タケミンの観てきた!クチコミ一覧

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エトランゼ

エトランゼ

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

サービス精神に頭が下がります
ここの役者さんは開演前の出迎え、ずぶぬれになっての渾身の演技、そして早着替え、と皆さんフル回転されていて、そのサービス精神に本当に頭が下がります。加えて初日を迎えるまでの舞台セットの製作にも相当な苦労があったと察します。その甲斐あって素晴らしい舞台に仕上がっていて最後まで楽しむことができました。

206

206

(劇)ヤリナゲ

王子小劇場(東京都)

2015/08/12 (水) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★

独特のテイストと不思議な魅力
登場人物の微妙な意識や価値観のずれによってぎくしゃくした会話になる様子がとってもうまく表現されていて面白かったです。さらに軽い日常会話かと思ったらいきなりらくだ星人やら政治団体やら戦争の話にまで発展して、社会問題まで盛り込んだシュールで独特のテイストを感じました。一見とりとめのないように見えて、しかし全てが計算し尽されたようにも見えて掴みどころのない不思議な魅力があります。3姉妹は姉妹に見えないところが配役の都合以外の別の意味があるのではないかとまで勘繰ってしまいます。70分の短めの時間にいろんな要素が詰め込まれて十分楽しめましたが、単純なのか奥深いのかまで見極め切れてません。今後の公演も注目していきたい劇団です。

人が流されていく川

人が流されていく川

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2015/08/11 (火) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★

この舞台の意義
回復の望みが全く無い場合の苦痛を除くための医療行為(精神疾患も含む)のみが安楽死の唯一の対象のはずなので、ここに登場するような施設はあり得ない。「死にたい」と口に出すことの本心は「助けて」という悲痛な叫びであり、その尊い命をそばに居ながら救えなかった人もそれを思うと同じくらい辛い、ということをこの架空の設定によって改めて伝えているのがこの舞台の意義なのでしょう。

「アル・タルフ」- 獅子の一瞥 -

「アル・タルフ」- 獅子の一瞥 -

劇団ギルド

ART THEATER 上野小劇場(東京都)

2015/07/25 (土) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★

退屈ではなかったけど
ルームシェア―して暮らす女性同士ってこんな感じ?、そして「アル・タルフ:獅子の一瞥」というタイトルとの意味が結びつかない。そりゃあ運命の糸で結ばれているとか、偶然とは思えない出会いとか、そういうものはあるでしょうし、そういう状況の中の自分の存在も尊いものでしょう。退屈ではなかったけど、この舞台が伝えようとしていることがもう一つはっきりしません。

マドモアゼルはプリンス ムッシュはプリンセス ~桜木邸連続殺人事件~/ダンパチ13・銀

マドモアゼルはプリンス ムッシュはプリンセス ~桜木邸連続殺人事件~/ダンパチ13・銀

ショーGEKI

「劇」小劇場(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

観客の視点で随所に工夫が
M【B】を観劇。まずオープニングでの映像を使った登場人物の説明がうれしい。場面転換もスピーディで頻繁に発生する着替え場面でも間延びせずテンポよく話が進む。さらに手摺りを使っての視点移動や階段の上り下りの動き、極めつけは階下を見下ろすように見せる場面(意外にもリアリティがある)など、観客の視点に立って随所に工夫が凝らされている。時間を戻す再現場面もわかりやすくで良い。いずれもそのサービス精神が素晴らしく、徹頭徹尾楽しませてくれる。ドタバタになりがちな部分もきらら探偵ときさらぎ警部がしっかり締めて決めポーズも良かった。

フォルケフィエンデ ー人民の敵ー

フォルケフィエンデ ー人民の敵ー

雷ストレンジャーズ

サンモールスタジオ(東京都)

2015/07/23 (木) ~ 2015/07/29 (水)公演終了

満足度★★★★

新鮮さと懐かしさ
権力者と民衆、最近はこんな単純な構図は珍しくなりより複雑な対立関係が扱われるケースが多いので、逆に新鮮さを感じた。正義を振りかざして真っ向から権力に挑む姿は最近ではあまりお目にかかれなくなったヒーローものを連想させ、ある種の懐かしさは覚えたが、対立を作り出す点に疑問も感じて感情移入し切れない。現実の世界では対立を避け円満解決の道を探ることが多いだけに、それを意図して作られたものではないにせよ、そこに一石を投じる結果になっている。

