどがその場限りの笑い。劇中での出来事にあまり結び付いていない気がしました。周りの客にはウケていましたが、自分としては演劇を観に行ったつもりだから「これならネタだけ抜粋してコントにしてしまえばいいじゃないか」と。不自然な世界観の作品だし、そのシチュエーションでしか使えない笑いならあっていいと思うんですけどね。
脚本と演出のどちらかに説得力があればねじ伏せられる様な気もするのです。脚本はある程度まで書けているのだから、あとは演出が肝か。役者があまり活き活きしていなかった感じもある。うん、やはり精進を望むのは演出面ですね。
ショート7
DULL-COLORED POP
pit北/区域(東京都)
2009/04/29 (水) ~ 2009/05/06 (水)公演終了
【B】ショート×ショート×ショート
●息をひそめて
ダルカラにしては珍しい、現代の日本が舞台。男女の思惑の擦れ違いと交差。やっぱり感情的なのは男で、女のほうが現実的だよなー。
「15分しかないの」からあのギミックを省いて口語でやった感じ。あの空気感が好きだった人には合うだろうかと。
●エリクシールの味わい
贅沢な役者で全力の悪ふざけから始まって、しっかり物語として帰結。客の反応の区々さが愉快。飲尿やミュージカルに抵抗のある人は演技だけに集中して観ても良いと思います。完成度とかアプローチの変化をどうこうする演目ではないから、個人的には再演しないで欲しい。ある意味ボーナストラック。
●藪の中
やるべき人がやったな、と。このキャスティングを知った時点でお腹一杯だったのも事実。そして期待を裏切らない。見入るあまり緊張させられた。ABどちらのグループにも一人芝居があるけれど、共通して「何かを殺がれていく感」がある。寿命が縮んだかもしれない。でも悔いはない。
エリクシールとの間の休憩は貴重。しっかり気を休めてから観るべし。
学芸会レーベル♥KR-14【中屋敷法仁】
キレなかった14才♥りたーんず
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/04/20 (月) ~ 2009/05/05 (火)公演終了
頭も感性も要らない。
同企画の中でこれは評判が良いらしい。きっとその理由は「分かりやすさ」から来ているのだろうと思います。最近は戯曲を如何にリミックスするかが演出力の見せ所みたいになってる節があって、尚且つ演劇以外の要素が入って判断に困る時がある。そうなると演劇を観るつもりで来た客には捉え所がなくなってしまう。そういう意味でこの作品は異常なほどに分かりやすい。感動もしないけど疑問や不満も残らない。散々観てきた中屋敷作品が今になって実は正攻法なのだと実感。面白くする為に本気でハメを外しながらそれでいて演劇であろうとしたらああなるって事か。
個人的なツボはアップリケの不細工具合。特にア●パンマン。
ショート7
DULL-COLORED POP
pit北/区域(東京都)
2009/04/29 (水) ~ 2009/05/06 (水)公演終了
【A】ショート×ショート×ショート×ショート
AがDULL-COLOREDで、BがPOP。らしい。これまで気にして観に行けないでいた方々には演目的にAが人気なのかも。個人的にAは確認、Bは開拓って印象。
●ソヴァージュばあさん
過去に4回観ていたり。
冒頭の在り方からしてそれ以降はもっと重苦しい雰囲気になるかと予想したけど、そこまでじゃなかった。これまで異国・異文化の空気感があったのと比べると今回は身近。日本の山奥の田舎での風景を当てはめても観られたと思います。グッと来る箇所はいくつもあったし、以前と違うアプローチにニンマリしたりも。が、なんだろう。初日だからか?妙にスルッと流れた気も。役者同士が噛み合っていないという訳でもなく、どうも着地の度に足元が覚束ないというか。個人的には『あの役者のあの武器を封じて登用するなんて贅沢なのか、それとも勿体ないのか』なんて思案も。それを別にしてもこれはきっとまだ行けるだろう、多分。もっとブッチ切りの一演目になるはず。
●Bloody Sauce Sandwitch
ギリンギバージョンよりもカラフル。視覚的にも聴覚的にも感覚的にも。不条理ながらも意味不明でなく、混沌でないスッキリした気持ち悪さが残った。
