溺れるように走る街
吉祥寺GORILLA
劇場HOPE(東京都)
2021/12/09 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
物語の軸となるのが芸人コンビがパーソナリティを務める深夜のラジオ番組なだけに舞台美術、照明効果とも「夜」のイメージが前面に出ており、ラジオ局のスタジオを再現しているような装置も含めてそれだけで一見の価値アリ。劇場HOPEの舞台後面の壁って初めて見たかも?
スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
BABEL
演劇企画 heart more need
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
観ながらタイトルとの関連で「もしも人間が思い上がって神の場所に届く塔をなどと考えず、同じ言葉を使っていたら……」などと思ってしまった。
カナリヤ
日本のラジオ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/23 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
カルト教団のメンバー(幹部から新人まで)に時々取材するライターが絡む会話劇。
世間を騒然とさせたある事件の前日譚的ではあるが、教団メンバーも(1人を除いて)ごく普通の穏やかな人に見えるのが不気味。(一見マトモそうながら過去があったりもするが)
IN HER THIRTIES 2021
TOKYO PLAYERS COLLECTION
サンモールスタジオ(東京都)
2021/11/17 (水) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭、舞台に登場した30代の「私」たちが20代での主な出来事を確認しあうのは「IN HER TWENTIES」を観ていない観客への前提提示でもあろうが、「IN HER TWENTIES」初演も観ている身には「あれから10年なんだ」と思わせるものにもなり、10年という歳月を実感させるシカケとして極めて有効。
Jeanne
鬼の居ぬ間に
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
異端審問パートの(細部はもちろん異なるが)芯となる部分に「ジーザス・クライスト・スーパースター」のピラトの審問と通ずるものを感じたり。そしてここに限らずキリスト教に造詣が深いか否かで受け取り方が(どころか理解度も?)異なるのではないか?とも。
夜から夜まで
劇団競泳水着
駅前劇場(東京都)
2021/05/12 (水) ~ 2021/05/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
コクのあるオトナの恋愛(性愛?)群像劇。人物設定にしても彼らの関係性にしてもオーソドックスなものからいかにもイマっぽいものまで多彩でそこにコメディリリーフも配したのはさすが。
ここ1年ほどの間に観た芝居でコロナ禍の影響を取り入れたものはもちろんあったが、演者がマウスシールドをしているとかその程度の「察してね」レベルだったが、積極的に物語に取り込んだのはσ(^-^) が観た範囲内ではこれが初ではないか? 逆に言えばコロナの影響がなければ違う展開になったかもしれないと言えよう。
太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
女性解放運動の闘士(?)たちとその周辺。各人物が出入りする「庭」での言動からそれぞれの考え方を浮き彫りにし、観客に分かり易く伝えるシカケが鮮やか。
そうして「女性に対するああいう感覚の男、未だに脈々と受け継がれているな」などと観ているうちに、最近の出来事そっくりの内容や近い将来なりかねない事態などが描かれて慄然。
また、「鳥」や「風」での隠喩も巧い……とか言いつつ、それらを読み取れたかどうかは怪しかったりするが。(←最近こういうのが多いσ(^-^) である(爆))
お父さんゲーム
劇団天動虫
シアター711(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
あるコンプレックスから亡父の通夜さえスルーしようとした二女を中心にした一夜の顛末。場合によっては重くなるかもしれない題材をポップで賑やかに見せるのがここの特徴か。
また、有名童話の「知られざる結末」の引用もあるのでそちらを読んだらまた新たな気付きがあるかも? なお、当日パンフレットの「人物相関図」もありがたい。
くらやみダンスの宝島
くらやみダンス
スタジオ空洞(東京都)
2021/11/25 (木) ~ 2021/11/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
隠喩やファンタジー、心象世界などで彩られているが、芯はまず兄の「冒険」を、次いで弟の「冒険」を、そして両者を合流させたクライマックスは活劇もありと典型的な「冒険活劇」で娯楽作としても楽しめた。
σ(^-^) もそのうち「海」を探しに行くかな……
音楽劇 百夜車
