とうやの観てきた!クチコミ一覧

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The Flower 花を枯らさぬ、罪と罰

The Flower 花を枯らさぬ、罪と罰

坂本企画

カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)

2014/08/09 (土) ~ 2014/08/10 (日)公演終了

満足度★★★★

「生きている」とは
石化症という人が石になっていく病が流行する時代・世界の話。

石化症、枯れない花、不死…そんなキーワードで短編が繋がるオムニバス形式のお話が罪編と罰編あわせて4話。
どれもこれも儚く、短編のようで繋がっている。
罪編⇒罰編の流れて見たので、『せっかしょう』ですべてが集約され、繋がった感がある。
魂を植物に宿したであろう研究者が残した花は薔薇。
もしかしたら始まりの薔薇も、そうして生まれた薔薇なのかな、とも思う。

全話通して「生きている」「生きていく」「生きる」とは何かということを考えさせられる話だったように思う。

白ベースの衣装と舞台美術がとても合っていてきれい。
その中に、黒い衣装とあかい紅を纏った女優の異質感がまた美しい。
石化して白くならない、という意味もあるんだろうか。


それぞれが求めていたことや起こした行動を書き起こして、繋がりをもう少し振り返ってみたい。

0号 -2014-

0号 -2014-

ゲキバカ

ABCホール (大阪府)

2014/07/25 (金) ~ 2014/07/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

走馬灯フィルムを観る
ダンス・殺陣・お芝居、どれもすばらしく、とても満足!
初のゲキバカがこれで良かったなあ、と思う。
キャバレーのレビューシーンが本当にわくわくで、その輝かしさがのちのちより切なくなる。 
 
「0号」の意味。できたてほやほや、まっさらなフィルム。
それはなんにでもなる、0から10へ、100へ、∞へ。 
 
昭和初期の撮影所という背景から、戦争が近づくにつれての辛さとか戦いとか、そういうものが出てくることは明白だった。
確かに、夢半ばで足止めを食らい悔しい思いをしたところも描かれており、思わず胸が苦しくなったが、「こんなに俺たち苦しんだのだから、お前らもがんばれよ」みたいなメッセージではなかったように思う。
「今は今、だから、今をあなたらしく頑張れ」というような、押しつけがましさのない、でも力強い後押しを貰ったような気がする。 

走馬灯のように撮影所に浮かぶあの二人の思いを眺めているような、一本の映画を観ているような。
「あいしています」の7文字へ込められた諸々に思わず涙。

コロニー

コロニー

ファントマ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2014/07/19 (土) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★

東の地に冬が降る
大阪の下地をもって気持ちは新たに拝見。
愛ってある意味エゴだけど、それに寄り添ったり、寄り添われたり、すれちがったり、哀だなあ…など。

キャストさんの違いや、演出の変化で印象も変わって面白かった。
殺陣やダンス、アンサンブルの方々も増えたことで豪華さが増し、笑いの要素が追加されたり削られたり濃くなったりで纏まった印象。
(「パパて!」が…)


終了公演なのでこちらに失礼…
クウォーツに槍を引き継いだ後、横たわる娘たちに送る女王の目線、その背中に胸が締め付けられた。
母上、に返す、我が娘、をクウォーツが聞かず旅立ったこともまた切ない。

観られた方には、各々キャラクターの名前の意味や特質をちょこっとでも調べてみることをお勧めいたします。掘り下げると、なお面白い。

大田王presents 『大田王2014ジゴワット』

大田王presents 『大田王2014ジゴワット』

ABCホールプロデュース公演

ABCホール (大阪府)

2014/07/17 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

なんと贅沢
観たい!にも書いた通りハードルを上げていったけれど、それをひょいっと上回る楽しさだった。
過去の大田王を観てないし、昔の小劇場や小ネタを知っているわけではないけれど、十分に楽しめた。分かりやすく、面白い。
各々の芸が安定してらっしゃるし、絞りと出しのバランスが良いのかなあ、など思う。

