ダナの観てきた!クチコミ一覧

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再生ミセスフィクションズ

再生ミセスフィクションズ

Mrs.fictions

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

思い出しちゃって。
観劇後に時間が取れず、鑑賞コメントを寄せるタイミングを失っていました。なのに、ふとした時に思い出すんです。「お父さんは若年性健忘症」の、ラストシーン。だからこれだけは書いておこうと思って、今更ですが書き込んでいます。
「お父さんは若年性健忘症」。素晴らしい短編です。
優しく切なくやるせなく、そして羨ましい。

カムサリ

カムサリ

ニットキャップシアター

座・高円寺1(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

ああ古事記
古事記×団地劇、というキャッチコピーに惹かれてチケットを購入して、前知識を一切持たない状態での観劇でした。もちろん劇団ニットキャップシアターも初体験です。
結論から言って、観てよかった。ニットキャップシアターを知れてよかった。とても好きです。面白い。
笑いが多い、という意味の面白いではなくて、舞台の随所に「興味深い」が隠れている、そういう面白い。
古事記を下敷きにしているだけあって、設定からちょっとした台詞や動きにも古事記が仕込まれている。かと思うとすごくシンプルに笑いを取りにくる。いい意味での配球の広さがとても楽しかったです。
また演出面でも楽しませてもらいました。
ブルーシートを敷き詰めた舞台、大胆に中央につられた一見無意味そうなオブジェ(これ後半大活躍でした。照明当たった時ぞくっときました)、楽器、声、思い出すとぞろぞろ出てくる小さな「道具」がそれぞれちゃんと仕事をしてて。
中でもサックスとフープの仕事っぷりには感じ入りました。
次回公演が楽しみです。
ニットキャップシアターに出会えてよかった。

悪い冗談

悪い冗談

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ドン、ドドン!
追記前の「事前のあらすじ」を念頭においての観劇だったので、開演しばらくは正直戸惑いました。あれ、なんだか様子が違うぞ、と。そして物語が始まっているのかいないのか、それも判然としないままで舞台上にいくつもの場面が入れ替わり立ち替わり。その場で起こっている事を淡々と見ている事を強いられているような気持ちになったころ、いよいよ物語を探すのがシンドくなってきました。
でも、物語を探さずともそこに世界はずっとあり、ずっと動き続けています。そしてそれを見ている事は決して不愉快ではなかったのです。

全部を見終えての感想は「これこそが悪い冗談だ」。
どこに主眼を置こうが、何を正面から見ようが、それは主観でしかなくて、補正がかかってて、自己擁護が常に働いて。
そんな我々の生命活動なんて「悪い冗談」だ。

それもまた、悪い冗談なのでしょうか。
ぐるぐるするね。

アマヤドリの真骨頂の集団パフォーマンスは今回も見事。
鳴り響く足音、打ち上がる花火、そして70年を渡った爆発音。
シアターイーストがはちきれそうになった瞬間でした。

『山茶花』

『山茶花』

演劇人*

d-倉庫(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

恋物語は一つじゃない
説明から見て、主人公の「やまこ」の青年とつばき、この二人の恋の物語なのだろうなと予測していたのですが、ふたを開けてみればいくつもの愛と恋の物語が。二時間とすこしで全ての登場人物の愛と恋にそれなりにきっちりした形を与えたのは、よくやったなぁと感心。個人的に「次男坊」の物語に胸が熱くなりました。
物語としては幾分かの物足りなさも。物語の外郭はしっかりしているけれど、中に並んでいるパーツがややぼんやりしてしまっている感じがします。主に「やまこ」の設定。もう少し彼らの背景に感情移入できるエピソードが欲しかった気がします。でも三人組自体はとても魅力的でしたし、冒頭で生き生きと跳ね回る三人は本当に獣のように見えました。
三人に限らず、人物はみんな魅力的。
特に女性陣はそれぞれの役の味をしっかり振り分けて演じていて、すっきりわかりやすく見られました。

これは好みの問題が大きいとは思うのですが…。
この作品にはOPのダンスは必要ないのではないかな、と感じました。
里の雰囲気の作り方がとても良くて、昔話の中に連れて行ってもらったような気持ちになっていたところにキレッキレのダンスだったので、現世にもどっちゃった感じが。
ダンスはみなさんとても上手で、見応えはありました。



つかこうへい TRIPLE IMPACT いつも心に太陽を

つかこうへい TRIPLE IMPACT いつも心に太陽を

RUP

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/02/24 (火) ~ 2015/03/02 (月)公演終了

満足度★★★★

時間は流れている
手垢がついてしまった。
こんな言葉を使うのも気が引けるが、ほかにどうとも言いようがない。
つかこうへいの脚本は流石だし、役者も達者だ。
それでももう、新鮮みや衝撃は感じなかった。
ただそれは、受取手であるこちらの問題なのだろう。
熱く激しくこの作品を受取った人も絶対いるはずだ。
そういう作品だ。
これからもずっと、上演されて行くのだろう。
そういう作品だ。

『鬼切丸』再演

『鬼切丸』再演

タンバリンステージ

あうるすぽっと(東京都)

2015/01/24 (土) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★

ぎゅっと詰まった
謎の少年を中心に据えた伝奇物語。
数人の主たる人物のそれぞれの物語を見せながら、少年の元に物語が収束して行く後半は緊張感とスピード感があってよかった。
なかでも裏僧枷と言われる人ならざる物に成り果てた僧侶達の、なぜそうならねばならなかったかを語る回想のシーンは、本編を食うくらいの迫力を感じた。あそこだけでひと作品作ってもいいのではないだろうか。

