じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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空と東京タワーの隣の隣

空と東京タワーの隣の隣

マコンドープロデュース

下北沢 スターダスト(東京都)

2018/11/17 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/26 (月) 19:30

価格3,500円

【勝手にキャッチコピー】浸透圧のある台詞がちりばめられたランウェイスタイル演劇

ある女性とその父を軸とした家族史……と言うよりもむしろ「父娘史」的な中編。
心にスッと入ってくる、あるいは発した人物の気持ちが伝わってくる、そんな台詞が心地好く、進むにつれてもんちゃん(父)の人物像がくっきりと浮き彫りになってくるのが巧み。
補足すると「ズッシリ響く」とか「心に刺さる」とかではなく、たとえば水のように軽くサラッと呑めてしまう日本酒のようにすんなりと「心の中に入ってくる」台詞があって、その結果、人物の気持ちなども「自然にワカる」感覚。

また、縦長の演技エリアにランウェイのような光を落とす奥側と背後の壁にカンバスのような光をあてる手前側と二灯だけの明かりで、基本的に演者は奥から手前に歩きながら台詞を発し、脇にハケて奥に戻るというスタイルも躍動感(?)があってイイ。

北の忍者、光を夢見る

北の忍者、光を夢見る

ハチビットプラネット

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2018/11/15 (木) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/17 (土) 18:00

価格2,500円

国境近くの軍事基地では一部メンバーが幼馴染の部外者と共にFM番組を流しているほどのほほんとしていたが、ある日、隣国の忍者(!)が潜入し……から始まる傑作娯楽サスベンス。
ゆるく始まりながらも次第に緊張感が高まり、気付いた時にはしっかり引き込まれていて、それでいて程よくユーモラスな部分があって息抜きもできるというバランス配分が絶妙。
「どこかの国によく似た文化を持つ架空の国」の国際政治絡みの問題を「あーそれあるある!」や胸アツな展開を交えて描き、一件落着はするがすべての問題が解決した訳ではなく余韻を残して終わるという物語の流れは旗揚げ公演「朝焼けのパレード」を想起させ、8bitPlanetの真骨頂か。

北の忍者が情報収集のために傍受していたラジオ番組によって音楽を好きになった、という部分に超時空要塞マクロスを連想。また、「同じように映画好きな同士がなぜ戦わなくてはならない?」という反戦・厭戦・嫌戦メッセージも良かった。

いやホント、過去作品も含めて台本を販売して頂きたいものです。

神社エール!

神社エール!

劇団ズッキュン娘

吉祥寺シアター(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/19 (月)公演終了

満足度★★★★

友達もなく厭世感に囚われていた主人公はたまたま近隣の神社の「レインボー5大神」に願いを「聞いて」もらえることになり「幸せになりたい」と願うが……な物語。
といっても容易く願いを「叶えて」もらえる夢物語なワケはなく、謂わば藤吉みわ流の幸福論。(あるいはズッキュン的「青い鳥」?)

そして神社(ひいては神様)への「願い事」は本来どうあるべきか、的なことまで語るのがイイ。
「初詣は神様にお願いしに行くのではなく神様に決意表明するもの」というのを今年(初めて)知ったので、なおさら頷けたりも。

また、劇中でもギャラリーから垂れ幕を下ろす演出があるが、前説でも使ったのが巧み。

アリス式海岸不思議岬邂逅

アリス式海岸不思議岬邂逅

ウテン結構

d-倉庫(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/16 (金) 19:35

価格3,500円

【勝手にキャッチコピー】盲目の少女が見る明晰夢の行き着く先は……?

