寒花
ハツビロコウ
シアターシャイン(東京都)
2018/09/11 (火) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/13 (木) 19:00
価格3,000円
監獄が舞台ということで、黒一色の会場舞台を活かしテーブルと椅子、それに房などを表現する小さな柵(?)だけというシンプルな美術が硬派で男くさい味わいと相乗効果をあげていたと思う。(奇しくも全く傾向の異なるGORE GORE GIRLS「ステイ・ヤングと言われても」も柵以外はほぼ同じというシンクロニシティもあり)
また、シンプルな美術ゆえ芝居への集中力も高まろうというもの。「ソリッドな芝居」を堪能。
死旗
鵺的(ぬえてき)
ザ・スズナリ(東京都)
2018/09/12 (水) ~ 2018/09/18 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/12 (水) 19:30
座席G列4番
価格4,500円
開演前、仄暗い中に微かに見える舞台美術を「簡易版・桟敷童子?」と思ったが、開演して照明が入るとますますその印象は強まり、しかも台詞の一部は九州訛りのようだし、しかし内容はもっとダークかつ不道徳だし……ということで浮かんだ【勝手にキャッチコピー】は「ダークでインモラルな桟敷童子」(笑)
また、ある漫画家の作風を漠然と連想したり、特定の漫画家の作風ということではなく一般的な文字通りの「マンガチック」で無茶あるいは笑える部分があったり、(劇中でも触れているが)某有名小説的な部分があったり、往年の日本の怪獣映画を思わせる部分があったり(私見)、全体的に「見世物小屋の胡散臭さ」が漂っていたりでまさにカオス(爆)
そんなことから浮かんだもう一つの【勝手にキャッチコピー】は「暗黒神話、もしくは漆黒のジェネシス」。
誤解を恐れず本音を言うなら(最終的な落としどころはともかく、そこに至るまでは)どちらかと言えば好みではないタイプでありながらも面白く……と言うか固唾を呑んで見入るほど引き込まれたのは芝居のチカラというモノか。
あと、他団体に所属していて客演している女優さんがたは川添さん、夕沈さんを筆頭にそれぞれ所属団体の持ち味・個性を存分に発揮していたと思う。まさしくキャスティングの妙。
ロックでもない人生
制作「山口ちはる」プロデュース
下北沢 スターダスト(東京都)
2018/09/12 (水) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/12 (水) 14:00
価格2,700円
【倉本ver.】
ある喫茶店で起きた「ちょっとした事件」を居合わせた定連客の女性作家が中心となり解き明かすコメディタッチの推理もの……ということで倉本さんらしからぬと思いながら観ていたが、話が進むにつれて供述の中からそれぞれの生活(人生?)が浮かびあがってくるのはやはり倉本作品っぽいかな、と。
ステイ・ヤングとか言われても
GORE GORE GIRLS
シアター711(東京都)
2018/09/11 (火) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/11 (火) 19:30
価格2,800円
川柳の名人を慕って若き川柳家が集って住むアパートに新たな入居者が加わって間もない日、名人が筆を折ると言い出し……な物語。
とあるネタでツカミはオッケー、やがて始まるは川柳界の内実。演劇表現のお約束を逆手にとったトリックを経ての川柳対決の見事なこと! 結構大事な事を言っていながら……なオチも巧い。
さらに川柳をはく場面や対決場面など要所要所の特徴的な照明もイイ。
セックス ドラッグ 花嫁修行
美貴ヲの劇
新宿眼科画廊(東京都)
2018/09/07 (金) ~ 2018/09/10 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/10 (月) 13:00
価格2,500円
短編集ではありながら高尾山を舞台に繰り広げられるエピソードが何となくリンクしつつ最後にまとめるという連作形式。
暗転の闇の中から聞こえる赤裸々なモノローグで始まるインパクトもあり、最初と最後はしっかり固めてある、みたいな。
また、1編目の冒頭部分、同じことの繰り返しな日常を表現するのに3回よく似た場面を演ずるが、重ねるにつれて音楽が大きめで台詞が聞き取りにくくなるのは主人公の心境を観客に追体験させる効果があり妙案。
しかしそのせいで水曜日のオムライスの味が(台本には書かれているのだろうけれど)聞き取れず気になった……何なら木曜と金曜も気になる。(笑)
起承転落×喜怒哀欠
あるかな
