I元の観てきた!クチコミ一覧

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さようなら

さようなら

オパンポン創造社

HEP HALL(大阪府)

2019/04/11 (木) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/13 (土)

育ちと環境で擦り込まれた様なとめどない劣等感、否応なく覆い被さってくる現実の閉塞感… 辛いなぁ。
そこに、諦観、不満の捌け口、足掻き、そして一か八かに賭けた策謀… ささやかで様々な悲喜こもごもが滲んで映る。
あの空気の中、チェンの緩衝材ぶりが良い味で好き。
そしてあの〆がもう堪らない。何という救いか。この有る無しで作品の印象は一変する。お見事としか言いようがない。
あと音。音がホント良かった。ほぼ素舞台の中に演技と相まってリアリティある世界を形作った。

こそぎ落としの明け暮れ

こそぎ落としの明け暮れ

ベッド&メイキングス

四日市地域総合会館 あさけプラザ(三重県)

2019/04/10 (水) ~ 2019/04/10 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/10 (水)

突拍子もないがSF的な興味深さに発展する状況設定に…思い込みの激しい常軌を逸したマイペースどもが主導権争いしているかの様だった(笑
場に不似合いとも思える程の印象的なセリフを数多つむぎ出し、その言葉づらはストレートだけど、状況的に意味不明が激しく、何らかの暗喩を疑わずにはいられないんだよなぁ。分かんないけど不条理やってる感じじゃない。
観客達の中の多様な琴線に…好き勝手に響いて、数多の想いを生み出していそう…そんな感覚のある芝居でした。役者のパワーものすごい。

「冥土ダイバー」「ハイパーリンくん」

「冥土ダイバー」「ハイパーリンくん」

19BOX

ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)

2019/04/05 (金) ~ 2019/04/07 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/04/07 (日)

「冥土ダイバー」小劇場演劇を見始めた頃に牛乳地獄の再演を観ていて、その年 屈指の好きな芝居だったので思い入れのある作品です。 一番印象に残ったのは、安城の存在感が増した気がすることです。安城が晒されている環境… 狂気ゆえの凶行に繋がった原因がよく伝わってきた。何度となく訴える…彼女の胸の内に湧いたモヤモヤの主張が、中盤あたりからもしっかり漂ってきていました。

「ハイパーリンくん」リズミカルな知識の調べ… 紡がれる自然科学史… 知性の結晶に身を委ね、無限遠に思いを馳せるひとときでした。偶然にもAmazonビデオで「コスモス:時空と宇宙」シリーズを観ているところなので、非常にタイムリーなネタの数々が流れていく。そしてその知性を支える人の営みがまた良かったですね。

ソーダと無限浮遊

ソーダと無限浮遊

南山大学演劇部「HI-SECO」企画

G/pit(愛知県)

2019/04/05 (金) ~ 2019/04/07 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/04/06 (土)

シンプルな空間とそこに響く音響が…想像力をより掻き立てる。後で聞いた音源に対する微細なコントロールの話には唸りました。巧みな心理操作やん…嵌ってたんやな、きっと。

そして炭酸発泡に見立てる感覚… 辛み、傷み、気が抜けた後のくどい甘ったるさ… 登場人物が要所で吐露する感想が印象的でした。

はみ出し者

はみ出し者

カドワキ企画

ナビロフト(愛知県)

2019/03/30 (土) ~ 2019/03/31 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/31 (日)

過去2本しか観てないけど、あっれ〜作風変わった?って印象でした…特に前3本。でも良い幅の拡がりを感じる。そして公演タイトルの最後の1本。2年振りの気持ちを投影したかの様な切なさ、苦しさ。役者の掛け合いや個性の活かし方も良く、これからも期待

平田オリザ・演劇展vol.6(豊川公演)

平田オリザ・演劇展vol.6(豊川公演)

豊川市

豊川市文化会館(愛知県)

2019/03/23 (土) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/23 (土)

さすが本邦随一「対話」作りの巨匠。巧みな役者陣の手によって、何気ない日常描写に様々な背景や含蓄を浮かび上がらせる。その上でのコミカルさも活き活き!
せっぷくっ!ぴぷぅ。

痛い大人

痛い大人

team.ups!

