りさ子のガチ恋♡俳優沼
バードランドミュージックエンタテインメント
新宿シアターモリエール(東京都)
2019/04/19 (金) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/26 (金) 19:00
座席L列12番
価格6,000円
2.5次元舞台の出演者の1人に入れ込むあまり勘違いと思い込みから暴走した熱狂的ファンの顛末。
程度の違いはあれりさ子が抱いたような妄想は少なからずあると思われ、また、りさ子の観劇仲間の言動やSNSの投稿(舞台上での表現方法も巧いしかつ愉快)などまさしくそのまんま、みたいな?
さらに2.5次元舞台の内幕(と言うかバックステージ?)もさもありなんな描かれ方をしており虚実ない交ぜ。
開演直前のちょっとした仕掛けや終わり方も現実世界と劇中との境界線をぼかす効果をあげていたと思う。
なお、りさ子のキャラクターにバーベット・シュローダー監督「ルームメイト」(1992年)のジェニファー・ジェイソン・リーやジョナサン・カプラン監督「不法侵入」(1992年)のレイ・リオッタを思い出した。
ガチ勢とは対極の一線(いや、破線か?)を引いた接し方をしている身ゆえ本作も冷静かつ客観的に観ることができた。
「日本国憲法」を上演する
die pratze
d-倉庫(東京都)
2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
満足度★★
鑑賞日2019/05/09 (木) 19:00
【bug-depayse/Super D】(2ステージ中2ステージ目)
bug-depayse「彼について知っている僅かな事柄」
隠喩の意図するものを探りながら観るも、結局何が何だかさっぱりワカらず。
Super D「新日本国憲法」
前文(?)や条文を音声にしながら(朗読や群読、音読ではない)それを身体で表現したり、条文の内容を例示するスキットを演じたりのパフォーマンス。
表現法としては面白いが、時として音声が聞き取れないのはどうだろう?
まさか観客が諳じている前提ではあるまいな。
きく
エンニュイ
SCOOL(東京都)
2019/05/08 (水) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/08 (水) 15:00
価格2,500円
元気がなさそうなことに気付き「仲間なんだから話してみろ」と促された男が「実は……」と語るところから始まる「一種の」「特殊な」会話劇(?)。
前回公演では観ているうちにことばがゲシュタルト崩壊してゆくような感覚を味わったし、今回は「言葉ってこういうモンじゃないの?」という提示をされたような印象。
「言葉を遊ぶ(地口などのボキャブラマジックではなく言葉というものの本質について)」のが得意なのかしらん?
「日本国憲法」を上演する
die pratze
d-倉庫(東京都)
2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
鑑賞日2019/05/06 (月) 19:00
石川雷太 a.k.a. Erehwon「原発・ノイズ・日本国・憲法」
ビキニ環礁の核実験映像や舞台に並べられた放射性廃棄物の表示があるドラム缶から核関連、序盤と終盤のパフォーマンスから戦争や暴力に関するものは感じ取れたが憲法関連は全く感じられず。アフタートークで石川氏としての狙い・想いを伺えたがそれでもあまり理解できず。
美術家にしてノイズミュージックによる表現をする方とのことなので、そちら方面に慣れていればともかく、演劇側からの視点では無理もないことか?
とはいえパフォーマンス自体は(多少の冗長感はあれ)興味深く観ることができた。
「日本国憲法」を上演する
die pratze
d-倉庫(東京都)
2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/04 (土) 14:00
【Ammo/ノアノオモチャバコ】(4ステージ中2ステージ目)
Ammo「墨を塗りつつ」
新憲法に一行だけ附加することを許された弱小野党の策は?な物語。
奇しくも本作を観る前に史上最凶(狂?)の宰相が「2020年に新憲法施行」とぶちあげたニュースを目にしたために焦燥感・無力感が劇中人物たちと重なってまるでわが事のよう。
そんな中、彼らがそこから導き出した結果は痛烈な皮肉で「ヤラれたぁ……」あるいは「その手があったか!」でニヤリ。
加藤航平と八谷しほ「VOTE!」も「第98条・緊急事態」について例え話で語っており、それを踏まえた上で観た本作では具体的な条文で触れており、もはやそれは戦慄に近かった。
そして前者は高校生たちの議論(?)、後者は政治家たちの議論なのでそれぞれの精度も的確ではないか、とも。
しかし本当にあの首相に緊急事態など与えたら文字通りの「ナントカに刃物」ではないか、剣呑剣呑。
ノアノオモチャバコ「かてーのけんぽー(仮)」
憲法を家庭の問題に落としこんだとのことで、大日本帝国憲法から日本国憲法に替わるのはワカったが、他はあまりピンと来ず。
ま、大日本帝国憲法をあまり知らないので仕方のないことか?
