好き
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2017/04/21 (金) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
初日の感想を三日遅れですみませんがやっぱり5454公演に「はずれ」なし。オープニングは若干、構えた感じに見えたけど、進むに従って役者さん達のキレが冴えてきた。
嬉しかったのは一美役の榊木並の復帰。あの手の役を任せたら「右に出る者なし!」って思う。
少し頭をはたらかせながら観る(私だけか?)シーンと、文句なく笑えるパートの緩急が、またこの舞台の見所。
小黒雄太、佐瀬恭代、関幸治といった役者さん達が舞台に上がっていなかったのは少し寂しいけど、やっぱりこの劇団「好き」
時喰【東京・大阪共に満員御礼!ありがとうございました】
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2016/09/14 (水) ~ 2016/09/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
シアターに入った途端
いつもより気合いの入った?舞台セットが目に入る。RED THEATERということで、スタッフの意気込みも伝わってくるってもんです。
そして漁介さんによる座席案内。こっちの期待も膨らみます。何気ない日常の場面・会話から始まるけど、役者達の気負いのない話し方や自然な動きは安心して観ていられる。そして劇中の「時間が栄養になる。」って結構な名言だと思うけど、これが後にサスペンスの呼び水となる。
いつも思うけど春陽漁介という人は才能溢れる脚本・演出家だと思う。
勿論、弘明(高野アツシオ)や要(板橋廉平)、守人(村尾俊明)といった時神様に操られた人達を演じる男性陣や、弘明をいい味出して支える妻の成美(佐瀬恭代)、反発しながらも父を心配する娘の梓(森島縁)など女性陣の役者も素晴らしい。
今後もこの劇団の公演は、見逃さないようにしたい。
ま○この話~あるいはヴァギナ・モノローグス~
On7
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2016/07/14 (木) ~ 2016/07/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
みほと(美火戸)って
言葉の語源に思わず、日本語って素敵だなぁと思う。「女陰」とか「あそこ」とかという表記より畏敬の念が込められているし、後ろめたさを感じさせない。
今後ぜひ、全国共通の呼称として定着してほしい。
この話を上演するにあたり、年月を要したという彼女たちの思いは、男の目線からみても、凄く共感できる。安藤瞳さんが語っていたように世の中の皆がここから「生」を受けたのに、口にすることや存在について堂々と議論する機会は少ない。
On7たちが熱く語り、演じてくれた舞台を観れたことは充実したひとときだった。
カタロゴス-「洗」についての短編集-
劇団5454
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/05/25 (水) ~ 2016/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
前作の
「数」についての短編集とは違って、どういう訳かひとつの立派な物語。(勿論、前作も素敵な仕上がりだけど。)5つの背景がオムニバスとして物語を構成している。
九(板橋康平)が愛する、望まぬ過去を消してくれる洗濯機を軸に展開していくのだが、ストレートに笑えるのは一美(榊木並)、千尋(佐瀬恭代)、二葉(森島縁)の3人の会話。一美の迷走行動に、千尋の自虐的返し、二葉のシャープな突っ込み。
見事な連携だった。
またダークな雰囲気の八木(高野アツシオ)も、ゲスな七海(関幸治)も味わい深かった。
百合(染谷敬子)のセレブ感もいい感じ。
それにしても、この脚本を書いた春陽漁介という人は才能ある人だと思う。
次回作も期待している。
内容に関係ないかもしれないけど、あえて「四」は外しているの?
ガイラスと6人の死人
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2016/04/29 (金) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★★
メガバの死人といえば
現世と冥土の狭間で、生への執着や自身の境遇に足掻いている姿が王道かと思うけど、この作品の死人はある意味異形。
コメディだからかパワフルである。
下ネタも随所に。
4作品のうち、メリハリが効いていいと思う。
レディ(鈴木ゆん)がキュート。
AQUA
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2016/04/29 (金) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
脚本が
しっかりしていないと、役者が頑張っていてもつまらないし、反対もまた然り。そして舞台セットの完成度も大事。
その点メガバは安心して観ていられる。
AQUAは狂気がテーマなので「安心」して観る劇ではないけど、ここらへんのジャンルはピカイチですよね、瀧さんは。不思議なのはこれだけコリッチで注目されているのに、もっと沢山の人が観るべき❗
損していると思うよ、未見の人達。
Hit or Miss
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2016/04/29 (金) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
