Patyの観てきた!クチコミ一覧

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太陽2068

太陽2068

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2014/07/07 (月) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

満足度

不快な演出
役者は良かったです。
綾野剛は生き生きと楽しげに演じて、この作品の「空気」を作り上げている感じがしました。
私が最も惹かれたのは成宮寛貴。
彼は蜷川のもとで舞台経験を積んだ役者ですが、たまたま、そのデビュー作と2作目(?)を観ています。
嫌いではない役者ですが、それにしても成長、などと私が言うのもおこがましいが、素晴らしかった。観ていて、安定感があり、声の出し方、居住まい、など、綾野剛の若々しい演技をがっしり受け止めていました。

不満に思った最大の要因はノクスの暮らす地下が舞台下の奈落部分に作られていて、見えない事。
私は1階のJ列です。
でも私の前の方の席の方も地下に話が行くと、一斉に前のめりになって覗き込んでいました。
でも、前のめりは後ろの人に悪いから…なのか、すぐに皆さん席に背を戻します。
見えていないよね、みんな。
その上、奈落で言う台詞は聞き取りにくいのです。
それで、奈落から出て来て舞台と最前列の間のスペースで演じていたりする。
これまた、聞き取りづらいし、見えない。
見えなくていい、ってことは、どーでもいいシーンなのかよ、っと、私はもう聞く気になりませんでした。
なんか、前田敦子がきゃーきゃー熱演していて、可哀想でした。
せめて、見せてあげろよ〜ファンがいっぱい来ているんだからさ。
そして、彼女を使う事でチケットいっぱい売っているんだからさ。

もう一つの怒りは、イキウメ公演から意味無く付け加えられた人物。
常にお○んち○をいじっている男の子。
扮するのは蜷川さんの最近のお気に入り、さいたまネクストシアターで大切に育てている内田健司。
内股で歩き、つねにお○んち○をさわり、時には柱に擦り付けている。
この少年をこういう形で登場させる必然性ってあるのか?
出てくるだけで不快。
おそらく、それが狙いなのでしょう。いつもながらの「アングラ趣味」が鼻につきます。
これが「りありてぃ」だとでも言うのか?

加えて、いつも蜷川の作品では、だれかが脱ぐ。
今回はこの股いじり少年が全裸になるし、
綾野剛も意味なく、突然、パンツをおろして立ちションをする。
不快。

全体にテンポが悪くて冗長。
コンパクトなイキウメの公演が観たくなりました。

それでもスタンディングオベイション。
何故だ?

役者の熱演に☆

音楽劇「それからのブンとフン」

音楽劇「それからのブンとフン」

こまつ座

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/15 (火)公演終了

満足度

安っぽい思想がいっぱい。
井上ひさしの代表的な戯曲。初のこまつ座なので、かなり期待して行ったのだが…途中で観るのが厭になった。

役者は申し分無く、市村正親は魅力的で、小池栄子もなんともコケティッシュ。新妻聖子は楽しそうに悪魔を演じる。
上手に置かれたピアノでは朴勝哲が美しい音を奏でる。
出だしは良かった。こりゃ、いいぞ、とわくわくしてくる。

しかし…

ネタバレBOX

途中から、安っぽい権力闘争の場となった。
そういえば、これが書かれたのは1975だ。さもありなん。
そして、周りを見渡せば、多いのはその頃青春を送ったであろう、団塊の世代。

「人間が一番好きなものを盗むの。それは権威」「権威をまとった人間は人を意のままに操ろうとする」(正確ではないが)だの、
「盗むのです。貧しい人からはその貧しさを、悲しむ人からはその悲しみを、権力者からはその権力を…そうすれば、人は本来の姿になる」

本来の姿って何だよ、と突っ込みながら、うんざりしてしまった。
ファンタジー的な要素の強い話に、こういう台詞を持って来られると、小学生におとぎ話をしながら説教をするオヤジの話を聞いているような気になってくる。
ウサニ

