満足度★★★★
鑑賞日2019/08/18 (日) 18:00
初日である15日ソワレを観て急遽アフタートークが決まったこともあり18日ソワレにリピート。
初日には大笑いしつつも「これを笑い飛ばしていいのか?」という疑問が小さなトゲのように残ったが、リピートしたことで多分それは物語の流れを追い表面的なことに注目していたためか?と気付く。
本作は確かに第二次世界大戦中を舞台にしているが、本質・主題は今の日本(の政治)に対する痛烈な皮肉ではないか?
最初は「印象操作」でごまかそうとしながらそれは難しいと察し事実の隠蔽から改竄へ、という流れはまさしく昨今、ちょくちょく行われていること(嘆)であろう。
今の日本もあの中のある段階まで来ており、すると「ああなる」のも時間の問題であるという警鐘ではないか?
また、ラストは「あの芝居の世界」の中では一件落着ではあるが、それが「その後にもたらすもの」あるいは史実としてのあれが「その後の日本にもたらしたもの」を考えるとズシリとした重さがある。
そんなこんなでいかにもアガリスクらしい、かつブラック、かつシニカルな一編と言えよう。
なお、14日・15日の2日間で観た3本の芝居、2本はかつてあった事件や出来事をモチーフとしていて1本は架空の「王国」を舞台としていたがいずれも「イマの日本」に通ずる部分が少なからずあり、そうだよね、芝居ってそういう側面もあるよね、と改めて認識。