タケミンの観てきた!クチコミ一覧

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こわくないこわくない

こわくないこわくない

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/08/30 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

クセになりそうだ
重金属の名前を持つこの劇団は初観だったが、その名の通りの重金属の響き、圧巻の踊り、ストレートでパンチカあるセリフ、質の高い演技とアクションそして完璧なチームワーク、に終始圧倒され続けた。相当な練習量がうかがわれる。中心となる役者はみんなうまいし個性が強い。独特の雰囲気がクセになりそうだ。

ネタバレBOX

ただし現代社会のダークな部分を集めた主題が好みではなかったことがマイナスのため★4つ、とした。
私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。

私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。

月刊「根本宗子」

テアトルBONBON(東京都)

2014/08/22 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

今後も注目です
「夢も希望もなく」が良かっただけに期待が大きかったが、前作ほどには作品に奥行や強い主張を感じられなかった。それでも言葉の応酬や人間関係の見せ方は「さずが」であり、十分楽しむことができた。次はどのような方向に舵を切るのか興味深い。今後も注目です。

ネタバレBOX

今回の終わり方は衝撃的ではあるが、個人的には好きではない。
寝覚町の旦那のオモチャ

寝覚町の旦那のオモチャ

tsumazuki no ishi

ザ・スズナリ(東京都)

2014/08/22 (金) ~ 2014/09/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

いろんな「裏」がありました
舞台は路地裏で店を開きながら裏稼業で生計を立てている寂れた模型店。リアリティと哀愁を感じる店内セットには裏方さんの努力に感激。そして裏稼業を少年に頼っていたことが裏目に出て窮地に、という展開。店にやってくる雑多な人たちの絡みは2つの劇団全員に配役を、という裏事情はあるにせよやや過剰過ぎたきらいも。しかし、パンチの利いたギャグや切れのあるアクションに踊りも交えて期待を裏切らない面白さでした。おなか一杯の満足感で下北沢の裏通りを駅に向かいました。

ネタバレBOX

店主が拳銃をゴミ出しするラストシーンは洒落た終わり方だと思いました。
安部公房の冒険

安部公房の冒険

アロッタファジャイナ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2014/08/23 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

情熱と悩みの中で
安部公房は天才で社会的な評価も高い小説家というイメージであったが、演劇に私生活にそれぞれ強い情熱と悩みの中で生きていた別の一面を知ることができて興味深かった。いろんな対比の中で"冒険"が内面的に描かれていたが、ドラマチックな展開があるともっと面白くできたのではないか。

『カナタ』

『カナタ』

劇団光希

シアターKASSAI(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

多国籍的理想郷
船上から酒場、さらには波止場へと変わるシンプルだが立体感のある舞台セットに工夫が見える。しかしそこには国や町が特定できるような装飾はない。劇団員の手作りだという多国籍的な衣装も凝っていて良い。

ネタバレBOX

そして登場する気の荒い男も口汚い女もみんな、実は心は優しさと愛情で溢れている。この物語には悪人は誰ひとり登場しない。そこははるか「カナタ」の理想郷のようだ。
そんな中で展開されるストーリーと会話はシンプルで平坦。船長のワケあり感も容易に推測できて、張り巡らされる伏線や意外性は少ない。その点、ちょっと物足りない。人の持つ情熱や思いやりの素晴らしさを描くのはこの劇団の生命線だと思うのでこれは維持してもらいたいが、個人的にはもう少し意外な仕掛けや観客を裏切るような展開が欲しい。
サラエヴォの黒い手【ご来場ありがとうございました!!】

サラエヴォの黒い手【ご来場ありがとうございました!!】

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待通りの素晴らしい作品
祖国統一に燃える熱い男たちの情熱、熱い故に起こる衝突、それを利用した企てと操られる人たちの悲哀、それぞれの思いが交錯するなかで時代に翻弄される人たちを重厚に描いた見応えある舞台だった。生き残った2人が再開し昔を回顧しながら過去の出来事が進行するという形にしたのが味わい深く、全体に奥行を与えている。時間もそれほど長くは感じなかった。期待通りの素晴らしい作品だ。

共演NG

共演NG

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2014/05/16 (金) ~ 2014/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★

2.5本分の満足感
笑い、驚き、意外性、謎解き、といった要素が随所に散りばめられ、2.5本分のストーリーを十分満喫できた。

ネタバレBOX

特に2つの劇をシンクロさせる最後の部分もぴったり合っていて2回目にして完成度が高い。さらにアフタートークでは舞台裏の様子も聞けて、劇団員の息が合ったところを感じた。フルタジュンは役者でも見てみたい個性と男っぷりだった。
満点でないのは、イントロであれだけ登場人物間の反目を強調していたので、最後に2つの劇が同時進行する部分で「反目に関係したもうひと工夫」が欲しい気がしたから。
オレンジ新撰組 リターンズ

オレンジ新撰組 リターンズ

劇団6番シード

シアターKASSAI(東京都)

2014/05/02 (金) ~ 2014/05/11 (日)公演終了

満足度★★★★

笑いのパワーが炸裂
今回の作品はナンセンス感を吹き飛ばしてしまうような笑いのパワーが炸裂していた。テンポの良さも健在で、実に楽しくあっと言う間の2時間だった。ただし、人数や動きに対して劇場が狭く、殺陣や踊りが少々窮屈に感じた。集客力はあるのだからもう少し広い舞台にできないものか?