『太平洋食堂』

『太平洋食堂』

メメントC+『太平洋食堂』を上演する会

座・高円寺1(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★

明治後期を生きる人々の活力
医師でありシェフである主人公が自由と平等を謳って「太平洋食堂」をオープンさせる。そしてそこに集まる人々が生き生きと描かれ、明治後期という時代を生きる人々の活力が伝わってくる。その演出と役者陣の表現力は見事でたっぷり3時間飽きることなく楽しみながら、思想弾圧事件として受け止めることもできた。しかし民衆の思いを権力にぶつける手段として爆弾作りに手を染めるという主人公の過激過ぎるもう一面が自分には今一つ腑に落ちない点として残った。

山の声-ある登山者の追想

山の声-ある登山者の追想

カムヰヤッセン

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2015/06/18 (木) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

迫真の演技
戦前の装備も乏しい時代というのも、厳しい自然と対峙する姿を一層険しいものに際立たせていて、それでも山に愛着を持って挑戦し続けるという姿に心を打たれた。冬山をしかも酷寒の槍ヶ岳を実際に体験しているような、そんな迫真の演技が素晴らしかった。

 『新・殺人狂時代』

『新・殺人狂時代』

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2015/06/24 (水) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

役者陣の熱量が圧巻
これは今われわれに問われている問題の縮図のようにも思えた。骨太のドラマがとても見ごたえがあった。特に、男たちのぶつかり合いを演じた役者陣の熱量が圧巻だった。

ネタバレBOX

原子力発電所内の奥底の現場で予期せぬ大地震が発生して命運を共にせざるを得ない窮地に追い込まれた男たち。統率力のあるリーダーを選んで身を委ねるべきか、それとも皆んなで知恵を絞って合議制で行動すべきか? しかしそれに重なるように、権力側の人間とそれを暴こうとする人間の対立の構図も次第に明らかになってくる。そんな対立も、生死の極限状態に近づくにつれ、心の奥底にある純粋な感情にかき消され、新たに生まれた連帯感によって全員を一つの行動へと突き動かしていった。
アイ色バースディ

アイ色バースディ

劇団光希

シアターKASSAI(東京都)

2015/06/03 (水) ~ 2015/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★

心温まる家族愛
心温まる家族愛の物語で、ラストでは目頭が熱くなりました。舞台セットも一つ一つのセリフも丁寧に作り上げてあり、20年の円熟味を感じました。ただ、先の展開が読める感じで、もう少し意外性とか捻りが欲しい気もしました。

ゴベリンドン

ゴベリンドン

おぼんろ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇場全体を使ったスケールの大きな舞台
初見の劇団であったが、愛が溢れたファンタジックなストーリー、圧倒的な演技力、衣装やフェイスペイントに舞台美術、接客サービス、どれをとっても個性的で素晴らしいもので感動した。
ただ客席と舞台を一体にして「臨場感」を狙うという配置は好みではない。その理由は、①他の観客と向き合っているのが見えてどうしても気になる、②強い照明が直接目に入る場面がある、③体を何度も大きくひねる必要がある、など。客席間の通路を疾走したり大きくアクションする場面もあり、すぐ近くの観客は恐怖感があるかも知れないとそれも気になった。劇場全体を使ったスケールの大きな舞台が持ち味のようなので、それを活かしたままでの良い方法はないものだろうか・・・・・ネタバレへ

ネタバレBOX

実現性は薄いけど思いついた対策方法
①観客全員に仮面とマントを配って客席でエキストラになってもらう
②配布された仮面には日除けが付いている
③客席が回転椅子になっている

他の劇団だったら到底できないことも、
この劇団だったらできるかもしれない
もうすぐ、お家に帰ります。

もうすぐ、お家に帰ります。

劇団前方公演墳

小劇場B1(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★

脱線が多すぎるのが残念
シリアスなドラマにもコメディやダンスを散りばめてエンターテインメントに仕立てるというのがこの劇団の「売り」かも知れないが、あまりに脱線が多すぎて散漫な印象を受けた。演奏の「ソロ」にあたる個々の役者の見せ場を組み込み過ぎの感がある。そこまでしなくても戦闘員の悲劇は表現できたはずだ。

もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

さらに完成度を高めたが・・・
ダメンズに振り回されながらも献身する女子たち。この女性への賛歌は「夢も希望もなく」と同じテーマだが、2分割の交互進行から4分割の並行(に近い)進行へと進化した点とラストの鮮やかなどんでん返しがさらに完成度を高めたことを感じさせ、素晴らしい。しかしこのパターンはこれ以上の発展は難しいかも。さらに「超越」した所を目指すには新たな方向に舵を切ることが必要になると思われ、次作はますます目が離せない。

Rabies2021

Rabies2021

メガバックスコレクション

キーノートシアター(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

緊張感があり感動的
ウイルスに対峙して緊迫した戦いを挑む人たちの姿は家族の愛情や心の葛藤にまで及び、緊張感のある感動的な舞台だった。

以下は些細なことですが、気になったことを2点。1つは、前半のセリフに盛り込まれる状況説明と人物説明が少し過剰なため、会話として不自然に感じたところが何箇所かあったこと。もう1つは、会場客席の段差が小さめのため後方客席からだと見辛かったこと。

谷間にカンパイ!