ウサニ

フジテレビジョン

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

不快な脚本
だいたい、映像畑の人の演劇であまり当たった試しがないので、期待はしていなかったけど、期待以上の酷さだった。
映像だ、演劇だと言う話のレベルではない。

ネタバレBOX

使う言葉の汚らしさ。
別に、セックス、射精、などという表現が汚いと言っているのではない。
それを使う必然性の無い場面で使うと、ただの悪趣味にしかならないという事だ。
話全体も、男は浮気する、女は幸せでいたいから見て見ぬ振りをする、倦怠が恋の終わりで愛の始まり、等など、どれも心に響く言葉は無く、陳腐。
キャストは悪くなかっただけに、しまいには彼等に同情してしまった。
全く無駄にした2時間半だった。
朗読LegendⅡ『仮名手本忠臣蔵』

朗読LegendⅡ『仮名手本忠臣蔵』

フジテレビジョン

日本橋三井ホール(東京都)

2010/11/05 (金) ~ 2010/11/06 (土)公演終了

お金をかけた学芸会
アナウンサーによる、純粋な朗読劇だと期待していたが、下手な芝居を台本片手にリハーサルしているみたいな素人劇。
一生懸命やっているかもしれないが、もともと素人の芝居が、稽古不足ではお金を取るに値しないだろう。
しかも3時間は長すぎる。
せめて、中途半端に説明やト書きの朗読みたいなものは入れない方がいい。

ただし、新内、尺八、琴など、お膳立ては超一流。これは観て良かったと思う。

ドリアン・グレイの肖像

ドリアン・グレイの肖像

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2009/08/21 (金) ~ 2009/08/31 (月)公演終了

満足度★★★★

耽美
耽美主義なのだ。
だから、山本も加納もやりすぎない。感情が高まる場面でも、ぐーっと高揚していって、ふといなされる様な感覚。
それでいて、というか、だからこそ、非凡な美しさと凡庸な精神のドリアンがきっちりと演じられている。
ウォットン卿も、もっともっと癖のある人物になるかと思いきや、案外普通のおっさんぽい。
バジルしかり。どことなく表現を抑え気味の芝居。
おどろおどろしい『耽美』の世界を期待すると肩透かしをくらうかもしれない。

ネタバレBOX

だからこそ、ラストのウォットン卿の表情が怖い。
ドリアンの堕落がみじめで、切ない。
そして、絵の変容を伝える視覚効果が不気味である。
オスカー・ワイルドの世界観は伝えながら、あくまでも上品で、観るものの感覚に訴えてくる。
私はこの演出、脚色は好きだ。
猪瀬薫子

猪瀬薫子

転球劇場

「劇」小劇場(東京都)

2008/04/23 (水) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★

やみつき
転球さんの愛くるしい風貌、やみつきになる。
いやはや、笑った。
でも、

ネタバレBOX

妙にシリアスでブラックなラストにはちょっと???
ゴダイゴは受けました。特に風船とともにはしゃぐ子どもの映像、思い出しました。
焼肉ドラゴン

焼肉ドラゴン

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2008/04/17 (木) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

涙でぐちゃぐちゃ
在日韓国人家族の物語と聞いて、もっと社会問題がクローズアップされたものだと思っていたら、人情劇でした。
笑いあり、涙あり、涙ありの3時間は少しも長いと感じませんでした。

父親と母親を演じた韓国の役者さんがすっばらしいのです。
本当に泣かされました。

千葉哲也さんを見たくて行ったのですが、もちろん彼も素敵でしたが、韓国の役者陣の上手さに惹きこまれました。
笑わせても間がいいし、しっとりとしたシーンでは胸にずしんと来る。

いい芝居でした~。もう一度観たい。

ネタバレBOX

返杯、返杯のシーンで何を飲んでいたのかが気になる・・・
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

ニッポン放送

新宿FACE(東京都)

2008/04/04 (金) ~ 2008/05/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

共演者が良いと・・・
こうも変わるものか・・・
去年も良かったけど、今年のヘドウィグはさらに妖艶さが加わり、歌はますます磨かれ、Rockな魂が炸裂している。
それもこれも、ソムン・タクという類まれなるRock魂を持った女性歌手との共演のなせる業か?

