小林ゆうすけの観てきた!クチコミ一覧

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紙の方舟

紙の方舟

シアターノーチラス

小劇場 楽園(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★

観てきた!
作品としての主張やテーマが薄かったように感じました。最後の5分でバタバタと収束させた感じでした。
物語もあらすじより先にほとんど進まず、あらすじの設定説明だけで終わってしまいました。登場人物ひとりひとりに時間を費やしすぎかなー、と思います。また、そのエピソードもワンパターンで、もう少し演劇的な工夫があればと思いました。
設定が50年前のせいか、テーマや登場人物の思考が画一的で幼く見えてしまいました。それに今では、家族の問題は顕在化され、議論も次の「結婚」や「老後」へと移行してしまっています。未だ普遍的な問題であることに変わりありませんが、できれば劇中で現代の「家族」に対するアンチテーゼなどを扱ってほしかったところです。

不在の豊饒。

不在の豊饒。

中野坂上デーモンズ

荻窪小劇場(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

観てきた!
いわゆる演劇を演じるメタ演劇です。そして下品です。チンコです。でも、見ていて飽きなかったです。なぜかしら。

海の五線譜

海の五線譜

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★

観てきた!
およそ90分の公演でした。良かったと思う点を箇条書きに。
・役者陣のレベルが高かったです。全員が一人二役や三役をこなすのに驚きます。
・場転やモノの移動が鮮やかだった。
・後半のリズムが良かった。アカペラで物語に柔らかさを出しており、長い会話劇の舞台を飽きさせないように工夫されていた。

ネタバレBOX

物語は「なぜ結婚したのか?」という問いを妻を中心に夫婦、元恋人、親子の関係の中で語られます。自分が男のせいか、やや一方的に求愛を受ける女性に違和感を感じました。物語全体としては「上手く」まとまっていたとは思います。
ときのものさし

ときのものさし

HOTSKY

遊空間がざびぃ(東京都)

2015/11/20 (金) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

観てきた!
1時間ちょっとのお芝居でした。何回も繰り返される歌(童謡?)が印象的でした。それぞれの役者に役割があり、見ていて分かりやすかった一方で、一度ハケるともう出てこなくなる方々もいて、そのせいか役者の印象が薄いように感じました。おばあちゃんの演技と無声の女性の演技がやはり心に残りました。

海猫街・改訂版

海猫街・改訂版

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2014/04/21 (月) ~ 2014/05/03 (土)公演終了

満足度★★★★

泥臭い!
東憲司作品のストーリーは似ていると言われます。今回の作品も例外ではなかったようです。(自分は「紅小僧」と「夏ノ方舟」しか観てませんが。)ただいつも通り泥臭いエネルギッシュな演技が観れます。自分はそれを期待して観に行ったのでそこそこ満足です。なぜ、「そこそこ」かというと音響が少し大きすぎたように感じたからです。そこだけ残念でした。

パンフレットの初演時の写真と比べると衣装が良い感じに変わっていました。

好きな小説家が新しい小説を出したら買って読む。
好きな歌手がライブをやるから行く。

桟敷童子もそんな感覚にさせてくれます。

ゴーストライターズ!!

ゴーストライターズ!!

企画演劇集団ボクラ団義

SPACE107(東京都)

2014/02/28 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

ファンシーなお話
初日の回(團遥香編)を観に行きました。

ボクラ団義初観劇です。

やっぱりopeningがいいです。youtubeで過去のopeningを事前に見ていましたが、生で見ると想像以上によかったです。ドキドキしました。

内容はパンフレットにもあるように、まさに「SFコメディ」(良い意味で)でした。

以下ネタばれ↓

ネタバレBOX

当パンにも書いてあったように、やりたいことをつなぎ合わした作品、という印象を受けましたが、上手くつながっていたため展開に違和感を感じることはありませんでした。ワンパターンのギャグを連発したりや無理に感動をおしつけたりすることのない自然なストーリーであったため、気持ちよく役者の演技を最後まで見ることができました。このバランス感覚が東京に無数にあるアマチュア劇団との大きな違いだなーと思いました。

雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか

雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/01/23 (木) ~ 2014/02/03 (月)公演終了

満足度

拒絶反応
自分(とその友達)は全く合わなかったです。そして、この舞台に関わった人の舞台は二度と見たくないと思いました。

以下ネタばれ

この舞台、仕事をして税金を納めている人が見るとストレスたまるかも・・・

ネタバレBOX

ストーリーがない。約2時間、同じ場所でずっと頭の悪い会話を聞かされる。問題なのは会話の内容と語彙。

酩酊(&薬)状態の設定のせいか、ユーモアもひねりもない下ネタ・認証欲求を満たすための質疑(「ちょっと話聞いてる?」)などを何度も何度も繰り返す。聞いてる側はうんざり。個々の登場人物の性格(記号化された)を客に伝えるためなのか?それにしてはお粗末。

そして一番の問題は語彙。「やばい」「かなり」「すごい」のような言葉を定型的に使う使う。しかも異国にいるという設定なのに・・・言葉に対する感覚がにぶいのでは?

役者の空気も違和感だらけ。唯一「カエサル初登場」のときだけ良い空気を感じられた。役者のみなさん演じていて楽しかった?

さらに、正面の観客たちのつまらなそうな顔がより舞台を冷めたものに。

伝えたいであろうテーマもどこかで聞いたことのある新規性のないもの(たぶん日本では受けないと思う)。

異国という設定も全く感じられず(群馬の田舎と言われても違和感なし)、観るものが本当に何もなかった。

まさに、全てを捨て去った中身のない演劇だった。(ただし新しい世界には行けてません。そこは先人があえて選ばなかった世界です。)

最後に、何かやりたいことがあるなら内輪でやってくれ。アゴラを使ってやるのはやめて欲しい。チラシを見てお金を払う人の身にもなって欲しい。だから、「小劇場での演劇は・・・」と言われるんだ。

日本の演劇業界(アゴラが関わっている以上)について考えさせられた舞台だった。

パラノイアパラノイア

パラノイアパラノイア

劇工舎プリズム

駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度

驚きの完成度!
あまりの完成度の低さにぐうの音も出ません。110分の拘束時間はつらい。このクオリティーなら途中退場を認めるべきなのでは。大多数には受けない作品です。ふだんは入場無料の学生演劇のレビューなどに書きこまないのですが、今回だけは使命のような心持ちで書いています。ネタばれを読んでも見たいという人だけ見てください。

ネタバレBOX

キャラクター・会話のノリは少女漫画の吹き出しをそのままセリフにしたみたい。しかも、やりとりがワンパターンでつまらない。中学生が脚本書いたらこんな感じなのかなー、などと思いました。あと話し言葉で不自然なところは稽古中に直すでしょう、ふつうは・・・

役者もほとんどが素人または素人に合わせた演技で、人に見せれるクオリティーとは言えません。声がごもっていたり、セリフの頭が弱く後ろを演歌のように節つけて言ったり、本当に小声であったりとひどい。各役者の悪い癖が前面に出ていました。

舞台や照明(暗転)なども色々と目についた。

今年度の小空間にいおける大御所サークルの作品づくりは悪い意味での自己満足と消化を体現しています。今回の劇はその象徴的なものでした。早く「大学生」になってください。

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★

『太陽とサヨナラ』
透明感のあるファンタジ―でした。物語の大筋は可もなく不可もなく、でした。前半はよく分からない設定を押しつけられ戸惑いましたが、徐々に物語が開けてきて見やすくなりました。

以下ネタばれ↓↓

ネタバレBOX

終盤いきなり物語が閉じてしまうのはビックリしました。好みの問題でしょうが、後半の家族の話や手紙のシーンを冗長にせず、シャイの別れの前後を丁寧に扱って欲しかったです。