気がつくと目も見える別世界にいた盲目の少女、はたしてそこは夢の世界?それとも……な物語。
「胡蝶之夢」系が好きな身には「キターーッ」(笑) 的ではあるが、理屈っぽい部分が多い作品で2時間超えとなるとちょっとしんどい。
(愉しんだ部分はネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

一方、アリスという登場人物が「まさしくアリス(謎)」だが役どころがむしろ時計ウサギ的なところや後半で出てくる劇中時間の示し方(台本のページ数)、回想場面の表現(そのページを演ずるのではなく説明するように読み上げる)などは愉快。

また、芝居や映画で同時に出ていて会話もする複数の登場人物が実は多重人格のそれぞれであり次第に減って(減らされて)ゆく、というのはありがちだが、暗転後に似た衣装の人物のエピソードが展開され(を繰り返し)、それがそれぞれの人格、というのは新鮮だった。
そこまで言わんでモリエール

そこまで言わんでモリエール

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/22 (木) 14:00

価格3,300円

珍しくも政治・思想系のネタがなく、実在の人物やモリエールの芝居の中の台詞の引用で描いたらあの当時の演劇事情……と思わせての当世小劇場事情。最近特に目立つ公演中止や降板、さらには退団などを斬り捨て御免、的な?
で、今後「そういう事」があったらあれこれ裏事情を妄想してしまいそう……どうしてくれるんだっ!(爆)
さらにアフタートークと合わせてあの頃から、そしてあっちの業界(?)にも「そういう人」はいるんですねぇ、とか。

ネタバレBOX

それにしても「あのパーセンテージ」まで出すとは大胆な!(笑)
伝三郎の桃

伝三郎の桃

劇団SUBUTA!

ART THEATER 上野小劇場(東京都)

2018/11/10 (土) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/10 (土) 14:00

価格2,000円

桃造りに生涯を捧げた男を軸とする伝記的物語。
題材が題材だけに従来作品と較べて娯楽性が少なめではあるが丁寧なツクリに好感を持てた。
また、終盤で歌を丸々1曲バックに流す間に劇中で経過した年月の出来事をダイジェスト風にマイムで演じ、歌が終わって時を経た最終場になるというのも巧み。

『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/20 (火) 18:00

【再生】
登場人物/演者が4人の「眼球綺譚」に対して2人のこちらは「声による連弾」といったところか。
その内容はまさしくタイトル通りで伊藤潤二の某作品を連想。
凄絶なラストを迎えるが、それは滑稽でもあり落語にも仕立てることができるのでは?とか「のび太のパターンじゃん!(笑)」とか思ってしまった。
また、オチが途中で想像した中の1つで「やはりそこか」とも。

ネタバレBOX

再生ということで胴体と頭を切り分けるとそれぞれ再生して二体になるプラナリアを思い出していたのでオチは「あ、それね」と。
また、切断した頭部を庭に埋める部分ではそこから樹が生えて沢山の頭が実る……という図も。(爆)
さらに、頭が再生されず胴が腐乱して行くところでは、ひみつ道具の便利さを過信して失敗する野比のび太を連想。(笑)

連想した伊藤潤二作品は「富江」。清水崇監督の「富江 re-birth」がやはりホラーながら滑稽味をおびており、頭部に小さな手足がついて歩く場面があったようななかったような?(曖昧な記憶)

落語の場合は途中まででサゲは「大丈夫、そこを切り落とせばまた生えてきまさぁ」だね。
『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/20 (火) 14:30

【眼球綺譚-朔-】
大なり小なりの身振りを伴う(←個人的定義)「リーディング」ではなく純然たる「朗読劇」であるが、1つの文章を複数で読み継いだり複数の文章をクロスさせたりと変化をつけて「聞かせる」のは「声による弦楽四重奏」の如し。
そんなスタイルで語られる内容は確かに「綺譚」だがモダンホラー的な味わいも。そして先端恐怖症なら恐怖のズンドコ?
根底に「ドグラ・マグラ」に通ずるものを感じたり(私見)、層を成す構造に劇団SEIN「孤哀子」を思い出したりもして、好きなヤツだった。

ネタバレBOX

度々出てくる「視線を感じた」という部分、「眼球の霊」を想像してしまった。(笑)
LaLa-bye!!

