舞首ー三つ巴の里ー 公演情報 鬼の居ぬ間に「舞首ー三つ巴の里ー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    救いようのない人間の業を
    この舞台で見せつけられた。おそらく100年ほど前、日本の交通網が徐々に発展していく中で、周囲から取り残された木曽三沢山の山間、貧しい巴里で行われる助役選び。
    「欲望、怒り、愚かな心」の三毒を、助役を巡って争う三人の男達に絡めた脚本は良くできているし、役者もまた表現力に溢れている。
    ただ舞台背景から難しいかも知れないが最後まで救いのない話とせずに、希望や人間愛を感じさせる展開が欲しかった。

    ネタバレBOX

    代々村を政治的に仕切っていた女性里長の浅水。それを補佐する助役の貞蔵。浅水は絶対的な決定権を持ちながらも、貧しさ故の理不尽な掟を実行するのは貞蔵だった。淡々と冷徹に言葉を発しながらも、要所では情による決断をする浅水と、掟を守る大義の下、助役の身分を守る為に人を殺める貞蔵。
    悪しき風習を変えるべく、理想を掲げ助役候補になりながらも「欲望」や「怒り」の為に道を踏み外す幸平と播磨。そして物語の伏線となる三つの煩悩「三毒」を説く、本真言宗僧侶の良庵。
    脚本が良くできているし、役者達もその熱量がいい。ただ、やはり何かの光や希望といった要素が欲しかった。あと音響機器の乱れなのか効果なのかわからないが、音楽が途切れてしまうのも気になった。

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    2015/05/09 08:47

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