次に役者について。演技(?)が上手で、見ていて飽きませんでした。(糸山和則さんの奇妙な動きは何とも言えません。)気になった点は、空間が広いということもあり、舞台との一体感という意味での身体(ダンス)を活かせていないということです。また田中三浦さんの動きの美しさに目をひかれ、広い舞台に点在している役者全体に目がいかず、残念なことに視界が狭まってしまいました。あと登場人物の年齢が演技からは読み取れませんでした。

最後に客席について。隣との距離が近いように感じました。実際、横の人の咳(?)が終盤で酷くなり音と振動と臭いが伝わってきて観る妨げになりました。今後気をつつけていただければと思います。神経質ですいません。
【韓国】劇団ヨハンジャ『ペール・ギュント』

【韓国】劇団ヨハンジャ『ペール・ギュント』

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 中劇場(東京都)

2013/10/26 (土) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

よかった!
日中韓による演劇祭の演目の1つです。韓国の劇団の方々による韓国語での舞台でした(日本語字幕つき)。自分は韓国語が解らないため、字幕を頼りに観ました。まず役者の方々がすごく上手でした。言葉の意味が解らなくても、声や身体から「気持ち」が伝わってきました。また舞台芸術・音響・照明なども素敵で中劇場の空間とマッチしていました。特に舞台奥の鏡(?)は良い味を出していました。スタッフさんにも親切に対応していただき、とても気持ちの良い時間を過ごせました。感謝しています。

最後に、国が違えば演技の(特に群での)色が変わってきますね。そういうのも見れて良かったです。

蝦夷地別件

蝦夷地別件

ピープルシアター

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/10/10 (木) ~ 2013/10/16 (水)公演終了

満足度★★★

声が聞こえない・・・
13日の夜の回を観に行きました。原作は未読です。感想ですが、「声が聞こえない・聞きづらい」ということに尽きます。前から5列目中央にも関わらず、全体の1割ほどのセリフが聞こえず、半分ほどが聞き取るのに労力を要しました。公演時間が約2時間30分もあり、観終わった後は疲れがどっと押し寄せてきました。

セリフが聞き取れないこと、登場人物が多くその名前がほとんどカタカナであること、ストーリー展開が早いことが相まって、数人顔と名前が一致せず曖昧なまま話が進んでいくので、感情移入もできませんでした。まるでガブリエル=ガルシア=マルケスの『百年の孤独』のようでした。

戯曲化にあたって原作をどれほどコンパクトにまとめたのか分かりませんが、もっとコンパクトにして1つ1つのシーンを詰めて欲しかったです。これは好みの問題ですが。

舞台の声が客席に届かないのはなんと皮肉なことでしょう。

イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】

イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】

劇団東京イボンヌ

ワーサルシアター(東京都)

2013/10/01 (火) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★

必要性
開幕までのスタッフの動き・当日パンフレットから劇団の熱意を感じました。また題材にベートーベンの「不滅の恋人」を扱い、生のピアノと声楽を起用し、力のある役者たちが参加していることからも本気さが伝わってきました。しかし脚本・演出がいまいちでした。はい残念。

以下ネタばれ↓

ネタバレBOX

劇の内容について感想。過去のベートーベンの話は良い感じでした。しかし、現在の話が薄くて浅い。メインストーリーがベートーベンの話よりも深くて濃いものでなければならないのに、完全に逆転していた。また現在の話では登場人物が多く場転も多いわりに内容は薄い。設定条件が最初にパッパッと語られるだけで観客をストーリーに引き付けるには台詞が情報化しすぎていた。また看護師や叔母が物語の中で機能していなかった。

次に、非常に残念なことに、生演奏と舞台がマッチングしておらず、生演奏である必要性が感じられなかった。上手に演奏しているだけで役者の身体と融合していなかった。

そして根本的に、この劇を舞台でやる必要性を感じることができなかった。仮に小説やラジオ、映像に置き換えられたものが先にあったとしても舞台で観たいとは思わない。物語もほとんど頭の中で立体化でき、演奏を聞きたければ別の演奏会やオペラを観ればいい。つまり今回の舞台では「迫力」や「生々しさ」、「即興性」、「観客との一体感・緊張感」といった演劇の強みが無かった。そういう意味で生演奏はもっと舞台に侵入して、役者は演奏を身体で感じるような演出にすべきだと思いました。