シアターココ(愛知県)

2019/03/16 (土) ~ 2019/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/17 (日)

平素(TL上では)毒舌の作演ウエダさんが小劇場界に思うところを かな〜りマイルドに笑いに仕立てたオムニバス。
繋ぎの工夫に他では見られないモノがあり、公演通して一貫した空気を作ってる。どこが切れ目か逡巡するほどに笑
全編通して笑いの当たりハズレは当然趣味次第だが、冴えない系キャラネタにに好みが多かったな。マナブ、ヤマダ推し笑。
ネタと素の切り替わりの空気も好きな。
どちらかというと若者の痛さの印象を受けたが、大人の痛さと評して語る部分に… 過渡期ならではの自負を感じます。

終わりなきコウカイ

終わりなきコウカイ

劇団星めぐり

ナンジャーレ(愛知県)

2019/03/15 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/16 (土)

過去と現在…2つの物語が交錯する。前半はストレートに話が進む様に思えたのだが…徐々に存在感を増す違和感が…目に見えているのが何者なのか、いったい今はいつなのかの混乱を呼び起こす。思っていた以上にじわじわ不思議感が迫ってきました。

すいもあまいも

すいもあまいも

試験管ベビー

千種文化小劇場(愛知県)

2019/03/15 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/15 (金)

大勢の登場人物を動員させるのが常の試験管ベビーで、これだけ主人公1人に魅力のベクトルを集中させた作品も珍しい。そして、同じく試験管ベビーにしては意外の客演の多さの中、当て書きとも思える役者の個性の活かし様も見事でした。

父さん、晩年っていうのかい、これは。

父さん、晩年っていうのかい、これは。

MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)

G/PIT(愛知県)

2019/03/13 (水) ~ 2019/03/14 (木)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/13 (水)

むちゃくちゃ振れ幅が広かった。前見たR.U.R.は意外性とパフォーマンスに驚いたけど、今回はそういう要素を残しつつも、リアルに自らを曝け出した感じが強くて、夜の回は名古屋演劇人オールスターみたいな客席だったけど、臓腑を抉られる感じだったんじゃなかろうか。

構成も前説から密度濃く、導入の落差も凄まじく、どこを見ていれば良いのか分からなくなる情報量やとことん掘り下げる役者弄りやぐだぐだのバラエティっぽさ… トラブルを上手に転がす巧みさ… キレキレの異空間パフォーマンス感… 劇団のダイジェストフラッシュバック… そしてしんみりと…タイトルが意味深に響くなぁ。

嗚呼それにしても作品の印象が全く収束しない(笑)

劇団あおきりみかん其の四拾『ワード・ロープ』

劇団あおきりみかん其の四拾『ワード・ロープ』

劇団あおきりみかん

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2019/03/02 (土) ~ 2019/03/06 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/03 (日)

20周年記念作品らしく あおきりみかんの旨味が濃縮還元! 特にあの独特の場転の感覚はすっごく"らしい"なと思った。
劇団を丸裸にした様な舞台構成も…観客との距離をすごく縮めてくれて何だか嬉しい。
お話も私の琴線に触れて、魂の叫びがジ〜ンときた。#あおきりみかん で涙ぐんだのは「つぐない」以来かなぁ…過去作人気投票で票入れてきました。

幸福はだれにくる

幸福はだれにくる

劇団うりんこ

うりんこ劇場(愛知県)

2019/03/01 (金) ~ 2019/03/04 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/02 (土)

美術と…過去最少の照明が作り出す「影」のスケール感がまっこと美しい。バイプレーヤーの発する奇声が生む空気…というか臨場感も好きだなぁ。

第4回全国学生演劇祭

第4回全国学生演劇祭

全国学生演劇祭実行委員会

ロームシアター京都ノースホール(京都府)

2019/02/20 (水) ~ 2019/02/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/02/23 (土)

名古屋学生演劇祭は3年続けて観ましたが、全国は初めて観れました。Cがえらく空気が偏っていたものの笑、全体としては色んな作品を観れて満足です。
最推しは「ミチタ カコ」、次点が「fooork」「劇団バッカスの水族館」「ゆり子。」あたり。

ラウンド・アバウト・ミッドナイト

ラウンド・アバウト・ミッドナイト

津あけぼの座

津あけぼの座(三重県)

2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/01/26 (土)

「違和感」の中に必ず潜ませてある「必然」の巧みさ。
事情が紐解かれるごとに…切なく迫る「違和感の意味」…どうしょうもない男の情けなさが迫る。

私戯曲 りんごのうた

私戯曲 りんごのうた

無名劇団

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2019/01/17 (木) ~ 2019/01/19 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/19 (土)

作演主演の本人が…自分を育ててくれた…今は亡き厳しい祖母との共依存関係と…それにより摺り込まれた自己否定感、そこから這い上がろうとする足掻きをモチーフに…憤りと自責の念が綯い交ぜの…自らの心を抉りだす様な芝居でした。

いい加減にしろ、どうもさようなら

いい加減にしろ、どうもさようなら

喜劇のヒロイン

ナビロフト(愛知県)

2019/01/17 (木) ~ 2019/01/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/18 (金)

