満足度★★★
ぎゅっと詰まった
謎の少年を中心に据えた伝奇物語。
数人の主たる人物のそれぞれの物語を見せながら、少年の元に物語が収束して行く後半は緊張感とスピード感があってよかった。
なかでも裏僧枷と言われる人ならざる物に成り果てた僧侶達の、なぜそうならねばならなかったかを語る回想のシーンは、本編を食うくらいの迫力を感じた。あそこだけでひと作品作ってもいいのではないだろうか。
難を言えば主人公のキャラクターが今ひとつ見えて来なかったのが残念。彼はどういう人物だったんだろうか。
加えて前半の冗長さが気になった。もうすこしシェイプアップしても十分に面白い物語になったのではないかと思う。