「死神の浮力」アフタートークショー開催決定!!

「死神の浮力」アフタートークショー開催決定!!

ワタナベエンターテインメント

本多劇場(東京都)

2014/04/22 (火) ~ 2014/04/28 (月)公演終了

満足度★★★

舞台演出にクウォリティの高さ
段差を設けたステージ、スクリーン映像、効果音、センスの良い衣装と照明、などがすごく効果的で、舞台演出にクウォリティの高さを感じた。そんな中で進行する朗読劇。前述の舞台演出で情況をイメージしやすいものにしていたが、それでも情況説明をセリフに追加して補っていた。一部それが水を差すようにも感じられどっぷり入り込めなかったのが残念な点。上演時間も少し長い。自分には朗読形式でない方が楽しめたように思う。

『十二夜』

『十二夜』

日本の30代

駅前劇場(東京都)

2014/04/18 (金) ~ 2014/04/28 (月)公演終了

満足度★★★★

30代は、
30代は若いエネルギーを維持しつつ、演技に磨きがかかっていく年代。そんな役者たちだけの舞台は期待通りの楽しく面白く、エネルギッシュで素晴らしいものだった。それぞれの個性も光っていて、特に、町田水城、延増静美、竹口龍茶が愉快だ(はまり役だったのかな?)。全員が楽器を持っての演奏もとても効果的だった。新たな試みを加えながら継続していってほしい。

ネタバレBOX

ただし、最後の兄と妹の再会の場面はそこに至るまでの長い道のりでさんざん盛り上がっていたにしてはあっさりしていた(当然、感激して抱き合うようなシーンを想像したので)。
キスしてほしい。

キスしてほしい。

劇団 浪漫狂

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/04/10 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

十分楽しめたが、
病院を舞台にいろんな人間模様が雑多に繰り広げられ、随所にお笑いの要素があって十分楽しめた。お笑い芸人やアイドルを分けて本筋だけに絞る必要はなく、今回のスタイルを貫くのがベストだと思う。ただ、もっとパンチのある奇抜さというか度肝を抜くような意外性や奇想天外な展開が見てみたい。

ぬれぎぬ

ぬれぎぬ

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了

満足度★★★★

奥深い
ソーシャルワーカーたちそして担当する受刑者との緊迫した会話が展開される。登場人物それぞれが抱える「闇」をあぶり出す側と正当化する側の緊迫した対話対決は時に立場が入れ替わり、最後には主役夫婦間にまで及ぶ。善悪も視点によって大きく変わって見える。そんなスリリングな展開が面白い。役者の皆さんの演技も素晴らしく上質の会話劇だった。
ただし、民間運営刑務所、行政特区、自由婚姻、派遣社員、不倫関係、そんな特殊設定は本筋に対して深い意味があったはずだが、いろんな要素があってそれが十分理解しきれたかどうか疑問。少し消化不良感も残った。奥深い内容だ。

蜜月の獣

蜜月の獣

小西耕一 ひとり芝居

RAFT(東京都)

2014/02/26 (水) ~ 2014/03/03 (月)公演終了

満足度★★★★

会話が絶妙
この種の劇の生命線である会話が絶妙で役者もとても良かった。しかしストーリーは辛くて切ない。
開演に遅れてしまい案内してくれた人が根本女史によく似ているなと思っていたが、ご本人だったようだ。みんなで盛り立てている様子が伝わってくる。応援したくなる劇団(芝居人?)だ。

眠る羊

眠る羊

十七戦地

LIFT(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

ワンシーンの80分間だけど大満足
ワンシーンだけの80分間でしたが、緊迫したシチュエーションの中でいろんなことがどんどん明らかになり、登場人物が次第に追い込まれていく。そして最後には仕組まれた意外な筋書きが明らかに・・・。しかしところどころに笑いも散りばめられ、とても盛りだくさんで観応え十分でした。大満足です。

雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか

雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/01/23 (木) ~ 2014/02/03 (月)公演終了