そしてやはりσ(^-^) とノアノオモチャバコって相性が良くないのかもなぁ。
漆黒双六悪徒錦絵 『闇の黒蟲』
(有)オフィス パラノイア
「劇」小劇場(東京都)
2019/05/01 (水) ~ 2019/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/02 (木) 14:00
価格4,000円
名称だけは聞いたことがある藪原検校をモチーフとしたピカレスクもの。
とはいえ、主人公・杉の市がさほど「悪人」には見えず(といって義賊というワケではなく、それどころか強盗殺人なども犯している)終盤の負の連鎖により破滅に向かう展開は典型的な悲劇(ギリシアあるいは講談などの)に見えてしまう。
さらに、獄門の前の市中引き回しがゴルゴダの丘に向かうジーザスのように感じられてしまい、これ、くちびるの会「疾風のメ」から引きずっているな、と。(笑)
また、そこに限らず歌舞伎や大衆演劇などの表現法も取り入れた作風はまさしく「ハイブリッド時代劇」だな、とも。
ミラクル祭’19(ミラフェス’19)
新宿シアター・ミラクル
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/04/20 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/27 (土) 14:00
【B ver.】
「名前の無い名前を呼ぶ冒険」、転校経験が複数あったことに加え、当日に本作にまつわる目崎さんのツイートを目にしたこともあり、内容が手に取るよう。また、イイ話的に終わるのもイイ。
「ルージュド・ガールと落下傘」、「ねっとりした」感覚の会話劇。進行して行くにつれて過去と今との間に横たわる「時の流れ」が浮かび上がってくるのが味わい深い。
そりゃあ、まあ、ええ、
なかないで、毒きのこちゃん
駅前劇場(東京都)
2019/05/02 (木) ~ 2019/05/04 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/02 (木) 19:30
価格3,300円
ふとしたことで知り合い、その後に再会した男女はそれぞれ訳ありで……な恋愛系物語。
前回公演「とはいうものの。」同様ストレートプレイ寄りだが、笑いもふんだんにあり途中に思わぬ展開もありでさらにクライマックスのチェイスの迫力はハリウッドのアクション映画並み(個人の感想です(爆))。
そんな中でも特に負の方向にグッと引っ張ってから迎える結末のあたたかさがイイ。(これもハリウッド映画っぽいか?(笑))
「日本国憲法」を上演する
die pratze
d-倉庫(東京都)
2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/01 (水) 19:00
【身体思考/加藤航平と八谷しほ】(2ステージ中2ステージ目)
身体思考「九条小町」
ノンバーバルの身体表現とのことで「考えずに感じるヤツ」と思って臨むも、タイトルからテーマが見えているのによくワカらず。
最後に第1条から第9条までを読み上げる時に「内閣」を「内角」、「国会」を「黒海」のイントネーションで読んだ意図も読めず。
やはりこのテは観慣れていないとダメなのか?
加藤航平と八谷しほ「VOTE!」
コミカルなタッチながら改憲に関する国民投票で起こりそうなことや現憲法と改訂案の特色を戯画化して見せて鮮やか。(ある意味コワい)
それこそ高校を巡回して上演してはどうか?(それでもワカらんヤツにはワカらんか?)
なお、導入部の「学園祭で上演する芝居は憲法に関するものと国から指定される」という状況にAga-risk Entertainment「ナイゲン」を連想したりも。
死ぬ気はなかった。
新宿公社
小劇場 楽園(東京都)
2019/04/24 (水) ~ 2019/04/28 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/25 (木) 19:30
価格2,800円
不時着した円盤に搭乗していた異星人を保護し研究している施設の総務課の女性たちを中心にした物語。
番外公演だけに新宿公社らしからぬドタバタ気味のSFコメディがコペルニクス式転回を経て本格SF(星新一や広瀬正の短編に通ずる味わいか?)となりさらに意外なオチがつく異色作であり「へぇ、こういうのもアリなんだ」的な佳作。
ミラクル祭’19(ミラフェス’19)
新宿シアター・ミラクル
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/04/20 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/20 (土) 20:00
価格2,500円
【A ver.】
「ペルソナ・サークル」
演劇ならではの手法を使った映像化不可能作品。「ミステリーにおけるある手法を演劇に応用したらどうなるか?を考えた結果が本作」、と後から伺って大いに納得。
なお、鬼フェスでの初演とその後の「ディレクターズカット」版の自分の「観てきた!」コメントを再読し、「考えすぎでは?」と過去の自分にツッ込む。(爆)
そういえば、この手法を突き詰めるとアガリスクの「エクストリームシチュエーションコメディ(ペア)」になるのでは?とも考えた。
「海月は溶けて泡になる」
幕開けに提示される状況こそコミカルであるが、それが次第に人と人との繋がりとは何ぞや?という哲学的なテーマに変容してゆくのが面白い。
その展開から逆に考えると何とまぁ巧い状況設定であることよ!
