狼少年ニ星屑ヲ 終演しました!沢山のご来場ありがとうございます!
おぼんろ
ワーサルシアター(東京都)
2016/10/25 (火) ~ 2016/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
ガンバレわかばやしめぐみ!
おんぼろ、おぼんろ、の原点がわかった。好カード(^o^)
劇団の珠玉は、ビョードロだと思われます。作中人物で毎回抜群の存在感は、『弁士』だろうか。その低音の魅力、圧巻です。下北沢落語でもかつぜつの良さが発揮されていた。その『弁士』は、どうも、本公演に謎が隠されていたのだ。
本日の公演は、10*30と言ってみなに、一日違っている指摘を受けていた。
あたし、ミスぽんかん第3位。
演劇ユニットちょもらんま
北池袋 新生館シアター(東京都)
2016/09/21 (水) ~ 2016/09/25 (日)公演終了
満足度★★★★
たいへん楽しめました!
不倫に走る女性には、それはそれで事情があるようです。不倫でもしないと、男女関係のないさらに空しい人生に終わってしまうのかもしれない。
そのような話題は、あまり実態がよくわからない。結局誰かが傷付き、場合によっては修羅場が来そうです。でも、こんな演劇で未来が予知できます。
笑いあり、母親の存在に泣かされ、最後は、考えさせられる。よい作品だったと思われます。今後も、社会派の良心的な傑作を期待します。ありがとう。
イエドロ落語2016
OuBaiTo-Ri
小劇場 楽園(東京都)
2016/09/02 (金) ~ 2016/09/07 (水)公演終了
満足度★★★★★
新感覚、落語!ジョウキゲン
全体的に、とてもよくまとまっていて、それでいて、古典落語のノウハウも盛りだくさん!楽しめる一時間半だった。
死神の存在は、深読みをすれば、人生の教訓とか、空しさも湧き出る。そこを、三人が絶妙の掛け合いで時間が流れていく。すごい!
夏の光2016
いちかわ市民ミュージカル実行委員会
市川市文化会館(千葉県)
2016/09/04 (日) ~ 2016/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
感動します!
前回は、ずっと心に引っかかる出来事をなんとか克服しようというものだった。
今回も、少し似ているが、愛馬を戦争のため虐殺された苦い事件が克明に描かれていて、紀伊國屋シアターの木下順二を彷彿させた。
表現がどぎついのが、木下作品での印象だったが、本作品は、明るい場面も多用してバランスをとっていた。大人数演劇の良さもあって圧巻!
トロイアの女たち
Cambria Labo
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2016/08/24 (水) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
抜群のセンス(^-^)
ギリシア劇は、西洋演劇の起点。だから、そのあたりの勉強が乏しいのは残念ではあった。
今回、これほど格調の高いものに出会うとは思っていなかった。さらに、トロイの木馬の話くらい知っていれば、十分に楽しめる内容だったのが良かった。
同じように企画が、またあったら拝見したいと思います。
今回は女優さんだけの特別公演!
ざぶとん役者の会
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2016/08/26 (金) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
とっても楽しい企画
落語は、こうして会場で拝見するのは初めて。
出演者は、みな生き生きと演目を披露していた。話しまでの部分に、新鮮さがあったと思う。きっとテレビなどでは、いきなり内容にはいるところか。
自分を少しだけ、紹介したり、最近の身近な話題が、面白かった。気がついたときには、自然に古典演目がつながっていく。話術というものは、どこか卓越した技術なのかもしれない、と思った。
幽霊
Show Window (pd.T1project)
荻窪小劇場(東京都)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい熱演
荻窪小劇場で、ゆうれいを観た。何度か拝見していたので、お話しは良くわかった。
それにしても、ひどい人生もあったものだ社会の恥部を暴露するような作品なので、かつては酷評されたようだ。
しかし、人生には裏の顔があって、凡庸な人間は何も気がつかない。それを、イプセンは、少しずつ白日の下にさらす。
最初観たときは、内容が良くわからない。わかりはじめると、果てしなく暗い絶望的な作品に思われた。だが、傑作!
法師ノ旅 空ノ彼方
直也の会
シアターX(東京都)
2016/08/17 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
大感動のドラマ
シアターxカイでは、良い作品に出会う。今回、土曜日に、空の彼方を見た。こちらは、楽しげな現代劇だった。脚本の書けない苦悩、しかしながら、仏教は論理を越えた世界だから、どこかちぐはぐな設定。
翌日、法師の旅を観た。これは、まず「舞」が美しかった。戦争に突入してゆく中で、ダアマは、両手両足をもがれて、ダルマさんになる。迫力満点だったと思う。
仏教は、有無とか、善悪とか、二元的なものを超越する!それが、直観的な世界につながっていく。そういう感じがよく表現された大スペクタクルであったと思う。
夏色のマイソング
ジョーズカンパニー
シアターサンモール(東京都)
2016/08/17 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい!