満足度★★★

作品としては評価できるが
作品としては高く評価できるが、個人的には合わない。
理由はネタバレにて

ネタバレBOX

観客一体型のスタイルは実験的であるが、作品の内容と合致して観客をより内部に引き込む効果を出していた。会話はすごく自然で役者の技量も高い。また「人間って何でこんなに難しいの?」という姉さんのセリフに象徴される感情交流もうまく表現されている。以上の点で高く評価できる意欲作だと思う。
しかし、私自身はこの種の人間関係については劇中のなんちゃんのセリフの「面倒くさい」に共感するタイプだ。わざわざ劇場に足を運んでまで瑣末で猥雑で面倒くさい感情劇を見なくて良いと考えてしまう。それなりには面白かったが、私には合ってなかった。
※私は良い位置で見ることができたが、見づらいと感じた人も少なくなかったのでは?
 燕のいる駅

燕のいる駅

Theatre Polyphonic

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/01/14 (火) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

役者、演出、効果、いずれも良かったのですが
役者はそれぞれ好演されていて演出と効果も良かったのですが、漠然とした物足りなさが残りました。すぐ続けて上演された短編によって余韻が止められたのもやや残念。順番が逆だと良かったかも知れません。

ネタバレBOX

村人が逃げ出し、列車が途絶え、情報が隔離された駅で、燕の異常行動や不吉な雲が現れる。いろんな不思議現象の中で、駅に残された人たちは「しりとり」をして結束を図ろうとするのだが、心を開かない一人の男によって途切れてしまう。そんな中、各人が抱えた問題を解決すべく行動するのだがうまくいかず、また一人減っていく。列車到着の誤ったアナウンスの間隔がどんどん短くなって終末が迫る予感。
役者はそれぞれ好演されていて演出と効果も良かったのですが、なにか物足りなさが残りました。作品の持つメッセージ(人種と友情、隔離社会、終末)に対してあいまいで漠然とした理解しかできず。
夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

お見事でした
今回が初観ですが、お見事でした。ストーリーは現実でもありがちな重い内容なのですが、トークがとても自然で楽しい。最後は女性たちへの応援歌になっているのに対して男は皆救い難いのは男として残念。よく練られた内容と細部まで行き届いた演出は完成度の高さを感じた。役者は皆さんそれぞれの個性的な役どころを好演してとても良い(一部ダブルキャストとして違和感のある配役もありましたが)。過去と現在を並行して見せているスタイルもわかりやすくて良かった。次が楽しみです。

治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
素晴らしい内容だった。そこに描かれていたのは歴史ではなく"人間"だった。みんな自分らしく生きようとしていた。役者はそれを演じきっていた。そして静かで心地よい感動が残った。

紅小僧

紅小僧

劇団桟敷童子

ザ・スズナリ(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

前作との共通点と対称性
この劇団は前作「風撃ち」に続き2作目の観劇。観劇中はただただ物語と役者の熱演に引き込まれ楽しむことができた。そしてあの鮮烈なラストシーンの余韻とともに振り返って思うのは前作との共通点と対称性である。

ネタバレBOX

季節は前作が桜舞い散る春で今回は紅葉が紅く燃える秋、舞台は前作が絶海の孤島で今回は山奥の部落、という真逆のコントラストの中で、閉鎖社会での外来者(よそ者)との対立が共通のモチーフになっているようだ。紹介には無かったが今回の作品は「風撃ち」とは一対の(あるいは一連の)作品に違いない、と確信した。
互いが協力し合わなければ生きていけないような小さな共同体でも人間同士は些細な利害の差で対立してしまい仲良く生きていくことができない。これは現代の複雑な社会においても、家族、親戚、職場、サークル、会社、町内、隣町、近県、隣国、異人種、諸外国などいろんな単位でさまざまな利害による対立が起きていることに置き換えることができる。しかしこれらの対立は大自然(異界)の前ではいかにちっぽけで些細なことであるか、を思い知らされる。文明がいかに進歩し、いかなる利器を手に入れようとも、結局大自然の前では無力であり、人間同士は和解し理解し合って共生していくしか生きる術がない、ということに気づかされる。
今思えば、2つの作品は共通して以上のようなことを訴えているのではないか、と勝手に感じている次第です。
戦湯物語

戦湯物語

KENプロデュース

シアターKASSAI(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白い作品でした
家族の絆、友情、思いやり、高齢化社会、都会と地方、震災と復興、などまさに現在の日本人が直面しているさまざまな問題を凝縮して銭湯という場を舞台とするひとつの物語に仕上げた見事な作品だと思います。正直、観る前はそれほど期待はしてなかったのですが、笑って泣ける要素がぎっしり詰まった面白い作品でした。

ネタバレBOX

過去と現在が頻繁に行き来するのですが時間関係もわかりやすかったですし、ともするとホームドラマ風になってしまいがちなところも主人公が苦悩する様を戦闘に見立てた表現を入れたことで引き締まった内容になっていました。
役者陣はいずれも好演でしたが、特にZIKKOと新森大地は他の役どころも見てみたいと思わせる演技でした。藤堂瞬は6番シードの前作で露出が極端に少なかった分、今回は逆に思いっきり(肌を)露出しちゃってましたね。

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