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2018/09/04 (火) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/09/08 (土) 19:00
価格3,500円
知り合って6年付き合って3年のカップルがいよいよゴールインか?な場面から始まるも男の「誰!?」な一言で一転、ストーカー?はたまた?なミステリーに転じ観客を主人公の心境に同化させるのはロベール・トマの傑作「罠」に通ずる手口で鮮やか。
その後はいくつもの過去と現在を頻繁に行き来するため雑然として今ひとつスッキリしないがあれこれ巡った末に真相に辿り着き死ぬほど苦しむ主人公にアラン・パーカー監督「エンゼル・ハート」を思い出す。
愛する相手の死を思い出して苦しみで終わるループをずっと続けているというのはまさしく地獄。
そして笑いも盛り込みながらダークかつビターで終わる作風は集団as if~ に近くて好み。
ミキティ
こわっぱちゃん家
シアター711(東京都)
2018/09/06 (木) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/09/08 (土) 14:00
価格3,300円
いわば“リアルタイプ「けいおん!」大学生編・少年ジャンプ仕様”。
大学軽音楽部の面々による群像劇、趣味で楽しむ者とプロ志向の者、音楽的な考え方の違いなどから起こる摩擦とその顛末が登場人物の個性と相俟って巧みに描かれてステキ。
また、音楽に関するそれぞれの想いやバンドをやっていく意気込みなどのアツさが少年ジャンプ風でニヤニヤ。
なので尋ねてみたらトクダ主宰はやはり少年ジャンプがお好きだそうで、しかし「今回は控えた」とのことだったがいやいやいや丸出しじゃないですか。あるいは普段はもっとジャンプ風味なのかしら?(笑)
(ちなみにトクダ主宰、軽音/バンド経験は皆無ながら経験者であるご友人に取材した由)
さらに、音楽やバンド活動に関する台詞のいくつかは演劇に対して思っていることではないか?と深読み。(笑)
舞台を斜めに仕切り上手奥側を行きつけのライブハウス、下手手前側を部室にしてさらにその手前を外の道にした美術も(細部も含めて)イイ。
ところでプロを目指す1年生ドラマー、チップのキャラクターに微かな既視感があったのはちょくちょく予告編を観た「響 -HIBIKI-」のヒロインに通ずるモノがあったからか?
「イッツ・ア・クローズドワールド」
楽園王
OFF OFFシアター(東京都)
2018/09/06 (木) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/09/06 (木) 19:30
価格2,800円
何かを執筆中らしき姉と悪夢を見て起きてきた妹による第一場「真夜中の粗忽マンション」と、朝のホームルームで先生が転校生を紹介する第二場「ショートコント・転校生」から始まって以降、姉妹パートと転校生(それ以後は転校生ではないが便宜上こう呼称する)パートが交互に進行し、終盤で両者の関係のヒントは出すが明言せずに結論は観客に委ねるというスタイル。
その関係はσ(^-^)の好きなヤツの1つだし終演後に長堀さんからM.C.エッシャーの作品(「昼と夜」など二つの世界が交差して描かれ、一方に注視するともう一方は背景のように感じるもの)をイメージしたと伺ってそれも納得。
また、長堀さんが短編脚本を提供したりしているOi-SCALEに近い味わいでもあった。こういうの、大好きさ♪
その子17歳
少女東京奇襲
高田馬場ラビネスト(東京都)
2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/01/20 (土) 14:00
価格3,000円
ワケありJKのひと夏の物語。ユーモラスに始まり次第にドラマが深まり「コップの中の嵐」からの友達はいいもんだ、な本編もさることながら、秀逸なエピローグ(画期的かも?)に舌を巻く。
本編はフツーに良くできた物語だが、エピローグで画竜点睛を打つ、みたいな。(但しあくまで私見(爆))
なお、冒頭で笑わせてくれた「アレ」、まさか検索でヒットするとは!!(笑)
ボス村松の国産ハーブ鶏
劇団鋼鉄村松
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/09/04 (火) ~ 2018/09/05 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/05 (水) 15:00
価格2,000円
中心となるのは課長2人と若手1人の3人の居酒屋での会話。これが演者の年齢と相俟ってリアリティありまくりな上に学歴格差にも言及して終始ニヤニヤ。そしてそれなりに人生経験を積まないと創れない芝居であることに感心。