LaLa-bye!!

michelle's attic

ラ・グロット(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/18 (日) 13:00

価格2,000円

オトナ向けのダークな童話、なオモムキ。会場の内装が石造りの建物が並ぶ街角を想起させゴシックホラー的な内容によく似合う。
舞台美術におぼんろの手法が見受けられたりスタッフに歪のメンバーが名を連ねていたりで、作劇・演技のみならず阿久澤さんがここまでに蓄えたあれやこれやを満を持して発表したことが偲ばれてアッパレ!
いつの日かの第二弾が待たれる。

アユカの世界

アユカの世界

アユカプロジェクト

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/27 (土) 17:00

価格3,500円

早世のカリスマアイドルとマイナー地下アイドルをめぐるあれこれ、深読みや誤読の余地もあり面白かった。
実は「芝居の嘘」では容認しきれない「大嘘」とそれはどうよ?な場面もあったのだが、それでも醒めずに最後まで惹き付けられるのは謂わば「瑕のある珠」か?

「艶歌の竜」こと歌謡曲プロデューサー・高円寺竜三を主人公にレコード業界・歌謡界の内幕を描いた五木寛之の作品(複数)の現代版・地下アイドル版的なニオイがする部分もあった。

いやしかし、この芝居のために地下アイドルグループを作り、半年間かけてのアイドル活動でついたファンを芝居に引き込み、劇中のライブ場面の盛り上げに利用するとはなんたる策略。思いついてもそんな気長なこと、実現させないよねぇ?(笑)

ネタバレBOX

「芝居の嘘」を逸脱した「なワケねーだろ!」な「大嘘」は以下。
「カリスマアイドルが双子の姉であり、その妹は地下アイドルグループのメンバー」という事実が世間に全く知られていないというのは無茶。
マスコミか探究心旺盛なファンが嗅ぎ付けない筈がない。

そのカリスマアイドルは死んでいず、死んだ妹になりすまして自分が死んだことにしていたというのも現実には無理ではないか?
なお、最近公開された映画にも死んだ人物に(整形までして)なりすますというプロットがあり、シンクロニシティ?
ちなみにこの驚愕の真相(爆)が明かされる前まで姉を喪ったことをキッカケに愛花の中にアユカの人格が生まれたのではないか?と推測していた。


あと、序盤に娘が出演するイベントに向かう母が空港でトラブルに見舞われる場面があるが、終盤までそれが時系列的にどこに入るのかワカらず、浮いたままな構成も今ひとつ。

いっそクライマックスのイベント当日の様子をアヴァンで少し見せて、そこに「お母さん行けるか?」の場も入れておけば「あの場はいつ?投げっ放し?」な疑問はなくせるのでは?
くちびるの展会

くちびるの展会

くちびるの会

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/09 (金) ~ 2018/11/13 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/12 (月) 19:30

価格3,000円

2編の短編「ごうわん」「ネクラホマ・ミクサー」はいずれも掬おうとしても指の隙間から零れてしまう乾いた砂のように時の流れにより失われてしまう「あの頃(およびその頃の関係)」が描かれて「もののあはれ」を感じる。

その後、休憩を挟んでの中編「猛獣のくちづけ」は「あれこれ失ってしまった人々」の物語という印象ではあるが、最後にわずかな救いは見て取れ、パンドラの匣の底に残ったものを連想。
で、諸星大二郎を想起する劇中の「異変」は第27班キャビネット公演「こどものうた」のEグループ「I'm Syrup」の裏返しのようにも感じた。

トリックスター

トリックスター

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2018/11/14 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/14 (水) 14:30

価格3,800円

ヤミ金融を営む面々を中心としたSPIRAL MOONには珍しい裏社会系物語。
序盤の流れとタイトルからある映画を連想したが当たらずとも遠からず、「あること」をまんまとやり遂げるのは痛快。
また、やんわりチラチラと世相批判が含まれていてニヤリ。

ネタバレBOX

連想した映画は「スティング」。
また、電話を使った詐欺にミナモザ「エモーショナルレイパー」(2009年・2011年)も連想。(あれの裏返し?(笑))
『― 殉教 ―』