これはまさに
途切れることのない台詞劇。誘拐に端を発し、ありがちな政治的・利権問題だけでなく、格差・民族・家族愛など重厚なテーマがリズム良いセリフと共に展開していく。脚本が見事で3夜連続のドラマにしてもおかしくない。
これで、他作品を三本観れて6000円は記念祭とはいっても怪しすぎ。(笑)
ドロボー・シティ
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2016/03/25 (金) ~ 2016/03/28 (月)公演終了
満足度★★★★
なるほど
泥棒にも家(アジト)がある訳だけど、ルパン三世達のアジトとは訳が違う。
大泥棒とは縁遠い、女四人のこそ泥チーム。
自分たちのアジトに他の泥棒一味が入るし、泥棒の傍ら、新聞配達のバイトするし…
緊迫感のなさが脱力系。
なるほどフライヤーを見ると力の抜けた注意書があるし、気楽な雰囲気一杯である。
気軽に観れて、会話のテンポや間の取り方の妙に笑える75分だった。
Stay of Execution
メガバックスコレクション
錦糸町SIM STUDIO 4F C-studio(東京都)
2016/02/20 (土) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
初めての会場
錦糸町にある初めての会場。セットは相変わらすの作り込み。確かに「45th」の景観、ただ構造的に視線を遮るものがあるのが残念。
紙飛行機がひとつのメッセージアイテムとなっているのだけど、これが‥‥まぁ会場に足を運んでもらえばわかります。
冥界と現世との狭間で、ひたすら足掻いている人間像を見事に表現(幸いにもそんな体験はないけれど)できるのは、まさにメガバならでは。
その頬、熱線に焼かれ
On7
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/09/10 (木) ~ 2015/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
戦争体験、
特に被爆者のそれは私達戦後の人間にとっては8月の一時期か、広島や長崎の被爆地に赴かない限り意識されることは少ない。
現地に取材し、広島弁を流暢?にあやつるOn7メンバーの気迫は対面式の観客席ではあったが、充分に伝わる。弘子(渋谷はるか)や敏子(尾身美詞)のやり取りや、それに絡む原爆乙女達。皆の様子を静かに見守る智子(安藤瞳)。
一定の選考基準の下、幸運にもアメリカでケロイド治療を受けることができた「ヒロシマガールズ」25人。舞台上で展開される彼女らの手術への不安や、選考に漏れた人達との狭間で感じる葛藤やガールズ同士の妬み。セットがシンプルな分、特殊メイクの細やかさがまたいい。
舞首ー三つ巴の里ー
鬼の居ぬ間に
シアター711(東京都)
2015/05/06 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了
満足度★★★★
救いようのない人間の業を
この舞台で見せつけられた。おそらく100年ほど前、日本の交通網が徐々に発展していく中で、周囲から取り残された木曽三沢山の山間、貧しい巴里で行われる助役選び。
「欲望、怒り、愚かな心」の三毒を、助役を巡って争う三人の男達に絡めた脚本は良くできているし、役者もまた表現力に溢れている。
ただ舞台背景から難しいかも知れないが最後まで救いのない話とせずに、希望や人間愛を感じさせる展開が欲しかった。
Rabies2021
メガバックスコレクション
キーノートシアター(東京都)
2015/05/01 (金) ~ 2015/05/06 (水)公演終了
満足度★★★★★
裏切りませんね❗
観たい!の評価を。
従来のウイルス感染の常識を覆すところから始まるサスペンス。
頭脳明晰ながら、娘を守りたい一心から無謀な行動を取る主人公ルイス。ヒーローで在りながら、精神的な歪みを抱えたこの学者をキリマンジャロ伊藤こと滝一也さんが見事に演じている。
相変わらずの舞台セット。滝さんならではの脚本、その世界観を演じる役者達。そして根底に流れる人間愛。
メガバックスワールドの醍醐味を体感した。
ゆうれいを踏んだ
突劇金魚
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了
満足度★★★★★
唐突な雰囲気から
始まる蔓子の幼少期からの足跡を追う物語。いくつかの経験から彼女が選んだ人生・・・
出演者たちのやりとり、例えば蔓子がお婆に体の変化を説明するくだり、蔓子とタカシが一緒に暮らしているときの掛け合い、今日子が劇団への思いを語る場面、お婆が蔓子を利用してしたたかに生き抜く野心。標準語(?)だとこうはいかないと東京生まれの私は思う。
突劇金魚の世界に魅了された。
次回の東京公演も是非行きたい。
ギンノキヲク FINAL
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2014/09/19 (金) ~ 2014/09/23 (火)公演終了
満足度★★★★
人生の終演?を
介護に携わる人に世話にならず迎えられる人が何人いるのだろう。
素材として身近で大きな問題だけど実際に介護職を経験してきた井保さんだから描ける内容だし、少し型破りな仕事ぶりも実体験なんだろうなぁ。
私が知っている介護職の人達は「紀陽の里」のスタッフほど神対応ではないけど、家族では対応できないことをプロとしてこなしてしまうし、もっと厚待遇であってもおかしくないんじゃないという思いを観劇してより強くした。
そう言えばよしもと芸人に介護エンターテイナーなる方がいるみたいだが、ラビット番長と共に問題提起してもらうのもいいのでは…
