紅小僧 公演情報 劇団桟敷童子「紅小僧」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    前作との共通点と対称性
    この劇団は前作「風撃ち」に続き2作目の観劇。観劇中はただただ物語と役者の熱演に引き込まれ楽しむことができた。そしてあの鮮烈なラストシーンの余韻とともに振り返って思うのは前作との共通点と対称性である。

    ネタバレBOX

    季節は前作が桜舞い散る春で今回は紅葉が紅く燃える秋、舞台は前作が絶海の孤島で今回は山奥の部落、という真逆のコントラストの中で、閉鎖社会での外来者(よそ者)との対立が共通のモチーフになっているようだ。紹介には無かったが今回の作品は「風撃ち」とは一対の(あるいは一連の)作品に違いない、と確信した。
    互いが協力し合わなければ生きていけないような小さな共同体でも人間同士は些細な利害の差で対立してしまい仲良く生きていくことができない。これは現代の複雑な社会においても、家族、親戚、職場、サークル、会社、町内、隣町、近県、隣国、異人種、諸外国などいろんな単位でさまざまな利害による対立が起きていることに置き換えることができる。しかしこれらの対立は大自然(異界)の前ではいかにちっぽけで些細なことであるか、を思い知らされる。文明がいかに進歩し、いかなる利器を手に入れようとも、結局大自然の前では無力であり、人間同士は和解し理解し合って共生していくしか生きる術がない、ということに気づかされる。
    今思えば、2つの作品は共通して以上のようなことを訴えているのではないか、と勝手に感じている次第です。

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    2013/11/21 00:39

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