満足度★
不快な演出
役者は良かったです。
綾野剛は生き生きと楽しげに演じて、この作品の「空気」を作り上げている感じがしました。
私が最も惹かれたのは成宮寛貴。
彼は蜷川のもとで舞台経験を積んだ役者ですが、たまたま、そのデビュー作と2作目(?)を観ています。
嫌いではない役者ですが、それにしても成長、などと私が言うのもおこがましいが、素晴らしかった。観ていて、安定感があり、声の出し方、居住まい、など、綾野剛の若々しい演技をがっしり受け止めていました。
不満に思った最大の要因はノクスの暮らす地下が舞台下の奈落部分に作られていて、見えない事。
私は1階のJ列です。
でも私の前の方の席の方も地下に話が行くと、一斉に前のめりになって覗き込んでいました。
でも、前のめりは後ろの人に悪いから…なのか、すぐに皆さん席に背を戻します。
見えていないよね、みんな。
その上、奈落で言う台詞は聞き取りにくいのです。
それで、奈落から出て来て舞台と最前列の間のスペースで演じていたりする。
これまた、聞き取りづらいし、見えない。
見えなくていい、ってことは、どーでもいいシーンなのかよ、っと、私はもう聞く気になりませんでした。
なんか、前田敦子がきゃーきゃー熱演していて、可哀想でした。
せめて、見せてあげろよ〜ファンがいっぱい来ているんだからさ。
そして、彼女を使う事でチケットいっぱい売っているんだからさ。
もう一つの怒りは、イキウメ公演から意味無く付け加えられた人物。
常にお○んち○をいじっている男の子。
扮するのは蜷川さんの最近のお気に入り、さいたまネクストシアターで大切に育てている内田健司。
内股で歩き、つねにお○んち○をさわり、時には柱に擦り付けている。
この少年をこういう形で登場させる必然性ってあるのか?
出てくるだけで不快。
おそらく、それが狙いなのでしょう。いつもながらの「アングラ趣味」が鼻につきます。
これが「りありてぃ」だとでも言うのか?
加えて、いつも蜷川の作品では、だれかが脱ぐ。
今回はこの股いじり少年が全裸になるし、
綾野剛も意味なく、突然、パンツをおろして立ちションをする。
不快。
全体にテンポが悪くて冗長。
コンパクトなイキウメの公演が観たくなりました。
それでもスタンディングオベイション。
何故だ?
役者の熱演に☆