
レネゲイズ
Nana Produce
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/15 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/15 (火) 14:00
座席I列12番
価格6,000円
高木式現代宗教論にして「現代の神話」?(笑)
鵺的における高木作品は内部のエネルギー(?)が表皮を突き破って爆ぜるのに対して本作ではそれが内部に沸々としたまま留まっているような。
静かなのに大きなナニカが蠢いている感覚はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のタッチに近いか。
「先生」がああなるまでを描いた「エピソード0」と、後日譚な「その後のレネゲイズ」があって不思議ではない……というか、観た人それぞれにそれがありそう。

『アイラブユー』『日本演劇総理大臣賞』
ロデオ★座★ヘヴン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/10/03 (木) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/09 (水) 19:00
【日本演劇総理大臣賞】
昭和中期、ある劇団の稽古場風景と初の演劇総理大臣賞の選考会議の様子を交互に見せ……な物語。
二つの流れにはそれぞれ原典となる戯曲があるだけでなく、選考過程で語られる戯曲にも元ネタがあり、それらを知っている身には頬が弛みっ放しで執筆中の柳井さんも楽しんでいらしたのではないか?と推察。
しかしそれらを使って今の世の中への警鐘も鳴らしているので立派なオリジナルと言えよう。(某戯曲ネタ)
劇中の最終場の稽古を見る刑事の表情が(前の場を受けて)また良かった。

『アイラブユー』『日本演劇総理大臣賞』
ロデオ★座★ヘヴン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/10/03 (木) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/09 (水) 14:00
【アイラブユー】
過激なトークが人気のラジオパーソナリティ・キレリエに憧れて最終的にパーソナリティになる氷魚の成長記……は物語の1つの流れに過ぎず、パーソナリティ同士の意識やキレリエの煽りによって起こる事件などあれこれ様々な要素が絡みあう。
そうして編み上げられる物語は優しいようで実は残酷、劇画チック(NANAやカウボーイ・ビバップなどを想起)、近未来(劇中設定は現代だが一部のアイテムが)、不道徳、(ギャラリーから降ってくる)生ギターの音など小栗作品ど真ん中。

治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2019/10/03 (木) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/08 (火) 19:00
座席I列6番
3年前のシアタートラムでの再演は見逃しているので初演の駅前劇場以来の観劇だったが、戦争に向けた(?)国作りなど、初演の頃よりもより警鐘の程度が大きくなっているように思う。
また、「現人神」ではなく人間であろうと大正天皇が悩むことに「神の子」と讃えられたキリストが自分は奇蹟など起こしたりはできないただの人間であると苦悩する「ジーザス・クライスト・スーパースター」を思い出したりも。(初演では気付かなかった)

蘇芳香
有末剛 緊縛夜話
ザムザ阿佐谷(東京都)
2019/10/13 (日) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/13 (日) 14:00
価格4,000円
ザムザ阿佐谷で舞台・客席逆転の使い方を経験するのは初めて。
そして、開演しプロローグの後の暗転明けで幕が落ちて見えた舞台美術のオドロキ!
理屈では通常の客席の部分に平行に細縄が張ってあるとワカっていても斜めに張ってあるので前後方向にも張られているように思えてしまう視覚トリックも駆使したソレは見てビックリだし、仕込みの大変さ(?)も察してこれだけでもモトは採れたってモンですわな。
また、畳1.4枚分くらいの大きさの般若の面を描いた不透明スクリーンに影を落とす演出も以前の「盲獣」の応用的で面白い。
あ、もちろん「そこはそれだけで大丈夫なの?」も含む緊縛テクニックは言わずもがな。

紺屋の明後日
オフィス上の空
あうるすぽっと(東京都)
2019/09/20 (金) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/09/25 (水) 14:00
座席G列5番
価格6,500円
少年期に殺人を犯したが更生して働いている男のいる町のそばでかつての彼の手口と似た殺人が起こり……というキ上の空論には珍しい(初らしい)サスペンスタッチの物語。
少年による殺人について、かつての犯人と現在の職場の同僚、被害者遺族などの立場から多角的に描き、観る側も二通りの受け取り方をしそう(最終場のアレはその最たるもの?)。
ちなみにσ(^-^)(爆)は比率に差はあるがそれぞれの心情を理解。
少年犯罪についてはもちろん、贖罪や更正、ひいては「罪」というものに関してあれこれ考えさせて、「面白い」というのは的確ではなく、優れたあるいはよくできた作品と思う。
「面白い」と言えば打球や炭酸(の泡)を照明効果によって表現したのが独特で面白い。
また、衣装の(生地の)デザイン(かつての犯人は下方の黒が次第に薄らいでゆく染模様だし、他に紺が薄らいでゆく生地も)が良く、(得意の)深読み(黒が殺人であるように紺色も何かの罪を暗示しているのではないか?)もする。
終盤での中心人物二人の会話に松澤くれは作品と通ずるナニカを感じたのは、TLでそんなことを見たことやガキさんご出演であることによるだけではなかろう。(笑)
岩井七世、春名風花お二方は(少なくともσ(^-^)が存じている範囲内では)かつてなかったような役どころで「あ、新しい顔!」みたいな。(笑)
なお、最後のモノローグを聞きながら「もう罪は償い更正しているのに周囲から白い目で見られて気の毒」「過去のこととはいえ人の命を奪うという償いことができない罪を犯したくせに何を勝手な……」という相反する感情が起きた旨を中島さんに伝えたところ、執筆の意図は後者だったとの返答が。