谷間にカンパイ!

劇団ズッキュン娘

シアター風姿花伝(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/27 (月)公演終了

満足度★★★★

初観賞の感想は?
「ズッキュン」とは妙に心惹かれる響きだ。それはどんな感覚なのか?、それも知りたくて劇場に足を運んで初観賞。観終わっての解釈は「ずっしり」と「キュンキュン」だった。華やかな舞台から一転ずっしりと重苦しい世界に放り込まれた主人公の境遇は見ていてとても可哀そうで辛い。一方、患者シスターズを中心とするキュンキュン娘たちが暗くなりがちな舞台を明るく面白く盛り上げる。
しかし、私にはずっしり系とキュンキュン系が役者も場面もはっきり分離し、一つのまとまった舞台として融和しきれていないように映った。また、憎まれ役もそこまではいないだろうと思われる徹底した悪女ぶりだ。そういうところにも多少違和感を覚えた。一応評価は付けるが、本当の評価は次に持ち越したい。

俺達なりの、旅。

俺達なりの、旅。

グラウンド02

OFF OFFシアター(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

味わい深い作品
予備知識ゼロで劇場に足を運んだが、人生感をくすぐる味わい深い作品だった。かつて公園で同じ時間を共有した仲間が、とある機会で再会し同じ公園に集まる。しかし昔のしこりやら人生の歩みの違いやらで、何かしっくりせず、互いの間に横たわる溝が埋められない。しかし心の底で通じ合える部分もあるし、時が解決してくれるものもある。そんな人生の感慨をしみじみと感じさせてくれた。照明と会話のトーンを変えて昔と今を行き来する表現も面白かった。

よく喋るマダム達は、パクチーより食えない

よく喋るマダム達は、パクチーより食えない

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

実に愉快で痛快
探偵興呂木参次郎の活躍が実に愉快で痛快でお見事だった。

ネタバレBOX

最初はオバちゃんにやられっぱなしのダメ探偵が、途中から人が変わったように名探偵ぶりを発揮しオバちゃんたちを率いて謎を解いていく。その流れは予想できたが、事件を見事に解決するところは実に痛快だ。それなら最初から本気モードで行けよ、というのは蛇足。ただし、最後(清算書のところ)はやはりオバちゃんが一枚も二枚も上手だったというオチも良い。実に良く練られたストーリーだ。
追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

目の前50cmの「熱狂」はもう見られないのか?
今回も史実を通じて人間を描くドラマだが、期待以上に見応えがあった。同じ良心をもった人間でも立場や過去の経験によってものの見方や判断が変わり対立が生まれる。大切なのは相手の立場で考えることと思いやり。ストレートだが強烈な訴求力だ。
これまでと違うのは舞台が広くなったこと。立体的な構成で多面の舞台を作り、照明ワークで場面を使い分けることで広くなっても臨場感が損なわれることはなかった。しかし初めて観た時のサンモールスタジオ最前列での目の前50cmの「熱狂」が忘れられない。もっともっとメジャーになってもらいたいという反面、客席との距離が開いていくのは少しさみしい。

誰も見たことのない場所2015

誰も見たことのない場所2015

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/13 (金) ~ 2015/03/19 (木)公演終了

満足度★★★★★

取材力と説得力と表現力
まず感じたのは取材力がすごいこと、自殺に関する内容なので関係者の口も重いはずなのに、である。実話なので説得力があり強烈な問題提起がある。ドキュメンタリー仕立てと観客に向かって語りかける口調により、記憶に残る個性的な劇作品に仕上げている表現力も見事だ。

忍ブ阿呆ニ死ヌ阿呆

忍ブ阿呆ニ死ヌ阿呆

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

極上エンターテインメント
後で冷静になって考えると奇想天外な話は作り過ぎにも思えるが、とにかく理屈抜きに面白い。開演前からたっぷり3時間以上に渡り徹底的に楽しませてくれる。サービス精神旺盛だ。休憩中と終演後に配られる解説プリントも理解に役立ち親切だ。立体的なステージ構成に衣装と殺陣と踊りと照明効果は、徹底した映像美を追究している。圧巻の極上エンターテインメントだった。

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