吉祥寺での公演は、後ろの方だったこともあってあまり良い印象がなかった。作品の構成も複雑に思われた。しかし、今回は十分に楽しめたと思う。
幾分わかりやすく手がはいっていたのかもしれない。内容がだいたい頭にはいっていると、ダンスの部分も余裕をもって楽しめる。良い公演だったと思う。
ナンバーのいくつかは、懐かしく思い出した。最後は、感動すらしていた。メンバーが良かったということもあるのかもしれない。素敵な、ココス・マイル7だった。
ストリッパー物語
昭和芸能舎
赤坂RED/THEATER(東京都)
2016/08/02 (火) ~ 2016/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
感動のつかこうへい作品
つかこうへい作品は、いつも、社会の底辺で苦悩する。どの演劇を見ても、不思議と一致している。こんな屈折した人生もあるものなのか、と思うばかりだ。
赤坂レッドシアターは、超満員!そのため、開始が五分遅れた。でも、内容はたいへん満足いくものであった。キャンディーズの名曲に心地よいダンス、楽しめた。
つかこうへい作品は、日本では若手の課題に良くなるらしい。それは、オーバアクションとハイテンションなどぎつさ。それはどこの劇団がやっても目につく。
特別に、期待していったわけではなかったが非常に、良くできていた。欲をいうと、最初の方がやや退屈だったが、全体が終わってみると文句はなかった。
ペコロスの母に会いに行く
中日劇場
天王洲 銀河劇場(東京都)
2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
感動させる物語でした
有名な俳優が、たくさん出ていました。
内容は、シンプルなものですが、老いの世界にはそれなりに考えさせられる問題があると思います。
夢も希望もないと、決めつけず、どこか達観して、人生の大詰めを乗り切れると良いと私は思いました。
ルドベルの両翼
おぼんろ
BASEMENT MONSTAR王子(東京都)
2016/06/28 (火) ~ 2016/07/06 (水)公演終了
満足度★★★★★
二回見ました!
『ルドベルの両翼』観劇
おぼんろ劇団は,劇場はいつも,おんぼろだ。五人の役者は,ヘビーメタの化粧に隠されて素顔がわからない。
まず,「想像力」を鍛えたいとうったえる。目をつむって,物語はいつも童心にかえって,そこから開始する。今回は,良かった。とりわけ,「あんただれ!」「弁士です」までの,最初の30分間の流れが良かった。すっきりと,楽しくはいっていく。さらに,60分ごろ,若林めぐが,弁士的に台本を読むところまでで結構今回はもりあがった。
おぼんろは,2013年『ビョードロ~月色の森で抱きよせて~』で頂点をきわめてしまった。というのも,『パダラマ・ジュグラマ』『ゴベリンドンの沼』も,作品の作り方が,ほとんど同一なのだが,唯一ちがっているのは,『ビョードロ』は,若林めぐ演じる「じょうきげん」の存在を,あいまいで,特殊で,ファジーなものにし,そのことによって,作品に「なぞ掛け」をしていることだ。
今回は,似たような部分や,場面,ことばの使い方があっても,ほかの作品とはちがって,新しく生まれ変わった楽しい寓話になっている。そこが,非常に好感が持てた。惜しいのは,最後で,全員が「つれ自殺」を行い,気が付くと生きていた・・・というところ。なにかものたりないが,全体としてはOK。
劇作家女子会!R
劇作家女子会。
王子小劇場(東京都)
2016/07/01 (金) ~ 2016/07/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
四つの作品をつないでいく極上の舞台。
劇作家女子会!観劇
四つの作品をつないでいく極上の舞台。
まず,猫を上手に演じる女の子が気になった。字幕には,なぜか英語があった。
犬や猫が,人間と共存するということをデフォルメして何かを描くような演劇。少し,私には難しかったけど,演出はとても雰囲気あって良かったと思う。
次の作品は,一番良かった。発達障害とは何か!生きるということは,いつも死とか,暴力とか,あるいは,自殺に向かう衝動とかと向き合うということ。たとえば,戦争で夫は身体障害者になってしまって,過去の栄光より,自分は介護でストレスが日々増していく。そのようなときに,だれか仏さまのように生きる達観ができると良いのだが,とてもたいへんなことであろう。
三つめの作品は,ノー天気に,漫画おたくを,優等生の女子生徒会長が攻撃し,見事に返り討ちにあう。というのも,おたくにも良いところはある。優等生で生きていたって,ちっともおもしろくなかったりする。少しエロチックな場面に驚き,おたくたちを大げさに表現して笑わせる。でも,どこか考えさせる。
最後は,会社人間とはなにか?という一点に絞った作品に思える。生活のために,人は組織で働き,ときに我慢できない。そこで,起きる場面は,結構単純な問題だろうが,自分がその立場にあって一体何ができるのか。そう考えると,心は寒くなっていく。
おでかけ姫
ミュージカル座
六行会ホール(東京都)
2016/05/25 (水) ~ 2016/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
家族むけ娯楽大作!