劇の内容はさておき、劇団イボンヌにはこれから頑張ってほしいと思います。
青ひげ公の城

青ひげ公の城

非シス人-Narcissist-

サンモールスタジオ(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/03 (木)公演終了

満足度★★★★★

いいね!
他の方もおっしゃっているように素敵な舞台でした。文句無しです!

「伽羅倶璃」-カラクリ-

「伽羅倶璃」-カラクリ-

護送撃団方式

王子小劇場(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★

大人の事情?
千秋楽を観ました。客席が狭いことは他の方が書いていらっしゃるので触れません。三味線の上手い下手も触れません。

観劇後、頭の中は「日替わりゲストが舞台をつぶした。なぜ日替わりゲストなんかを使ったの?」という考えでいっぱいでした。
以下ネタばれ↓

ゲストの存在以外はよかっただけに残念です。裏切られた気分です。

ネタバレBOX

役者、美術、音響、照明どれもよかったです。ダンスの動きと衣裳が合っていないことやメタ発言に関しては好みの問題なのでそんなに気になりませんでした。

物語も前半やや冗長だなとは思いましたが許容範囲。後半、盲がベールを脱いで舞台が「演劇的昂揚感」に満ちたところで、見に来てよかった、と思いました。しかし、取ってつけたような日替わりゲストの登場によって会場の空気が完全に凍りました。ストーリーと全く関係ないモノマネを長々として、客席は苦笑い。やっと日替わりゲストがひっこんだと思ったら、すぐに物語の見せ場に。舞台で何をやられても全然感情移入できず、「ぷっぷっぷー」ぐらいしか記憶に残っていません。

ストーリーから考えてもゲストのシーンは必要ありませんで。またカーテンコールでのゲストの「会場に来て1時間半も待たされた(笑)」の一言で冷めが怒りに変わりました。劇団主催者と関係者の間でどのような事情があったかは知りませんが、観客を巻き込むのはやめてほしいです。
ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★

コメデぃー
約2時間にわたるコメディ劇でした。登場人物1人1人が個性的でキャラも立っている一方で、くどくならずに話が進みました。以下ネタばれ↓

日本人独特の空間でした(自分は日本人ですが)。コメディには辛口なので星は3つで。

ネタバレBOX

「今年は、1クラスだけ、文化祭での発表が出来なくなります」 のシーンから終盤までのやり取りは飽きずに楽しめました。ネタや間の取り方など上手かったです。ただコメディ以外のストーリーの部分が弱くなり、最後の塩原さんと矢吹さんのやりとりから、付け足しただけみたいな印象を受けました。ただし今回の一貫した現実的な劇には合っているのかもしれません。このあたり難しいところです。

また、少し尺が長かったように感じました。 ただし、それは無駄なシーンがあったからではなく、ストーリーの性質上、演出の幅が狭まったのが原因かと思います。場所が固定で時間の流れも現実と同じ速度、そして現実的な出来事しか起こらない場では音響や照明による演出、舞台の工夫は難しいのかもしれません。それでも演劇的な高揚があればというのは高望みでしょうか。

最後に、内容に関しての賛否は、当日パンフレットの作・演の挨拶にある「もしもご来場の誰かにとって」に表されているように感じました。
『起て、飢えたる者よ』ご来場ありがとうございました!

『起て、飢えたる者よ』ご来場ありがとうございました!