計画その7「絆の果」 計画その8「隕石と熱海」
劇団Bケイカク
アトリエ第Q藝術(東京都)
2019/10/01 (火) ~ 2019/10/06 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/05 (土)
5日に14時の「絆の果」、19時半の「隕石と熱海」を続けて観劇。
共にいわゆる「アクションリーディング」で動きを伴うリーディングであったが、病の少女とその家族を描いた「絆の果」は動きが控えめ、アクションスペクタクル(?)な「隕石と熱海」はテキストを手にしているが一般的な芝居に近い動きと内容に合わせて比率を変えて対照的な味わいに仕上げたのが巧み。

ゆうめい『姿』
ゆうめい
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/06 (日) 14:00
作者の体験を元にしたフィクション。以前の「弟兄」はほぼ事実と聞いて魂消たが、本作はアレよりは創作部分の比率が高そう。
そうして描かれる内容はシビアだが演劇表現の面白さや軽妙なタッチによって演劇に昇華させているのが相変わらず見事。
特に「両親の心が離れてゆくのを止めようとする息子」「競馬場」の見せ方は白眉!
今と昔の似た場面を同時に見せて表見上は近くても当人の心境などが異なる、と表現するのも演劇的で◎。
あと、ダブルコールの時に舞台下手袖にいた音響・照明オペレーターを呼び寄せたのも良かった。ああいう位置関係だからできることではあるが。

ホテル・ミラクル7
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/10/04 (金) 20:00
価格2,200円
端的に言えば「保守の前半、革新の後半」あるいは「基礎編の前半、応用編の後半」。
前半はどちらか言えば現実的と言うか地味と言うかでこのシリーズを観続けている身からすれば食傷気味。
それに加えて他の3編が40分未満なのに対して2編目だけ45分というのはイタい。これのせいでランタイムが155分にもなったワケで、やはり1編30~35分に収めていただきたい。(20時開演が多いことも考慮してよね)
対して後半は「これがホテル・ミラクルだね」「こういうのが観たかった♪」な愉しさで、上演順の妙によって救われた印象。
ちなみに今回のキーワードは「桃色たすいち」(爆)

『わたしはザリガニになりたい』
美貴ヲの劇
スタジオ空洞(東京都)
2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/04 (金) 14:00
価格2,800円
今までに観た何本かと較べてポップでファンシーな感じ? 主人公が複数箇所を渡り歩くので場に変化がありキャラも沢山出てくるし……ではありながら根底に流れているのは(従来通り)ダークでビター?……と言うよりも今回は「シニカル」が一番的確か。

体温
白米少女
オメガ東京(東京都)
2019/10/03 (木) ~ 2019/10/06 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/03 (木) 19:30
価格2,800円
様々な人の生活の一部をサッと掬い取り1人のモノローグを中心にした連作スキット集、なオモムキ。 大半は人物がリレーする形式ゆえ人と人の繋がりなども浮かび上がってくる。終わってから人物相関図を作ってみるのも一興?

奥村さんのお茄子/あこがれ
こねじ
Galeri KATAK・KATAK(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/21 (土) 19:00
【あこがれ】
3人の登場人物(+α)の関係などが会話の端々から次第にワカってくるのが巧みだし、台詞に集中させる効果もあるのではないか?
そうして語る夫婦のエピソード、最初はハラハラしつつ、やがてほっこり。
こちらも会場にマッチしていた感じ。

奥村さんのお茄子/あこがれ
こねじ
Galeri KATAK・KATAK(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/21 (土) 16:30
【奥村さんのお茄子】
眼鏡に割烹着というなふさんのいでたち(と話し方)がマンガ原作ということ以上にマンガチックで非現実的な人物(例えばメリー・ポピンズとか)を表現してその登場の瞬間から物語世界に引き込まれた。
後方がガラス越しに外が見える会場の雰囲気もまた物語性を高めていたように思う。

天獄☆サンサーラ
演劇企画ヱウレーカ
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/09/21 (土) ~ 2019/09/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/21 (土) 11:30
価格2,000円
「あの物語」の「あのキャラ」たちの「その後」という着眼点に荒井主宰の非凡さを感じる。
さらにその発想を元にキャラクター設定をして物語を紡いで芝居を作り上げたことに感服。
あと、衣装もそれぞれ説得力があり良かった。