新宿公演のみで上演の「ボス村松のピクニック」はベテラン弁護士とかつて彼に弁護を担当してもらった医師の「二人半芝居」。舞台が日本ではなく、台詞回しも「それっぽい」ものにすることで翻訳劇のような味わいがあることと、基本的には二人芝居だが時々訴訟相手の女性が加わるのが面白い。
「Dの再審」
かはづ書屋
小劇場 楽園(東京都)
2018/09/04 (火) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/09/04 (火) 19:30
価格3,000円
明智小五郎の探偵業50周年記念イベントで初手柄であるD坂の殺人の模擬裁判を行うことになったが、ある人物の思惑からリハーサルは台本通りに進まず……な物語。
模擬裁判ではありながら新たな証拠なども出て過去の結末と異なる結論(=事件の真相)に向かうという法廷ミステリー(「私は真実が知りたいんです!」系?(笑))の醍醐味を満喫。
役者陣の各人物表現・なりきり具合も巧みで、初演も観ていたが大いに愉しむ。
さらに、少し前に観た映画「検察側の罪人」と重なる部分・裏返しな部分を見出したり、十七戦地のある作品と構造的に双子……まではいかずとも親子のように似通っていると気付いたり、アレとソレはセオリーに則っているなと思ったり、本筋以外の部分も勝手に楽しんでしまったり。
「LOVE」Chapter4
シンクロ少女
OFF OFFシアター(東京都)
2018/08/31 (金) ~ 2018/09/04 (火)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/09/04 (火) 14:30
価格2,800円
冒頭から新キャラが登場したりして「新章スタート!」な感たっぷり。
そんなプロローグから始まる不器用なオトナたちのラブコメディ、今回はいつもの「笑えてしんみり」に加えて「まさかアノ人に!?」を含めて何度か泣かされる。
考えてみればこの世代の恋愛譚って他にあまりないもんなぁ、うまいところを狙ったモンだ。
また、このシリーズ、等身大をホンのちょっとだけデフォルメした程度で全然ウソ(ってか物語)っぽくないそれぞれのキャラがいかにも実在していそうで身近に感じられるのが魅力だと改めて気付く。
で、イイ歳をしての恋愛という部分に「男はつらいよ」シリーズにどこか通ずるような気もしたり……。
キメラの聖櫃
劇団ショウダウン
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2018/09/01 (土) ~ 2018/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/09/01 (土) 16:00
価格4,000円
主な舞台は人里離れた村で、昨年前半に上演した「ドラゴンカルト」の続編に「ジェヴォーダンの獣」伝承も加えるという中二丸出し(笑)のホラー気味サスペンス。その雰囲気は往年の東映のプログラムピクチャーや映画化された海外古典SFをも想起させる大好きなヤツ。
そんな映画向きな内容を舞台で描いてしまうのがいかにもショウダウンでもあるか。
ただ、ひたすら現代劇で新機軸だった「ドラゴンカルト」に18世紀のフランスの伝承も加えたのは面白くもあり「従来路線(?)」の香りが混入して惜しいような気もする。
ところでドラゴンカルトの流れに融合させるネタが見つかったらシリーズ第三弾もありますよね、ナツメさん。(期待)
なお、観た後にWikipediaの「ジェヴォーダンの獣」の項目を読むと芝居に出てきた用語があったりもしてより理解が深まるかと。
『ボーイズオンファイヤーVSガールズオンファイヤー』
HYP39
ART THEATER かもめ座(東京都)
2018/08/29 (水) ~ 2018/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/08/31 (金) 20:00
ガールズオンファイヤー #GoF
単にボーイズの性別を反転してクライマックスの「競技」を替えただけではなく、基本的な設定・構造はボーイズと同一ながら各キャラも「ちょっとした事件」も変更した(そうだよね、女湯に男物のアレがあっても事件にはならないもんね(笑))いわば「翻案」作品。
その結果、ボーイスの「昭和の人情喜劇」に対してこちらは「イマの女たちの友情譚」に仕上がって両方観たことによる面白さ大幅増。
喩えて言えば「七人の侍」と「荒野の7人」みたいな関係か???(←あくまで「喩え」だってばぁ(笑))
で、帰り道の途中で気付いたが、この印象の違い、ガールズの女性キャラの何人かはイマっぽいのに対してボーイズの男性キャラはみんな普遍的(?)で昔も今もいそうだからかも?