最近、惑星ピスタチオ『破壊ランナー』DVDと、遊気舎『最後の剥製の猿』を観たところだったので、久保田さんのイトウvs腹筋さんの豹二郎ダイアモンドに大変胸アツ。

若手がふがいないようならまた出てくるぞ!とのことだが、ふがいなくとも集まっていただけたらなあ、なんて思う。

リーディングRAMO

リーディングRAMO

ライトアイ

HEP HALL(大阪府)

2014/07/23 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

内容も、リーディングとしてもおもしろい
初・中島らもさん作品。
気にはなっていたものの、触れる機会がなかったのでこの機会に。

3作品とエッセイ含めたショートを読んでいただいたが、まず内容の幅広さに感心。
それを読んでいただく…いや演じていただくというのだから大変贅沢。ときどき目を閉じて聴いたりもした。
登場人物や情景が難なく頭の中に展開され、また、皆様の声が大変聴き心地がよく、耳も頭も幸せで満たされた。

今回聴いて、言葉流れなど好みだなあと思ったので、今度らもさん小説をいくつか読んでみたいと思った。

友達

友達

sunday

AI・HALL(兵庫県)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

うつくしくて、こわい。
一日目は全く予習なしで。二日目は戯曲本を読んで改めて。

初見も度肝を抜かれたけれど、改めて観てもあの表現が色がどの行間から湧きこぼれ落ちたのか不思議でした。
光と影と色彩と、生音、吐息、セリフのテンポ。それらと役者さんのパフォーマンスが組み合わさって美しく、美しいがゆえに恐ろしかったです。

別所にも書きましたが、はじめは男とともにあの家族たちに気味悪さを感じていたはずなのに、あの柔らかな囲い込みに呑まれて、そこまで拒絶しなくてもいいじゃないか、と意識・立場が入れ替えられている、と気づいた時が一番ぞっとしました。
おそらく「檻の準備を」のところだったように思います。


内容について少しメモを失礼します。
題名の『友達』。『家族』じゃないんだな、と思ったけれど、そういえば、家族になろうよ、の体ではなかったなと。
隣人。共同体。友人。
『友達』は他人だけれど、完全な他人じゃない。でも他人。強くて希薄な言葉。
携帯電話もスマートフォンもパソコンもないダイヤル電話の時代がそのままそこにあったけれど、ある今でもこういう関係性の怖さみたいなのは、一緒なように思います。

「おまえ、またやってしまったのか!」
またきっとどこかで繰り返している。今度は自分の後ろにあの家族が立ってはいないか?
部屋にあのポスター大のチラシを貼っていますが、奇妙さが観了後より増してすこし怖いのでした。


アフタートークも大変聴きごたえがあって、総合でとても満足した観劇体験でした。

猫みたいに生きたい

猫みたいに生きたい

劇団ひまわり大阪

HOME.cafe江坂(大阪府)

2014/07/12 (土) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★

ちょっと夢のあるほっこりしたお話
いまとは違う目線で見てみたら、世界はかわって見えるかもね。

川口さんの猫の動きが凄く猫らしかったのと、入れ替わった後のそれぞれの動きがその中に入っているはずのひとの動きと違和感がなかったので、見た目とさっきまでのギャップがあって面白かったです。
よくある「お茶の間」が舞台で、ちょっと懐かしい気持ちに。

猫になりたい彼が猫になってしまうのも見たかったなぁ…!
おばあちゃんの話を本人(中身は猫)以外が聞くてのがあるのであの入れ替わりだったのかしら。

人の気も知らないで

人の気も知らないで

iaku

壱坪シアタースワン(京都府)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/10 (木)公演終了

満足度★★★★

感情移入しやすい
女性3名の会話劇。
カフェ空間で織りなされる取り留めない会話から、パーソナルにつっこんだ話まで。
集団にいると自然と会話内の役割分担が発生するあの感じ。
私ならだれの意見かな、こういっちゃうかな、と思いながら観ました。

お芝居を観ているのですが、カフェにいたら隣でなんか始まった…みたいな巻き込まれた的妙な緊張感もあります。

今回は小さな一室で行われましたが、本当のカフェなどでやってみたらどうなんだろうな、と思ったり。
会場によって雰囲気はまたがらりと変わると思います。

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