去年の公演に不満だった方ももう一度試してみれば?

狐狸狐狸ばなし(再演)

狐狸狐狸ばなし(再演)

トム・プロジェクト

本多劇場(東京都)

2007/09/01 (土) ~ 2007/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

笑った。
北條作品をケラが味付け。わけがわからん。
でも、わけがわからん面白さに仕上がっていた。
ときどきやりすぎ感がなじめないケラさんなのだが、これはツボでした。
篠井英介のおきわの可愛い事!六角精児は不気味だし、板尾創路はセクシーだし。
現実の世界の人が語る話として【狐狸狐狸噺】が進行していく。
これも、余計かなと思いきや、面白い。
まあ、みなさん芸達者で楽しませてくれました。
ラサール石井がこんなに上手いと思ってなかった。ごめんなさい。

ラスト・ファイヴ・イヤーズ

ラスト・ファイヴ・イヤーズ

シーエイティプロデュース

東京グローブ座(東京都)

2007/09/07 (金) ~ 2007/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

格段の進歩。素晴らしい。
変わった作品である。
ストーリー自体はなんてことないコテコテのラブストーリー。
男女が出会い、結婚し、別れるまでの5年間。
それを男女の時間軸を逆さまにしただけ。
それだけの捻りがこうまでズシッと心に響くなんて・・・正直、意外だった。

いきなり、別れた直後の女の歌から始まる。
井手麻理子がすごい。
初舞台の一曲目で観客の心を【別れの悲しみ】で一杯にしちゃった。

この作品、初演も見た。
山本耕史が上手いと思った以外に感動はなかった。
相手の女性歌手があまりにへたくそで力が違いすぎて、如何に曲がよくても、相手の山本が上手くても、芝居として成立していない気がした。

今回は2人の歌唱力が拮抗しているから、最後まで一気に見せる。
一緒に舞台上にいても同じ時間を生きていない2人は、それほどまでに理解し合えない男女を象徴しているみたいで切ない。

山本耕史も初演でも上手いと思ったけど、表現力が格段にアップしているのには驚いた。すごいやつだな。

ラスト、出会いの歓び(女)と別れの悲しみ(男)が交錯する場面は秀逸で切なさ最高潮。

初演の時に気になった訳詞の悪さは幾分改善されている。
本当は全とっかえして欲しかったけど。

それにしても、この作品の持つ魅力が漸く花開いた感があった。
その魅力をもっと雄弁に語れたらいいのだが。
一見の価値はあると思う。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

ニッポン放送

新宿FACE(東京都)

2007/02/15 (木) ~ 2007/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

ヘドウィグの原点
山本耕史が素晴らしかった。 三上版の派手さ、賑々しさも客をいじることも無い。しかし、考えてみれば、ヘドウィグは「世界的に無視される」存在なのである。見る人を思わず引かせる外見。しかし、舞台の進行とともに観客は彼女の内面に引きずり込まれていき、その孤独と哀しみに共感し、再生を見届ける。いかつく、背が高い山本のけばけばしい姿に驚く間もなくいきなりの「TearMe Down」で否応無くその世界に引きずり込まれる。時に寂しく、時に愛らしいヘドウィグ。そして、ラスト2曲の彼は神々しいまでに透明で美しい。カタルシス。
ネックは英語で歌われ、字幕がつかない事。賛否両論なのはうなずける。しかし、もともと英語で書かれた曲に無理矢理載せた日本語を大音量で歌われたとて聞き取れまい。確かに初見の人にとっては解り難いものになってしまっただろう。しかし、外国製ミュージカルはこれからも多く翻訳上演されるだろう。そして、必ずそこには日本語歌詞の問題が立ちはだかる。そこに一石を投じる意味でもこの試みに非難を恐れずに踏み切った事は評価されて良いと思う。 私的には何も問題は無かったからそう思うのかもしれないが。 中村中も良かった。声に透明感が合って心地良い。最後のドレスは、美しいがドラァグクイーンにはとても見えない。バンドもビートルズみたい。何故?

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