『ボーイズオンファイヤーVSガールズオンファイヤー』
HYP39
ART THEATER かもめ座(東京都)
2018/08/29 (水) ~ 2018/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/08/31 (金) 14:00
ボーイズオンファイヤー #BoF
銭湯に併設されたサウナの常連たち(と新参者1名)の会話劇……かと思いきや終盤で驚くべき展開が!(笑)
観ていて妙に懐かしい感覚に囚われたが、気付いてみればそれは「昭和の人情喜劇」のノリ。
互いによく知っている仲であるがゆえちょっとしたキッカケで隠していた/抑えていた不満などをつい出してしまいトラブルとなるのは、たとえば「お笑い三人組」や駅前シリーズ・社長シリーズなどに通ずるような。
そしてそれだけでなく「雨降って地固まる」的にトラブルの収束によりメンバーが一歩踏み出す、というのも同様かな。
また、終演後に表情主宰と話したところザ・ドリフターズなどもお好きだそうで、終盤のアレはドリフと思えば大いに納得。
空の花壇は香らない
劇団ミックスドッグス×埋れ木
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/08/23 (木) ~ 2018/08/28 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/08/28 (火) 18:00
大千穐楽(アサガオチーム)
ド定番SFネタの1つ「アンドロイドに感情は芽生えるか?」というは一般的にはメインの物語の裏でひっそりと進行することが多いが、それをど真ん中に据えて「アンドロイドに感情を持たせようとするヤツら」の物語にするとは白昼堂々留守宅の玄関に軽トラで突っ込む窃盗犯のような、あるいは同情を買うために相手に「同情を売って下さい」と直訴するような、掟破りの「確信犯的犯行」で潔い。(笑)
星澤美緒さんの微かにロボマイムを取り入れた動きと抑揚をセーブした台詞回しだけでアンドロイドを実感できたのは当日パンフレットでアンドロイド役であると知って観たからか、その程度でもアンドロイドを「見せる」演技力か?(おそらく後者)
瞬きをしているかどうかしっかり観察するべきであったか?(帰路で気付いたので手遅れ(笑))
同情するなら金を積め
怪奇月蝕キヲテラエ
新宿眼科画廊(東京都)
2018/08/24 (金) ~ 2018/08/28 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/08/28 (日) 14:30
価格2,300円
特異な生い立ちの元チャイルドモデルがある目的で業界復帰し……な物語はマンガチックで「なワケねーだろ!(笑)」な部分と「そこはアノ人のこと?」的にいかにもありそうでリアルな部分とがバランスよく配されて愉しく、業界内幕的な部分はシニカルでニヤニヤ。
途中で出てきたあるシチュエーションに関する「あるある」を伏線としたラストの一言も落語のサゲのように鮮やかにキマる上に「本作を貫くもの」へのピリオド的な意味も持ち、まさに画竜点睛を打つ、みたいな。
また、主人公がコドモから高校生になった時点で主人公と愛犬の配役が入れ替わり「犬が小さくなってんじゃねーか」と思わせておいて「三世」と明かすのも面白い。
なお、前説で上演中のスマホのバイブ音などを「他のお客様のご迷惑になりますので」とするのは定番だが、「他のお客様の観劇への集中の妨げになりますので」と具体的に言うのはσ(^-^) の知る範囲内ではここだけと思う。
このように具体的に示すのはより効果的ではなかろうか?