難を言えば主人公のキャラクターが今ひとつ見えて来なかったのが残念。彼はどういう人物だったんだろうか。
加えて前半の冗長さが気になった。もうすこしシェイプアップしても十分に面白い物語になったのではないかと思う。

狂乱フリーク

狂乱フリーク

ソラニエ

d-倉庫(東京都)

2015/01/22 (木) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

何が沈んでいますか
シンプルなセットは奥行きが深く、見下ろし型になる席が多いd-倉庫では箱庭のように見えた。その舞台全体を使って、いくつかの「場所」を作り出したかと思えば、大量の役者達がところせましとハイスピードで歩き回ってそこを町の雑踏に変える。
黒をメインにしたモノトーンのセット。そこに最終シーンでは極彩色が降る。
視覚表現の手法が面白かった。

リチャード三世

リチャード三世

少年社中

あうるすぽっと(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/12 (木)公演終了

満足度★★★

質の高い娯楽劇
出演者、演出、照明、音響、衣装。
どれをとってもそつなく美しい、パッケージとして出来のいい作品でした。
設定はリチャード三世なら「あるある」な形で、フライヤーから察せられた通りの布陣。
スピード感ある展開、ほどよくちりばめられた笑い、派手なアクションと見所たっぷりの娯楽劇に仕上がっており、楽しい2時間でした。

ただ、独自の設定とキャラクターを立てるための脚本の余波なのか、シェイクスピアの数々の名台詞が聞けなかったことには物足りなさを感じました。
また序盤の登場人物のやりとりを観て、もう少しラドクリフを生かしてくるのかなと想像して期待していただけに、彼の使い方にも物足りなさ。

それでも、単品の作品としては申し分ない娯楽であったと思います。

『うちやまつり』・『paradise lost,lost~うちやまつり後日譚~』

『うちやまつり』・『paradise lost,lost~うちやまつり後日譚~』

桃園会

座・高円寺1(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

静かな雄弁
言葉の一つ一つが生き生きと、その持ち主達だけのスピードとテンポで飛び交う。だけれどその全部がどこか空々しい。全員がもっている「隠している」「取り繕っている」「探っている」「いぶかしんでいる」「畏れている」そんな気持ちが、薄い幕のように作品全体を覆っている。しん、としている。
中盤、その幕のほうぼうがピリピリと破れて行き、中身が少しづつ見え始めてくる様は、ゆで卵のからをマダラに剥いているかのような気持ちにさせられた。

抑圧された芝居を見せた橋本氏、ぬめり匂い立つような色気を見せた森川氏、少女の毒を艶やかに見せた阪田氏の演技が心に残った。

忍ブ阿呆ニ死ヌ阿呆

忍ブ阿呆ニ死ヌ阿呆

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

もしもあの時あの場所で
歴史物の王道でもある「たられば」を、荒唐無稽の驚きを残したまま徹底的にリアルに物語化してありました。
一個一個はそんな馬鹿なの連続。でも軸となる人物たちの描き方が丁寧なので、彼らの生き方や心情がその作りもの感を打ち消して「ああこういう事だってあったかもしれない」つ納得させられてしまう。何も不自然でなく必然だとすら思えたのは、一見大胆な脚本が、実はとても丁寧に人物を描いていたからだと感じました。

惜しむらくは言葉数が多いだけに台詞が濁流的になってしまう役者さんが何人かいらしたこと。そこちゃんと聞きたかった、と思った台詞が何か所もありました。勢いがあってよし、と思うか、もうちょっと丁寧に、と思うかは個人の好みもあるかと思います。あの勢いが人物の必死さを増して伝えてくれたのも事実でした。

事前に配られた当日説明チラシ、幕間に配られた追加チラシ、終演後に配られた補足チラシ、など観客に楽しんでもらいたい、という劇団の暖かさが嬉しかったです。スタッフのみなさんもにこやかでとても感じがよかったです。

ご来場ありがとうございました!!   アイ・ハヴ・ア・ドリーム

ご来場ありがとうございました!!   アイ・ハヴ・ア・ドリーム

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

ザ・ミュージカル
ミュージカル座という座名に偽り無し、王道まっしぐらのミュージカルでした。キャストの力量も申し分無し、歌にダンスに芝居にと安定感抜群の3時間弱。☆組を観劇。
中でも、「キッズのヘッドの女」であるリンを演じた佐々木由布さんがとても魅力的でした。セクシーなビジュアルに芯がしっかり通っていて、話の肝になる部分のお芝居も歌も、強く客席に訴えかけてくるパワーを感じました。機会があれば是非また拝見したい役者さんです。
また、ロミジュリのロミオ的な位置のトム。こちらを演じられた中本吉成さんも情感豊かな歌声が素敵でした。ロマンチックな空気も、鬼気迫る迫力も見せていただいて、トムが魅力的に見えました。
次回公演は六行会だそうで、すきなホールなので観劇にいけたらいいなと思っています。

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

ぐらんぐらん
笑って泣いて怒って、そしてダマされる。
それがポップンマッシュルームチキン野郎の醍醐味だと思っている。
今回はその配分が絶妙だった。
脚本家としての吹原幸太氏の腕力はどこまで伸びるのだろう。
次回公演も期待が高まる。

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