『― 殉教 ―』

CroixProjec†

APOCシアター(東京都)

2018/11/08 (木) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/10 (土) 19:00

価格3,500円

三島由紀夫の短編「殉教」に「孔雀」を加えての演劇化。
と言っても(原作未読につき推測だが)「小説として描かれた物語」を伝えるのではなく、部分部分を抽出し「思想を伝える」といった印象。
美しい言葉の抽出と構成の妙はやはり高木さん、的な?(笑)

そして終盤、時に三島、時に劇中の14歳の美少年の肖像が投影される額以外黒一色だった背景の布が落ち人魂のようにも見えるいくつもの仮面が現れる美しさ。
額を中心に放射状に配置されたそれらはまさしく孔雀の羽根!
一瞬「DeepPurple/Fireball」のジャケット画を想起し、瞬時に目を瞠る美しさに変貌することに劇団離風霊船の舞台美術のシカケも連想。

また、片手に仮面、片手にペンライト的なものを持ち仮面に光を当てる演出はままある(オフィス再生でもよく使っているし)が、仮面の裏から光を当てて目などから光軸がのびるのも効果的だった。

くらげの骨

くらげの骨

フロアトポロジー

新宿スターフィールド(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/24 (水) 14:00

価格3,700円

15年前にとある高校で起きた殺傷事件で婚約者である女性教師を喪った深海調査艇乗組員は、当時生徒だった犯人を何度も叩きのめし続けていて(という妄想をしている?)……から始まる物語。
ある意味「ドグラ・マグラ」(本来の「堂堂巡り」の意味も含む)的世界に、一部ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督「メッセージ」を思わせる(アンドレイ・タルコフスキー監督「惑星ソラリス」との指摘もあったが未見)部分もあり、大好きなヤツだった。

半ばを過ぎたあたり(?)で「あること」が明かされて、それまでのあれこれが一気に覆るのは「騙された快感」(笑)。
また、随所で照明効果が光る(←もちろん比喩表現)。あと、ある役に関連のある他団体の芝居も想起。(謎)

あと、芝居などで非現実的なことが起こると「そういう世界の話」か「作中人物の夢・幻想・妄想」か推測しながら観ていることがあると気付いた。

ネタバレBOX

後半で、復讐を考えている深海調査艇乗組員が実はその事件の犯人であり、婚約者云々は妄想(?)であったと明かされた時の衝撃たるや!

本当のことを言ってはいけない「嘘つきゲーム」にかこつけて苦しい胸の内を語る男が切なく、またそれを受けて語る風俗嬢もやはり事実を語っているようで切ない、とか、事件の遺族の心境や加害者家族への迫害(?)を描いているのか?……などと思いながら観ていたこちらの立場が宙に浮いてしまうではないか!(笑)

あと、「生まれ損ねた胎児」というモチーフもあり、これがこの日を含む4日間で観た芝居の3本に出てきたという小劇場シンクロニシティにもビックリ。
『セルフポートレート』

『セルフポートレート』

colorchild

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2018/11/06 (火) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/09 (金) 19:30

座席G列4番

#カラチャイ の真骨頂にして集大成。ハンナ・バーベラ(タツノコ・プロも少々)のアニメ+「グーニーズ」的なノリで冒険、憎めない悪役の改心、勧善懲悪、友情、お伽噺等にある教訓的なもの、スペクタクルなど詰め込んだ海賊たちの物語、まだ残っている童心を刺激されまくり。
また、ダンスが中村容子さんの個性丸出しで「これだこれだ、これがカラチャイの振付だ!」(笑)

考えるにcolor childの芝居って「逆2.5次元」ではなかろうか?
大人気の2.5次元はマンガやアニメを芝居やミュージカルにしているが、color childはの作品は芝居をマンガやアニメに近付けていて。

今後の個人としての活動や将来の再始動が楽しみ♪

また、前説での渡辺主宰の「(上演中に鳴る)着信音くらいでどうにかなってしまうようなデリケートなツクリではございません」というのもイイなぁ。(笑)

泡雪屋廻墾譚

泡雪屋廻墾譚

有末剛 緊縛夜話

ザムザ阿佐谷(東京都)

2018/11/01 (木) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/02 (金) 15:00

価格3,500円

個室サウナ従業員哀歌。過去に観た2本は原作アリでオリジナル作品は今回初だったが、縛りがない(いや、緊縛のことではなく「原作による縛り」ね)分、奔放な感覚?