姉の暴れ度合いは抑え目になっていて、理解し得ない姉妹の温度差を一定値で見せていた。ギリンギバージョンだと姉が勝手に近付いた気になっていたのが、こっちだとずっと一定で近付けない自覚があって根深くなっていた様に見える。単品だと『谷戯曲では際のほうに位置するかも』って思えたけど、「アムカ〜」と観れば実にスタンダード。
●15分しかないの
第一声「ただいま」が15mmの時より強かったのが印象的。これも初日だからか?最初に気の強さを見せておいて最後の虚無感を際立たせるとかそういう意図じゃなかったと思うんだよな。pit北ならではのポジション取りが効いて立体的になっていた。室内感もアップ。空間の使い方としてグッジョブなのはこの演目だったかもしれない。グリーンだと良い部屋に住んでる様に見えたんだよね、広いから。それで自由時間が少なくて持て余してるのもアリだけど、狭いほうが精神的な窮屈さも得られたり。
今更だけど髪型の経緯背景を想像。黒髪ロングだった子が色気付いて茶髪になり、やがては機能性の為にボブに落ち着く。長いと動く時に邪魔だし、入浴後に乾かすには短いほうが楽で時間短縮出来るし、みたいな。
●アムカと長い鳥
「小部屋の中のマリー」を最高傑作と称したのが分かった気が。源流を見た。
写真でしか見た事なくてもっと夢見がちな話かと思ってたけど、むしろ現実的だった。演劇ならではというか、舞台芸術ならではの見せ方。でもきっと活字で読んでも面白いと思う。肉体的よりも精神的な死への接近と到達。「生きる」に相対するのは「生きない」ではなく、「死ぬ」。死んだ様に生きる状態ってのはまだ生きてる。
鬼桃伝 -oni-momo-den-
おぼんろ
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2009/04/09 (木) ~ 2009/04/12 (日)公演終了
満足してない。
多分本人達もね。持ち味の熱量が足りなく感じました。やる側はタスク達成してるのに、空間の広さに吸われたか。特に高さ。この人達、もっとやれます。阿久澤さんと柴田さんはグッジョブ。
うそつき【公演終了! ありがとうございました!】
ルスバンズ
王子小劇場(東京都)
2009/04/08 (水) ~ 2009/04/13 (月)公演終了
乱舞らない。けど、
舞わずしての乱れ。物語である。人々の思いが入り乱れて物語が紡がれている。視覚的にも色々と楽しめます。役者にばかり目を向けると勿体無い箇所もあったり。博物館に来た子供みたいに、行儀正しくしないであちこちに目を向けたほうがいいんじゃないかな。ひょっとこ乱舞とは別の実験場としての意味合いは充分に果たしているから、それが楽しみな方にはオススメ。同時に「ひょっとこ?何それ?」な方にもオススメ。
アンケートには「密度がありました」って書いたんだけど、よくよく考えたら違かった。内容には説明不足な余白部分も結構あります。でもそれが疑問や違和感でなく、こちらの想像力で上手く補われた。そうさせるだけの前提条件がちゃんと書かれていたからこそ出来た事。
今日が初日。更に良くなるはず。もしかしたら楽日までまだ直しを入れて、変わっていく場面があるかもしれません。それに関しては留まってルスバンしなくていいのだし。
親愛なる天才たちへ
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2009/03/26 (木) ~ 2009/03/29 (日)公演終了
何やってんだ!
こんな面白いもんを学内でやるなんて勿体無いだろ!いや、贅沢なのか?とりあえず自分は観られたからどっちでもいいやー。
本当に申し訳なくも実は開演に少々遅れてしまったのですが、席に着いて舞台のほうを見た瞬間に「あ、これはきっと面白いぞ」と直感。特に何が起きている場面でもなかったものの、問答無用で惹かれる空気感がそこに。吸引力。バキュームですよ。
観て『意味がよく分からない』って言う人もいるかもしれません。でも日々の悲喜交々だって理屈で説明したら味気なくなるじゃない。個人的には勢いのある若者達が汗と恥をかきまくっている姿に好感度大。目の前でそんだけカロリーを消費されたら、なんか分かんないけどこっちは太らなきゃいけないのかなと思ってしまいました。お腹一杯だよ。御馳走様でした。
乙女、ロレーヌより来る。(追加公演決定!)