ミュージカル『おでかけ姫』観劇
ミュージカル座,新作ということで,品川まで出かけた。
ここでは,過去何度か大作を観たことがあった。
最初は,『Nicky』で,おもしろかったが,少しドタバタ過ぎた記憶だ。
次は,『マザーテレサ』だ。たしかに,素晴らしい傑作であるが,一方,自分はどこかキリスト教に呑まれたようなものが好きになれない。三作めは,『アイハブドリーム』で,アメリカでの,黒人差別問題で興味はあった。しかし,奴隷制度から始まる歴史の中では,あまりにも悲惨で,やっぱものたりない。
そこにいくと,前の方で,ダンスに飽きたか寝てる人もいたが,私には今回のミュージカルは非常に好感がもて,良かった。幕が開いて,下北沢の人気演劇にも負けない「つかみ」で来て良かったと思った。
女子アナは,夢の世界で結婚詐欺のような王子さまとの駆け引きがある。出演者は,全員,個性的に場をもりあげる。ときどき,気のきいたダンスもはいる。そして,最後は,子どもでも見られるハッピーエンドだ。
アニーも経験している「姫」は,好演だったと思う。結構深刻な演劇ばかり観て,最後は泣いたり,考えさせられたり,そういうのもいい。だが,たまには,二時間おもいっきり楽しめるのもいいと感じた。ダンスのとき,出番の少ない小さな子どもたちを,ぜひ,前の方に置いてほしかった。楽しい一日だった。
老い耄れが 冥途の土産 何処で買う
演劇部隊Chatter Gang
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2016/05/18 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
結構充実してました!!
『老い耄れが 冥途の土産 何処で買う』
おいぼれの何が悪いか!自分たちは,冥途のみやげに,強烈な印象を持っていきたい。それをだれも止めることはできないはず。
池袋シアターグリーンは,いつもハイセンスなおしゃれな作品がある。今回のものは人気がすごい。満席でそのもりあがりに圧倒。
どうして三人の老人は老人ホームの食堂に立て籠もったのか?だいたいがいつも問題児で,わがままな連中だし,ほっておくしかない。しかし,物騒な武器も保持しているらしい。一番おとなしい女性職員も拉致された?
所長を呼べ?監督役所も。おりもおり,マスコミの取材もある日だった。大福にのどを詰まらせた老女に救急車も来る。警察も。
確かに,お年寄りとかいって尊敬もしないといけないが,やりたい放題の方もときどきいるだろうし,そこを対処しないといけない仕事のひとたちは苦労もある。考えさせられる演劇だった。
『天使の休日』
SHOW-COMPANY
THEATRE1010(東京都)
2016/05/21 (土) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
いつでも,笑顔の君が大好きだから,
『天使の休日』を観るために,はるばる北千住にあるシアター1010へ。
このミュージカルは,2013年に一度観たことがあった。作品は20年ほどのあいだに何度か再演されたもので,当初未来をになう子どもたちに,夢を描くことの大切さを唄っている。
ストーリーは,どこかで観たような世間知らずの脚本家志望を悪の集団がわなにはめようとする。これに対し,休日を利用して作家志望を応援し,気が付くと出演者全員がミュージカルに関わることで夢を実現していく。
この中で,子どもの独唱が一番輝くのは,「天使の笑顔」だ。前回買って帰ったCDの中で最も素晴らしいと思う。
いつでも,笑顔の君が大好きだから,・・・悲しくなったら思い出して,ほらわたしがそばにいるから。
この部分で始まるナンバーは,珠玉の出来だ。今回そのシーンが,子どもたちの輪に広がっていくのを一番前の席で観察できた。
さよなら今夜は最後の夜だから,・・・・
ほら窓の外は雪景色,ごらん野うさぎのあさとだよ。
というところまで進むと,感動で涙が止まらかった。
最後に全員で,全曲のサワリの部分を唄いつないでいくのは圧巻。
作品のインパクトとか,印象はそれほどない。
ダンスもフツー。ずば抜けた名場面もなく,コントが混じるくらい。
しかし,歌は良く聴くと,本当に良いものが多い。
久しぶりに,ミュージカルのあり方を考え直してしまった。
終わってみると,これはこれですごく良い演劇だと思った。
ご来場ありがとうございました アイ・ハヴ・ア・ドリーム
ミュージカル座
光が丘IMAホール(東京都)
2016/02/10 (水) ~ 2016/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
ブラボー