その美女、自覚なし!
カリンカ
シアター711(東京都)
2019/09/26 (木) ~ 2019/09/30 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/30 (月) 13:30
価格3,500円
ブッ跳んだ発想に基づいたマンガチックな忍者もの。
ナンセンス系コメディっぽく始まりながらも、次第に落語的な味わいがにじみ出てきて、しかも各人が持っている(?)劣等感とどう付き合うか、どう克服するかなんてことをテーマにしているのがイイ。
落語的味わいと言えば、終盤、エピローグ前の場の終わり方が落語のサゲのように感じられた。

カチナシ!
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/20 (金) 14:00
座席E列14番
価格3,500円
棋士(複数)の再起物語に得意の(?)介護・リハビリを絡めた物語。
池井戸潤作品で言えば「ギンノキヲク」が半沢直樹シリーズや花咲舞シリーズで、こちらは「ルーズヴェルト・ゲーム」や「ノーサイド・ゲーム」にあたるのではないか?
代表作「ギンノキヲク」と表裏をなす「内容スピンオフ」作品、一粒で二度オイしい感じで楽しめた。
開演前の初心者向け将棋のルール解説も親切でしかも楽しかった。

大塚由祈子ひとり芝居「売り言葉」
サキクサ
ゆうど(東京都)
2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/23 (月) 16:00
価格3,200円
高村光太郎の妻・智恵子を題材とした一人芝居。
初演(2002年)のスパイラルホールの無機質さに対して日本家屋での上演で印象は間逆と言ってよいほど。また、初演では舞台で自転車を乗り回していた記憶があるが、こちらはハンドルだけを使うなど小会場への落としこみも巧み。
で、劇中に「智恵子抄への売り言葉」という部分があるし、光太郎が描いた通りであろうとする智恵子が描かれたりもして、これは高村光太郎を告発するものではないか?などと思ったりも。(笑)
あと、言葉遊びなどはやはり野田秀樹作品だなぁ、とも。

純愛協想曲
劇団ヨロタミ
萬劇場(東京都)
2019/09/26 (木) ~ 2019/09/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/09/27 (金) 14:00
座席I列7番
価格3,300円
当日パンフレットの挨拶文によれば作・演出の坂本さんは「恋愛の話は苦手」とのこと。そのためか本作で描かれるのはありきたりな妙齢の男女や熟年男女の恋愛ではなく、年齢差が大きかったり同性だったりとイレギュラーなもの。
が、それゆえにむしろ「純愛」が強調されたような気がする。
そして恋愛だけでなく夫婦愛も描かれており、終盤で麻里子が伊佐男に妊娠を告げると同時に思いきりひねくれた言い回しで歌手を続けるよう励ます台詞が個人的なツボ。
ベテランの味わい、安心して観ていられて(←決して「守りに入っている」ということではない)イイなぁ。いや、「あのグループをネタにして大丈夫?」というのはちょっとヒヤリとしたか?(笑)

ばしょ
Pityman
新宿眼科画廊(東京都)
2019/09/20 (金) ~ 2019/09/24 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/22 (日) 19:00
価格3,000円
オーストラリアの日本人が経営する飲食店でを舞台にワーキングホリデーで働いていた女性の退職・帰国を前にしての送別会の夜(一部回想あり)のおハナシ。
そんな題材だけに劇中に外国人が出てくるワケだが、まず前説で外国人役はサングラスをかけることで表現する旨を宣言(笑)し、最初に外国人が登場するランチタイムのテイクアウトの場面で英語台詞の部分はちゃんとオーストラリア訛りにするというのが見事。
また、その場面で男子店員が英語をほとんど聞き取れないことを示しておくのでその後のエアーズロック観光の場面で「日本語吹き替え」にしても彼がワカっていないのが見て取れるという。
そればかりでなくガイドは現地人だが参加者は中国(だっけ?)やドイツから来た観光客なので英語が片言(日本語吹き替えなのに)なのまでワカるのが巧い。
そんなこんなを経て迎えるラストは問題がありつつ突き放すようなカタチで、ヤだねぇ!(笑)

先天性promise
こわっぱちゃん家
「劇」小劇場(東京都)
2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/22 (日) 13:30
価格3,500円
入場してまず気付いたのは曲面・曲線による構成は洗練されて美しいが、過去2回(複数の場所を1つの装置に組み込んでいた)に較べてシンプルな舞台美術。
そんな舞台美術の通りに芝居内容もど真ん中の直球な(SF風味の?)ヒューマンストーリー。
SFファンにはお馴染みのアレに落ち着きそうになるもそれを一捻りするのがまたオツ。