劇団バッコスの祭
池袋小劇場(東京都)
2009/03/19 (木) ~ 2009/03/25 (水)公演終了
総合力の勝利。
以前から脚本の出来はかなり良かったのです。そこに演出と役者の力が伸びてきて、全体バランスの取れた作品を送り出して来る様になった近年。そろそろ部外者からも『バッコスの祭と言えば…』の問いに何かしら思い浮かぶ様になってきているのでは?
冒頭を勢いで押し切っているのは○。少しずつ紡いでくれたほうが情報を処理出来ていいという人もいたでしょうが、ドバッと与えられて引っ掛かったものだけ覚えていれば問題なかったと思います。同じ様に小ネタがウケたかどうかも大事ではなく。演出意図的にあえて流していたはずなので、引っ掛からなければ観る側もスルーしちゃって良かったかと。真面目な客層が多くて真正面から観すぎだったのかもなー。幸せな事ではある。
確かにそろそろ大舞台に進出しても良いのかも。広い所で暴れて欲しい。序盤から汗だくになる熱演を武器に。
独走
ガレキの太鼓
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2009/03/20 (金) ~ 2009/03/23 (月)公演終了
ごもごもごもごも、ごもっともー!
ここまでのコメントにほぼ賛同。若いカンパニーが旗揚げから正当に評価されるのは喜ばしい事ですね。
ここからは個人的な感想。演技面ではもうちょっと頑張って欲しかったかな。集中力と、演じる事への自由さが足りなかったかと。台詞と動作の噛み合いがぎこちなかったり。個々に奮闘はしていたのです。だからこそこの演目に対しての熟練度をもっと上げて欲しかった。
他の方も推す通り、上田航平さんがいい仕事をしています。「オレは何年も前に彼を見ていたぞ!その時から好きだったぞ!」と声を大にしたいです(笑)。
4 BITTER FACES
机上風景
タイニイアリス(東京都)
2009/02/27 (金) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
薄味。
味わおうとさえすればちゃんと染みてくる、そういう芝居だったかと。大人向け。
自分の家庭環境と近かったから姉妹に対して「もっとしっかりしろよ」とか思ってしまったり。
誰も寝てはならぬ
国道五十八号戦線
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2009/03/05 (木) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
寝てなんかいられない。
初演版がカロリーカット&シェイプアップされて、観やすさが増していました。単独では初となる学外公演(前回公演はシアターグリーン学生演劇祭に参加)でこれだけ安定感があるのは大きな強み。
礎になる役を劇団員がきっちりこなし、客演陣がその周りを彩る。攻守のバランスが取れた戦略だったかと。劇団員ハマカワフミエさんはDULL-COLORED POP・ギリギリエリンギ・MUなどへの客演ではスパイスの効いた役をやる機会が多いですが、ホームでは場を締める落ち着いた役を担うほうが多く。客演時の姿を観慣れている人にはまた違った味わいがあると思います。そして劇団員以外で個人的に目を引かれたのはトリコ劇場から客演している菊池美里さん。「ソヴァージュばあさん」のあの人です。あれとは全然違う役柄。なのに物凄く合っている。この方も味わい深い役者だなぁ。
初見の場合はチラシに載ったあらすじを読むか読まないか。これ次第で印象がちょっと変わるかもしれません。方向性を知った上でどうなるかを観たいか、何も知らない状態からどうなるかを観たいか。お好きなチョイスでどうぞ。
02(ゼロツー)
劇団森
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2009/02/20 (金) ~ 2009/02/23 (月)公演終了
なるほどー。
ねばちゃんさんと真逆の感想です。三人目の「観てきた!」を登録する方がいたらどんな感想なのか楽しみです。
気になったのは当パンの出演者の記載。どれが誰か分かりにくい部分があって、また出ていたら観たい人の顔と名前が一致しなかった。
たぶん犯人は父
ゴジゲン
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了
そして犯人は・・・
過去に役者としての松居さんを観ていて、気になっていた団体。なのに噂が流れて来なかったのでこちらから押し掛けて行きました。というか、チケプレに応募しました。ありがとうございました。ペアだったので連れに「観た事ないから面白いか分かんない。タダでラッキーくらいに思っておいて」と伝えたんですが、杞憂。アゴラの最前列で狭かったのもあるけど、結局は二人で身を乗り出して観ていました。
最後にホロっとさせて綺麗に締めるドタバタ劇。題材や脚本構成は在り来たりではある。でも手慣れたスタイルがあるのは大きな武器。声高にオリジナリティを求めて基礎を蔑ろにする作家も多いですから、まずはきちんとこなしている点に好感。何より良かったのはキャスティング。登場人物全員がぴったりのハマり役。愛着の沸く人物が複数いました。そういう意味で、観ていて取っ付きやすい。
タカハ劇団・箱庭円舞曲の辺りが好きな方は是非どうぞ。既存団体を例に出すと双方とも本望ではないでしょうが、未見の方への参考までに。
悠久のアフロでいて
JINSEI.