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

異議なし!
浅間山荘事件をモチーフとした話でした。観賞後、Wikipediaで実際の出来事を確認したところ、劇での話とは異なりました。実際の事件を知ってた方がより楽しめるかもしれません。自分は詳しくは知りませんでしたが、十分楽しめることができました。

舞台や衣裳、音響、照明、スタッフ、タイムキープどれも満足でした。ストーリーはやや閉じてしまった感が否めませんが、題材から到達できるものとしては、かなり水準の高いものに仕上がっていました。

役者陣も良かったです。特に渋谷はるかさんの演技には吸い込まれました。

良い舞台を見させていただけて本当に感謝しております。

ま・ん・だ・ら

ま・ん・だ・ら

劇団肋骨蜜柑同好会

王子小劇場(東京都)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

イマジネーションを働かせて
前日までの評価が悪かったので、期待せずに観に行きました。実際見てみると、自分は楽しめました。たぶん作風を受容できるかどうかで評価が大きく別れると思います。

会話メインで外的な演出は控えめでした。そのため役者の演技によって場が大きく左右されたように感じました。前半、役者の演技がいまいちで少し残念でしたが、後半徐々に良くなり、観ている自分も盛り上がれました。安定して上手い人がいてよかったです。

ストーリーがやや複雑であるため、何も考えずに見ていると置いていかれるおそれがあるので注意が必要です。当パンをきちんと見て覚悟しておいた方がいいでしょう。仕事終わりに観劇して寝てしまう客がいるのは仕方ないかもしれません・・・

以下ネタばれ↓

補足:舞台について。舞台の左右に席があり、役者の横顔を見る形になります。劇場に入って手前側の左奥の席が見やすいと思います。

ネタバレBOX

現在・過去、現実・夢・あの世など次元が多いのはまだしも、Wキャストによる生まれ変わりなどの存在はやや複雑で分かりにくかったです。ただ関係を意識しながら観れば寝ることはないはず・・・

登場人物の年齢が分かりにくかった。最初だけでも分かるように演技してくれれば、と思いました。時代観も無茶苦茶で最初は戸惑ったが慣れればおもしろく感じられました。ただルイズは一回だけで十分なのでは?

ホラーではなく「怪談」なのであのぐらいの(近代小説的な)テンションでいいと思います。三遊亭圓朝が落語調でやると中盤以降の雰囲気が損なわれるので、抑えたのだろうかな、と好意的に解釈しています。

作者のバランス感覚が非常に危うい印象を受けました。
最高傑作 Magnum Opus “post-human dreams”

最高傑作 Magnum Opus “post-human dreams”

劇団銀石

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/09/17 (火) ~ 2013/09/22 (日)公演終了

満足度★★

誰のための演劇?
脚本、演出、役者(1名)がお金を取る水準に達していませんでした。

脚本はカレル・チャペックという方の『ロボット (R.U.R.)』を参考にしたようです。自分は彼の作品を読んだことも彼についての知識もないので以下に書くことは推測です。当時の科学技術と現代の科学技術との溝についての批判は他の方が書いているので述べません。自分は、カレル・チャペックが『ロボット (R.U.R.)』を書いたときの思想について言及します。Wikipediaの情報とその時代から推測するに文明批判だけでなく政治・社会思想も含まれていたと思います。しかし、そういう部分は垣間見えませんでした。こういう要素を見えない程度にストーリーに敷くと深みが増すのでは、と内容が薄っぺらかったので、老婆心ながら言っておきます。

以下ネタばれ↓

ネタバレBOX

舞台と役者について。舞台中央の太い柱、この柱のせいで役者が不自然な動きをしているように感じました。もう1つ、役者の一人の通常の声が大きすぎて頭ががんがんしました。その上、彼は滑舌が悪く抑揚のつけ方も下手。極めつけが身振りがワンパターン。オムニバスの1作目と3作目で違う登場人物なのに動きが同じでおかしかった。そして終始右上半身の動きがぎこちないのはなぜかしら。