なお、この2編のタイプの異なる作品の組み合わせにオフィス上の空「1つの部屋の……【黄チーム】」を想起。
いつもの致死量
こわっぱちゃん家
王子小劇場(東京都)
2019/04/24 (水) ~ 2019/04/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/24 (水) 19:00
価格3,500円
舞台美術家を擁しているだけに会場に入った途端に「そう来ましたか」と思う装置で語られるのは3つの流れが併行して進みながら最終的に1つにまとまる物語。
まずは登場人物が皆マジメと言うか真っ直ぐと言うかで、しかも物語の中で生きている存在感があるのがイイ。
が、世の穢れを知らない若者(=こわっぱ?(笑))が理想を語っているような気もして穢れてしまったオトナとしてちょっと眩しい。
いやしかし、だからこそ「そうあって欲しい」「こんなだったらみんなが幸せになれるのでは?」な優しい世界がステキ。
また、劇中で1回時が跳ぶがそのことを会話からすぐに観客に伝えるだけでなく、その「跳んだ間」に「変化」が起きていることを早い段階で見せ、「その原因」が何なのかすぐには明かさないことで観客の興味を引っ張るのも巧い。
あと、ところどころ定番的と言うかベタと言うか既視感のある台詞もあるが、それが借り物っぽく浮いたりせず、ちゃんと話の流れの中で活かさているのもワザだね。
H&ERO
Peachboys
シアター711(東京都)
2019/04/23 (火) ~ 2019/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/23 (火) 20:00
価格2,200円
いつもながらの「いいオトナのホンキの悪ふざけ」。
もしも観ている途中にふと我に帰ったら「今、自分は一体何を観ているんだ?」な疑問に囚われる(爆)かもしれないが、そんな余地を与えないほどに数々のネタが押し寄せてくる。
パロディで実在の人物やマンガ、アニメ、ゲームなどのキャラが数々登場するが、マジで似ているもの・演劇表現として似せているもの・決して似てはいないがイキオイでそう見えてしまうもの(笑)などパターンが様々なのも面白い。
本作に限らず毎度のこと(爆)ではあるが、パロディのヤバさ加減はカカフカカ企画と双璧を成すのではないか?(笑)
「まさかのアレ」を伏線に使うクライマックスからのタイトルをキメるきれいなオチと思いきや、さらにもう一段落とす「三段締め」も見事。
「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」
マチルダアパルトマン
すむぞう外苑前スタジオ(東京都)
2019/04/12 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/20 (土) 14:00
【ばいびー、23区の恋人】
東京23区に1人ずついる恋人に別れを告げに行くという女性と彼女を案じて同行するその友人のロードムービー的物語。
いや、ほとんど室内での別れ話だけなのに設定ゆえかロードムービーっぽい印象で受け取ってしまうのは不思議。池亀マジックか?
また、そういう内容ながら単調にならない構成の工夫が巧い。
踊るヤマンバ
昭和芸能舎
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/04/16 (火) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/18 (木) 15:00
座席G列12番
価格3,300円
開演前BGMの懐かしき歌謡ポップスに浸っていざ開演すると冒頭で舞台となる時代設定が1996年と明かされて「あぁ、みんなあの頃の曲であったか」と納得。
そして始まるのはキャバクラのホステスたちを中心とした人間模様、胡散臭い芸能プロダクション社長などいかにも「あの頃」の感覚?(笑)
で、終盤で「あのテーマ」に触れた時に「あぁ、羽原戯曲だなぁ」思うことひとしお。しかも今でもまだ風当たりが強いであろうカミングアウト、1996年という設定だけに主人公の決意の強さが偲ばれるし、その後の反響(劇中では描かれない)に想いが及んで強調されるシカケ……巧いよね。
その主人公のカミングアウト直後の回想シーンも彼女が歩んできた人生を簡潔・端的に見せて巧み。
そしてそこからのフィナーレの選曲も劇中ならびに現実のイマとも的確というかハマっているというか。
お約束的な次回予告も「例のアレ」なんだが、グレードアップ版というか、ちゃんと進歩していて見事。(笑)
組体操でお馴染みの「扇」がキャタピラのように動くのもアッパレ!