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/02/17 (火) ~ 2009/02/22 (日)公演終了
そうですか。あなたがアフロでしたか。
前半の愛憎劇は薄味だけど個人的には結構堪能。こちらから味わおうとした節もありますが、期待外れではなかった。
好き嫌いの転機になるのは後半でしょう。前半の温度が低めな分、巻き込まれた感じがしないまま迎えてしまうと引いて観てしまう。色々な面で沸点がもっと高かったらと思えたのが残念。
フェブリー
あひるなんちゃら
サンモールスタジオ(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/11 (水)公演終了
あひるの子はあひる。
突如として白鳥になってしまわない安心感。舞台上に誰がいようとあひるの空気感。
みなさんのコメントが短いのも頷けます。何も考えないで楽に観るから理屈じゃないんですよね。
写楽コンプレックス
劇団銀石
タイニイアリス(東京都)
2009/01/29 (木) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
言葉遊び+運動量+テンション。
2008年春のグリーン学生祭で存在を知った、桜美林発の劇団。
こまごめさんと同じく、どらかと言えば野田っぽかった印象。言葉遊び+運動量+テンション。緩急がなくずっとMAX値を持続するせいで早々に飽きが来てしまったのが勿体無い。役者の負担と客への伝導率が見合ってなかったかな。非効率ではある。しかしやる気は買います。こういう状態の中だったら声に不調のある役者にも目を潰れるのです。
別に中弛み防止とかじゃないんだろうけど、中盤以降に登場する役者に達者な人が多かった気がしました。若い事もあって今後何処かでまた観られる機会がありそうなので楽しみにしていようと思います。
あひ
多少婦人
OFF OFFシアター(東京都)
2009/01/21 (水) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
最後のやつが好きでした。
彼らの母体となる明治劇研時代に主となって作・演出をしていたのは渡辺さんなので、やはり彼の作品はメンバーに定着している気がします。長く観ている身としても安心出来るし。電動夏子安置システム+タカハ劇団÷2みたいな印象。既存の何かに当て嵌めるのは本人達にとって本望ではないだろうけど、未見の方に伝えるには適切な手段という事で御容赦を。
あ、ウチの作家と役者もお世話になりまして。かねてから御覧の方々にも受け入れられていれば何よりです。
伝記
サンプル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/01/15 (木) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
追加公演に行きました。
やはり松井周作品の真価は演出にアリ。温い様な冷たい様なドロっとした様なサラっとした様な、対照的なイメージが混在した空気感。観ていて非常に居心地が悪い。居た堪れない人間関係に板挟みされた時の心境になります。日常生活でもあるよねー、そういう時。しかも自分で頑張りたい場面じゃない時に限って遭遇しますよね。そんなに本気でやってないバイトの最中に、とか。そういう。
壁にある数字はなんだろうとか、本棚の斜め具合は物語の先行きを示しているのかとか、舞台美術の視覚からして色々と思考巡らされました。