久しぶりに見ごたえのある演劇を見た。たしかに良く出来ている。たいくつな場面、わかりにくい部分もほとんどなく、同一団体で見たものと全く違っていたと思う。
いくつか理由があるが、子どもを一人だけ混ぜているが、これを有効に使っている。わき役に、 あるいは、おまけに出演させることがままある。
歴史的事件なので、ダンスばっかりでは、深刻さが薄れそうなものだが、適度につながっていて楽しい。そこに、唯一の子役は遅れず見事に調和していた。
ミュージカルに対するイメージが、上がる体験をした。連続して、複数回見たほうが話が早いかと思う。しかし、さほど期待していなかった割に大成功。
暴力に暴力、いじめに反撃、無視に怒り、などでは問題は決して解決しない。改革者は、死んでから理解されるようなことも多い。憎しみは捨て、仏様になるべきだろう。
大ヒットとはいえないような作品の中に、珠玉の名作が存在する事実にショックを受けた。せめてもの救いは、いちかばちかで最前列から観劇だったことくらいだ。
あなどるなかれ新興勢力、ミュージカル座。お値段も手ごろ。幾人かの既知の女優の歌唱力、ダンスに魅せられた。間隔おいて、非常に、よいミュージカル。
ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー
Ammo
d-倉庫(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
素晴らしい!
たいへん満足です、むいと べん
ブラジルは、貧富の差が世界一だという。インドなどの方がそのイメージは強い。ブラジル映画では、政府の腐敗も良く取り上げられる。何で、このようなことになったのか、気になることだから参考にはなる。
ラテンアメリカのスペイン系に比べ大学の設置も遅れた。イエズス会を追放した時期は、学校が衰退した。奴隷制を廃止したときは、そのひとたちがスラム街に吹き溜まろうが放置された。
ブラジル音楽は、たいへん魅力的だ。現代的なポップスでは、間違いなくトップランナーになっている。サンバ、ボサノバの音楽が演劇でも効果的に使われていた。とても楽しい企画で、問題意識も芽生える。
ポルトガルでは、eがチと、ならずエだ。ところが、ブラジルでは、フチになる。フチボールの選手になると、貧民街から脱出できるのだろうか。少しばかりのお金ができても、心の中には苦い記憶が残るものだ。
若手中心の躍動感ある劇団で好印象だった。惜しいのは、真ん中あたりで少し退屈になったことくらいだ。最後に思いきり盛り上がって幕となった。さらに、手がはいると、もっと見ごたえのある傑作に変身できそうな作品だったと思う。
ラブリーズ
ジョーズカンパニー
小劇場 楽園(東京都)
2015/12/29 (火) ~ 2016/01/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
たいへんよかった!
演劇は、子どもがやると難しい。
おとながやるミュージカルなどで、小道具みたいに利用すると、あらがでない。
だから、大人の演劇を見慣れたひとが、本企画を学芸会?と思っても無理はない。しかし、そんな狭い心では子ども演劇は、活動の場がなくなる。
本企画は、いつも背伸びしたこみ入った内容が問題だと思っていた。しかし、そのあたりは、少しレベルをさげて、改善された。
やっている子どもたちが、内容不消化でないものが舞台にあった。ハイレベルのおじさんを感動させるドロ芸人にはない爽やかさがそこにあった。
「タイタス・アンドロニカス」「女殺油地獄」
劇団山の手事情社
吉祥寺シアター(東京都)
2015/11/06 (金) ~ 2015/11/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい演劇!
野崎参りは,印象的な始まりだった。遊女・小菊は,なじみ客による舟遊びの最中のようだ。しかし,わがままな彼女は,船は乗り心地が悪い,もはや,野崎参りもあんた一人でいけばいいと騒いでいる。この場面は,意外とおもしろかった。客はたいがい遊女にバカにされて,振り回されるものなのだろう。
次におかしかったのは,野崎参りの場で,与兵衛は喧嘩に巻き込まれ,人妻のお吉が助けるところだ。亭主が,娘に何があったか尋ねた。すると,楽し気に二人で裸になって,一つ部屋に閉じこもったままであるという。確かに,子どもにはそのように見えたが,悋気な亭主は邪推するのだ。
最後の見せ場は,油まみれになったお吉のセリフだ。子どももいるのだから,後生だから命だけは助けてくれ!というのを無視して,与兵衛は残忍な人殺しに徹するのだ。その罪を隠して,しゃあしゃあと法事の席に出て,悪事が暴露されていく。近松門左衛門の世界は意外にも現代的なシーンが多かった。