「イッツ・ア・クローズドワールド」 公演情報 楽園王「「イッツ・ア・クローズドワールド」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/09/06 (木) 19:30

    価格2,800円

    何かを執筆中らしき姉と悪夢を見て起きてきた妹による第一場「真夜中の粗忽マンション」と、朝のホームルームで先生が転校生を紹介する第二場「ショートコント・転校生」から始まって以降、姉妹パートと転校生(それ以後は転校生ではないが便宜上こう呼称する)パートが交互に進行し、終盤で両者の関係のヒントは出すが明言せずに結論は観客に委ねるというスタイル。

    その関係はσ(^-^)の好きなヤツの1つだし終演後に長堀さんからM.C.エッシャーの作品(「昼と夜」など二つの世界が交差して描かれ、一方に注視するともう一方は背景のように感じるもの)をイメージしたと伺ってそれも納得。

    また、長堀さんが短編脚本を提供したりしているOi-SCALEに近い味わいでもあった。こういうの、大好きさ♪

    ネタバレBOX

    終盤で「マンガを描く」というキーワードで一気に関連付けられる2つの流れではあるが、それがタイムラグのある同じ世界なのか、一方がもう一方の「作中世界」なのかなど複数に解釈できる上にどちらが中でどちらが外か?とかさらに解釈が広がるのが面白い。これまた大好きな「胡蝶之夢」的世界。

    また、姉妹パートもどうやら妹が亡くなっているようではあるが、「誰がいて誰がいないのか?」的な解釈の余地アリ。
    そして姉妹で深夜の街に出てちょっと不思議な人たちと遭遇することに「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカムパネルラを連想したり、さらには時として「星の王子さま」も思い出したり。
    ちなみにあの姉妹に関して姉を演じた秋葉さんはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「メッセージ」を連想したと伺って、それも頷ける。

    なお、近くのマンションの屋上から投身自殺する悪夢を見たので、自分の死体がないかそのマンションに行って確認する、という発想は落語「粗忽長屋」の見事な応用。劇中でその関連を指摘する姉のツッコミ台詞より先に気付くことができてニンマリ。
    ちなみに映画「ロボコップ(第1作)」で、ロボコップが警察のデータベースにアクセスしてマーフィーの死を知る場面も「粗忽長屋」まんま。(笑)
    殉職したマーフィは確かにオレだが、それをデータベースで確認しているオレは一体誰なんだ?……おあとがよろしいようで、テケテンテン♪

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    2018/09/10 20:49

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