SPIRAL Cage
teamキーチェーン
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
観ないとわかりません
この舞台の面白さは。
あるホテルに伝わる都市伝説を追って、TV制作会社のスタッフが遭遇する「生命」にまつわる衝撃の…
と、公演中なのでここまでにします。
ありそうな題材をうまく仕立てた脚本と演出で最後まで飽きさせない作品。
セットの活かし方、話の展開、役者達の巧みさ。
teamキーチェーンとEgHOSTのダブル演出企画ということですが、まさに「大当たり」
劇場に是非足を運ぶべきでしょう。
親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】
劇団チョコレートケーキ
サンモールスタジオ(東京都)
2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了
満足度★★★★
前回、観劇する予定の
「治天ノ君」を都合によって見逃してしまったから、是非観たかった。
舞台は第2次大戦後のポーランド。アウシュビッツ収容所所長として有名なルドルフ・ヘースのを取り調べを軸に、進められていく。
取調室と4人の出演者が醸し出す空気は重く、淡々としている。
演出をふくめ、役者の重厚さもそこに反映されている。
戦後の共産圏、ポーランドという国家の微妙な背景もポイントであろう。
しかし観る側の心身の準備や対応が悪かったのか、時として睡魔に襲われてしまった。
(周りの人達はきちんと、観劇していました。)
あとはネタバレで
HOTEL CALL AT
メガバックスコレクション
南大塚ホール(東京都)
2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
セットでも定評のある
メガバックスコレクションだけど、今回は小劇場でなくホールという広い空間。
ファンの方がその高さや広さを心配しておられたようだが、その空間を見事に活かして「HOTEL]を再現していた。
聞くとポーン役の鈴木優美さんがセット作りにその才能を発揮したとのことで、役柄と相まってクールな仕事ぶり。
客入れでもキャストが出迎えてくれたり、観客を素敵な舞台にあげてトランプタワーに挑戦させたりと趣向を凝らしていた。
(フェイズランド役の野口さんより、観客の女の子が短時間で仕上げてしまったのには笑ったけど)
もちろん内容は代表作の再演で間違いないものだし、役者陣も素晴らしい。
中でも印象に残るのはキャスト全員によるモノローグというのでしょうか。その効果音、照明とシンクロした演出は心揺さぶられます。
滝さんの支配人は文句のつけようがないけど欲を言えば、予定されていた富永さんの「CALL AT]も観てみたかった気がする。
2日間では惜しい公演ですね。
宇宙の旅、セミが鳴いて
チョコレイト旅団
劇場MOMO(東京都)
2014/08/20 (水) ~ 2014/08/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
アポロ観劇
宇宙船の中での男女が織りなす模様をベースに展開していくお話。ありそうな設定だけど、本来無重力だから座ったり、立ったりという重力下での行動はできない筈といった野暮な突込みは置いておいて・・・
船長の浮谷さんはいい感じの力の抜け加減がでていたし、近松さんの強引さのあるドクターも適役かな。、
美男・美女というセリフを臆面もなく言えてしまうのはまさに下田さん、小川さんがいい男・いい女だからですよね。
田光さんはその表情に惹かれるし、北澤さんはパワーを感じさせてくれた。
いい役者さんが揃っていたけど、強烈な印象は神父の星さん。
セリフの言い回し、間、演技、どれも秀逸だったし、笑いを取るというのはなかなか大変だと思いますが、自然な形でそれができるのがいい。おいしい役だと思います。
劇中では地味な印象でしたが、最後に桑原さんの持っていた花がとても頭の中に残る作品でした。
カタロゴス-「数」についての短編集-【5454次回公演は11月後半!!】
劇団5454
劇場MOMO(東京都)
2014/07/03 (木) ~ 2014/07/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
初見だったけど
劇団名に数字を使っているからこその「数字」へのこだわり(?)が感じられた。
5話構成によるオムニバス形式で、脚本の巧みさ、役者の上手さを堪能できた。
、「ゾロ目のお告げ」の背景理解に苦労したが、「スコアラー」の変わり身の早さの妙に笑い、「ロス」では経済用語を学びながらも回避できない現実を突き付けられた。「不安の偶数、終わりの奇数」では工藤さんに持っていかれたし、「ゼロサム」には数字を正確に反映させる技と、無言ながら「人生の啓示」を感じた。
客演の榊、小黒さんのお二人も良かったが、今回印象に残ったのは佐瀬恭代さん。
温和な日本のお母さんが感じられ、好感が持てた。
記憶の水平線-初日完売致しました!-
マニンゲンプロジェクト
シアター711(東京都)
2014/07/02 (水) ~ 2014/07/06 (日)公演終了
満足度★★★★
死後の世界の
話ですが「不幸自慢」を題材にしてしまうから、出演している幽霊?が青少年の自殺者ばかりになるのだろう。
ただ現在日本の人口比率や死亡率からすると、70代80代がいても不思議じゃないし「人生の深み」みたいなものが内容に反映されてもいいのではと思ってしまう。
老人役を演じられる力量の役者もいたでしょうし。
死生感は普通に暮らしている我々にとって、なかなか意識
しにくいし、ターミナルケアに従事している人でもないと実感しないテーマだと思う。
そういう意味では、意識を喚起させる貴重な時間だったと思います。