その頬、熱線に焼かれ 公演情報 On7「その頬、熱線に焼かれ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    戦争体験、
    特に被爆者のそれは私達戦後の人間にとっては8月の一時期か、広島や長崎の被爆地に赴かない限り意識されることは少ない。

    現地に取材し、広島弁を流暢?にあやつるOn7メンバーの気迫は対面式の観客席ではあったが、充分に伝わる。弘子(渋谷はるか)や敏子(尾身美詞)のやり取りや、それに絡む原爆乙女達。皆の様子を静かに見守る智子(安藤瞳)。

    一定の選考基準の下、幸運にもアメリカでケロイド治療を受けることができた「ヒロシマガールズ」25人。舞台上で展開される彼女らの手術への不安や、選考に漏れた人達との狭間で感じる葛藤やガールズ同士の妬み。セットがシンプルな分、特殊メイクの細やかさがまたいい。

    ネタバレBOX

    テーマが重いから動きが少ないのはわかる。しかしOn7の女優陣はもっと動きがあった方が良いと私は思う。「扉 Ready Freddy Go!」や「痒み」のような動きが見たかった。勿論実際に被爆体験された方々や治療にあたった人達の苦労は非常に凄惨であろうし、演劇の上とはいえ身勝手なことをいうのは不謹慎だけど。

    当時の背景として、節子(保亜美)のアメリカでの転機となったホストファミリーのハグはまさに日本人には難しい行為だと考えさせられるし、美代子(宮山知衣)の結婚して子供を産む決意も、周囲の心無い人達からは色々な干渉を受けるのだろう。
    現代が取り敢えず平和なことに感謝しないといけない。

    冒頭の敏子のアメリカでの記者会見と、最後に帰国してからのしっかりした明るい挨拶の対比は、希望や未来を感じさせてくれる。

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    2015/09/17 23:13

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