SHOOTING PAIN
ピヨピヨレボリューション
王子小劇場(東京都)
2019/04/05 (金) ~ 2019/04/16 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/11 (木)
通し券でRIPEとFRESHをマチソワで観劇。
【RIPE】14:00
プロローグに続くオープニングナンバーで歌とダンスが始まった時点で「あ、モロにピヨレボだ♪」というくらいにライブstyle演劇の特色が前面に押し出される。
コロブチカによる初演版が産み落とした卵をピヨレボがあたため、幼虫(リーディング(未見))、さなぎ(ストレートプレイ)を経て見事に羽を拡げたと言えよう。(卵→幼虫→さなぎ→成虫と変態する生き物は卵をあたためない、とかいうツッコミはご勘弁願います(笑))
また、ストレート・プレイ版を観た時には初演版をかなり忘れていたので気付かなかったが、真相・結末を知った上で観ると序盤から「あぁ、なるほどね」という伏線や真相のヒントがちりばめられており改めて感心。
ちなみにアフターイベントは「ピヨピヨXXXライブ」。
【FRESH】19:30
物語の中心となるマツリが二人一役という「応用編」。
「二人マツリ」は時として心の声と実際の声だったりラストが効果的だったりでなるほど、と納得。
ちなみにアフターイベントは「BANZAIJAPAN踊ってみた」。
Speak of the devil『DJANGO Ⅴ』
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2019/04/11 (木) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/16 (火) 14:00
座席D列1番
価格4,000円
魂を取りに来た下級悪魔が狡い手口を使う悪魔によってピンチに陥った人間を助けることになるという人情噺的人気シリーズ久々の新作(第5弾)。
大筋は毎回同じだが、今回の「被害者」は老人ホームの入居者たちで、その一癖も二癖もあって「くえない」したたかさが(キャラクター設定としてもそれを表現する演技としても)ミソ。まさしくベテランの味を活かした感じ?
疾風のメ
くちびるの会
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/17 (水) ~ 2019/04/22 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/17 (水) 19:30
座席F列15番
一見シュールでファンタジックに見えるが中心となるのは特殊な「力」を持った主人公が勤務先で不審なことが起こるわ同棲中の相手から別れを切り出されるわ街ではトラブルに巻き込まれるわと踏んだり蹴ったりな受難物語。
同時並行的に進行するそれらの難がリンクしたりしなかったりな構成と、そこから主人公がたどり着く結末が巧い。
また、そこから「ある有名な物語(?)」を連想したりも。(ネタバレBOXへ)
花園 HANAZONO
舞台芸術集団 地下空港
座・高円寺1(東京都)
2019/04/13 (土) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/16 (火) 19:00
座席G列14番
登場人物に後醍醐天皇がいることを知って「歴史もの?苦手かも」と思ったがそれは杞憂に終わり史実とはほぼ無関係、日本昔話から入り能楽に転じ魔女の出てくる(ディズニーがアニメ化するような)西洋童話的展開から一瞬のマクロスを経てスペクタクル、そして迎える大団円というダイナミックで娯楽的な内容で楽しめた。
また、日本古来の色を使った衣装、どこから当ててるの?を含め多彩なテクニックを駆使する照明、ラップやシャンソン風まである楽曲など見どころも多く、満足満足♪
W PLAY
制作「山口ちはる」プロデュース
シアター711(東京都)
2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★
鑑賞日2019/04/14 (日) 14:00
価格3,500円
公演初日に会場のダブルブッキングが発覚して……なショウ・マスト・ゴー・オン系バックステージコメディ。
出だしの状況は菅野臣太朗「仕込んでいこう!」(2008年初演)と同様だが、あちらはそうなるに至った事情と解決への過程を描くのに対してこちらはその後のステージでのドタバタを中心、と内容は異なる(堤泰之「ダブルブッキング」(2008年初演)はそもそも状況から異なる)ので問題はなし。
また、そういう状況の原因があまりにお粗末とか、契約やら劇場webでのスケジュール公表やらで当日まで事態が発覚しないことはないであろうとかは「芝居のウソ」としてギリギリ容認できるが、使用予定の2組がそれぞれ別のルートでチケットを販売し、全日程完売なのに合同公演を行うという解決法はあまりにも無理で容認できない。定員の2倍の客をどう処理したのか?
むしろ両者とも客席の半数程度しか売れていなかったのであればすんなりいったのではないか?(何か聞き落としたか???)
元凶となった人物の落語の与太郎のようなおマヌケぶりやアイドルトリオの設定、ストーカー気味の熱烈なファンの使い方、さらに迎えた本番舞台でのピンチとそのリカバーなど、ドタバタコメディとしてそれなりの出来なだけに、おろそかな一点のために醒めてしまったのが残念。(よって星2つ減点)