また、伝聞だが電車の遅れにより開演を遅らせる際に、終演後に予定などがあるか確認したそうだ。
これはかつて劇団東京都鈴木区で実際に耳にしたことがあったが知る範囲内ではわずか2例であり、もっと広まるべきだと思う。
さよならサムゴー 再会
サムゴーギャットモンテイプ
王子小劇場(東京都)
2018/08/29 (水) ~ 2018/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/08/29 (水) 19:30
価格3,100円
まずはこれからご覧になる方々へ助言を。
一般的使用の場合の下手側(=ロビーから見て左側)のギャラリーでの演技がいくつかあるので上手側(=ロビーから見て右側)の方が観易いかも?(個人差はあります)
また、高校生活でのあれこれが題材でいくつものエピソードを重ねてゆく形式というのは20歳の国の作品群と共通ながら、片やリアルタイプ、片やエンタメ系とそれぞれ個性が出て異なる味わいなので、20歳の国ファンが観たら相違点が見つかって楽しめるのではなかろうか?
---ここから本来の感想---
微笑ましさ、胸キュン、おバカ、エロ、愛しさ、切なさ、心強さ、それに感動まで詰め合わせた「夏の福袋」。
誰しも「あぁ、そんなことがあったな」と似た経験を思い出す、あるいは「あんなことがあったらなぁ/あんなことをしたかったなぁ」とうらやむ高校時代の夏休みという題材、いくつものエピソードを重ねる形式、さらにはその見せ方、と長さを感じさせない要因を併用しており、体感的には90分くらいか?
150分にパワーアップした三演目が今から待ち遠しい♪(爆)
最初に登場した時はどう見ても先生より老けていた(爆)男子生徒(複数)が、いつの間にやら高校生に見えてくるのは演劇の魔法。(ホントか?)
ちなみにその男子の登場時のインパクトが隠れ蓑となって(笑)女子は何とか全員高校生に見えるという余禄アリ。(爆)
ワ・ラ・カ・ル・ト
日本コメディ協会
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2018/08/24 (金) ~ 2018/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/08/25 (土) 19:30
#ワラカルト2018
「コメディ」の枠にとらわれず落語あり日替りゲストの芸人さんの芸あり法廷劇リーディングありとバラエティに富んだ内容は松花堂弁当のよう。
「ある妹とその弟」
基本中の基本でコメディらしいコメディ。「コイツ、何言ってんだ!?」の連発で大いに笑う。
「落語」
演じた景浦大輔さんは声優とのことだがまるで噺家、しかも演目は複数あったらしく、お見事。しかしこの回の下げの「緑青」、客席にあまり通じていなかったのでは?
「日替わり芸人」
車掌風の衣装でも主張しているように鉄道が大好きという太田トラベルさん。得意なものは他にもあり、と前置きしてバルーンアートでプードルを作って見せ、そのままそちらの芸かと思わせてそれ以降はバルーンアートで鉄道路線図を作るというハイブリッド。1週間がかりで作った東京の路線図というオチも巧かった。
「四番目の証言」
コミカルな部分も多少はあるが弁護士、検察官、裁判官、被告、2人の証人(以上6人の人物を4人の役者で演ずる)による法廷劇リーディング。
コメディではなく、協会員たちの演技力をまざまざと見せつける、的な。
「Hana」
タイトルにちなんだ短編集……というか、それに先に書かれた短編から連想した内容も加えた感じ?
5つの出し物の最初と最後を形式の異なるコメディにしたのも構成の妙と言えよう。
ところでツイッターのハッシュタグに「2018」が付いているってことは、毎年恒例とする構想かな?(期待)
白雪姫という女
ライオン・パーマ
駅前劇場(東京都)
2018/08/23 (木) ~ 2018/08/26 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/08/25 (土) 14:00
今まで観た何本かはスピード感のあるハイテンションコメディという印象だったが、元ネタが(一種の)古典だけに格調を保ちながらじっくり語る感じ?
そうして描くのは「白雪姫」の後日譚。十数年後の王妃、王子、白雪姫、魔法の鏡(!)とそれを取り巻く一般人(!!)の「歴史は繰り返す」気味のハナシかと思いきや、終盤で驚くべき事実が!(笑)
元ネタの「真相」を暴くとは見事な発想。
で、そのクライマックス場面は「丘の上」という設定ながら、ついつい断崖の上のように錯覚。(笑)