もーれつア太郎 木枯らしに踊る花吹雪
株式会社ADKアーツ
俳優座劇場(東京都)
2018/12/19 (水) ~ 2018/12/24 (月)公演終了
満足度★★★
■約95分■
原作からあの話を選んでふくらませたのは好判断。人情喜劇と言われたりもするア太郎ワールドになっていた。ただ、原作を彩るぶっとんだキャラクターたちに役者陣がなりきれておらず、ハチャメチャギャグ漫画の舞台化作品としては爆発力に欠け、その点ではもうひとつ。ブタ松なんて、見てくれがおかしいだけで真人間に見えてしまった。原作漫画の登場人物のなかでは真っ当な部類に入るのかもしれないが、もう中学生の“あの人”役だけは当たり役。あの人物の優しさ、おおらかさ、包容力がよく出ていた。櫻井智也色は全体に薄いが、結末には“らしさ”が出ていたと思う。
財産没収
サファリ・P
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/12/20 (木) ~ 2018/12/23 (日)公演終了
平成のいちばん長い日
東葛スポーツ
3331 Arts Chiyoda(東京都)
2018/12/20 (木) ~ 2018/12/24 (月)公演終了
ただいま
劇団こふく劇場
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/12/12 (水) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
■約125分■
人間という小さなものと、人間にはどうにもできない大きなものを、とても精緻な演出で描き出した好編。アゴラ初演時に好印象を抱いた大浦愛さんも見たかったなぁ~…。
氷の中のミント
穐山企画
アトリエ春風舎(東京都)
2018/12/13 (木) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
■約85分■
「あの人にはあの場面でああ言いたかったのに…」とか、「あんなことを言っちゃった私はあの人にどう思われているだろう…」とか、日々の対人関係における作者の心の葛藤を題材にフィクションに仕立てた、言うなれば私演劇。この種の劇は閉鎖的で自己満足に引きこもった愚作になりがちなものだが、心の葛藤を表現するためとあるアイデアを盛り込んだり、セリフに綾をつけて可笑しみを出そうとしたり、音響・音楽や照明を巧みに使って場面場面にバリエーションをつけたり、本作の作者は届ける努力を怠っておらず、楽しく観られた。
また、この種の劇に透けて見えがちな“繊細なわたし自慢”とでも言うべきものが感じられないところもいい。“繊細なわたし”は作者にとって重荷でしかなく、対人関係をいかに滑らかにしていくかはセンシティブな作者にとって切実な問題であり、一番の関心事。だから劇にするのだ、という率直な姿勢には好感が持てる。
アート寄り演劇の作り手には自己愛や虚栄心の強いクリエイターが目立ち、自分をお高く見せようとする傾向がうかがえるが、本作の作者にはそんな悪風に染まることなく、今後も虚飾やハッタリ、こけおどしに頼らない、己に忠実で背伸びのない劇作品を作り続けていただきたい。
埋める女
城山羊の会
ザ・スズナリ(東京都)
2018/12/06 (木) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
いっぱいいっぱい讃歌
無隣館若手自主企画 vol.25 木村和博企画
アトリエ春風舎(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★
安倍政権下で暴政が為されても、暴動すら起こらないこの国らしい作品。言えない思いをゲップやオナラとして漏らしても、それらはゲップやオナラでしかなく、中枢には届かない。フランスを見よ。
SHIP
浮世企画
APOCシアター(東京都)
2018/12/04 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
■本編約90分+アフターイベント■
三十代の女四人による、楽しくも世知辛い会話劇。キャラクターや生い立ち、価値観の色分けがはっきりしていて、四者の絡み合い、もつれ合いが織り成す綾を時に笑ったり、時に考え込んだりしながら面白く観た。
えんとつ町のプペル
ナイスコンプレックス
調布市せんがわ劇場(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
逢いにいくの、雨だけど
iaku
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2018/11/29 (木) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
何事にも理由があって欲しい
小岩崎小企画
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2018/11/22 (木) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
スケッチ
劇団5454
劇場HOPE(東京都)
2018/11/22 (木) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
毒づくも徒然
MCR
OFF OFFシアター(東京都)
2018/11/20 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
■『櫻井さん』鑑賞/90分強■
詩人を夢みる主人公の青年が、多くの若手演劇人と重なって見えた。定職に就かないことを家族や知人に咎められながら、好きなことを仕事にできるか分からないまま創作を続ける苦しい胸の内が、似たような苦しみを味わっていたに違いない八年前の櫻井智也の筆によって、実に生々しく描かれている。そして、青年の不安定で歪んだ心を映し出しているかのようなシュールでつかみどころのない、時系列も混然としたストーリーが、かえって迫真性を高めている。八年前の初演が不評だったというのは、劇としてのこの不体裁も一因かもしれないが、悪夢さながらのまとまりのなさは正気からどんどん遠ざかって統合を欠いていく青年の心理状態とも重なって、むしろ劇の迫力を増していると私は感じた。傑作。
しかし、色恋が描かれないMCR作品を観たのは初めてかも。
毒づくも徒然
MCR
OFF OFFシアター(東京都)
2018/11/20 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
毒づくも徒然
MCR
OFF OFFシアター(東京都)
2018/11/20 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
■『親展』鑑賞/約85分■
新作。純であるがゆえに歪になってゆく恋愛模様四態。いつものMCRほど話が錯綜しておらず、観やすくて、各人の混み入った想いがよく伝わってきた。
そこまで言わんでモリエール
笑の内閣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
■約110分■
劇中出てくる“悲劇の規則”という概念にかこつけるなら、主宰は喜劇の規則、コメディの定理を脚本面でも演出面でも熟知している人だなぁ〜、とつくづく。だから、得意の時事を題材とせずともしっかり笑いが生み出せる。立憲民主党とつながって政界進出への道筋をつけつつあるようだけど、演劇も並行して続けてほしいです。
ドント・ストップ・ミュージック
お笑い×演劇ユニット『弱い人たち』
ユーロライブ(東京都)
2018/11/23 (金) ~ 2018/11/24 (土)公演終了
満足度★★★★
■約95分■
弱い人たちというコンセプトへのこだわりはほぼほぼ失われてしまっているが、縛りから解放された分、コントが多様化し、面白くなっている。どのネタも緻密に、丹念に作られている割に爆発力もあって、楽しめました。
サンザル、月をとる。
電動夏子安置システム
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2018/11/13 (火) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
LaLa-bye!!
michelle's attic
ラ・グロット(東京都)
2018/11/16 (金) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
鱗の宿
演劇集団非常口
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/11/15 (木) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★
■約110分■
饒舌すぎる印象。とりわけあの、流浪の作家がしゃべりすぎる。台詞を切り詰め沈黙を立てたほうが、この劇のエッセンスはより伝わるのでは?