そしてこの会場での公演、ここにしても、百眼にしても月蝕にしてもどこか通ずるモノがある。古木を活かした内装とアングラ系芝居って相性が良いのか?

いやしかし「緊縛・ペア」に「緊縛・団体」に、そんなワザもあったのかぁ……みたいな?(笑)

こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/29 (月) 17:00

【Eグループ】
「I'm Syrup」、幻想文学、はたまた伊藤潤二、あるいは「世にも奇妙な物語」か、な状況で「愛」を語る(愛に関する名言もちりばめられているし)物語。
これ、滅びの美学というか、そんなオモムキもあってけっこう好きだな。

ただいまを待って

ただいまを待って

演劇ユニット 少年cycle

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2018/11/02 (金) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/04 (日) 13:30

価格2,500円

事前情報で現在と50年前を描くことを知っていたので上手に黒、下手に白の衣装の人物が立ち、中央奥に白いブラウス・黒いスカートの人物が座っていることで「なるほど、そういう表現ね」と察する。
以降、二つの時代を交互に見せる中に共通の物や設定が出てきたりしてから二者を同時に進行させ一部の台詞が同期するというお馴染みの、そして好きな技法も駆使。
終盤では二つの時代の若者に共通するテーマ(「あなたは何と闘っていますか?」とか)も示し、まさにお手本のようなツクリ。
これ、観劇初心者にも演劇表現の面白さをワカり易く紹介することができるのではないかしら?……って。もう千穐楽を迎えてしまったんだが。
あと、二つの年代に変わらぬ姿で存在する人物(というより「あの建物の精」かも?)が「何十年も同じ姿のまま生きながらえているような(私見)」大畑麻衣子さんなのでワロタ。(かつキャスティングの妙に大いに納得)
それにつけても学生運動が盛んだった頃の若者はなんとオトナだったことか!
(本作に限らず、たとえばオフィス再生「二十歳の原点」などでも痛感したことであるが)

盾と矛とちはる

盾と矛とちはる

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場B1(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/03 (土) 19:30

「私(山口ちはる)」の語りを芯にしたエピソード集的エッセイ演劇。バックステージ物で劇団の姿勢・意気込みを表明するケースのプロデューサー版的なオモムキも。
交代で演じられる「私」役(時には男性も)以外の役者は相手役やモブ、「私」の「影」などを演じる手法も面白い。
しかし終盤の母親との2編はズルい……もとい白眉。ちなみに母親役は固定で衣装も他全員がジャージなのに対して母親っぽい服装、というのも上手い。
さて、山口プロデューサーの自叙伝的演劇シリーズ、第三弾もあるかな?(期待)

みどり色の水泡にキス

みどり色の水泡にキス

オフィス上の空

あうるすぽっと(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/24 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/22 (月) 19:00

座席D列4番

複数の流れが並走したり、時制が前後したりという従来のトリッキーなパターンと異なり、基本的には中心となる人物の少年期からの成長を時系列に沿って描くことに「おやおや?」と。(笑)
それでも「狂言回し的な2人」と「主人公の人生に何度も現れる女性」がキ上っぽさを漂わせて進み、終盤で「あぁ、やっぱりキ上の空論だ」と腑に落ちるのが面白い。

ネタバレBOX

主人公の生涯に妹やら恋人やら様々な関係で現れる「みどり」という女性、そしてそんな女性と何度も出会う主人公の不思議さに映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を連想したりも。

また、「生まれ出ることができなかった命・魂」というモチーフがこの前日(と2日後)に観た芝居にも出てくるという小劇場シンクロニシティも。

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