空間の使い方は素晴らしかった。パッと見て「何だ、この高床式舞台は???」と思いましたが、更にイントレ(高所足場)まで導入されて、特に未来人はありとあらゆる空間を縦横無尽の忙しさだが、観る方も視線が忙しい笑… そして、コタツには、すげー入ってみたかった(笑)

喜劇のヒロイン独特の…間…というか、感情の乗せ方… いや、正確に言うと「敢えて感情を乗せない…淡々とした感じ」が相変わらず面白い。
​どうも上手く表現できないんだけど、独特の笑い… 会話の妙とでも言うべきか。ボケとツッコミでも… ツッコミの冷めた温度が不思議にハマる。芝居を客観的に眺めるメタフィクション的な笑いもあり… 様々に楽しみましたね。

TABOO【遠征割・高校生以下無料フォーム】

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壱劇屋

森ノ宮ピロティホール(大阪府)

2019/01/12 (土) ~ 2019/01/12 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/01/12 (土)

野田秀樹戯曲ということでしたが、傾いた感じの内容に壱劇屋のアグレッシブさとパフォーマンスが凄く合っていて、見応えありました。一休宗純を核に置きながらも、周りに順にフォーカスか移っていく群像感も、10周年記念公演に相応しかったですね。一休と対峙しての群舞とかは、やはり流石の見映えです。

花に嵐

花に嵐

南山大学演劇部「HI-SECO」企画

ナビロフト(愛知県)

2019/02/14 (木) ~ 2019/02/17 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/02/17 (日)

総論として「漂わせる雰囲気作り」にパラメーターを全振りした印象の芝居。主人公s みきシオの想いの丈…想いの機微を表す演技を堪能した。求め合い…通じ合っている様でいて、擦れ違ってしまう感じがとても切ない。そして更に…周りの人達が言動に滲ませる背景が、いずれもただならぬ感じに膨れ上がり…妄想を掻き立てる。Wキャストで結構空気が違って見えるのも面白かった。

一番のお気に入りは4人のアンサンブルキャスト。
ある時はモブに…ある時は小道具処理の黒子に…ある時は主役に作用する「運命」を物理的な効果で示す。みきシオの別離を表現した…追うシオの身体を引き留めたアンサンブルの「運命の手」が、内なる想いに反して流される二人の運命のイメージを掻き立てて新鮮だ。

糸井版 摂州合邦辻 せっしゅうがっぽうがつじ

糸井版 摂州合邦辻 せっしゅうがっぽうがつじ

木ノ下歌舞伎

穂の国とよはし芸術劇場PLAT・主ホール(愛知県)

2019/02/15 (金) ~ 2019/02/16 (土)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/02/16 (土)

いつにも増して現代の出で立ちで現れ、糸井演出のもとでFUKAIPRODUCE羽衣風の装いだが、原作の異色さも相まって、全く違和感なく馴染む。現代の価値観やロジックからすれば、戸惑う超展開も待っているが、原典が歌舞伎から更に能、室町の説経節… 果てはインドの古典まで辿れるらしく、各時代の価値観や宗教、信心まで合わせて俯瞰することで、やっと見えてくるものがあるだろう。上演記念ブックがかなり充実していて、ちょっとつまみ読みしただけでも、かなり助けになる予感がある。

いがいと女子

いがいと女子

劇団 いがいと女子

ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)

2019/02/09 (土) ~ 2019/02/11 (月)公演終了

満足度★★★

実質、最終公演のいがじょさん。寂しいですが、きっぱり最終と謳って公演で〆られるだけも有終の美だと思えますね。
感想はネタバレBOXに。

ネタバレBOX

「グッドバイ」これはフィクションです?(笑)っていう、最終公演ならではの作品。小劇場演劇界あるあるでもあり、「結局その辺の劇団になっちゃったね」という台詞に寂寥感を禁じ得ない。そんな場でも笑いに変えていく…長沼さんの「調味料万能論」とか微笑ましい。

「しちりんとさむらい」ミステリーとコントに禅問答が絡むスタイルは、如何にも天野さんらしい。
サムライが半分飛び道具、半分が核心を突くキーパーソンとして活躍するのが面白い味で、超飛び道具のオカマ篠塚さんや、やはり終始食べ続ける長沼さん、​終始ツッコミ続けるきくちさん等、キャラで笑わせるところや、噛み合わない会話や膨らむ勝手な共感と誤解とか、的確に笑わせてくれる楽しさがある。
最後を飾る…「オサラバ~」の歌とダンスが、その歌詞に比して何やら清々しくもあり、​コミカルなのにシニカルさが潜んでいる感じとか、なんとなく不思議な感触でとても良かった。笑って終わるところなのに、何かしんみりしてしまう。
千秋楽限定のキャスト紹介で、泣かせまいぞと一本締めの様に同時に一瞬で終わらせるのが粋でした。

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