さて、4つのオムニバスを1つずつ簡単にみていきます。

1つ目。観客を小馬鹿にしているような推理ゲーム。脚本と演出も冴えないが、それ以上に苦痛なのは上で書いた男の声。

2つ目。1つ目と同じテンポでノロノロと進む。救いはあの男が舞台にいないこと。

3つ目。苦痛再び。男が不快な声と滑稽な身振りで人間至上主義を語る様はまさに喜劇。女性の演技がよかったのでなんとか見れた。

4つ目。やっとまともなものが見れた。別の男性と女性の演技が良かった。

話全てに言えるのは、セリフが書き言葉であるということ。書き言葉だと、会話の論理は理解しやすい。しかし、説明的になり冗長で頭に入ってこない。同じ言葉を強調して繰り返すシーンがあったが、書き言葉では逆効果になる。また大事なことを丁寧に書き言葉で言うと、心に響きにくくなる。またテンポも悪くなる。演出もつけにくくなる。4つ目の作品の完成度が高いのは、設定上沈黙が多かったからでしょう。

ストーリーが薄っぺらいのは脚本にオリジナリティが無いからです。カレル・チャペックに敬意を表して世界観や内容を変えないようにしたのかもしれませんが、それでは質の悪いコピーになってしまいます。

最後に再演する理由が分かりません。脚本をいじったわけでもなく、おそらくより悪い環境で公演を行ったとしたら、観客側にメリットがありません。脚本や演出・団体を客観的に意見する人がいなかったのかと思うと残念です。
白戦

白戦

東京マハロ

小劇場 楽園(東京都)

2013/09/10 (火) ~ 2013/09/16 (月)公演終了

満足度★★★

ふつう
テーマや設定は面白いのに物足りなさを感じる舞台でした。非現実な(ある意味現実的ですが…)設定だからこそ、ありきたりな展開で進むのは仕方ありませんが、最後のところは突き抜けてほしかったです。

以下ネタばれ↓

ネタバレBOX

思ったことを箇条書きに書いていきます。
・客入れが長かった。初日だからか開演が10分も延長。しかも遅れてくるやつは関係者(?)。スタッフの最終確認もガタガタ音がして観客の雰囲気が散逸したのを肌で感じた。もしや最初のシーンにつなげる演出だったのか?
・客席が狭かった。狭いだけでなく舞台の前ギリギリまで椅子があるせいで、舞台が見えにくかった(自分の席は前から4列目)。しかも低姿勢での演技も少なくなく、真ん中より後ろの客にはその演技が見えなかったはず。
・客入れのBGMが本編と中途半端な関係で違和感がずっと残った。
・白い布(?)で覆われた舞台はよかった。
・シュールなネタが多くおもしろかった。
・どの役者も上手で心地よく見れた。
・細かいことですが妊娠の仕組みで間違いあり。
・全体的にテンポが同じ。不快ではないが、退屈だった。そのため後半以降の展開・演出が物足りなくなった。

料金が高いわりに…といったところです。
遺作

遺作

ENBUゼミナール

RAFT(東京都)

2013/08/30 (金) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★

「金取るんだ?」
芥川の有名な作品をモチーフとしたオムニバスということで期待していきましたが、おもしろくありませんでした。作品ごとに感想を書きます。以下ネタばれ↓

ネタバレBOX

『THE FOOL』…演技の問題なのか、登場人物が苦悩しているというより「わがまま」なだけに見えました。ドアの開閉の所作がいまいちのせいか、その度に雰囲気が途切れました。

『GATE-A』…安っぽい作品のように感じました。演技も内容もあまり記憶に残ってません。

『Tiny sleepiness』 …テンポが悪かったです。何かしつこい感じを受けました。

『ワンダーランド』…単純におもしろかったです。

『GATE-A』と『Tiny sleepiness』は芥川の作品を意識しているわりには脚本に無駄が多いです。また、心の底に沈滞する無意識を啓発するでもなく、キレのある風刺もオチも感じられません。そして、そのモチーフの作品に何かプラスαしたものも見えません。質の悪い模倣のように感じられました。芥川の名前を出さないほうが良かったのでは。

最後に、サティのジムノぺディは作品と合ってない気がしました。幕間ごとに流すのはどうかと…

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