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/10/29 (金) ~ 2021/11/02 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
連続殺人事件を軸に、被告はもちろん。取材記者、被疑者家族、裁判員など関係者それぞれ複数のドラマで降りあげられた物語。その「場の切替え」のバランスが絶妙であたかもつづれ織りの如し。そこに生演奏・生歌がふんだんに盛り込まれるとは何と贅沢な。
チラシ裏面のビジュアルに通ずる「垂れ幕(?)」の使い方も面白くかつ効果的。
第一幕の幕切れも舞台配置で「あるもの/あること」を想起させてからの「あの宣言」というのも鮮やか。
ところでトランペットを吹いていたゲストミュージシャンがノン・クレジットなのは何故?(ま、見ればワカるけれども(笑))
24歳のフォーチュン!ウェディング
人間嫌い
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2021/11/03 (水) ~ 2021/11/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
24歳とその少し上・少し下の女性たちの結婚観・恋愛観。
年齢や立場による違いがキャラクター造形と共に巧みというか鮮やかというかで、世代も性別も異なる身としては「高みの見物」的に客観的に観て楽しめた。
「あの怪物の名は太陽の塔」
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
70年代を舞台にした知的障碍者との距離(の取り方/詰め方)に関する物語でいろいろ考えさせられた。そして本編幕切れの「少し後」を思わせるカーテンコールでは「もう一人」の人物が見えるよう。開演前のBGMも懐かしかった。
ちーちゃな世界
青春事情
駅前劇場(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
東京から5~6時間かかる田舎のペンションに訳ありらしき客が訪れて……な物語。人物それぞれに「過去を背負って」いる中、ペンションの主人が常に前向き・ポジティブなのが好ましい。ただ、結末はやや強引と感じた。
なお、「世界は今夜も回ってる」(作:門肇、2001年)を想起。
ラブピー
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
良作というか良心作というか、SF・家族の話・生死の話という3編で構成されているがそれぞれに接点アリ。そんな各編に「悪い人」は登場せず、微笑ましかったり優しかったり温かかったり。そして3編の時系列を考え「もしもあの時……」と想像を膨らませるのも一興。
およそ七人の侍
劇団S.W.A.T!
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/09/29 (水) ~ 2021/10/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
かつて大ヒットした映画「七人のお侍さん」のリメイク案を捻出するために社内の各部門から集められた七人の面々……な物語。冒頭、その面々が観ている設定で演じられるアノ映画の名場面・名台詞に胸アツ。
その後も映画の企画に関するあれこれや秘話(?)など盛りだくさんで楽しい楽しい。
暫しのおやすみ
劇団競泳水着
駅前劇場(東京都)
2021/10/02 (土) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
かつて「トレンディドラマ路線」と銘打って公演していた団体だけに、中堅女優が適応障害やパニック発作でドラマや舞台を降板する昨今を鑑みて「令和のトレンディ芝居」と言えまいか?
レプリカシグナル
たすいち
シアター711(東京都)
2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今も昔も変わらぬ「ある気持ち/想い」と現代社会だからこそ起こる(実際に起きている)ことを融合させた着想が見事。そこに笑いと切なさ、新たな気付きまで交えて娯楽性たっぷりに描くのはたすいちの真骨頂か?
30歳の制服デート
サキクサ
雑遊(東京都)
2021/10/05 (火) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
男性観客としてタケルの困惑/当惑にエラく共感しながら観ているも終盤でミナミの心情が吐露された場面で納得、というかホロリ。そして実は序盤ではっておいた伏線をきちんと回収するラスト、といかにも深谷作品。また演者お二方もお見事、アッパレ!
ユートピア
singing dog
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/01 (金) ~ 2021/10/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
専制君主……どころか独裁的だった父の入院の報で久々に集った三兄弟。題材は違えど緊張感が漂う作風はここの特徴か。それでいて終盤でいつの間にかふわりと軟着陸する方向に向かうのが巧み。
この少し前に観た吉田恵輔脚本・監督「空白」と通ずるモノがあるような気も。