ひょっとこが羽化=何になる?
何故か観るまでずっとカブトムシをイメージしていました。ひょっとこ乱舞は舞うし、蝶のほうが連想するに容易いはずなのに。なんでかなぁ。広田さんがカブトムシっぽいとかそういうイメージを持ってたのかなぁ。それとも男子はそもそもサナギって言えばカブトムシになっちゃうもんなのか?なんでかなぁ。
舞台装置が簡素な分、芝居を観る事に集中出来ました。広い空間で空調が効いていたのもあるけど、後半は体感温度が低くなりました。物語にはそれほど共感したつもりはないのに妙に空虚な切なさのせいで。置いてけぼりな気持ちがそうさせた気がします。再現でかつての姿を確かめようとしたものの、結局は初演版から結構変わっちゃったとの事。比較的最近ひょっとこを観始めた自分は昔の姿が気になったので、その点はちょっと残念だったり。でもまぁ時間が過ぎて関わる人々が移り変わればそれも当然かな。思えばそれも旅の一部だった。
タイトルの通り、はてしない旅の物語。人生を旅に例えるだけならよくありますが、これは更に深かった。物理的な移動だけではなく、状態や状況が移り変わるのもまた旅なのです。「自分という存在は何なのか」「他人は一体何を考えているのか」思惑や思考が答えに行き着こうと何処かへ巡っていく事も旅。この作品を観ながら意味を探すのも旅だった。個人的には「プラスチック・レモン」とセットな感覚もあったり。存在の是非に対するクエストに繋がりを感じたのかも。
先述した様に旅の定義をはてしなくしてそれを念頭に7月の公演を観ればより楽しめるはず。