最高傑作 Magnum Opus “post-human dreams” 公演情報 劇団銀石「最高傑作 Magnum Opus “post-human dreams”」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    誰のための演劇?
    脚本、演出、役者(1名)がお金を取る水準に達していませんでした。

    脚本はカレル・チャペックという方の『ロボット (R.U.R.)』を参考にしたようです。自分は彼の作品を読んだことも彼についての知識もないので以下に書くことは推測です。当時の科学技術と現代の科学技術との溝についての批判は他の方が書いているので述べません。自分は、カレル・チャペックが『ロボット (R.U.R.)』を書いたときの思想について言及します。Wikipediaの情報とその時代から推測するに文明批判だけでなく政治・社会思想も含まれていたと思います。しかし、そういう部分は垣間見えませんでした。こういう要素を見えない程度にストーリーに敷くと深みが増すのでは、と内容が薄っぺらかったので、老婆心ながら言っておきます。

    以下ネタばれ↓

    ネタバレBOX

    舞台と役者について。舞台中央の太い柱、この柱のせいで役者が不自然な動きをしているように感じました。もう1つ、役者の一人の通常の声が大きすぎて頭ががんがんしました。その上、彼は滑舌が悪く抑揚のつけ方も下手。極めつけが身振りがワンパターン。オムニバスの1作目と3作目で違う登場人物なのに動きが同じでおかしかった。そして終始右上半身の動きがぎこちないのはなぜかしら。

    さて、4つのオムニバスを1つずつ簡単にみていきます。

    1つ目。観客を小馬鹿にしているような推理ゲーム。脚本と演出も冴えないが、それ以上に苦痛なのは上で書いた男の声。

    2つ目。1つ目と同じテンポでノロノロと進む。救いはあの男が舞台にいないこと。

    3つ目。苦痛再び。男が不快な声と滑稽な身振りで人間至上主義を語る様はまさに喜劇。女性の演技がよかったのでなんとか見れた。

    4つ目。やっとまともなものが見れた。別の男性と女性の演技が良かった。

    話全てに言えるのは、セリフが書き言葉であるということ。書き言葉だと、会話の論理は理解しやすい。しかし、説明的になり冗長で頭に入ってこない。同じ言葉を強調して繰り返すシーンがあったが、書き言葉では逆効果になる。また大事なことを丁寧に書き言葉で言うと、心に響きにくくなる。またテンポも悪くなる。演出もつけにくくなる。4つ目の作品の完成度が高いのは、設定上沈黙が多かったからでしょう。

    ストーリーが薄っぺらいのは脚本にオリジナリティが無いからです。カレル・チャペックに敬意を表して世界観や内容を変えないようにしたのかもしれませんが、それでは質の悪いコピーになってしまいます。

    最後に再演する理由が分かりません。脚本をいじったわけでもなく、おそらくより悪い環境で公演を行ったとしたら、観客側にメリットがありません。脚本や演出・団体を客観的に意見する人がいなかったのかと思うと残念です。

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    2013/09/19 00:42

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